『パラサイト 半地下の家族』や『新感染半島 ファイナル・ステージ』の大ヒットにより、世界中から注目を集めている韓国映画。
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ですが、すでに公開されている作品が多すぎてどこから手をつけて良いのかわからない…という人もいるのではないでしょうか?
また、『冬のソナタ』がヒットした2000年代の第一次韓流ブームから約20年で、作品の雰囲気や傾向も変わってきています。
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この記事では、韓国映画初心者に絶対おすすめの厳選30作品をライター独自目線のランキング形式でご紹介します。
目次
- 1.韓国映画おすすめランキングベスト30【初心者向け】
- 1.1第30位『グエムル-漢江の怪物-』
- 1.2第29位『ディヴァイン・フューリー/使者』
- 1.3第28位『猟奇的な彼女』
- 1.4第27位『イルマーレ』
- 1.5第26位『コンフィデンシャル/共助』
- 1.6第25位『シークレット・ミッション』
- 1.7第24位『ミッドナイト・ランナー』
- 1.8第23位『私の頭の中の消しゴム』
- 1.9第22位『JSA』
- 1.10第21位『オールド・ボーイ』
- 1.11第20位『王になった男』
- 1.12第19位『ベテラン』
- 1.13第18位『怪しい彼女』
- 1.14第17位『EXIT』
- 1.15第16位『The Witch / 魔女』
- 1.16第15位『国際市場で逢いましょう』
- 1.17第14位『神と共に』
- 1.18第13位『新感染 ファイナル・エクスプレス』
- 1.19第12位『殺人の追憶』
- 1.20第11位『悪人伝』
- 1.21第10位『チェイサー』
- 1.22第9位『アジョシ』
- 1.23第8位『エクストリーム・ジョブ』
- 1.24第7位『サニー 永遠の仲間たち』
- 1.25第6位『ビューティー・インサイド』
- 1.26第5位『ハロー!?ゴースト』
- 1.27第4位『無垢なる証人』
- 1.28第3位『パラサイト 半地下の家族』
- 1.29第2位『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』
- 1.30第1位『7番房の奇跡』
- 2.韓国映画おすすめランキングベスト30【初心者向け】:まとめ
韓国映画おすすめランキングベスト30【初心者向け】
第30位『グエムル-漢江の怪物-』
- 『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督によるモンスター・パニックムービー
- 韓国での観客動員数1,300万人を突破した大ヒット作
- ソン・ガンホ、ぺ・ドゥナら韓国の実力派俳優たちが怪物と戦う家族を熱演!
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2006年に公開された『グエムル-漢江の怪物-』は、日本人にも馴染みやすいモンスター・パニックムービー。
在韓米軍が垂れ流した薬品が韓国・ソウルを中心を流れる漢江に流れ出し、その結果正体不明のモンスターが誕生。
川辺でくつろぐ人々を次々と恐怖に陥れるなか、川辺で売店を営むカンドゥの娘・ヒョンソが怪物にさらわれてしまいます。
かろうじて生き延びたヒョンソは、怪物の隠れ家である下水道から携帯電話を使って家族に連絡。
その頃政府は、未知の生物と接触し、ウィルスに感染した可能性があるカンドゥを捕らえようとしていました。
カンドゥたちパク一家は、ヒョンソを助けるために政府から逃れながら怪物を探すことになります。
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当時は斬新だったVFXを駆使したグエムルのビジュアルはグロテスクそのもので、漢江に現れたグエムルと逃げ惑う人々の映像は迫力満点!
また、作品に社会風刺を盛り込むポン・ジュノ監督らしさもあり、今作は2000年に在韓米軍が大量のホルムアルデヒドを漢江に流出させた事件にヒントを得ています。
作品によっては難解と言われるポン・ジュノ監督作品ですが、『グエムル-漢江の怪物-』は、どちらかというとエンタメ寄りで誰でも観やすい作品です。
家族が繰り広げるドタバタ劇から社会問題を風刺、不思議な結末を迎える展開は、『パラサイト 半地下の家族』にも共通している部分が多いように感じます。
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第29位『ディヴァイン・フューリー/使者』
- 『梨泰院クラス』でパク・ソジュンにハマった人におすすめ
- 韓国では人気ジャンルの1つである「悪魔祓い」アクション
- 国民的俳優のアン・ソンギや新人俳優のウ・ドファンら韓国の名優が共演
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父子ともに熱心なキリスト教信者だった総合格闘技世界チャンピオンのヨンフは、幼少期に事故で父親を亡くしたことをきっかけに信仰心をなくしたまま成長しました。
ある日、ヨンフは自分の右手に見覚えのない傷を発見。
ヨンフが傷について調べていると、何かに導かれるようにバチカンからやってきたエクソシストのアン神父と出会い、彼とともに闇の勢力との戦いに巻き込まれていくことになります…。
2020年に公開された今作は、韓国では人気ジャンルである「悪魔祓い」を題材にしています。
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総合格闘家の主人公を演じるパク・ソジュンの鍛え上げられた肉体と、繰り出されるアクションにうっとり…!
優しきアン神父を演じる韓国の国民的俳優アン・ソンギの父親のような包容力と、悪役・ジシンを演じる新星ウ・ドファンの演技レベルの高さに驚かされます。
『パラサイト 半地下の家族』に長男のギウ役で出演しているチェ・ウシクも頼りない先輩エクソシストとして登場し、パク・ソジュンと本当に仲良しなんだな〜とほっこりしてしまいます。
『ディヴァイン・フューリー/使者』は、若き格闘家とベテランエクソシストというバディものとしても楽しめる、1度で2度美味しい作品です。
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第28位『猟奇的な彼女』
- 2000年代第1時韓流ブームの時に大ヒットしたラブコメの代表作
- やることなすことヤバすぎな「彼女」を演じたチョン・ジヒョンに釘付け!
- ラブコメながらちょっと切ない物語に涙がホロリ
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韓国映画も例外ではなく、2000年代は『JSA』や『オールド・ボーイ』などのヒット作が連発していました。
そんな2000年代の韓国ラブコメ代表作が、チョン・ジヒョンとチャ・テヒョン主演の『猟奇的な彼女』です。
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地下鉄で泥酔した美女を介抱することになった大学生のキョヌは、凶暴で過激な彼女の行動に振り回されつつも、次第に心惹かれていきます。
意を決して思いを伝えたキョヌでしたが、彼女はすでに両親の勧めによるお見合いが決まっており…。
今作は、当時流行っていたキム・ホシクのネット小説をもとに、冴えない大学生が「猟奇的な彼女」に振り回されるラブコメディ。
実話を元にした作品も多い韓国映画ですが、今作も原作者のキム・ホシク自身の体験談であることが驚き!
なんといってもチョン・ジヒョンが演じる彼女が暴力的でありながらも可愛すぎ。
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また、チャ・テヒョンが演じる彼女に対して一生懸命応えようとする大学生・キョヌにも母性本能がくすぐられました。
幸せに見えつつも2人の楽しい時間は長くは続かず、ラブコメでありながら韓国映画らしい泣かせるラストを迎えます。
今作の主題歌で、シン・スンフンが歌う「I believe」は、韓国映画史上に残る名曲です!
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第27位『イルマーレ』
- チョン・ジヒョンとイ・ジョンジェが共演したラブストーリーの決定版
- 一軒の海の家を舞台に時を超えた文通で愛を育む男女を描く
- 韓国では今作を見たカップルは結ばれると言われた
王道の韓国ラブストーリーが好きな方におすすめの作品が、『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョンと、『神と共に』シリーズで閻魔大王を演じていたイ・ジョンジェが共演した『イルマーレ』。
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1997年、海辺の一軒家に引っ越してきた建築家の青年・ヒョンソはその家に「イルマーレ」と名付けます。
その夜、郵便受けに「前の住人」と名乗るウンジュという女性から1通の手紙が届いたのです。
手紙の日付が1999年となっていることに違和感を感じ、さらにウンジュが先に起こることを予言していたため、不思議に思ったヒョンソはウンジュと文通を始めることになります。
最初は2年のギャップを面白がってやりとりを続けている2人でしたが、未来のウンジュは次第に過去のヒョンソを通じて自分の過去を変えられるのでは…と思うようになり…。
時空を超えて想い合うという定番物語でありながらも、今作にはなんともいえない美しさがあります。
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韓国映画でありながら、フランス映画を見ているかのようなスローテンポの今作ですが、周りの景色に波風があまり立たないことが、逆に物語を際立たせてくれます。
『イルマーレ』は2001年の作品ですが、今見返したら『君の名は。』に通じるところもあるとかないとか。
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第26位『コンフィデンシャル/共助』
- 『愛の不時着』でヒョンビンにハマった人におすすめ
- 北朝鮮と韓国のエージェントの共同捜査を描くアクション・サスペンス
- ヒョンビンとユ・ヘジンのネタになりそうなくらいの凸凹コンビっぷりに爆笑
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皆様ご存知のヒョンビンと韓国の名バイプレイヤー、ユ・ヘジンが共演した『コンフィデンシャル/共助』は、南北の捜査官たちの共助捜査の物語を描く、スタイリッシュなアクション映画。
アメリカドルの偽札を作る犯罪組織の捜査中に仲間と妻を殺された、北朝鮮の刑事イム・チョルリョン。
韓国に逃げ込んだ犯罪組織を追うために、北朝鮮と韓国は歴史上初めての共助捜査を行うことになります。
しかし、韓国側は庶民派のダメ刑事、カン・ジンテを捜査に当たらせることに。
性格も思想も全く正反対の2人が、それぞれの思惑を胸に凶悪な犯罪組織との戦いに身を投じていきます。
『コンフィデンシャル/共助』でヒョンビンが演じているのが北朝鮮の刑事、イム・チョルリョン。
今作も北朝鮮側の人間ですが、チョルリョンは血も涙もない無口なリ・ジョンヒョクと言ってもよいキャラクターです。
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対する韓国側のダメ刑事・ジンテを演じるのは、韓国屈指のバイプレイヤーであるユ・ヘジン。
ユ・ヘジンは、韓国人の人情深さや庶民的な部分を担う俳優で、映画を中心にこれまでにも多くの作品に登場しています。
ネタになりそうなくらい見た目も性格も正反対な2人ですが、庶民派のジンテとおせっかいな彼の家族によって心が解されていくチョルリョンにほっこり…。
スタイリッシュなアクションとコメディパート、ユ・ヘジンに翻弄されるヒョンビン、北朝鮮と韓国の生活の違いなど、あらゆるギャップが笑える作品でもあります。
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第25位『シークレット・ミッション』
- 『星から来たあなた』『サイコだけど大丈夫』のキム・スヒョン主演のスパイ・アクション
- 『愛の不時着』にも登場した「あのキャラ」が主人公の物語
- イケメンスパイたちの活躍と息を呑むアクションが見どころ!
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原作は韓国のウェブ漫画で、韓国に潜入捜査官としてやってきた北朝鮮工作員の青年たちに下される、思いもよらぬ作戦を描くスパイ・アクション。
2014年のドラマ『星から来たあなた』に出演し、注目を浴びたキム・スヒョンが主演を務め、ドラマ『愛の不時着』の第10話に『シークレット・ミッション』の役柄のままカメオ出演したことで話題になりました。
北朝鮮工作員5446部隊のエリート工作員・リュファンは韓国の貧民街に潜入し、バカな青年を演じながら地元の人々と馴染みつつ、祖国から与えられる任務を待っていました。
その後、次々とリュファンと同じような工作員たちが送り込まれ、リュファンは彼らが韓国での生活に馴染めるように手助けをします。
しかし、韓国での生活に慣れてきた頃、突如北朝鮮から「5446部隊は全員自決せよ」という思いがけない指令が下されたのです…。
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前半はほとんどコメディですが、キム・スヒョンのバカとかっこいいキャラを使い分ける二重人格のような演技が見もの!
また、リュファンを追いかけてやってくる後輩たちも、俺様タイプに先輩大好き弟属性とあらゆる女性の母性本能をくすぐる男性キャラばかりなので、イケメン俳優を追いかけている方にもおすすめです。
韓国での潜入活動があまりにも長く、身近な人々に愛着を持ってしまっていたリュファンや、韓国での生活を楽しんでいた彼の後輩たち。
祖国を信じ、祖国のために働いてきたはずなのに、あっけなく祖国に裏切られる若い命を思うとやり切れない気持ちになります。
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第24位『ミッドナイト・ランナー』
- 中島健人と平野紫耀主演でドラマ化された『未満警察 ミッドナイトランナー』の元ネタ
- パク・ソジュンとカン・ハヌルが凸凹コンビを熱演!
- アクション・コメディなど全てにおいてバランスが良い物語で入門編にはピッタリ!
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SexyZoneの中島健人とKing & Princeの平野紫耀がW主演を務めたドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』をきっかけに今作を知った方も多いと思います。
2018年公開の『ミッドナイト・ランナー』は、ドラマ『梨泰院クラス』のパク・ソジュンと『麗〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』のカン・ハヌルがW主演を務めたアクション・エンターテイメント。
警察学校に通う行動派のギジュンと頭脳派のヒヨルは、休暇の外出中に偶然女性の誘拐現場を目撃してしまいます。
警察に報告しに行くも別の事件で忙しいと取り合ってくれず、女性の命が危険であることを判断した2人が意を決して独自で捜査を始めますが…!?
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『ミッドナイト・ランナー』で久々に韓国映画を見たのですが、なんとまぁ完成度の高さに驚きました。
アクションや背景になっている事件にもリアリティがあり、シリアスな部分もありつつもたまに入るギャグが全然嫌味じゃない、全てにおいてバランスが良い作品です。
イケメンバディものとしてももちろん見応えが十分な作品で、『梨泰院クラス』を観た人は熱が冷めないうちに『ミッドナイト・ランナー』をすぐ観て、パク・ソジュンとカン・ハヌルを感じて欲しいです。
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男女ともに楽しめる、爽やか青春ストーリーです!
第23位『私の頭の中の消しゴム』
- 泣ける韓国映画を探している人におすすめ
- 『愛の不時着』ソン・イェジンとイケメン俳優チョン・ウソンが共演した純愛物語
- 印象的なタイトルは日本のドラマ「Pure Soul 君が僕を忘れても」から引用
美しくて泣ける韓国映画を探している人におすすめの作品が『私の頭の中の消しゴム』。
『愛の不時着』のユン・セリを演じたソン・イェジンと、韓国を代表するイケメン俳優チョン・ウソンが共演した2000年代韓国映画の純愛傑作です。
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無骨な大工のチョルスと建築会社の社長令嬢でちょっと天然のスジンは、運命的な出会いを果たして結婚。
楽しい結婚生活を送っていた2人でしたが、ある時からスジンは物忘れがひどくなり、家に帰るまでの道すらわからなくなってしまいます。
病院で若年性アルツハイマーに冒されていることがわかったスジンは、チョルスとの記憶も次第に失っていき…。
1回の鑑賞で3度は号泣必須の涙なしには見られない作品です。
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自分が自分でなくなってしまう恐怖に立ち向かいながら愛を伝えるスジンを見ていると切ない気持ちになりますが、それでも愛を受け入れてくれるチョルスがいて、本当によかったなと思います。
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第22位『JSA』
- 『愛の不時着』にハマった人に知って欲しい南北分断のもう一つの物語
- パク・チャヌク監督、イ・ビョンホン、ソン・ガンホ主演の2000年代韓国映画の超名作
- 最高のブロマンス映画!ラストシーンを額に入れて飾りたい
『JSA』は、2000年公開のパク・チャヌク監督によるヒューマンサスペンス。
初代韓流四天王の1人であるイ・ビョンホンが韓国軍兵士を、『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホが北朝鮮軍の下士官、そしてテレビドラマ『宮廷女官 チャングムの誓い』で主演を務めたイ・ヨンエが事件を捜査するスイス軍の法務課将校として出演。
韓国と北朝鮮の境界線「JOINT SECURITY AREA」を舞台に、朝鮮半島の南北分断により翻弄された男たちの運命を描きます。
南北分断の象徴でもある共同警備区域にて射殺事件が発生。
生き残った南北の兵士たちがそれぞれ異なる供述を繰り返すなか、南北双方の同意を得た上でスイス出身の韓国系捜査官・ソフィーが事件の捜査にあたることになります。
事件の裏にあったのは、「絶対に越えてはいけない一線」を越えて友情を育んでしまった韓国と北朝鮮の4人の兵士たちの姿でした。
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知られてはいけない真実を隠すために、追い込まれた男たちの選択がとても切なく、作中のふとしたシーンが反映されたラストシーンには切なさが倍増します。
また、『JSA』は男同士の友情を描くブロマンス映画としても最高で、ラストシーンは額に入れて飾りたいとすら思いました。
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第21位『オールド・ボーイ』
- 『JSA』のパク・チャヌク監督による日本の漫画を原作にしたバイオレンス・サスペンス
- カンヌ国際映画祭で審査員を務めていたクエンティン・タランティーノに絶賛された
- 『復讐者に憐れみを』に続くパク・チャヌク監督の復讐三部作の2作目
ハンマーを振りかざしたチェ・ミンシクの姿が印象的な、パク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』。
2004年に公開された今作は日本の漫画を原作にしたバイオレンス・サスペンスで、クエンティン・タランティーノが審査員長を務めた第57回カンヌ国際映画祭において、グランプリを受賞しました。
突然何者かに拉致されたオ・デスはその後15年にわたって監禁されたあと、突然解放されます。
デスは偶然出会ったミドという女性とともに、自分の15年を奪った犯人の正体を暴くために奔走。
やがて2人の前に謎の男・ウジンが現れ、互いの命を賭けたゲームを仕掛けてきたのです…。
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主演を務めたチェ・ミンシクの狂気に満ちた演技や暴力描写だけでなく、あっと驚くどんでん返しが待ち受ける結末も衝撃的!
シンプルな復讐と思わせておきながら、思わぬ伏線が張り巡らされており最後に謎が解決するという脚本も秀逸で、映像のグロさよりも物語のグロさが心に残る、パク・チャヌク監督らしい作品。
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『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』から成る、パク・チャヌク監督の復讐三部作、ぜひあわせてご覧ください!
第20位『王になった男』
- イ・ビョンホンが1人2役を務め、1,230万人を動員した歴史大作
- 実在した李氏王朝の第15代国王・光海とその影武者の物語をフィクションを交えて描く
- 韓国のアカデミー賞と呼ばれる大鐘賞にて最多15部門を受賞
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2013年公開の『王になった男』は、主演のイ・ビョンホンが1人2役を演じた歴史大作で、実在した李氏王朝の第15代国王・光海の物語を、フィクションを交えながら描きます。
2012年の大鐘賞では歴代最多となる15部門を受賞。
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舞台は1616年の朝鮮。
李氏王朝の第15代国王で暴君だった光海は暗殺を恐れ、自分の影武者を探し始めます。
そこで白羽の矢が立ったのは、王にそっくりの顔を持つ道化師のハソンでした。
宮廷に連れて行かれ病に倒れた光海の影武者に仕立て上げられたハソンは、王として振る舞ううちに政治のあり方に疑問を抱き、やがて自分の意思で民のために行動を起こすことを考え始めます…。
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背景が難しい分、逆に物語はシンプルでわかりやすく、コメディとシリアス部分のバランスも良い、見やすい作品です。
それぞれ正反対の生活を送ってきた光海とハソンでしたが、環境によって人は変われるということと、人は人のために働こうとする時に大きな力を発揮する生き物なんだなということを、改めて感じました。
今まではカッコイイ部分が際立ったイ・ビョンホンですが、コミカルな役もピッタリで侮れません!
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第19位『ベテラン』
- 韓国の一億俳優、ファン・ジョンミンが主演を務めた痛快アクション!
- 刑事VS財閥御曹司!勧善懲悪の物語とアクションが爽快すぎる
- 「ナッツ姫事件」の世相を反映して大ヒットにつながった
2015年公開の『ベテラン』は、『ベルリン・ファイル』のリュ・スンワン監督が、韓国最大のタブーである財閥御曹司のスキャンダルをテーマに描いた痛快アクション!
韓国の「一億俳優」であるファン・ジョンミンが主人公の熱血刑事を好演し、大韓航空機令嬢の横暴が話題になった「ナッツ姫事件」など世相が反映したこともあって、韓国で1,200万人動員の大ヒットを記録しました。
ソウル警視庁広域捜査隊の刑事、ソ・ドチョルは顔見知りのトラック運転手がビルから転落して昏睡状態に陥ったことを知らされます。
事件に巨大財閥の3世チョ・テオが絡んでいると睨んだドチョルは単独で捜査を開始。
しかし、テオによる金と権力を行使した妨害と上層部からの圧力により、捜査チームが解散に追い込まれてしまいます…。
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『ベテラン』の熱血刑事と財閥御曹司の勧善懲悪の物語は単純明快でわかりやすく、爽快なアクションも加わって見終わった後はスカッとすること間違いなし!
また、このキャストでの続編やドラマ化があればもっと見ていたい気持ちになりました。
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登場人物たちも全員キャラ立ちしており、御曹司役を演じているユ・アインの鬼気迫る演技にやりたい放題っぷりや、太鼓持ち的なチェ常務を演じるユ・ヘジンの悪役も新鮮でした。
また、カメオ出演でマ・ドンソクや、『パラサイト 半地下の家族』のパク・ソダムが出演しているなど、細かいところまで見逃せません。
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第18位『怪しい彼女』
- シム・ウンギョンが主演を務めたファンタジック・コメディ
- アイドルグループB1A4のジニョンがスクリーンデビューしたほか、キム・スヒョンがカメオ出演
- 子供から大人まで、元気をもらいたい人におすすめ!
2014年公開の『怪しい彼女』は、『サニー 永遠の仲間たち』のシム・ウンギョンが主演を務めたファンタジック・コメディ。
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見た目は20歳だけど中身は70歳の毒舌おばあちゃんという「ギャップ女子」をシム・ウンギョンが熱演したほか、アイドルグループB1A4のジニョンが今作でスクリーンデビューを果たしたことでも話題になりました。
70歳の毒舌老婆・マルスンは、ひょんなことから20歳の少女の姿に若返ってしまいます。
夫を早くに亡くしてから女手一つで息子を育て、生活に追われてきたマルスンは、これを機にオ・ドゥリと名乗り自分の自由に生きることを決意。
持ち前のキュートなルックスと歌唱力を活かして、孫のジハとバンドを組んで成功の道を突き進んでいきますが…!?
『サニー 永遠の仲間たち』に続き、毒舌のシム・ウンギョンを存分に堪能できるハートウォーミングな作品。
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青春を投げ打ってまですっごく苦労をしてきた主人公が、若返って失った青春を謳歌するという話にはワクワク。
また、存分に人生を謳歌したからこそ、主人公の家族を優先する気持ちに涙しました。
脇役にもスポットライトがしっかり当たっていてハッピーエンドという図式に安心してからの、思わぬキム・スヒョン登場はズルい!!
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第17位『EXIT』
- 命綱なしで地上数百メートルの高層ビルを渡り歩く異色のサバイバル劇
- 主演は『建築学概論』のチョ・ジョンソク、少女時代のユナがヒロイン役で登場
- 高所を舞台にしたアクションにハラハラドキドキが止まらない!
ハラハラドキドキしながらも楽しめる作品を探している人におすすめの作品が『EXIT』!
『建築学概論』のチョ・ジョンソクが主演、少女時代のユナがヒロイン役で登場するサバイバル・パニックです。
韓国の都市部で突如毒ガスが蔓延する事件が発生し、道ゆく人々が倒れ、街はパニックに陥ります。
そんなことも知らずに祖母の古希祝いに参加していた主人公のヨンナムは、そこで大学時代に想いを寄せていた山岳部の後輩・ウィジュと再会。
しかし、彼らの元にも毒ガスが迫り、家族を屋上に避難させたヨンナムは、ウィジュとともに命綱なしで高層ビルを渡り歩き、危険な街からの脱出を図ることになります。
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チョ・ジョンソクとユナが、まるでスパイダーマンのように高層ビルを渡り歩く異色のサバイバルを描いた『EXIT』。
「湧き上がる毒ガスなんてありえない設定では…!?」と期待せずに鑑賞するも圧倒的に面白く、良い裏切られ方をした作品です。
シンプルな物語でありながらも、毒ガスというじわじわと迫ってくる新しい感覚の恐怖と、高所という設定にドキドキが止まりません!
さらには、ゆる〜く笑える演出もあり、娯楽性も抜群。
意外とこんな作品もあるものだから、韓国映画って全てのジャンルにおいて見逃せないんですよね…。
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第16位『The Witch / 魔女』
- 『梨泰院クラス』イソ役のキム・ダミが主演を務めたサイキック・アクション
- 監督はバイオレンス作品『新しき世界』で世界的支持を集めたパク・ジョンフン
- 血みどろのアクションが圧倒的!続編が期待されている作品
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ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェが主演を務め、世界的支持を集めた『新しき世界』のパク・ジョンフンが主演を務め、『パラサイト 半地下の家族』のチェ・ウシクが共演を務めました。
8歳の時にとある施設を抜け出し記憶を失ったジャユンは、自分を助けてくれた酪農家の娘として暮らし始めます。
それから10年後、頭に異変を感じたジャユンは自ら手術費用を賄うために、賞金目当てでテレビ番組のオーディションを受けることを決意。
しかし、その番組でマジックを披露したことから、怪しい組織に狙われてしまいます。
実はジャユンの正体は人間兵器として作られた超能力者だったのです…!
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スピード感溢れる展開とテンポの良さにいつの間にかのめり込んでしまうこと間違いなしです。
また、前半と後半で全く違うキム・ダミの演じ分けには、これがデビュー作ながら彼女のこれからを期待せざるを得ませんでした。
『The Witch / 魔女』は続編があるので、物語は非常にいいところで終わります。
次回作の製作についてあれこれあるようですが、なんでもジャユンが彼女のルーツを訪ねる物語になるようです。
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少々グロさもありますが、スピード感のあるアクション作品を探している人におすすめです。
第15位『国際市場で逢いましょう』
- 韓国の釜山を舞台に激動の時代を生きた男の人生を描く大河ドラマ
- ファン・ジョンミンが主人公の20代〜70代を一人で演じ切る
- 海外ドラマ『LOST』出演のキム・ユンジンや東方神起のユンホがカメオ出演していることも話題に
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2015年公開の『国際市場で逢いましょう』は、釜山にある国際市場を舞台に、1950年代〜現代までの激動の韓国史を一人の男の人生とともに描く大河ドラマです。
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朝鮮戦争のさなかで父と幼い妹と生き別れになってしまったドクスは、釜山の国際市場にある「コップンの店」で父親との再会を待ちながら避難生活を送っていました。
やがて成長したドクスは父親との約束通り、家族を守るために西ドイツの炭鉱やベトナム戦争での民間技術者として働きながら、幾度となく生死の瀬戸際に立たされることに…。
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朝鮮戦争以降、西ドイツ炭鉱への工員派遣やベトナム戦争への技術者派遣、離散家族を探すテレビ番組など知らない出来事がたくさんあることに驚き。
まるでドキュメンタリーを見ているようですが、誰もが手に取りやすい形で仕上がっている見やすい作品です。
父親との約束通り、自分の家族に対して責任を持って生きるドクスの姿は理想の家長そのもの。
マルコヤマモト また、韓国版『フォレスト・ガンプ 一期一会』と言われている今作では、韓国の近代史に影響を与えた人物たちが登場します。 ベトナム戦争でドクスたちを助ける歌手のナム・ジン役で、東方神起のユンホが登場したことでも話題になりました。 マルコヤマモト 韓国の人気ウェブ漫画を原作としたファンタジー・アクション『神と共に』シリーズ。 ハ・ジョンウ、チュ・ジフン、キム・ヒャンギなど演技派俳優たちが主演を務め、世界的ヒットを記録した作品です。 火災現場で少女を救い壮絶な死を遂げた消防士・ジャホンの前に、冥界からの使者が現れます。 人間は死後49日以内に7つの裁判を受け、全てにおいて無実を証明できたものだけが転生を許されると説明をされたジャホンは、言われた通りに裁判を受けることに。 生前人として素晴らしい行動をしてきたジャホンは裁判を次々と通過していきますが、地獄鬼が出現し冥界が揺らぎ始めます。 その頃地上では、とある事情で亡くなったジャホンの弟・スホンが怨霊となって人々を脅かしていたのです…! マルコヤマモト 『神と共に 第一章:罪と罰』では、まるでハリウッド映画のようなスケールのVFXを使ったエンタメ作品。 神と共に 第二章:因と縁』では冥界の三使者たちの過去に焦点を当てた、時代劇中心の濃厚なドラマが展開されました。 さらに、ジャホン&スホン兄弟の親子愛に泣かされ、韓国映画好きにとってはまさに痒いところまで手が届く、オールジャンルをミックスした作品! さらに、マ・ドンソクやイ・ジョンジェ、チャ・テヒョンなどの共演陣も豪華で飽きることがありません。 マルコヤマモト 2018年公開、ヨン・サンホ監督による『新感染 ファイナル・エクスプレス』。 マルコヤマモト ソウル発釜山行きの高速列車KTXの中で突如原因不明の感染爆発が発生し、凶暴化した人々が周りの人間を襲撃。 走る密室の中で父と娘、出産を間近に控えた夫婦、高校生の恋人たちが決死のサバイバルを繰り広げます。 主演は『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』のコン・ユが務めましたが、それ以上にサンファ役を演じたマ・ドンソクの活躍が注目を集め、彼が大ブレイクするきっかけになりました。 他にも『パラサイト 半地下の家族』のチェ・ウシクや、『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョン・ユミなど豪華キャストが共演! 列車内という空間で迫り来る感染者と、感染者から逃れようとする人々のさまざまな人間模様がドラマティックに描かれています。 愛する妻だけでなく、分け隔てなく周りの人間を守るために感染者たちに拳一つで立ち向かい、各方面から「主演を喰った」と絶賛されるマ・ドンソクの鬼気迫る演技に痺れっぱなし! 列車は無事終着駅の釜山に辿り着けるのか、誰が最後まで生き残るのか…が今作の見どころ。 さらに、2021年には続編で、今作から4年後の朝鮮半島の様子を描いた『新感染半島 ファイナル・ステージ』も公開されました。 マルコヤマモト 2003年公開の『殺人の追憶』は、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督によるサスペンス映画。 1980年代に韓国で10人以上の犠牲者を出した「華城連続殺人事件」をベースに、事件をめぐる刑事たちを描きます。 1986年、韓国農村で女性が強姦された後に殺害される事件が発生。 地元の刑事パク・トゥマンはソウルからやってきたエリート刑事ソ・テユンと組んで捜査にあたることになります。 その後次々と同じ手口の事件が発生するものの、捜査は難航。 捜査に関してもなかなかそりが合わないトゥマンとテユンでしたが、ある時捜査線上に1人の人物が浮かび上がります…。 韓国のアカデミー賞に当たる大鐘賞でも最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀主演男優賞を受賞した『殺人の追憶』は、韓国映画を代表する1本と言っても過言ではありません。 マルコヤマモト 取調べを受けた人の中には映画に登場したような刑事による暴力や、誤認逮捕、犯人でっちあげなどの被害にあった人もいたことでしょう。 また韓国には設備がないため、DNA鑑定を行うためにアメリカに検体を送らなければいけないという設定にもヤキモキ…! 科学捜査の技術が発展していない時代の出来事で、もう少し時代が違ったらすぐさま犯人を特定できたのでは…と思うと、もどかしさを感じました。 事件から30年以上経って真犯人が逮捕されたことで再び注目を集めている今作ですが、確かに韓国映画を語る上では欠かせない作品です。 マルコヤマモト マルコヤマモト 2020年公開の『悪人伝』は、極悪なヤクザの組長、極悪な暴力刑事、極悪な連続殺人犯の3人が繰り広げるバイオレンス・アクション。 自宅への帰り道、何者かに滅多刺しにされるも一命を取り留めたヤクザの組長チャン・ドンスは、手下たちを使って独自に犯人探しに動き出します。 一方、街で多発する殺人事件の犯人を追う暴力刑事のテソクは、ドンスの事件も同一犯であることを確信し、彼に付き纏うことに。 犯人を捉えるためには互いの情報が必要であると確信した2人は、共闘して犯人を追い詰めることを決意します…。 マルコヤマモト マ・ドンソクの筋肉隆々の体から繰り出される一発一発の拳が、説得力満点です。 もちろん、マ・ドンソクだけでなく殺人犯役を演じたキム・ソンギュ、暴力刑事役を演じたキム・ムヨルなど悪人らしい面構えが揃い、それぞれ見せ場もばっちり。 また、チームを組みつつも互いを出し抜こうとするドンスとテソクの複雑なバディ・ムービーとして楽しめ、最後まで二転三転するストーリーから目が離せません。 見せ場であるアクションシーンも、殴り合いだけではなく怒涛のカーチェイスからの追跡劇など、終始ハラハラドキドキしっぱなし! 出演作品が増え、ハリウッド進出も決まっているマ・ドンソクですが、『悪人伝』は2021年時点の最高傑作であると断言してもいいほど、おすすめの作品です! マルコヤマモト ナ・ホンジン監督の長編デビュー作となった『チェイサー』。 2009年公開の今作は、当時無名だったハ・ジョンウとキム・ユンソクをW主演に起用した実話ベースのクライム・サスペンスです。 元刑事のジュンホは、自身が経営する風俗店の風俗嬢たちが相次いで失踪することに疑問を感じ、捜査を開始。 その過程である共通の電話番号につながることがわかったジュンホは、たった今ミジンという風俗嬢がその電話番号の客の元へ出かけたことに気づきます。 その頃、ミジンは男の家のバスルームに捕らえられ、殺されそうになっていたのです…! ミジンが出かけた先付近で怪しい男と遭遇したジュンホは、その男の後を追って追跡劇を繰り広げます。 そして、バスルームで目を覚ましたミジンは、男の家から脱出しようと奮闘しますが…。 正直言って、これほど救いようがない作品は観たことがありません。 マルコヤマモト 暴力シーンがリアルな韓国映画ですが、そのなかでも『チェイサー』は、かなり衝撃的で、画面を通して「痛さ」すら感じるほどなので、苦手な人にはあまりおすすめしません。 このランキングのなかで『チェイサー』はかなり上級者向けですが、逆に『チェイサー』さえ観ておけば、「今後何が起きても大丈夫!」と太鼓判を押せる作品です。 マルコヤマモト 韓国版『レオン』とも言われる『アジョシ』は、孤独な男と少女の交流を描いたウォンビン主演のサスペンス・アクション。 犯罪組織に誘拐された母娘を救うために単身命をかけて挑む男を描きます。 マルコヤマモト 過去のある事件をきっかけに、世間を避けて孤独に暮らすことを決意したテシク。 彼の隣家に住む少女のソミは、母親の仕事が忙しくテシクのことを「おじさん」と呼んで1人の友達として慕っていました。 そんなある日、麻薬密売に巻き込まれた母親とともにソミが誘拐される事件が発生。 テシクは母親とソミを救うべく、単身犯罪組織のもとに乗り込んでいきますが、事件に背後に隠された衝撃の事実を知ることになります…。 イケメンでとにかく強いウォンビンが犯罪組織相手に1人で奮闘する、めちゃくちゃカッコいい作品です。 マルコヤマモト ストーリーとしては王道で、今作が韓国版『レオン』と呼ばれていることも納得ですが、麻薬密売に臓器売買など、裏に隠されている事件の闇が深すぎ…! フィクション作品ではあるのですが、この手の犯罪は韓国映画によく登場するので、「韓国ってこんなに恐ろしい国だったの!?」と驚かされます。 マルコヤマモト ストーリーがシンプルなぶん、ウォンビンの一挙手一投足や表情に集中して見られる作品です。 2020年に公開された『エクストリーム・ジョブ』は『7番房の奇跡』のリュ・スンリョンが主演を務め、韓国で大ヒットを記録したアクション・コメディ。 解散寸前の麻薬捜査班による奇想天外な「偽装営業」を描きます。 昼夜を問わず活動を続けるも、思うように成績が上がらず解散に追い込まれてしまう麻薬捜査班。 ある日、国際犯罪組織による麻薬密輸情報を入手したコ班長は、張り込み捜査を行うために麻薬組織のアジトの前にあるチキン店を買い上げます。 しかし、思わぬ来客にチキンを提供したところ美味しいという噂があっという間に広まり、店は大繁盛! マルコヤマモト マルコヤマモト クチコミでかなり面白いという情報を見つけ劇場に見に行ったのですが、場内終始爆笑が耐えない状態で驚きました。 普段はダメダメだけど、キメるところはしっかりキメる、麻薬捜査班の面々に元気をもらえます。 『エクストリーム・ジョブ』は、誰が見ても大爆笑間違いなしで、見終わった後は必ずフライドチキンが食べたくなることも断言しておきます。 マルコヤマモト すでにハリウッドでのリメイクが決まっているようで、今後も楽しみな作品!韓国グルメが大好きな人にもおすすめですよ! 2012年公開の『サニー 永遠の仲間たち』はカン・ヒョンチョル監督による青春映画で、韓国だけでなく日本でも異例の大ヒットを記録した感動作! マルコヤマモト 40代になった主人公が離れ離れになった高校時代の仲間を探す過程で青春を取り戻す様子を、1970年〜80年代のヒットナンバーに合わせて描きます。 何不自由ない生活を送っていた主婦のナミは、母の見舞い先で訪れた病院で高校時代の大親友・チュナと再会し、彼女が末期癌に侵されていることを知ります。 死が近いチュナは高校時代の仲良しチーム「サニー」に再会したいと懇願し、ナミは仲間探しに奔走することになるのですが…!? マルコヤマモト 民主化運動も盛んで熱気に満ちた80年代の韓国と、パワフルな高校時代の「サニー」のメンバーたちに元気をもらえます。 なかでも高校時代のナミを演じたシム・ウンギョンの演技は怪物級で爆笑間違いなし! チュナの死期が近いなか、果たして「サニー」のメンバーは全員揃うのか!? マルコヤマモト 『サニー 永遠の仲間たち』が気に入った方は、カン・ヒョンチョル監督の次回作『スウィング・キッズ』もおすすめです! 2016年公開の『ビューティー・インサイド』は、目覚めるために姿が変わってしまう男と彼を愛した女の恋愛を描くファンタジック・ラブストーリー。 1人の主人公を123人で演じるという異色の作品で、主人公のウジン役にはパク・ソジュン、パク・シネ、キム・サンホや上野樹里など豪華キャストが勢揃いし、見ているだけで楽しい作品です。 マルコヤマモト 家具デザイナーとして働くウジンは、18歳の頃から目覚めるごとに容姿が変わるという現象に悩まされていました。 ある日、アンティーク家具店を訪れたウジンは、店員のイスに一目惚れ。 彼女をデートに誘ったウジンは、イケメンの容姿を保つために3日間連続で眠らずに過ごしますが、デートの最中に眠気に負けてしまいます…。 ウジンは秘密を告白し、イスと愛を育むことになりますが、周囲からの厳しい目によってイスは混乱してしまい…!? マルコヤマモト ヒロインのイスの状況把握能力と柔軟性があったから成立したようなものの、やっぱりコロコロ変わるウジンの姿を見ているだけでも楽しい作品でした。 中身が濃い〜ぃ作品が多い韓国映画ですが、映像的にも久しぶりにスタイリッシュな作品に出会った気がして、意外とサラッと見れてしまいます。 マルコヤマモト マルコヤマモト 韓国の喜劇王子で『猟奇的な彼女』に出演したチャ・テヒョンが主演を務めたファンタジック・コメディで、今作ではなんと1人5役に挑戦しています。 孤独な青年サンマンは、ある日自殺未遂を起こして病院に運ばれたところ、そこで4人の幽霊に取り憑かれてしまいます。 片時も離れない幽霊たちのせいで死ぬことができなくなってしまったサンマンは、4人の望みを叶えて成仏してもらおうと孤軍奮闘することに…。 4人の幽霊に取り憑かれた青年を演じたチャ・テヒョンの1人5役は見もので、老人から子供、女性まできちんと演じ分けています。 マルコヤマモト 物語としてはありがちで、途中まで「もしかしたらハズレかも!?」と不安になる作品でしたが、ラスト10分からの畳み掛けがすごく、突然の号泣間違いなし! なんだかよくわからない幽霊たちの願いも全てがまとまる伏線でしかなくて、気づけば観客と主人公と同じ感情になっている仕組みに「やられた〜!」と、思わず床を叩いてしまいました。 マルコヤマモト 2020年公開の『無垢なる証人』は、出世をかけたベテラン弁護士と自閉症の少女の交流を描いた法廷ドラマ。 『私の頭の中の消しゴム』のベテラン俳優のチョン・ウソンと『神と共に』シリーズのキム・ヒャンギが共演し、2人の演技バトルが話題になりました。 出世のかかった弁護士のスノは、とある殺人事件を担当することに。 事件の目撃者である少女を証人として法廷に立たせようと考えるスノでしたが、目撃者の少女・ジウは意思の疎通が難しい自閉症だったのです。 事件の真相を探るべくジウに近づくスノでしたが、彼女と交流を深めるうちに想像とは異なる事件の真相にたどり着きます。 ベースは法廷ドラマでありつつも、自閉症や障害に対する知識や理解を深めたくなる人間ドラマでもありました。 マルコヤマモト 作品を通して真実を追求することの大切さや常に正直でいたい気持ちを、スノとジウに教えてもらったような気がします。 ジウを演じたキム・ヒャンギの10代とは思えない繊細な演技と、チョン・ウソンの優しいお顔は圧巻…! 過激描写などなくても、しっかりした脚本のもとに成り立つ良質な韓国映画です。 マルコヤマモト 2020年公開の『パラサイト 半地下の家族』は、『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』『スノーピアサー』以来ポン・ジュノとソン・ガンホが4度目のタッグを組んだ、ブラック・エンターテイメント。 マルコヤマモト 物語の主人公は、韓国の半地下アパートで暮らす全員失業中のキム一家。 長男のギウが知人からお金持ちの家での家庭教師の職を得たことをきっかけに、家族のメンバーそれぞれが役職を得てお金持ちの家族に「寄生」する計画の一部始終を描きます。 『パラサイト 半地下の家族』は、ドラマ、サスペンス、ブラック・ユーモアなどさまざまなジャンルを融合させた、ポン・ジュノ監督による超一級の娯楽作品です。 コメディ作品のような前半に引き換え、まるでサスペンスような阿鼻叫喚が連続する後半。 誰がこの展開を想像できたでしょうか? マルコヤマモト 高台のお屋敷と半地下のアパートという設定だけでなく、あらゆる高低差を意識した脚本やセット、撮影の仕方には製作陣のこだわりを強く感じました。 今までポン・ジュノ監督の劇場作品は全て観てきましたが、『パラサイト 半地下の家族』は今までの集大成的作品で、アカデミー賞も納得の内容。 マルコヤマモト また、監督の希望で製作された『パラサイト 半地下の家族 モノクロ版』は、人物の表情だけでなく格差社会のさらに嫌な部分を際立たせています。 マルコヤマモト さらに深みにハマりたい方は、カラーとモノクロの両バージョンともご覧ください。 マルコヤマモト マルコヤマモト 韓国の名優ソン・ガンホが主人公のタクシー運転手役を務め、ドイツ人記者ピーター役をトーマス・クレッチマン、ほか、韓国の名バイプレイヤー、ユ・ヘジン、期待の若手俳優リュ・ジュンヨルが共演しました。 韓国の民主化運動の過程で起こった悲惨な光州事件を世界に伝えるために奮闘したドイツ人記者と、彼を支えた人々の知られざる真実が描かれます。 軍事政権下にあった1980年の韓国・光州で、民主化運動のデモ参加者が軍隊に弾圧されるという事件が発生。 ソウルのタクシー運転手キム・マンソプは政治に無関心の男でしたが、事件を知り光州へ向かうことになったドイツ人記者のピーターとともに行動するうちに、自国で起こっている出来事の真相を知るのです…。 まず、『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』が実話ベースの物語ということに驚きを隠せません。 マルコヤマモト また、タクシー運転手を演じたソン・ガンホが圧倒的に庶民で、知らないうちに感情移入してしまいます。 物語の始まりでは政治に全く興味がなかった男が、真実を知ることで使命感を見出していくという心の動きが見事。 マルコヤマモト 歴史的背景としては、光州事件を起因として韓国国内での更なる民主化運動が加速。 その後さまざまな闘いの結果、1987年に民主化が実現します。 韓国が民主化を手に入れるまでには、多くの犠牲があったことを忘れてはいけません。 歴史的には悲惨な事件ですら、しっかりした作品に仕上げてしまう韓国映画のレベルの高さを感じました。 マルコヤマモト マルコヤマモト 無実の罪で投獄されてしまった知的障害を持つ父親と、6歳の娘の間に起こる奇跡の物語を描きます。 『エクストリーム・ジョブ』のリュ・スンリョンが知的障害を持つ父親を好演し、天才子役カル・ソウォンの演技が視聴者の涙を誘いました。 マルコヤマモト 知的障害を持つヨングは、しっかり者の6歳の娘・イェスンとともに慎ましくも笑顔が絶えない生活を送っていました。 しかしある日、殺人の濡れ衣を着せられたヨングが投獄され、2人は離れ離れになってしまいます…。 投獄された7番房の房長のピンチを救ったヨングは気に入られ、1つだけ願いを叶えてもらえることに。 「娘のイェスンと会いたい!」というヨングの願いを叶えるべく、7番房の囚人たちが奮闘します! 願いを叶えてもらったヨングは刑務所の中でイェスンと過ごせることになりますが、ヨングの公判の日が近づいており…。 洋画・邦画・アジア映画と今までたくさんの作品を鑑賞してきましたが、最初から最後までズビズビ泣いた作品は『7番房の奇跡』が初めてです。 冤罪によって引き裂かれてしまう親子には胸が痛みました。 マルコヤマモト 『7番房の奇跡』は、こんなことがあっては堪らない…と怒りに震えたり、7番房の囚人たちのアツさとコミカルさに笑ったり、ヨングとイェスンの絆に心があったかくなったり、喜怒哀楽全ての感情が揺さぶられました。 見終わった後の充実感が半端なく、久しぶりに心が満たされた気分になります。 マルコヤマモト マルコヤマモト 『グエムル-漢江の怪物-』『ディヴァイン・フューリー/使者』『猟奇的な彼女』『イルマーレ』『コンフィデンシャル/共助』『シークレット・ミッション』『ミッドナイト・ランナー』『私の頭の中の消しゴム』『JSA』『オールド・ボーイ』『王になった男』『ベテラン』『怪しい彼女』『EXIT』『The Witch / 魔女』『国際市場で逢いましょう』『神と共に』『新感染 ファイナル・エクスプレス』『殺人の追憶』『悪人伝』『チェイサー』『アジョシ』『エクストリーム・ジョブ』『サニー 永遠の仲間たち』『ビューティー・インサイド』『ハロー!?ゴースト』『無垢なる証人』『パラサイト 半地下の家族』『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』『7番房の奇跡』 もっともっとたくさんご紹介したい作品があることは事実ですが、今回は初心者の方におすすめということで、誰が観ても楽しめる自信のある30作品に厳選させてもらいました…。 マルコヤマモト 最後になりますが、私が韓国映画を好きな理由・評価できる理由をご紹介します。 このなかで特に評価できるのは、『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』のように自国の黒歴史に対して正直に向き合う作品が多いこと。 さまざまな業界で隠蔽体質がある日本に比べて韓国映画の正直すぎるほどの情熱には、毎度胸を抉られるほどに感心させられます。 また、キャストやスタッフともに映画にかける情熱が半端なく、『新感染半島 ファイナル・ステージ』のようにVFXやアクションが満載の世界に通用する新しい作品も増えていることが事実。 段々と世界規模になりつつある韓国映画ですが、今から見始めても全然遅くありません。 マルコヤマモト第14位『神と共に』
第13位『新感染 ファイナル・エクスプレス』
第12位『殺人の追憶』
第11位『悪人伝』
第10位『チェイサー』
第9位『アジョシ』
第8位『エクストリーム・ジョブ』
第7位『サニー 永遠の仲間たち』
第6位『ビューティー・インサイド』
第5位『ハロー!?ゴースト』
第4位『無垢なる証人』
第3位『パラサイト 半地下の家族』
第2位『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』
第1位『7番房の奇跡』
韓国映画おすすめランキングベスト30【初心者向け】:まとめ