「克樹はあなたの子供よ」
薫（広末涼子）が殺される前、清春（賀来賢人）は薫からそう告げられていました。
そのことを思い出した清春は、戸惑いながらも克樹に対する思いが微妙に変化します。
そんな中、清春、南武課長（北村一輝）、江國（杉本哲太）を襲ったガスマスクの男が半グレ集団『ベルムズ』のリーダー・陣内（落合モトキ）ではないかという疑惑が浮上します。
ストーリー後半で清春はある重大な記憶を取り戻します。
いよいよドラマ『ニッポンノワール』は折り返し地点。第一章完結編です。
目次
『ニッポンノワール』第5話あらすじ
依然として謎に包まれた「十億円強奪事件」と「碓氷薫（広末涼子）殺害事件」の接点。
才門要（井浦新）は遊佐清春（賀来賢人）に、強奪された十億円は警察の極秘プロジェクト『ニッポンノワール』の資金だった。
さらに薫は十億円事件を追う中で謎の組織ニッポンノワールの存在を突き止め殺害された可能性が高いとも告げる。
捜査一課長の南武修介（北村一輝）は、警察組織の中に『ニッポンノワール』の息がかかった人物が紛れ込んでいる可能性を示唆する。
規模も目的も謎に包まれた『ニッポンノワール』。
薫はどこまで真相に迫っていたのか。
そして真相に迫ったからこそ殺害されたのか…
こうした中突然、清春たちはガスマスクの男に散弾銃で襲撃される。
防犯カメラの映像などから犯行は半グレ集団ベルムズの現リーダー・陣内によるものだと判明。
ニッポンノワールとの繋がりは…取り調べを進める清春に対し陣内は「碓氷克喜（田野井健）だっけ？俺はあいつのすべてを知っている」と謎めいた言葉を投げかける。
一方、そのころ、警察の建物にはガスマスクを装着した男が約100人の武装集団を率いて歩みを進めていた。
加速する急転の第5話…。
この日、ドラマ「ニッポンノワール」第1部が完結を迎える。
出典:『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』公式ページ
【ネタバレ】『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』第5話の感想
清春（賀来賢人）は克樹（田野井健）の父親
「克樹（田野井健）は、あなたの子供よ」
遊園地で謎のマークを見せられて気を失った清春（賀来賢人）は、薫（広末涼子）が殺される前、薫にそう打ち明けられていたことを思い出しました。
まさかと思った清春ですが、薫が言うには警察学校時代、清春は相談と称して薫をホテルのラウンジに呼び出し、結局2人は一夜を共にしたというのです。
薫は、克樹と清春の親子関係を示すDNA鑑定結果を差し出します。
そこで初めて清春はその事実を思い出すのでした。
「思い出した？私がここに配属された時も、私のこと覚えてなかったものね」
清春にとっては記憶から消えるほど取るに足らないことだったのかもしれませんが、薫にとっては違いました。
「今日までいろんな想いを抱えて生きてきた」
目を覚ますと、克樹の顔が目の前にあったため清春は飛び起きます。
克樹は不眠症の清春が珍しく寝ていたので見ていたのだと言います。
現実の克樹を目の当たりにした清春は、明らかに挙動不審になります。
突然自分の息子だということがわかって、どうしたら良いのかわからないのです。
「南武さん（北村一輝）は僕の父親ではありませんでした。僕の父親は誰なのでしょうか」
もちろん、清春がその質問に答えられるわけがありません。
そんな克樹を無理やり学校に行かせ、喫茶店「ボナーロ」に入ると、才門（井浦新）が待ち受けていました。
「余計なこと言ってねぇだろうな」
「お前が克樹の父親だってことか？」
マスター（笹野高史）と咲良（夏帆）は驚きますが、清春はそんなことよりも昨日の才門の行動について才門に詰め寄ります。
才門はたまたま通りかかったら清春が倒れていたと言いますが、南武課長が貸し切りにしたはずの遊園地に才門はいました。
南武課長が才門をおびき寄せようとしたところに乗ったとしか考えられません。
「あんたがガスマスク野郎なんだろう！」
才門は自分ではないと言います。
「だったらガスマスクはなんなんだ。ニッポンノワールってなんなんだよ」
『ニッポンノワール』という言葉は、長年刑事をやってきたマスターも聞いたことがあるようです。
才門は、公安が警察の中の警察なら『ニッポンノワール』は警察の外の警察であり、現行の警察では取り締まることができない組織だといいます。それはなぜか。
「よほどの権力を持っている、とか？」
では、10億円強奪事件と碓氷薫殺害事件の黒幕はニッポンノワールなのでしょうか？
しかし、奪われた10億円は彼らの資金でした。
それ故に事件の被害者といっても良いのかもしれません。
彼らは10億円を取り返したいものの、組織の存在は公にはしたくないというジレンマを抱えています。
才門は薫からこのことを聞かされたといいます。
薫は、才門の婚約者であった咲良の姉・星良（入山法子）のためにニッポンノワールの存在をつきとめたのです。
「今思えば、そのせいで薫は殺されたのかもな」
そう考えると、ニッポンノワールの手先だと考えられるガスマスクの男は薫を殺した犯人でしょうか？
すると、突然轟音とともに喫茶店の窓ガラスが粉々になりました。
NNマーク
外を見ると、ガスマスクの男がショットガンを構えています。
清春が追いかけますが、取り逃がしてしまいました。
ガスマスク男を探しているうちに、ふと見ると倉庫の壁に清春が見た謎のマークが大きく描かれていました。
マークは、アルファベットの『N』が二つ重なっています。
「NIPPON NOIR（ニッポンノワール）」
捜査一課は、ガスマスク男の捜査を始めました。
遊園地の映像は工作されていて、ガスマスク男を確認することはできませんでした。
残るはボナーロを襲った方ですが、清春は違う人物がガスマスク男に扮していると言います。
「昨日戦ったやつとは明らかに弱かった」
いずれにしても、喫茶店襲撃犯を追えば江國（杉本哲太）を襲った犯人が明らかになるかもしれません。
清春は、南武課長に「なぜ班のみんなにニッポンノワールのことを言わなかった？」と問います。
南武課長は、どこに組織の手下がいるとも限らないので、念には念を入れていると説明しました。
さらに清春は、薫が殺された日、なぜ海外出張を偽装したのか聞きました。
南武課長は、課長を巻き込みたくないから海外に行ってくれと薫に頼まれたのだといいます。
南武はその理由は、薫は全てが終わったら話すというので聞いていません。
ただ薫はこう言っていました
「息子と向き合うためには、事件を明らかにしないと」
強奪事件と克樹に何の関係があるのでしょうか？
しかし、薫は終わったら話すと言って、克樹との関係は教えてくれませんでした。
南武はとりあえず薫の言うとおりにすることにしましたが、克樹が再検査をするということを聞き、日本に残ることにしたのでした。
再検査の場所は警察病院でした。南武にはそのことが気にかかっていました。
一応病院関係者に聞いてみましたが、知らぬ存ぜぬで取り合ってもらえませんでした。
なぜ薫が克樹を警察病院に連れていったのか、強奪事件と克樹の関係はどのようなものなのかわかりませんが、薫が克樹のために動いていたのは確かです。
「だから克樹も安全ではないということになる。お前、克樹から目を離すなよ」
南武は清春にそう忠告しました。
その後、南武はある高級サロンに向かいます。
待っていた人物を、南武は『碓氷』と呼びました。
かつて警察庁長官だった薫の父親（大和田伸也）です。
「薫さんを殺害した犯人は必ず見つけます。もちろん10億円も」
「克樹はどこにいる？」
「遊佐巡査部長という男に預けています」
「そろそろ返してもらわんとな」
碓氷元長官はそうつぶやきました。
ベルムズのリーダー
その夜、清春は克樹と会いづらいので、喫茶店に入るまでまごまごしていました。
思い切って中に入ると、克樹がプリントを差し出してきました。
「一応先生に渡せと言われたので…」
それは三者面談のお知らせでした。
戸越（工藤阿須加）は、警視庁のガンと呼ばれている男が三者面談なんか行くはずがないと笑いましたが、清春はまさかのOKを出しました。
「本当ですか？やった」
清春が学校に来てくれると知って、笑顔を見せる克樹。とても微笑ましいです。
才門は、明海（立花恵理）の部屋で誰かと電話で会話をしていました。
「ノリですよノリ！許してくださいよ～」
使用している電話は、仕事で使用しているものとは別のものでした。
帰宅した明海に、才門はガスマスク男を探す手伝いをすると言い出しました。
放課後、清春は緊張の面持ちで学校に教室に入りました。
担任は克樹の家での様子などを聞きますが、清春はうまく答えられません。
「では、克樹くんにどのように育って欲しいというのはありますか？」
そう聞かれた清春は、後悔してほしいと答えます。
ああしなきゃ良かったとかこうすれば良かったと、その悔いを改めたり、糧にしたり、そうやって何度もつまづくことで強くなってくれたら嬉しいと語りました。
克樹はそれを聞いてうれしそうにしています。
「素晴らしい！そんな怖い顔してるのに！」
「お前ナメてんのか！」
いつもの調子で清春が担任に掴みかかろうとしたため、学校は警察を呼ぶ羽目になってしまいました。
さすがの清春も反省しています。
「悪かったな」
「後悔して強くなる。ですね。今日は来てくれて嬉しかったです!」
と、克樹はニッコリ。
その時、清春は班から呼び出しがかかり、仕事に戻ることになりました。
「清春さん、頑張ってください！」
「おう…」
班に戻ると、ガスマスク男の正体は陣内というベルムズのリーダーだということが判明したということでした。
そのことは明海が突き止めたと言います。
しかし、陣内はベルムズのアジトを転々とさせていて、所在は不明だといいます。
清春は元ベルムズの貴志（栄信）のところに行って陣内の居場所を吐かせようとしましたが、貴志は知らないと言い張りました。
頑なな貴志に対して、力づくで聞き出そうとする清春を制して、南武が昔の仲間が危ないということを伝えました。
南武は自分と克樹が写っている写真を取り出し、貴志に見せます。
2人の後ろに写っているのは、かつての仲間でした。
彼らは今行方不明になっていて、他にも消息が掴めないメンバーが何人もいると言います。
「その謎を解くためにも、陣内のバックの存在が知りたい」
「…わかりました。ただし、俺に任せてください」
貴志はすぐさま陣内の元を訪れます。
警察が嗅ぎまわっていることを伝えると、陣内は自分たちのバックに言えばすぐに静かになると我関せずといった態度です。
「お前の後ろにるのは誰だ？」
「言うわけないでしょ」
貴志は仲間に何かしたらタダじゃおかないと掴みかかると、貴志がモデルの女子高生に入れ上げてベルムズが壊滅の危機に瀕した時、それを救ったのは自分だと陣内は主張します。
そこへ、清春が乗り込んできました。
「待ってください。俺に任せてくださいって…」
「知らねぇよ」
清春はかなり強引なやり方で陣内を連行していきました。
お前は間違ってない
陣内は取り調べが始まっても、バカにしたような態度を取り続けていました。
当然、ガスマスク男の正体を話すこともありません。
「刑事さんも大変だね。カメラがあるから手出しができない」
清春は銃を取り出し、陣内に撃ってみろと挑発して発砲させ、わざと外してカメラを壊しました。
そして、思う存分陣内を殴りつけます。
南武は、再び碓氷元長官と会っていました。
碓氷元長官は、陣内を解放しろと言います。
理由は取り調べしている刑事が職権乱用の疑いがあるため、マスコミが騒ぐと困るというものでしたが、そんなものはどうとでもなる話です。
南武は、ベルムズと警察がつながっているのは本当かと碓氷元長官に問いますが、彼は当然関係を否定します。
「なら、問題はありません」
結局、碓氷元長官は陣内の対応を南武に任せました。
「お前がニッポンノワールと繋がっているのはわかってんだよ！」
清春は陣内を殴り続けます。
すると、陣内は笑い出しました。
「碓氷克樹だっけ？可愛い顔してるよな」
「あのガキがどうなっても知らないぞ。俺はあいつの全てを知っている」
この言葉によって、清春は完全に我を失ってしまいました。
貴志は、とある美少女と久しぶりに再会します。
元カノであり、魁皇高校3年A組だった諏訪唯月（今田美桜）です。
貴志は彼女にベルムズも辞め、償わなきゃいけない罪から逃げて、全部人のせいにして、だから誰も守れないと胸の内を語ります。
唯月はそんな貴志に、高校の担任から言われた言葉を伝えます。
「お前は間違ってない」
迷ってもがいて途方に暮れて、それでも正解を求めて前を向く。
みんなみっともないんだ。恥を繰り返して生きていくんだ。だからお前は間違ってない。
「だから、正臣のこれまでもきっと間違ってないんだよ」
貴志は彼女のこの言葉に背中を押された気がしました。
10億円強奪事件の犯人
警視庁では、ベルムズのメンバーが陣内を取り戻すために襲撃し、大騒動になっています。
乱闘には、入院中であるはずの江國も参戦していました。
清春たちが陣内のいる部屋に辿り着いた時、そこに陣内の姿はありませんでした。
すると、貴志から清春へ着信があり、陣内を返して欲しければ一人で屋上に来いと言われます。
清春が急いで屋上に行くと、貴志は陣内にナイフをつきつけていました。
「笑えねぇ」
清春は銃を構え、今なら見逃してやると言いますが、貴志は今回の暴動は全部自分のせいだということにしろと言います。
「何が望みだ」
「そんなもんねぇよ。強いて言えば、これまでの罪をちゃんと償いてぇ。それだけだ」
だから、他のメンバーは見逃して欲しいと貴志は訴えます。
そんな時、銃声が響き貴志は自分が撃たれたことに気が付きます。
清春が貴志の向こう側を見ると、ガスマスクの男が銃を持って立っていました。
陣内は逃げ、貴志はそのままこと切れてしまいました。
「死んじゃったね」
清春の元に非通知で電話がかかってきました。
「なんで撃った？」
ガスマスク男は、まだ利用価値がある陣内を助けるためだったと言います。
「てめぇ誰だ！」
「そんなに知りたいならヒントをあげよう。壁を見てごらん」
清春がガスマスク男の指さす方向を見ると、壁にはNNマークが浮かび上がっていました。
そして清春はそれを見た途端、またしても気を失ってしまうのでした。
翌朝、克樹と一緒にいるために清春の部屋に泊まった咲良が目を覚ますと、克樹が薬がないと言って顔面蒼白で立ちすくしていました。
「どうしよう。アレがないと僕は…アレがないと…！」
そして克樹はパニックになり暴れだしました。
咲良が一生懸命なだめますが、そのうちに克樹は倒れてしまいました。
次に清春が目を開けた時、彼は貴志正臣の殺害容疑で手錠をかけられていました。
パトカーまで連行されている間、清春はまた一部の記憶を思い出します。
外には一匹のカエル。草は夜露に濡れています。
清春は山小屋の中に入ります。
「こんなところに呼び出して何の用だ？」
待っていたのは薫でした。
「あなたに10億円強奪事件の真相を伝えようと思って」
薫は、真犯人も10億円のありかも自分は知っていると話します。
なぜ真犯人を隠す必要があったのか。
「その真犯人が警察関係者だったからよ」
連行中の清春が駐車場まで出た時、才門がバイクで乱入し清春を連れ去りました。
清春は、今だぼんやりする頭で薫との会話を思い出します。
薫が清春に真相を告げようと思ったのは、この事件の根幹に克樹が関わっているからだといいます。
「誰がホンボシなんだ？」
「真犯人は…私よ」
『ニッポンノワール』第5話まとめ
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— 【公式】ニッポンノワール-刑事Yの反乱- (@NNY_ntv) November 10, 2019
薫の衝撃告白によって、第一部は完結しました。
何がどうなっているのかさっぱりわかりません。
清春と同じように頭の中が混乱したまま、第二部に続いてしまいます。
ただ、一つ克樹と清春の絆がより深まったのは良かったことです。
気になるのは克樹が常時服用している薬の存在と、清春が常時服用しているマスターオリジナル健康ドリンクです。
もしかしたら共通点があるのでは…？
とにもかくにも次回から第二部が始まります。絶対に見逃せません！
