圧倒的な存在感と演技力で数多くの作品に出演している二階堂ふみ。
2009年、役所広司の初監督作『ガマの油』のヒロイン役で映画デビューし、2011年には『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』で初主演を果たします。
翌2012年には園子温監督の『ヒミズ』で共演の染谷将太とともに日本人初のベネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を受賞し、話題となりました。
今回は、二階堂ふみのおすすめ出演映画を17作品を厳選してご紹介します。
目次
二階堂ふみ出演映画おすすめ17選
『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』
プロの棋士になるという夢をもつ女子高生・美知子(二階堂ふみ)は、周囲の今時の高校生たちと自分とのギャップに悩んでいました。
そんなある日、“神聖かまってちゃん”のライブに誘われますが、その日は何とか出場を勝ち取った将棋のアマチュア王座決定戦の決勝と重なっており…。
『SR サイタマノラッパー』の入江悠が、人気バンド・神聖かまってちゃんの名曲たちをモチーフにオリジナル脚本で撮り上げた青春群像劇です。
それぞれに悩みや葛藤を抱えた登場人物たちの日常とドキュメンタリーのようなライブシーンを真正面から映し出し、淡々としていながらも芯は熱いロックな人間たちの姿を描いています。
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『ヒミズ』
ごく普通に生きることを願っていた住田祐一(染谷将太)と、愛する人と守り守られ生きていくことを夢見る茶沢景子(二階堂ふみ)。
15歳の2人の日常は、ある事件をきっかけに絶望と狂気に満ちたものへと変わっていきます。
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監督の園子温は今作の撮影直前に発生した東日本大震災を受けて舞台を震災後の日本に変更し、撮影地にも宮城県石巻市を加えました。
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二階堂ふみは、自らも機能不全家庭で過ごしながら同じ境遇のクラスメイトである主人公の住田を気にかけるヒロイン・茶沢を演じました。
その難しい役どころや台詞の言い回しをものにした記憶に残る痛切な演技は、作品全体の見どころといっても過言ではありません。
『脳男』
都内近郊で無差別連続爆破事件が発生し、犯行には舌を切り取られた女性の全身に爆弾を巻きつけた“人間爆弾”が使われていました。
正義感の強い刑事・茶屋(江口洋介)は犯人である緑川(二階堂ふみ)のアジトを突き止めますが、そこにいたのは身元不明の男・鈴木一郎(生田斗真)でした。
共犯とみなされた一郎は犯行手口の異常さから精神鑑定を受けることになり、脳神経外科医の鷲谷(松雪泰子)は、一切の感情を表に出さない一郎に興味を抱きます。
第46回江戸川乱歩賞を受賞し、乱歩賞史上最大の問題作とされた小説を原作としたバイオレンス・ミステリーです。
人間らしい感情を持たない殺人鬼・“脳男”の姿を中心に、その周辺で起こる驚愕の事件を描きます。
二階堂ふみは、脳男と敵対する連続爆弾犯・緑川を演じました。
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感情を持たない脳男に対して、感情を持ったうえでの絶対悪である緑川。
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『地獄でなぜ悪い』
ヤクザの組長・武藤(國村隼)は、獄中の妻・しずえ(友近)の夢でもある娘・ミツコ(二階堂ふみ)を主演にした映画の製作を決意します。
“映画の神様”を信じるうだつのあがらない青年・平田(長谷川博己)と通りすがりの青年・橋本(星野源)、さらに対立するヤクザの組長でミツコに恋心を抱く池上(堤真一)をも巻き込み、事態は思いもよらない方向へ…。
園子温が手掛けるアクション・コメディ作品である今作は、まさに血まみれのエンターテイメント。
ヤクザ同士の抗争、本気の映画製作、元人気子役のヤクザの娘、映画バカ、巻き込まれた一般人…。
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二階堂ふみは、ヤクザの組長である武藤に溺愛されている娘・ミツコを演じました。
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ヤクザの妻を演じた友近とともに、本当にヤクザファミリーですよね?と疑いたくなるハマりっぷりでした。
『四十九日のレシピ』
妻・乙美(執行佐智子)を亡くして生きる気力を失っていた良平(石橋蓮司)のもとに、夫の不倫で結婚生活が破綻し、離婚を決意した娘・百合子(永作博美)が戻ってきます。
そんな2人の前に派手な服を着た不思議な少女・イモ(二階堂ふみ)が現れ、乙美から頼まれて四十九日までの家事を引き受けにやってきたと言い、乙美が残したというレシピの存在を伝えます。
離れ離れになっていた家族が亡き母の残したあるレシピによって再び集い、それぞれが抱えた心の傷と向き合いながら再生していく姿を描いたハートフルな作品です。
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二階堂ふみは、父娘の前に現れる不思議な少女・イモを演じています。
明るく自由奔放ながら心の底に暗い部分を秘めた少女をおちゃめな表情と大人びた表情を使い分けて演じ、その心情の機微を表現していました。
『ほとりの朔子』
叔母の海希江(鶴田真由)に誘われて海と山のほとりの避暑地を訪れた浪人生の朔子(二階堂ふみ)は、そこで海希江の幼なじみの兎吉(古舘寛治)と、その甥で福島から避難してきていた孝史(太賀)と出会います。
朔子と孝史は何度か会ううちに次第に惹かれあっていきますが…。
大人と子供の狭間で揺れ動く少女・朔子を中心に描いた青春映画です。
二階堂ふみは主人公の朔子を演じ、静かに大人へと向かっていく少女の姿を表現しています。
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普通の女の子を演じていること自体が新鮮でもあるので、赤いワンピース姿の朔子は一度見たら忘れられないでしょう。
『私の男』
10歳で孤児となった少女・花(二階堂ふみ)は、遠縁の男・淳悟(浅野忠信)に引き取られました。
2人は北海道の平穏な田舎町で暮らしていましたが、流氷の上で起こった殺人事件が報じられたことをきっかけに逃げるように町を後にします。
第138回直木賞を受賞した桜庭一樹の同名小説を原作とした作品です。
天涯孤独な2人が寄り添い合い、禁断の関係に陥っていく人生の物語には大きな衝撃が走りました。
二階堂ふみは、養父・淳悟を敬愛する花を演じています。
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濃密で官能的なシーンには、一種のグロテスクさや狂気を感じさせるほどの凄みが漂っています。
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『渇き。』
妻の不倫相手に暴行を加えて仕事も家庭も失った元刑事・藤島昭和(役所広司)は、別れた元妻の桐子(黒沢あすか)から娘の加奈子(小松菜奈)が失踪したと知らされ、その行方を追い始めます。
容姿端麗な優等生で、学校ではマドンナ的存在の加奈子でしたが、その交友関係を辿るうちに多くの人を翻弄する知られざる人物像が次々に浮かび上がってきます。
第3回「このミステリーがすごい!大賞」を受賞した深町秋生の小説「果てしなき渇き」の映画化です。
当時新人だった小松菜奈の出世作となり、役所広治、妻夫木聡、オダギリジョーなど豪華俳優陣が顔を揃えたエンターテイメント作品になっています。
二階堂ふみは、加奈子に翻弄された人間の1人・遠藤を演じました。
加奈子の素顔を知りながらも心から憧れ、魅了されている悪友をクレイジーに演じています。
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『日々ロック』
勉強もスポーツも苦手ないじめられっ子の高校生・日々沼拓郎(野村周平)は友人に誘われてロックバンドを結成し、卒業後は上京してライブハウスに住み込みで働きながら活動を続けていました。
そんなある日、拓郎たちのライブに突然1人の女性が乱入してきます。
その正体は、斬新なスタイルで世界的に知られるトップアイドル・宇田川咲(二階堂ふみ)でした。
ライブ中に興奮すると全裸になってしまうバンドマンの拓郎と、トップアイドルでありながら狂暴でロックな女・咲が出会い、変化していく運命を描いた青春ムービーです。
二階堂ふみが演じた宇田川咲は、奇抜なメイクやファッションが印象的なアイドル。
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『蜜のあわれ』
ある時は女、ある時は真っ赤な金魚と姿を変え、普通の人間には全く正体がわからない赤子(二階堂ふみ)と、赤子から“おじさま”と呼ばれる老作家(大杉漣)は、親子以上に年が離れていますが、とめどない会話を交わし夜になると体を寄せ合って寝るなど仲睦まじく暮らしていました。
そんなある日、老作家の過去の女・ゆり子(真木ようこ)が幽霊となって現れます。
作家・室生犀星が晩年の1959年に発表した、会話のみで構成されたシュルレアリスム小説の映画化です。
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二階堂ふみが演じた赤子は自らを“あたい”と呼ぶ愛くるしい少女で、『ほとりの朔子』でも披露したような赤い衣装を常に身に付けています。
過去の女に嫉妬して敬愛するおじさまを困らせる姿も愛おしく感じます。
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『オオカミ少女と黒王子』
恋愛経験ゼロにもかかわらず、見栄を張って架空の彼氏との恋愛話を語る“オオカミ少女”の篠原エリカ(二階堂ふみ)。
ひょんなことから女子に大人気の同級生・佐田恭也(山崎賢人)と“偽装カップル”になったエリカは、人当たりがよく人気者の恭也の本性が腹黒で超がつくドSの“黒王子”だと知ります。
八田鮎子の同名コミックを原作とした青春ラブコメディです。
少女漫画の映画化には欠かせない存在となっている山崎賢人と、“映画俳優”といっても過言ではない二階堂ふみの共演は当時とても異色だと感じていました。
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しかし、持ち前の演技力で初恋のときめきや切なさを表現し、等身大の女の子を好演しています。
『何者』
人を分析することが得意な拓人(佐藤健)、何も考えていないように見えて着実に内定に近づいていく光太郎(菅田将暉)、光太郎の元カノで拓人が想いを寄せる実直な瑞月(有村架純)、“意識高い系”ですが結果が出ない理香(二階堂ふみ)、就活は決められたルールに乗るだけだといいながらも焦りを隠せない隆良(岡田将生)。
5人はそれぞれの思いや悩みをSNSに吐き出しながら就職活動に励みますが、人間関係は徐々に変化していき…。
ヒットメーカー・朝井リョウが、平成生まれの作家として初めて直木賞を受賞した同名小説の映画化です。
就職活動をテーマに自身のアイデンティティを探り、悩む若者たちの姿を描いています。
二階堂ふみは、意識もプライドも高い優秀な女子大生・理香を演じました。
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『リバーズ・エッジ』
女子高生の若草ハルナ(二階堂ふみ)は、元彼氏の観音崎(上杉柊平)にいじめられている同級生・山田一郎(吉沢亮)を助けたことをきっかけに、一郎からある秘密を打ち明けられます。
それは河原に放置された人間の死体の存在でした。
ハルナの後輩で過食嘔吐に悩むモデルの吉川こずえ(SUMIRE)や、一郎に想いを寄せる田島カンナ(森川葵)など、様々な事情を抱えた少年少女たちの物語。
岡崎京子の同名コミックの映画化作品です。
若者特有の焦燥感や不安を、大胆かつ繊細に描き出した衝撃のストーリーになっています。
二階堂ふみは主人公のハルナを演じました。
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観ているほうも苦しくなってしまう表情は見事です。
『翔んで埼玉』
かつて東京都民から酷い迫害を受けた埼玉県民が身を潜めてひっそりと暮らす架空の日本。
東京都知事の息子で、東京のトップ高校である白鵬堂学院の生徒会長を務める壇ノ浦百美(二階堂ふみ)は、アメリカ帰りで容姿端麗な謎の転校生・麻実麗(GACKT)と出会いました。
百美と麻実は互いに惹かれあっていきますが、麻実が埼玉県出身であったという衝撃の事実を百美が知ってしまい、2人は東京と埼玉の県境で引き裂かれることとなってしまいます。
発表から30年以上を経た2015年に復刊され、SNSなどで反響を呼んだ同名ギャグ漫画を原作とした作品です。
当時作者が暮らしていた埼玉県を自虐的に描いたことが話題となりました。
二階堂ふみは東京出身のエリート・壇ノ浦百美を演じています。
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『人間失格 太宰治と3人の女たち』
1964年、人気作家として活躍していた太宰治(小栗旬)は、身重の妻・美知子(宮沢りえ)と2人の子どもがいながら、自分の支持者である静子(沢尻エリカ)と関係を持ち、静子がつけていた日記をもとに「斜陽」を生み出します。
『斜陽』はベストセラーとなり社会現象を巻き起こしますが、文壇からは内容を批判され、“本当の傑作”を追求しようとします。
そんなある日、太宰は未帰還の夫を待つ身の美容師・富栄(二階堂ふみ)と知り合い…。
『さくらん』『ヘルタースケルター』の蜷川実花が監督した作品です。
作家・太宰治の女性関係にスポットを当て、その破滅的な人生を描いています。
二階堂ふみは小栗旬演じる太宰を最も翻弄したといえる女性・富栄を演じました。
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太宰とかかわる3人の女性以外にも、文壇のライバルで実在の作家である三島由紀夫役に高良健吾、坂口安吾役に藤原竜也と豪華なキャスティングが魅力的です。
『糸』
歌手・中島みゆきの名曲“糸”から着想を得て製作された作品です。
平成元年生まれの男女が恋に落ち、出会いと別れを繰り返す平成の18年間を描きます。
『感染列島』『64-ロクヨン-』の瀬々敬久が監督、菅田将暉と小松菜奈が主演を務めました。
二階堂ふみは、主人公の漣(菅田将暉)の幼馴染である直樹(成田凌)の二番目の妻・山田利子を演じています。
『ばるぼら』
手塚治虫が1970年代に発表した大人向けコミック「ばるぼら」を初めて映像化した作品です。
手塚治虫の実子である手塚眞とウォン・カーウァイ作品で知られる撮影監督のクリストファー・ドイルがタッグを組み、稲垣吾郎と二階堂ふみが主演を務めました。
二階堂は稲垣演じる人気小説家にインスピレーションを与える謎の少女・ばるぼらを演じています。
二階堂ふみ出演映画おすすめ17選まとめ
いかがだったでしょうか。
圧倒的な存在感と演技力で、今後の活躍にも期待大な二階堂ふみ。
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