江の島を望む由比ガ浜で、井之頭五郎さん(松重豊)は海辺の孤城で出されるドイツ料理に空腹を救われます。
独特な間を持つマダム(かたせ梨乃)が勧めるがままに食べたスペアリブとサバの燻製は、それはそれは絶品でした。
あぁ、今日も腹が減った!
目次
『孤独のグルメ』Season8第7話あらすじ
井之頭五郎(松重豊)は、昔からの知り合い・中村真治(パパイヤ鈴木)との商談のため、由比ガ浜へ。
中村と昔話に花を咲かせつつ、商談を終えお腹が空いた五郎は海鮮モード!
だが周りはカフェしか見当たらず…。
ようやく見つけたドイツ家庭料理店【シーキャッスル】に入ると、独特な迫力のあるママ(かたせ梨乃)が。
その雰囲気に圧倒されながらも「スペアリブ(マッシュポテト・ザワークラウト付き)」「サバの燻製」「ライ麦パン」「本日のスープ」を注文!
出典:『孤独のグルメ』公式ページ
【ネタバレ】『孤独のグルメ』Season8第7話の感想
神奈川県鎌倉市由比ガ浜
井之頭五郎さん(松重豊)は、病気が原因で突如脱サラし湘南に店を出した先輩から食器の注文を受け、店の雰囲気を見るために由比ガ浜に降り立ちました。
五郎さんは遠くに見える江ノ島で、江の島丼を食べたことを思い出します。
『江の島丼』なる丼が、サザエを玉子でとじたものとは知らず、つぼ焼きも頼んでしまってサザエだらけになってしまったという思い出です。
店に辿り着くと、先輩(パパイヤ鈴木)は屋上で昼ビールを決めていました。
「いい景色ですね」
「働くのが嫌になるだろ」
仕事人間だった彼からは想像もつかない光景です。
彼も病気になるまでは会社を辞めるなんて考えもしませんでしたが、立ち止まって見える景色があるとわかっただけでも儲けもんだと言います。
打ち合わせを終え、五郎さんは良い天気なので少し散歩をすることにしました。
せっかくだから海辺とは違う景色も見てみようと路地に入ってみます。
「へー、こういう路地裏いいな」
路地にはあちこちにカフェがあります。
気がつけば、結構な時間が経っていました。
「どうりで、腹が減っている……」
空腹に気がついた五郎さんはカフェめしという気分ではないので、店を探すことにしました。
散歩に夢中になっていたので、随分と遅い時間になってしまっています。
営業しているお店はあるのでしょうか?
「とりあえず大通りに出るか」
今は、湘南にありがちなしらす丼などの海鮮の気分は全くありません。
しかし、探せど店は一軒も見当たりません。
「俺はまたトンチンカンな道を探しているのか?」
と、また海に出てきました。
確実に店があるのは江ノ島ですが、そんなところまで出たら確実に餓死をすると思った五郎さんは必死で目を凝らします。
鎌倉の孤城
すると、一軒のおしゃれな外観の建物を見つけました。あれは食べ物屋でしょうか。
そう見せかけて美容室かペットショップという可能性もあります。
看板を見てみると、レストランのようでした。
『SEA CATSLE』と書いてあります。
「良かった食い物屋だ。でも、ドイツ料理」
ドイツ料理とは、アウェー感が否めませんが、ここで逃したらこの先店を見つけられない可能性もあります。
「鎌倉で城攻めこれは行くべし。いざ勝負!」
店内に入ってみると、店員らしき人は誰もいませんでした。
準備中か?と思っていると、奥の方からゆっくりと出てくる女性(かたせ梨乃)があります。
「お客さんかしら?」
「食べられますか?」
「もちろん。だから開けてるのよ」
五郎さんは窓際の席に座るように促されました。
独特の雰囲気を持つマダムを見て、大丈夫かな?と少し不安になる五郎さん。
ひとまず、メニューを開きます。
ローストポークにソーセージの詰め合わせなどなどメニューは豊富ですが、いかんせん馴染みのない料理ばかりです。
「ロールビーフ?アイスバインってなんだっけ?あ~思い出せない」
ソーセージメニューはさすがのバリエーションです。
そして、唯一の魚メニューはサバの燻製。
「ライスが見当たらんが、まさかな…」
わからないことが多すぎるので、五郎さんは聞きながら考えることにしました。
「ロールビーフって何ですか?」
「聞いたらダメよ。聞いたら面白くないもの。出てきてからのお楽しみよ」
「じゃあロールビーフ」
「ごめんなさいね、今日はないの」
最初っから言ってよ~!と、五郎さんとマダムの息はなかなか合いません。
しかしマダムは肉がいいならと、メニューにはないスペアリブを勧めてくれました。
五郎さんは、スペアリブとサバの燻製にソーセージを追加しようとすると、マダムは多いから食べてから後で頼みなさいと言います。
「ライスは?」
「ないわよ。メニューに書いてないでしょ」
ドイツ人は、ライスの代わりにポテトを食べるのです。
でも、スペアリブもメニューに書いていなかったのですが…。
五郎さんはサイドメニューとしてパンとスープ、それに好物のザワークラウトを注文しました。
しかし、ザワークラウトはスペアリブについているからいらないと却下されてしまいます。
肉の衝撃ジャーマンスープレックス
マダムに完全に主導権を握られてしまった五郎さん。手も足も出ませんでした。
「ドイツで孤独……」
店の中の客は五郎さん1人だけ。
波の音だけが聞こえてきます。
「その席からだと海がよく見えるでしょ」
マダムがわざわざこの席に座らせたのは、海が見えるからだったようです。
マダムは海を眺めながら、海は30分ごとに景色が変わるから見ていて飽きないといいます。
「同じ波は一つもないの。人生と一緒」
マダムのそんな話を聞いていると、スープが出来上がりました。
スープは優しくてどこか懐かしい味がします。
「俺の舌にもしっくり馴染む」
突然、ガラガラとすごい音がしました。
それは、マダムが料理を運ぶためのワゴンの音でした。
ワゴンにはサバの燻製が乗っています。
「ポテトと一緒に食べると美味しいわよ」
マダムの言う通りに冷たい燻製をポテトと一緒に食べてみると、とってもよく合います。
「これ、最強の組み合わせかも!」
こんなに日常的な、こんなに美味しい組み合わせを日本人はなぜ思いつかなかったのだろうと思うくらいにサバとポテトは合うようです。
「見た目は普通なのに、俺の知らないドイツ。もっと美味しいドイツ」
そのうちにまたガラガラと音がしてスペアリブが運ばれてきました。骨と脂が抜いてあります。
ソースはトマトベースのようです。付け合わせはマッシュポテトとザワークラウト。
五郎さんは一口食べて確信します。
「うわ~これは間違いない!ソースがケチャップっぽいのもすごく良い」
次は大胆に大きく切って食べてみると、ガツンと美味しさがやってきます。
「肉の衝撃ジャーマンスープレックスだ!」
ザワークラウトもマッシュポテトも最高のパートナーです。
再びサバに戻ると、ポテサバはやっぱり美味しい!
毎日食えると完全に惚れ込んだ五郎さんです。
ここで五郎さんは名案を思いつきます。
黒パンにスペアリブを乗せ、さらにマッシュポテトをとザワークラウト乗せてパンでサンドします。
「五郎式ジャーマンスープレックスサンド。これは殺人技だ!」
リブ、マッシュ、ザワー…うまいドイツの三重奏の出来上がりです。
サンドウィッチ伯爵もこれは思いつかないでしょう。
「このリブはライスで追いかけたい。絶対米に合う。絶対に!」
と、米に想いを馳せながらも、スペアリブはすいすいと口の中に入っていきます。
最初はどうなることかと思いましたが、結果的にドイツ料理の素晴らしさを知ることができて本当に良かったと満足顔の五郎さん。
「由比ガ浜に素晴らしきドイツの孤城あり。恐れ入りました!」
同じ波は一つもない
メインのリブとサバを平らげた五郎さんは、ついに追加注文をします。
ガラガラと運ばれてきたのは、コーヒーと生クリームがたっぷり乗ったアップルパイ。
しっとりタイプでちゃんとリンゴが感じられる代物です。クリームを大盤振る舞い。
ホイップクリームとの相性は最高で、完璧な甘さです。
「この大人味のアップルパイはシーキャッスルの隠し財宝だ。本当に美味しいです!」
五郎さんは心の中でダンケシェーンと感謝をします。
「ダンケダンケ大ダンケ。ごちそうさまでした!」
お会計は4,084円です。5,000円を出した五郎さん。
マダムは細かいのはないのかと要求してきます。当然といえば当然ですが。
「ソーセージ頼まなくてちょうどだったでしょう」
「その通りでした!」
席もメニューも、マダムの言うことはいちいちごもっともでした。
「同じ波は一つもない」
五郎さんは、心地よい海風が吹く海岸を通って、帰路につくのでした。
ドラマ『孤独のグルメ』Season8第7話まとめ
ドイツ料理といえば、ソーセージとザワークラウトが真っ先に思い浮かばれますが、毎日食べても飽きが来ないポテサバ、気になります!
『SEA CATSLE』は湘南で62年営業している知る人ぞ知るレストランだということです。
ドイツ人の兄弟が営んでいて、日本語が達者なマダムは本当にワゴンで料理を運んでいます。
『ふらっとQusumi』では、『カレーブラウトプルスト』というカレー味のソーセージと『クロプセ』というマッシュポテトと食べるミートボールとドイツビールが紹介されました。どれも美味しそうです!