通称ボリウッド、トリウッド、コリウッドと3つの映画の都があり、年間の映画製作本数は世界一という映画超大国インド。
上映時間が長い、ダンスシーンが多い、と苦手イメージのある方もいると思いますが、日本でもどんどん人気が高まり、毎年何本もインド映画が公開されています。
歌あり、ダンスあり、アクションありのド派手で愉快なエンタメ作品から重厚なヒューマンドラマまで、多彩なインド映画、もしくはインドが舞台の名作映画をランキング形式で一挙紹介します!
目次
- 1.インド映画おすすめランキングベスト30
- 1.1第30位『カンフー・ヨガ』
- 1.2第29位『ロボット2.0』
- 1.3第28位『インド・オブ・ザ・デッド』
- 1.4第27位『ムトゥ 踊るマハラジャ』
- 1.5第26位『スタンリーのお弁当箱』
- 1.6第25位『ヒンディー・ミディアム』
- 1.7第24位『ガンジー』
- 1.8第23位『マッキー』
- 1.9第22位『サーホー』
- 1.10第21位『ミルカ』
- 1.11第20位『マガディーラ 勇者転生』
- 1.12第19位『スラムドッグ$ミリオネア』
- 1.13第18位『神さまがくれた娘』
- 1.14第17位『盲目のメロディ〜インド式殺人協奏曲〜』
- 1.15第16位『ボンベイ』
- 1.16第15位『バルフィ!人生に唄えば』
- 1.17第14位『ガリーボーイ』
- 1.18第13位『プレーム兄貴、王になる』
- 1.19第12位『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』
- 1.20第11位『ダンガル きっと、つよくなる』
- 1.21第10位『きっと、またあえる』
- 1.22第9位『PK』
- 1.23第8位『マダム・イン・ニューヨーク』
- 1.24第7位『パッドマン 5億人の女性を救った男』
- 1.25第6位『ホテル・ムンバイ』
- 1.26第5位『WAR ウォー!!』
- 1.27第4位『バーフバリ 伝説誕生』
- 1.28第3位『きっと、うまくいく』
- 1.29第2位『バジュランギおじさんと、小さな迷子』
- 1.30第1位『バーフバリ 王の凱旋』
- 2.インド映画おすすめランキングベスト30まとめ
インド映画おすすめランキングベスト30
第30位『カンフー・ヨガ』
- ジャッキー・チェンが主演を務めたインド&中国合作のアクションアドベンチャー
- インドの人気俳優ソーヌー・スード、韓国のアイドルグループEXOのレイなど共演陣も国際色豊か
- 世界を股にかけたスペクタクルアクションとジャッキー流カンフーが見逃せない!
ミルトモ 編集部
いきなりTHEインド映画ではないですが、香港アクション界の大スター、ジャッキー・チェンが主演を務めたアクションアドベンチャーです。
共演にもインドの人気俳優ソーヌー・スード、人気アイドルグループEXOのレイなど、国際色豊かなキャストが顔を揃えています。
中国の西安市の博物館に務める考古学者でカンフーの達人であるジャックは、同じく考古学者でヨガの達人でもあるインドの美女・アミスタから、約1000年前に中国とインドの争乱の際に失われた財宝を探す話を持ちかけられます。
ジャックとアミスタは一枚の古地図を頼りに、宝へ導く「シヴァの目」を探し始めます。
ミルトモ 編集部
降龍十八掌や伏虎十八腿などの秘技をはじめ、棒術、ヨガまでもを自分の技にしてしまうジャッキー流のアクションや、中国・インド・ドバイ・アイスランドと世界中を巡る宝探しの冒険のなかでも、特にドバイ王室が提供した高級車でのカーチェイスはスリル満点です。
ミルトモ 編集部
第29位『ロボット2.0』
- ラジニカーントが主演を務めて大ヒットした『ロボット』の続編
- おじさんロボット対おじさんスマホロボの戦いを描くSFアクションコメディ
- 莫大な予算をかけて真剣なおふざけを見せてくれる最高の作品!
2019年公開の『ロボット2.0』は、『ムトゥ 踊るマハラジャ』のラジニカーントが主演を務めて大ヒットを記録したSFアクションコメディ『ロボット』の続編。
携帯電話の使用により生態が脅かされている鳥類を守りたいがあまり、人々を襲う怪物に変身した鳥類学者に対抗する、伝説のロボット「チッティ」の復活と活躍を描きます。
主演のラジニカーントが伝説のロボット・チッティとバシー博士の1人2役を演じ、宿敵のスマホロボに変貌する学者を『パッドマン 5億人の女性を救った男』のアクシャイ・クマールが演じました。
インドの街から突如スマートフォンが消失し、その後携帯業者や通信大臣がスマホに殺されるという事件が発生。
消えたスマートフォンの行方を追っていたバシー博士と助手のニラーは、夥しい数のスマホが合体して巨大な怪鳥に変化し、人々を襲っているという事実を突き止めます。
人類を守るため、バシー博士は封印されたはずの伝説のロボット「チッティ」の復活を思い立ちます。
2018年時点でインド映画史上最高額の製作費を投入した『ロボット2.0』ですが、しっかりとお金をかけて無駄なことを真剣にやってくれる姿勢に非常に好感が持てる作品です!
また、マーベル作品やさまざまな映画へのオマージュもあり、というかありすぎ。
映像には『アベンジャーズ』や『ジュラシック・ワールド』のレガシー・エフェクツが参加しているだけあって、迫力満点の映像はマーベル作品と遜色ありません。
ミルトモ 編集部
あまり内容がない作品にも思えますが、インドでのスマホの普及率が増え、スマホが発する電波が渡鳥たちの生態を狂わせているという社会問題にも触れています。
ミルトモ 編集部
第28位『インド・オブ・ザ・デッド』
- インドのリゾート地・ゴアを舞台にしたインド初の本格ゾンビコメディ
- ロシアンマフィアのドラッグで人々がゾンビに変化!
- ゾンビ映画寄りで、インド映画ではお馴染みの歌やダンスはなし
2015年公開の『インド・オブ・ザ・デッド』は、インドのリゾート地として有名なゴアを舞台にした、インド初の本格ゾンビコメディ。
ミルトモ 編集部
アメリカ在住のインド人監督コンビ、ラージ・ニディモールーとクリシュナ・DKがメガホンを取り、ゾンビの大群に立ち向かう若者たちの戦いをコミカルに描いています。
仕事をクビになったハルディクと彼女にフラれて傷心のラヴは、ルームメイトのバニーの出張に同行してインドのリゾート地で「ヒッピーの聖地」として知られるゴアへ、気晴らしに出かけます。
離島で開催されるロシアンマフィア主催のパーティーに紛れ込んだ3人でしたが、そこで新型のドラッグを飲んだ者たちがゾンビ化する事件が発生。
金欠でドラッグを買えずゾンビ化を免れた3人は、映画で見た知識とゲームで鍛えた射撃力を活かして離島からの脱出を図ります。
ミルトモ 編集部
「ゾンビだ!」「インドなのに!?」のセリフにはもう大爆笑。
つまらないと思っていたら意外と面白かった良作で、ゾンビ映画へのパロディもチラホラ。
ミルトモ 編集部
第27位『ムトゥ 踊るマハラジャ』
- 歌って踊るマサラムービーの真骨頂!
- 主演はインドの国民的俳優ラジニカーント
- 日本におけるインド映画ブームの火付け役
1998年に公開された『ムトゥ 踊るマハラジャ』は、日本でのインド映画ブームの火付け役となったロマンティック・コメディ。
インドの国民的俳優ラジニカーントが主演を務め、大地主に仕える召使い・ムトゥの活躍を歌とダンスたっぷりに描きます。
大地主・ラージャーの元で働く召使いのムトゥは、ラージャー専属の執事やボディーガードとして常に共に行動していました。
ある日、ひょんなことから旅回り一座の女優・ランガと恋に落ちるムトゥでしたが、同じようにラージャーもランガのことを好きになってしまったのです。
さらに屋敷を乗っ取ろうとするラージャーの伯父の陰謀により、ムトゥは屋敷を追い出されそうになりますが、ラージャーの母がムトゥの驚くべき出生を明らかにします。
1998年当時の日本では単館上映からスタートしたものの、観客動員数25万人を超える大ヒットを記録。
ミルトモ 編集部
日本人にとってインド映画といえばコレ!くらいにインパクトがあった作品ではないでしょうか?
『ムトゥ 踊るマハラジャ』は、まさにマサラムービーの真骨頂!
歌や踊りが満載で映画というよりはまるでショーを見ているような気分になり、思わず一緒に体を動かしたくなってしまいますね!
ちなみに「マサラムービー」とは、インド映画における複数ジャンルを掛け合わせた作品のことで、インド料理で複数のスパイスを掛け合わせた「マサラ」に由来します。
風情のあるロケーションで撮影され、ミュージカル要素を盛り込む作品が多く、インドでも最も人気の高いジャンルです。
ミルトモ 編集部
第26位『スタンリーのお弁当箱』
- 素人の子供たちが出演して大ヒットを記録したハートフルコメディ
- 映画のワークショップとして製作され、撮影のことは子供たちに秘密にされていた
- 格差社会の現実を突きつけられるも、子供たちの優しさに心が温まる
2013年公開の『スタンリーのお弁当箱』は、作りこんだダンスやミュージカルが主流のインド映画界において、素人の子供たちを集めて撮影し、大ヒットを記録した異色のハートフルコメディ。
今作に俳優としても出演しているアモール・グプテが監督を務め、彼の息子であるパルソーが主人公のスタンリーを演じています。
ムンバイのカトリック系の学校に通う4年生のスタンリーはクラスの人気者ですが、家庭の事情でお弁当を持ってくることができません。
昼休みに水道水で空腹を紛らわすスタンリーを見かねたクラスメイトたちは、それぞれのお弁当から少しずつスタンリーに分けてあげようとしました。
しかし、食い意地のはった中年の国語教師・ヴァルマーはそれを横取りし、スタンリーに対して「弁当を持ってくることができない生徒は学校に来る資格はない」と怒鳴りつけたことから、ショックを受けたスタンリーは学校に来なくなってしまいます…。
クラスメイトたちの支えもあり、スタンリーは「ある方法」でお弁当を持ってくることができるようになり…!?
『スタンリーのお弁当箱』は1年半にわたる映画のワークショップとして製作された作品で、子供たちには最後まで映画の撮影と知らせず、自然な表情を捉えていることが作品の魅力の1つです。
格差社会の現実を突きつけられる内容でもありますが、子供たちの演技や表情、優しさがひたすらに素晴らしくて救われます。
ミルトモ 編集部
第25位『ヒンディー・ミディアム』
- ハリウッド作品にも出演するイルファン・カーンが主演を務めたコメディ映画
- 娘を有名私立学校へ入学させたい夫婦が奮闘する物語
- 子供のお受験戦争を通じてインドの階級社会を知ることができる
2019年公開の『ヒンディー・ミディアム』は、『スラムドッグ$ミリオネア』『ジュラシック・ワールド』のイルファン・カーンが主演を務めた、インドのお受験事情を描いた笑いあり涙ありのコメディ映画。
インドのデリーを舞台に、娘を有名私立学校へ入学させるために奮闘する夫婦の騒動を描きます。
デリーの下町で洋品店を営むラージとミータ夫妻は、娘を進学校に入れることを考えていました。
入学のためには親の教育水準や居住地も影響するということがわかった2人は、受験のために高級住宅地への引っ越しを決意しますが、受験の結果は全滅で肩を落とします。
しかし、とある学校が低所得者層のための優先枠を設けるというニュースを聞いたラージとミータは、貧民街へ引っ越して貧乏人になり切るのですが…!?
主演のイルファン・カーンと妻役を演じたパキスタンのトップ女優サバー・カマルの演技が高く評価され、第63回フィルムフェア賞で最優秀作品賞と最優秀主演男優賞を受賞し、興行的にもヒットを収めました。
ミルトモ 編集部
子供の受験を通していまだに残るインドの階級社会に触れる作品ですが、コミカルに描かれており最後まで観やすい仕上がりになっています。
イギリスの植民地としての歴史があるインドでは、英語はヒンディー語とともに準公用語として使用されています。
インドでは小学校から英語教育がはじまり、英語を習得することは社会で成功するための必須条件になっているようです。
ミルトモ 編集部
第24位『ガンジー』
- 名優リチャード・アッテンボローが監督を務め、アカデミー賞で9部門を獲得
- インド独立の父・ガンジーの波乱に満ちた生涯を描いた伝記映画
- 主演のベン・キングズレーがガンジーそのもの!再現度に驚き
1983年公開の『ガンジー』は、『大脱走』や『ジュラシック・パーク』にも俳優として出演したリチャード・アッテンボローが監督を務めた伝記ドラマ。
インド独立運動の指導者となったマハトマ・ガンジーの波乱に満ちた生涯を描き、第55回アカデミー賞において作品賞・監督賞を含む9部門を獲得した名作です。
後に『シンドラーのリスト』『アイアンマン3』に出演するベン・キングズレーがガンジー役を務め、アカデミー主演男優賞を受賞しました。
1893年、イギリス領インド人の青年・ガンジーは、弁護士として訪れたイギリス領南アフリカで身をもって人種差別を体験します。
激しい怒りを覚えたガンジーは非暴力・不服従を精神とする抗議活動を展開し、人種の垣根を超えた共同農園を開設。
やがてガンジーの行動にインド人労働者たちも結束し始め、運動は拡大していきました。
そして祖国・インドに戻ったガンジーは英雄として迎えられ、当時インドを支配していたイギリスからの独立運動に身を投じていくことになります。
インド独立の父として今も讃えられるガンジーの波瀾万丈な人生を、壮大なスケールで描いた作品です。
全編3時間以上にわたる作品ですが、ガンジーの偉大さを語るにはそれでも足りないくらいで、製作陣のガンジーに対するリスペクトをひしひしと感じます。
撮影はインド各地で行われ、ガンジーの葬儀シーンでは30万人のエキストラが動員されたというエピソードにも驚き。
ベン・キングズレーがガンジーの見た目や仕草を完璧に再現したことでも、注目を浴びました。
ミルトモ 編集部
第23位『マッキー』
- 『バーフバリ』シリーズのS・S・ラージャマウリ監督が手がけたアクションコメディ
- ハエに転生した青年が恋人を悪から守るために立ち上がる…!
- 奇想天外な物語が話題を呼んでインドで大ヒットを記録
2013年公開の『マッキー』は、悪徳実業家に殺された青年がハエに転生し、愛する女性を守る物語を描いた奇想天外なアクションコメディ。
脚本を務めたK・V・ヴィジャエーンドラ・プラサードの「人間に復讐を企むハエ」という冗談から着想を得て、息子のS・S・ラージャマウリが監督を務めて映画化。
2012年のインドにおけるテルグ語作品として、大ヒットを記録しました。
向かいのアパートに住む事前活動家の女性・ビンドゥに想いをよせる、貧しい青年・ジャニ。
しかし建設会社社長であり裏はマフィアのボスという顔を持つスディープも、ジャニのことが好きになってしまいます。
ある日勇気を振り絞って告白をしたジャニは晴れてビンドゥと恋人同士になりますが、それを知ったスディープは激怒し、ジャニを殺害し事故として処理。
やがて小さなハエとして転生したジャニは、愛するビンドゥを守るために立ち上がります!
ミルトモ 編集部
ハエに転生してからの筋トレシーンや恋人のビンドゥが作るマイクロサイズの装具など、とにかくアイデアがぶっ飛びすぎ。
S・S・ラージャマウリ監督が『バーフバリ』シリーズを手がける前に監督した作品でもあり、日本で起こった『バーフバリ』ブームを受けて『マッキー』も2019年にリバイバル上映されました。
ミュージカルシーンも自然で、まるでディズニー映画を見ているような不思議な感覚に陥ります。
ミルトモ 編集部
でも、主人公があっさり死にすぎたことは可哀想すぎる…。
だからこそ、ハエに転生してからいきなり復讐に燃えるジャニに胸が熱くなり、思わず応援したくなります!
あんなに優しかったジャニが、ハエに転生してからは「殺す」しか言わなくなってしまうなど、あまりの性格の変わりようには爆笑。
訳もわからず執拗にハエや虫にたかられることがあったら、最近の自分の行いを振り返った方が良いかもしれません。
ミルトモ 編集部
第22位『サーホー』
- 『バーフバリ』のプラバースが主演を務めたクライムアクション
- バイク&カーアクション、空中戦に肉弾戦とにかくすごいアクションの数々に注目!
- 展開が読めないハラハラドキドキのジェットコースタームービー
2020年公開の『サーホー』は、『バーフバリ』シリーズのプラバースが主演を務めたクライムアクション。
ムンバイと架空の都市ワージーを舞台に、暗殺された犯罪組織の後継者争いと、事件に隠された謎を描きます。
ミルトモ 編集部
インドのムンバイで3億ドルの盗難事件が発生し、警察は伝説の捜査官・アショークを召喚。
また数多の犯罪が横行するワージーでは、犯罪組織による後継者争いが勃発していました。
女性警察官のアリムタとともに捜査に乗り出したアショークは、窃盗団を追うなかで裏組織が隠し持つ金庫の存在にたどり着きます。
しかし金庫を開けるためには「ブラックボックス」という鍵が必要で…!?
ミルトモ 編集部
バイク、カーアクション、空中戦に肉弾戦など、アクション映画好きも大満足間違いなしです!
3つのエピソードが同時進行で進み、展開が予想できないジェットコースター・ムービーですが、逆に物語が混み入りすぎていたことがちょっとマイナスポイント。
ミルトモ 編集部
第21位『ミルカ』
- インドの国民的英雄ミルカ・ハンの半生を描いた伝記ドラマ
- ミルカの壮絶な過去と栄光の物語を描き、国際インドアカデミー賞14部門受賞
- インドのマルチタレント、ファルハーン・アクタルが見事な役作りでミルカを熱演
2015年公開の『ミルカ』は、インドの国民的英雄として知られるオリンピック陸上選手、ミルカ・シンの激動の半生を描いた伝記ドラマ。
ミルトモ 編集部
インドのアカデミー賞と呼ばれる国際インドアカデミー賞において作品賞・監督賞・主演男優賞を含む14部門を総なめにしました。
1960年のローマオリンピックの400メートル走決勝で、インド代表のミルカはゴール直前で後ろを振り向きメダルを逃すという失態を犯し、メダルを期待していた国民たちからバッシングを受けます。
帰国したミルカはパキスタンで開催されるスポーツ大会の団長に任命されますが、断固として拒否。
首相命令でミルカを説得しに行ったコーチは、道中の列車で同行した首相秘書に対して、ミルカがパキスタンへ行きたがらない理由を語り始めました…。
インドの陸上選手ミルカ・シンの半生を描いたスポーツ映画に止まらない、歌や音楽などさまざまな要素を取り入れたボリウッド・エンターテイメント。
ミルカの壮絶な過去やインドとパキスタン分離の歴史で翻弄され、恋人とも引き離されてしまうといった苦難が描かれます。
ミルカのことを全然知らない人でも、気づけばミルカの人柄に惹かれ、ミルカの努力を応援したくなること間違いなし。
英雄には英雄にふさわしい人生のドラマがあるのです。
ミルカの人生を大きく翻弄したのが、インド・パキスタンの分離独立問題。
第二次世界大戦後の1947年にイギリスからの独立を果たしたインドですが、その時にイスラム教とヒンドゥー教の違いからパキスタンと2国に分かれて独立してしまうインド独立運動最大の悲劇とも言われる出来事が起こります。
その後何度も戦争が繰り返され、そしてこの対立は今日まで続いています。
ミルトモ 編集部
第20位『マガディーラ 勇者転生』
- 『バーフバリ』の原点とも言えるスペクタクルアクション!
- 輪廻転生を描く物語で主人公の前世の記憶を生かした設定が見事
- 迫力満点かつツッコミどころ満載!超絶楽しいインド映画
2018年公開の『マガディーラ 勇者転生』は、日本でも大ヒットを記録した『バーフバリ』シリーズのS・S・ラージャマウリ監督と『バーフバリ』のスタッフが2009年に製作したスペクタクルアクション。
輪廻転生を題材とする物語で、インド映画俳優の中で最も出演料が高額と言われるラーム・チャランが主演を務めました。
第57回ナショナル・フィルム・アワードで6部門、第57回フィルムフェア賞・南インド映画部門では6部門、ほか多数のインドの映画祭で高い評価を得た作品です。
1609年のウダイガル王国で、近衛兵のバイラヴァは国王の娘・ミトラと愛を誓い合いますが、軍司令官であるラナデーヴの陰謀により命を落としてしまいます。
それから400年後、ハイデラヴァードのバイクレーサー・ハルシャは、街で偶然出会った女性の手に触れた瞬間、戦士としての前世の記憶が突然蘇ります。
やがてハルシャはミトラの生まれ変わりであるインドゥと再会を果たしますが、2人の仲を引き裂いたラナデーヴもまた、インドゥの従兄弟・ラグヴィールとして転生していたのです…!
まさに『バーフバリ』の原点とも言えるアドベンチャー作品で、壮大なスケールで展開されるアクションと歌やダンスから目が離せません!
全編ゴリゴリの『バーフバリ』に比べると『マガディーラ 勇者転生』は、前半ラブコメで後半『バーフバリ』という編成。
『バーフバリ』と内容の繋がりはありませんが、『バーフバリ』につながるようなハイテンションなバトルと2009年当時のまだチープな作りがまた最高です。
エンディングのダンスも最高にハッピーで、気の合う人と見たら大盛り上がりすること間違いなし!
ミルトモ 編集部
ハルシャもインドゥも美男美女で目の保養にもぴったり。
ミルトモ 編集部
第19位『スラムドッグ$ミリオネア』
- 『トレインスポッティング』のダニー・ボイル監督によるヒューマンドラマ
- アカデミー賞では作品賞を含む8部門を獲得
- スラム街育ちの少年がクイズ番組で勝ち進む様子と彼の過酷な経験を描く
2009年公開の『スラムドッグ$ミリオネア』は、『トレインスポッティング』『イェスタデイ』のダニー・ボイル監督が手がけたヒューマンドラマ。
インドのスラム街で育った少年が一攫千金のクイズで運命を勝ち取る物語を描き、第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞した話題作です。
ダニー・ボイル監督ならではの疾走感あふれる演出が、多くの人々を魅了しました。
インドのムンバイにあるスラム街で育った少年・ジャマールは、無学ながらも一攫千金を勝ち取ることができるクイズ番組『クイズ$ミリオネア』で快進撃を見せ、最後の1問というところまで到達。
しかしジャマールは無学であることから不正を疑われて、警察に連行されてしまいます。
自分の無実を晴らすべく、ジャマールは「その答えを知ることとなった」ストリートでの経験を語り始めたのです…。
クイズが続くミリオネアの番組シーン、警察での尋問シーン、ジャマールの子供時代の記憶という3つの時間軸が共存する物語を通して、現在のインドが抱える貧困問題や格差をエネルギッシュな映像で描く映画です。
インドのスラム街で必死に生きる子供たちを見ると胸が締め付けられ、改めて世界や人生について考えさせられます。
物語は少々ご都合主義感が否めないものの、これぞ運命ということを痛感!
毎日を一生懸命生きること、誰かのために何かをすること、好きなことに没頭することが、結局運命を招くきっかけになるのではないかな?と思いました。
ミルトモ 編集部
第18位『神さまがくれた娘』
- 発達障害を抱える父親と娘の絆を描いたヒューマンドラマ
- ショーン・ペン主演の『アイ・アム・サム』の影響を受けている作品
- 父・クリシュナの娘を思っての行動に賛否両論だが泣ける結末
2014年公開の『神さまがくれた娘』は、南インドの牧歌的な自然を背景に、6歳程度の知能しか持たない父親と娘の絆を描いたヒューマンドラマ。
2001年公開のアメリカ映画『アイ・アム・サム』に強い影響を受けている作品です。
チョコレート工場で働くクリシュナは発達障害を抱えており、6歳程度の知能しかないものの、明るく正直者でみんなに好かれていました。
やがて結婚して娘のニラーを授かりますが、その後妻が他界。
周囲の助けを得ながらニラーを育ててきたクリシュナですが、ニラーが5歳になったある日、町の有力者である亡き妻の父親がクリシュナに子育ては無理だと言って、ニラーを連れ去ってしまったのです。
クリシュナは、ニラーとの穏やかな日々を取り戻すために奔走しますが…。
冒頭からドタバタしておりコメディ作品かと思いきや、まさかの法廷劇でびっくり。
ミルトモ 編集部
娘の将来を考えてクリシュナが下した決断には納得いかない人も多くいると思いますが、娘のことを思って泣くクリシュナにもらい泣き。
ミルトモ 編集部
ミルトモ 編集部
第17位『盲目のメロディ〜インド式殺人協奏曲〜』
- インド発のスタイリッシュなクライムコメディ
- 目が見えないふりをしているピアニストが事件を目撃したことから災難に遭いまくる
- ポップな予告編とは違い、意外とシリアスな内容でびっくり
2019年公開の『盲目のメロディ〜インド式殺人協奏曲〜』は、『エージェント ヴィノッド 最強のスパイ』のシュリラーム・ラガバンが監督を務めたクライムコメディ。
盲目を装っているピアニストが事件を目撃してしまったことをきっかけに、クセの強い登場人物たちが繰り広げる騙し合いを描き、予測不能の展開が話題を呼びました。
自身の芸術のために盲目を装って活動するピアニストのアーカーシュは、ある日大スターのプラモードの家で演奏することを依頼され、彼の家を訪ねます。
しかし、そこでプラモードの妻が不倫相手と結託してプラモードを殺害している現場を目撃!
全て見えないふりをしてその場を凌いだアーカーシュでしたが、駆け込んだ警察署の署長こそが事件の犯人で、そこからとんでもない災難に見舞われることになります…。
ミルトモ 編集部
これがオチか!と思わせておいてから二転三転とする予測不能な物語で、ほっと一息つけるのは冒頭とラストだけ…。
ミルトモ 編集部
世間が抱くイメージの歌って踊ってのインド映画とは違い、珍しくスタイリッシュな作品でした。
第16位『ボンベイ』
- イスラム教とヒンドゥー教の対立、異教徒同士の結婚を実際の事件に絡めて描いたロマンティックドラマ
- インド国内で起きている宗教対立や身分制度について知るきっかけになる
- 主演のマニーシャ・コイララがとにかく美しい
1998年公開の『ボンベイ』は、アルヴィンド・スワーミとマニーシャ・コイララが主演を務めた、タミル語のロマンティックドラマ。
1992年12月から1993年1月にかけて発生し、16世紀に建てられたイスラム教のムスクを数十万人のヒンドゥー教至上主義の暴徒が破壊したアヨディヤー事件を背景に、イスラム教とヒンドゥー教の異教同士の結婚を題材にした物語を描きます。
久々に故郷に帰郷したジャーナリスト志望のセーカルはシャイラーと恋に落ちますが、2人の両親はそれぞれイスラム教とヒンドゥー教であることから結婚を反対。
しかしセーカルはボンベイに戻ったシャイラーを追って2人は結婚し、セーカルは夢をかなえてジャーナリストになり、シャイラーは双子の男の子を授かりました。
それから6年後の1992年12月6日にアヨディヤー事件が発生し、緊張関係にあったイスラム教徒とヒンドゥー教徒の関係が一気に悪化。
ボンベイで発生した暴動でセーカルの子供たちは異教徒として焼き殺されそうになりますが、すんでのところで逃げ出すことに成功。
その後セーカルとシャイラーの両親同士が和解するものの、たびたび事件が発生して再び暴動が激化し始めたのです…。
ミルトモ 編集部
日本人は特に宗教観が薄いので、こうした異教徒同士の対立問題を知らない方も多くいるでしょう。
また、身分違いの結婚を描いていることから、『ボンベイ』は世界史の授業で習ったカースト制度を生々しく実感できる作品でもありました。
『ボンベイ』がインドで公開されたのが1995年で、それ以前にもそれ以降にもヒンドゥー教とイスラム教の対立を題材にした作品は多く作られています。
宗教が悪いというわけではなく「なぜこのようなことが起こったのか」を考えることが大切だと思いました。
ミルトモ 編集部
インドでの異教徒同士の結婚は、信仰が違えば言葉から食事までまるで異なるので、一般的に同じ宗教同士での結婚が望ましいとされています。
またお見合いが主流のインドですが、最近はインターネットを使った婚活が流行っているとのこと。
しかし結婚相手を選ぶ条件として相手と同学歴、同カーストであることが基本になっています。
ミルトモ 編集部
第15位『バルフィ!人生に唄えば』
- 聴覚障害を持つ青年と2人のヒロインの出会いと別れを描いた感動作
- 2012年のアカデミー外国語映画賞のインド映画代表作品に選出された
- 『雨に唄えば』から『菊次郎の夏』までさまざまな映画へのオマージュが満載!
2014年公開の『バルフィ!人生に唄えば』は、聴覚障害を持つ純粋な青年・バルフィと、彼との出会いで人生を大きく変化させていく女性の物語を描いた爽やかな涙を誘う感動作です。
さまざまな映画へのオマージュが話題になり、2012年のアカデミー賞でアカデミー外国語映画賞のインド代表作品にも選出されました。
生まれつき耳が聞こえないけれど、自分の感情を眼差しや身振り手振りで豊かに表現する青年・バルフィは町の人気者。
資産家の男性と結婚しているシュルティは、夫との関係に悩むなかでバルフィと出会って恋に落ちますが、夫との安定した未来も捨てきれず悩みます。
一方、人付き合いが苦手なバルフィの幼馴染のジルミルは、バルフィと再会して彼の優しさに心を開いていきます。
2人の女性はバルフィに出会ったことでまるで初恋のような気持ちを取り戻しますが、互いに惹かれ合う彼らの前に言葉の壁や身分の差が立ちはだかり…。
『雨に唄えば』『きみに読む物語』『アメリ』から『プロジェクトA』『菊次郎の夏』まで、世界中の名作映画のオマージュに満ちた、映画愛に溢れた作品として注目されました。
インド映画特有の歌とダンスはあまりないものの、逆にインド映画にはあまりないおしゃれな雰囲気が楽しめる、心温まる作品です。
ミルトモ 編集部
第14位『ガリーボーイ』
- インドで活躍するラッパーの半生を描いたサクセスストーリー
- 2019年で海外におけるボリウッド映画で最も興行収入が多かった作品
- ヒンディー語のラップは新鮮!意味がわからないもののかっこよさは伝わる
2019年に公開された『ガリーボーイ』は、インドの女性監督ゾーヤー・アクタルがメガホンを取った青春サクセスストーリー。
インドで活躍するラッパー・Nazzyの実話を元に、ムンバイのスラム街で生まれ育った青年がラップとの出会いを通して人生を一変させていく物語を描きます。
ミルトモ 編集部
第92回アカデミー賞・国際長編映画賞のインド代表に選出された作品です。
ムンバイの貧しい家庭で生まれ育った青年・ムラードは、彼を大学に入れたいという両親の思いを知ることなく、仲間たちと悪事に手を染め、医学生サフィナと身分違いの恋をしていました。
自分自身の人生を半ば諦めていたムラードでしたが、ある日大学構内でストリートラップを披露している学生MCのシェールと出会い、ラップの世界にのめり込んでいくことに。
両親からの反対や友情、恋人関係などさまざまな葛藤を抱えながら、ムラードはフリースタイルラップの大会で優勝を目指しますが…!?
ラップの世界の物語なのでインド映画特有の歌やダンスが苦手な方、インド映画自体が苦手な方も、スッとストーリーに入りやすい作品です。
ストリートからラップで成り上がるといベタな物語でありながらもテンポもよく、またインドの家族関係や身分制度、経済格差が盛り込まれている点も高評価の対象に。
リアルな貧しさの中にいるムラードが作り出すラップには、重みを感じました。
ヒンディー語でのラップは意味がわからないものの、韻を踏んでいたりかっこよさは十分に伝わります。
ミルトモ 編集部
第13位『プレーム兄貴、王になる』
- インドの国民的スター、サルマーン・カーン主演のハート・ウォーミング映画
- イギリスの古典小説「ゼンダ城の虜」を元にした物語
- インド映画らしい歌やダンス満載の豪華なマサラムービー
2020年に公開された『プレーム兄貴、王になる』は、『パジュランギおじさんと、小さな迷子』にも出演しているインドの国民的スター、サルマーン・カーンが主演を務めたハート・ウォーミングなマサラムービー。
イギリスの名作古典小説「ゼンダ城の虜」を元に、ひょんなことから王様の替え玉になった貧乏役者の奮闘を歌とダンス満載で描きます。
ミルトモ 編集部
面倒見が良くて曲がったことが大嫌いな下町の貧乏役者・プレームには、憧れのマイティリー王女に会うという夢がありました。
ある日、王女が婚約者・ヴィジャイ王子の王位継承式に出席すると知ったプレームが街に出ると、突然王子の家来としてスカウトされます。
しかし、その裏には王子が暗殺事件に巻き込まれて意識不明という事実があったのです…。
王子に瓜二つだったプレームは、4日後に迫った王位継承式に向けて、王子の替え玉として仕立てあげられることになります。
日本では2016年開催のインディアン・フィルム・フェスティバルで『プレーム兄貴、お城へ行く』のタイトルで特別上映された後、2020年に現タイトルで公開されました。
インド映画らしい歌ありダンスあり、涙あり笑いありの全体的にハッピーな作品です!
無愛想な王子が意識不明で下町育ちの人情役者のプレームが王様に…という面白い設定。
最初は言われるがままに王子を演じていたプレームでしたが、徐々に自分の本領を発揮してからが、さらにドラマが盛り上がります。
やはり人の心を動かすのは人の思いであり心。
ミルトモ 編集部
第12位『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』
- Google earthを使って奇跡を起こした男性の実話を元に作られたヒューマンドラマ
- 『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテルが主演、共演にニコール・キッドマンなど
- タイトルにされている『LION』の意味は物語の最後に…
2014年に公開された『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』は、25年間迷子だった男がGoogle earthを使って起こした奇跡を元にしたヒューマンドラマ。
『英国王のスピーチ』の製作陣が再集結。
『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテルが主演を務め、ニコール・キッドマン、ルーニー・マーラらの豪華キャストが共演を務め、第89回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされました。
1986年、仕事探しのためにインドのムンバイから兄と共に電車に乗った5歳の少年・サルーは、家から遠く離れた大都市・カルカッタ(コルカタ)に辿り着くも、そこで迷子になってしまいます。
サルーはやがて養子に出され、オーストラリアで成長。
成人しインドの家族への思いを募らせるサルーは友人の一言をきっかけに、Google earthを頼りに記憶を頼りに自分の家を探し出すことを決意します。
まさに「事実は小説より奇なり」の驚くべき実話に感動間違いなし!
まさかGoogle earthをこんな使い方する人がいるなんて…という事実に驚きました。
ミルトモ 編集部
ストーリー展開は予測しやすいですが、やっぱりわかっていても泣ける運びが素晴らしいです。
また、迷子になったサルーを養子に取ったオーストラリア人女性を演じたニコール・キッドマンの美しく複雑な表情は、胸に迫るものがありました。
ミルトモ 編集部
第11位『ダンガル きっと、つよくなる』
- 実話を元に作られたスポ根サクセスストーリー
- インド映画界のスター、アミール・カーンが大幅な肉体改造を施し主人公の熱血親父を熱演!
- 姉妹の頑張り、家族愛など、ストレートな物語は単純に泣ける!
2018年公開の『ダンガル きっと、つよくなる』は、『きっと、うまくいく』にも出演したインド映画界のスター、アミール・カーンが主演を務めたスポーツサクセスストーリー。
元アマチュアレスリング選手のマハヴィル・シン・フォーガットと彼の娘フォーガット姉妹の実話を元に、2人の娘をレスリングの世界で成功させようと奮闘する熱血親父の物語を描きます。
レスリングを愛するも生活のために引退したマハヴィルは、母国に金メダルをもたらすという自分の夢を生まれてくる息子に託そうとしますが、なんと授かったのは4人の娘たち…。
意気消沈したマハヴィルは道場からも遠ざかってしまいますが、ある日長女と次女がいじめっ子の男の子をボコボコにしていたところを見かけたことをきっかけに彼女たちに才能を見出し、レスリングを教えることを決意します。
「女の子がレスリングなんて…」という周りの嘲笑の目も無視して娘たちにレスリングを教える熱血親父のマハヴィル。
最初は父親に対して反抗していた娘たちも、次第にレスリングの才能を開花させていきます。
インド映画なのに歌も踊りもないですが、思わず「うおおおお!」と叫びたくなるくらいに胸が熱くなる熱血スポ根物語!
プロを彷彿とさせるアクロバティックな試合は迫力満点で、レスリングを全く知らない人でも楽しめる作品です。
役者の身体能力に惚れ惚れさせられる作品で、特に姉妹役を演じた女優さんたちの頑張りは拍手もの。
ヒンドゥー教の影響もありますが、インドの女性問題を調べると吐きそうになるほど闇が深くて驚きます。
ミルトモ 編集部
第10位『きっと、またあえる』
- 『ダンガル きっと、つよくなる』のニテーシュ・ティワーリー監督による青春映画
- インドトップクラスの工科大を舞台に、大学時代のかけがえのない経験と仲間たちと変わらぬ友情を描く
- 笑って泣ける最高にハッピーなインド映画!
2020年公開の『きっと、またあえる』は、『ダンガル きっと、つよくなる』のニテーシュ・ティワーリー監督が自身の大学時代のエピソードを盛り込んだ、インドの工科大学を舞台にした心温まる青春物語。
1990年代のインド工業大学の大学寮を舞台に、仲間たちとの楽しい日々と変わらぬ友情を描きます。
受験に失敗したことが原因で病院に担ぎ込まれたアニの息子のもとに、次々と集まるアニの大学時代の悪友たち。
大学受験に失敗したアニの息子を励ますために、彼らは学生時代の奮闘記を語り始めます。
1990年代、インドでもトップクラスの工科大に入学したアニでしたが、負け犬ばかりが集まる4号寮に振り分けられてしまいます。
アニたちは寮の汚名を返上すべく団結し、寮の競技会で知恵とやる気を使ってさまざまな競技で勝ち抜いていきますが…!?
ミルトモ 編集部
ダンスはエンディングのみですが、インド映画らしい底抜けの明るさと、あざといくらいに泣かせるドラマに元気をもらうこと間違いなし。
負け犬たちの奮闘を通して、「人生に本当に必要なものは…!?」という大切なメッセージを教えてくれる作品です。
ミルトモ 編集部
ミルトモ 編集部
カースト制度が色濃く残る農村部と比べ、都市部の新しいIT企業ならば職業カーストを乗り越えることができるからです。
しかし現実はなかなか厳しいようで、プレッシャーに耐えられず自殺する若者が多いことも事実。
2015年には実に2,600人もの若者が試験での成績不振を理由に自殺しているそうで、『きっと、またあえる』ではこういった社会問題についても切り込んでいます。
ミルトモ 編集部
第9位『PK』
- 『ダンガル きっと、つよくなる』のアミール・カーン主演のSFコメディ
- 謎の男・PKをめぐる物語と彼が起こす奇跡を描く
- さまざまな宗教や神が混在するインドを舞台にした挑戦的な内容
2016年公開の『PK』は、『ダンガル きっと、つよくなる』のアミール・カーンが主演を務めたインド発のSFコメディ。
日本でも高評価を得た『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラーニ監督とアミール・カーンが再びタッグを組み、無邪気すぎる変人・PKが起こす奇跡の物語を描きます。
インドでは『きっと、うまくいく』の興行収入を超え、インド映画として初めて全世界興行収入が100億円を突破したことでも話題になりました。
留学先のベルギーで大失恋を経験し、今はインドのテレビ局でリポーターとして働く女性・ジャグー。
ある日、ジャグーは地下鉄で「神様は行方不明」と描かれた紙を配る奇妙な男性と遭遇します。
黄色いヘルメットを被りあらゆる主教の装飾を身につけてチラシを配るPKと呼ばれる男に興味を持ったジャグーは、「神様を探している」というPKを不思議に思い、彼を取材することに…。
ミルトモ 編集部
宗教に切り込み、今インドで起こっている社会問題やインドの文化、恋愛といくつもの要素が取り入れられているものの、うまくまとまっていて見やすい作品です。
コメディとして楽しめる一方で、宗教への疑問を投げかけており、インド映画にしてはなかなか挑戦的!?
ミルトモ 編集部
第8位『マダム・イン・ニューヨーク』
- インド映画界の伝説的人気女優・シュリデヴィ主演のコメディ
- 英会話をきっかけに女性の自立する物語を女性監督の視点で描く
- コンプレックスを払拭しようとする主人公の努力に勇気をもらえる
2014年公開の『マダム・イン・ニューヨーク』は、インド映画界の伝説的人気女優シュリデヴィの15年ぶりの復帰作となったコメディ映画。
インドの新鋭女性監督ガウリ・シンデーがメガホンを取りました。
自分の価値を認めてもらえない専業主婦が一念発起!
英語が苦手というコンプレックスを払拭し、誇りと自信を取り戻していく物語を描きます。
専業主婦のシャシは夫と2人の子供たちのために献身的に主婦業をこなすものの、英語が喋れないことについてことごとくからかわれ、傷ついていました。
そんな時、ニューヨークに暮らす姉から姪の結婚式を手伝って欲しいという依頼を受けて渡米したシャシは、「4週間で英語が話せるようになる」という英会話学校を発見!
姉に内緒で英会話学校に通い出し、仲間たちとともに英語を学んでいくシャシは次第に自信を取り戻していくのですが…!?
男女関係の格差が激しいインドとニューヨークを舞台にした、女性の自立を描く物語。
何もなかった主婦が何かを初めて自信が出て来たところに襲いかかるさまざまな困難…と、ストーリーは王道ながらも胸にグッとくるものがあります。
家に閉じ込められている主婦が初めて出会った自由な世界。
自分をボロカス言う人たちより、モチベーションをあげてくれる仲間といる方が自然体でいられるし、ポジティブな気持ちになれる!
ミルトモ 編集部
ミルトモ 編集部
第7位『パッドマン 5億人の女性を救った男』
- 生理用品の開発に取り組んだ男の奇跡の実話
- 主人公の不屈の精神に勇気をもらえる
- 女性だけでなく男性も必見
『パッドマン 5億人の女性を救った男』は2018年に公開された、発明家であり社会活動家であるアルナーチャラム・ムルガナンダムをモデルとして描いた伝記映画です。
ミルトモ 編集部
主人公のラクシュミは町工場で働いている、妻を愛する心優しい男。
しかし大切な妻ガヤトリが生理中にボロ布を使っていることに衝撃を受け、そこで初めて安全な生理用品がとても高価なことを知ります。
当時の生理用品の価値は、何とファーストフード店のドリンクの10倍以上だったのです。
しかし、ボロ布を使うことは女性の身体に決して良いことではなく、ラクシュミは愛する妻の安全のためにも、安価な生理用品を開発しようとします。
ところが、インドでは月経は「穢れ」とされそもそもタブーな話。
当然、妻からも家族からも理解が得られず、村人からも好奇の目を向けられ、ある日決定的な事件が起きてラクシュミは家を出ることになってしまいます。
周囲からの偏見の目、資金難など、数々の苦難を乗り越えながらも、妻のために突き進むラクシュミの行動はやがてインドの女性たちの生活を大きく変えていくことになります。
ラクシュミの不屈の精神が、女性の社会進出にも大きく影響を与えるという、大きな感動だけでなく勇気ももらえる傑作ヒューマンドラマです。
また、生理用品の開発から販売までというビジネスが成功していく側面も興味深く、次々と襲いかかる困難に打ち勝っていく様子も、実話ならではの説得力があり見ごたえ充分。
ミルトモ 編集部
第6位『ホテル・ムンバイ』
- 2008年のムンバイ同時多発テロで占拠されたホテルを舞台にした奇跡の脱出劇
- 『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテルが主演
- レーティングはR15+で、事件のシーンはあまりにも凄惨…
2019年公開の『ホテル・ムンバイ』は、『スラムドッグ$ミリオネア』『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』のデヴ・パテルが主演を務めた、実話ベースのドラマ映画。
これまでに多くの短編を手がけてきたオーストラリア出身のアンソニー・マラス監督の初長編作品で、2008年にインドの5つ星ホテルで起こったテロ事件での奇跡の人質脱出劇を描きます。
インドの巨大都市・ムンバイの5つ星ホテルで働くアルジュンは、ホテルでの自分の仕事に誇りを持っていました。
しかし2008年11月、突如なだれ込んだテロリストたちによりホテルは占拠され、500名を超える従業員と宿泊客が人質に取られる事件が発生します。
宿泊客たちを逃すために、誇りをかけてテロリスト軍団に立ち向かうことを決めたホテルマンたち。
部屋に取り残された赤ちゃんを救うために、銃弾の中を決死の覚悟で進むアメリカ人夫婦…。
特殊部隊が到着するまでの数日間の過酷な現実と、人々の愛と誇りに溢れた脱出劇が描かれます。
ミルトモ 編集部
自分の命がかかった状況で、こんなに他人のことを思いやれるのか…!と、極限の状況下での登場人物たちの行動に頭をガーンと殴られた気分になりました。
緊張感のある映像や、犠牲者側のキャラクターを丁寧に描写することにより、リアルさが高まります。
単純ですが平和ということがいかに大切かを伝えるために、後世に残すべき作品だと思いました。
ちなみに事件の舞台になったタージマハル・ホテルを調べてみましたが本当に美しいホテルで、こんな建物の中で凄惨な事件が起こったなんて信じられません。
ミルトモ 編集部
第5位『WAR ウォー!!』
- ハリウッド級の超大作
- インドの2大スターの共演
- アクションのクオリティがすごい
『WAR ウォー!!』は2019年に公開されたアクション映画です。
今までのインド映画の概念を大きく越え、すべての点で高水準のハリウッド大作映画と見比べても遜色ない作品で、撮影や編集、特殊効果なども洗練されています。
主演を務めたのは、リティク・ローシャンとタイガー・シュロフという、インドの2大スター。
2018年のオンラインサイトで世界でもっともハンサムな男性6位に選ばれたリティクは、エキゾチックで、何とも端整な顔立ちをした老若男女問わず大変人気のある大スター。
タイガー・シュロフは、名優ジャッキー・シュロフを父に持つ次世代のアクションスター。
ミルトモ 編集部
そんなダブル主演の2人ともが自らアクションをこなし、ボリウッド界でも屈指の腕前と言われる超絶ステップのダンスも披露してくれます。
新人エージェント・ハーリドに扮するタイガーと、上官の凄腕エージェント・カビール演じるリティクのバディっぷりは、目の保養でしかないので要チェック。
インドの情報分析局RAWの伝説のエージェントでもあるカビール少佐が、祖国を裏切ったことを知り、かつての教え子であるハーリド大尉が、捜索と抹殺の指令を受けて裏切り者を追うことになり…というストーリーは、確かに目新しくはありませんが、連続して繰り広げられる迫力あるアクションシーンや練られた脚本で、ラストまで飽きることなくノンストップで楽しめます。
ミルトモ 編集部
第4位『バーフバリ 伝説誕生』
- ぷらバースの演じ分けが見事
- ド級の歴史アクション大作
- ラストが衝撃的ですぐに後編が見たくなる
『バーフバリ 伝説誕生』は2015年に公開された、叙事詩的映画『バーフバリ』2部作の前編になります。
日本でも公開されてから、じわじわと口コミなどで面白さが伝わり、インド映画史上最大のヒット作となりました。
古代インドの架空の王国マヒシュマティを舞台に、親子2代にわたる王位を巡る争いと愛、復讐を壮大なスケールで描いています。
主人公であるバーフバリ親子を演じるのは、南インドのスター・プラバース。
知能も身体能力も桁外れ、愛嬌があって魅力的なシブドゥことマヘンドラ・バーフバリと、息子を上回るカリスマを兼ね備えた父親アマレンドラ・バーフバリを見事に演じ分けました。
物語の前編とある『バーフバリ 伝説誕生』は、前半は息子の成長、後半は時をさかのぼり王国の過去や父親の若かりし頃に焦点を当てて描いています。
ド迫力のアクションだけでなく、インド映画お馴染みのダンスシーンも素晴らしく、全編見どころしかない本作。
ミルトモ 編集部
大変まっすぐな正義漢の主人公と、わかりやすい悪役の対比も良く、最強の老剣士や美しい革命戦士、卑劣な悪役など出てくるキャラクターたちも誰もが魅力的。
ミルトモ 編集部
第3位『きっと、うまくいく』
- インドの興行収入歴代ナンバーワンを記録した大ヒット作品
- インド映画ファンだけでなく国内外から非常に高い評価を得ている作品
- 観終わった後は元気が出る!インド映画初心者におすすめ
2013年公開の『きっと、うまくいく』は、インドで興行収入歴代ナンバーワンを記録したコメディドラマ。
『PK』でもタッグを組んだラージクマール・ヒラーニ監督と、インド映画界のスター、アミール・カーンが主演を務めた、インドの工科大を舞台にした青春劇が描かれます。
インドの超難関工科大学ICEに入学した型破りな自由人のランチョー、機械より動物が好きなファラン、なんでも神頼みのラージューは馬鹿騒ぎを繰り返して鬼の学長を怒らせる毎日を過ごしていました。
し彼らが卒業してから10年後、ランチョーが行方不明になったことを知ったファランとラージューは、彼を探す旅に出ることになります。
3バカトリオが起こす大学での騒動と、行方不明になったランチョーを探す10年後の彼らの姿が同時進行で描かれます。
コメディでありながらインドの教育問題や、若者の自殺率の多さなど社会問題に切り込んだ意外と深い作品で、スティーヴン・スピルバーグやブラッド・ピットなども絶賛するなど、インド国外からの評価も非常に高い作品です。
長いけれど夢中になって観てしまい、忘れていた何かを思い出させてくれるような映画でした。
映画の中には人生のヒントになるような出来事がたくさんあり、歌や踊りも適度に盛り込まれているので、インド映画が初めての方にぜひおすすめしたい作品です。
ミルトモ 編集部
第2位『バジュランギおじさんと、小さな迷子』
- インドの人気スター、サルマーン・カーンが主演を務めた感動作
- 正直者のおじさんが迷子になった少女を母親の元に届けるまでを描くロードームービー
- インドとパキスタンの対立問題すら忘れてしまうくらいの、愛と感動に溢れた作品
2019年公開の『バジュランギおじさんと、小さな迷子』は、『プレーム兄貴、王になる』に出演したインドのスター俳優サルマーン・カーンが主演を務めたドラマ映画。
インド人の青年と声を出せないパキスタン人の少女が国や宗教を超えて織りなす2人旅を描きます。
ミルトモ 編集部
パキスタンの小さな村からインドのイスラム寺院に願掛けにやってきた少女・シャヒーダーは、その帰り道で母親とはぐれ、迷子になってしまいます。
幼い頃から声を出すことができないシャヒーダーが出会ったのは、正直でお人好し、ヒンドゥー教の神ハヌマーンの熱烈信者であるパワンでした。
ハヌマーン様の思し召しとしてシャヒーダーを助けるパワンでしたが、彼女がイスラム教の信者と知ると驚愕。
しかしパワンはシャヒーダーを家に送り届けることを決意し、パスポートもビザもないまま2人だけの国境越えに挑みます。
彼らに協力する者も現れたと思ったら、パワンがスパイと間違えられて警察に捕まったりと、トラブルと心温まる交流が盛りだくさん。
インド映画の中でもたびたび扱われる、インド・パキスタン間の対立問題。
歴史・宗教・経済など様々な問題で対立する両国を舞台にした『バジュランギおじさんと、小さな迷子』には、両国の平和を願うメッセージも込められているようにも感じます。
ミルトモ 編集部
第1位『バーフバリ 王の凱旋』
- あっという間の怒涛の3時間
- スケール、演出、全てが規格外
- 完全版も必見
『バーフバリ 王の凱旋』は日本でも大人気となった『バーフバリ』シリーズの後編で、2017年に公開されました。
物語は前編からの続きで、マヒシュマティ王国の王位継承者争いの結末までがノンストップで描かれています。
本編のほぼ三分の二を使って、次期国王となったアマレンドラ・バーフバリの家族との絆や確執、王位を狙って暗躍する人々、運命の女性であるクンタラ王国の王女デーヴァセーナとの出会いがダイナミックに展開されます。
また後半部からは、偉大な父親アマレンドラを知ったシブドゥことマヘンドラの覚醒と王国奪還のための戦いが始まり、一瞬たりとも目が離せません。
ダンスシーンの荘厳さもさることながら、戦闘シーンのスケールの大きさと型破りな戦術、豪華絢爛なセットや衣装と、すべてが規格外。
大作映画に必要なエッセンスのすべてが揃い、前作以上の壮大な物語が迫力ある映像で綴られます。
王道中の王道と言えるストーリーでありながら、まったく飽きさせることもなく、ラストまで圧倒的な熱量を維持して駆け抜けた後は驚くほどの爽快感に襲われます。
超娯楽大作の名に恥じない、間違いなくインド映画史に残る傑作エンターテイメントです。
ミルトモ 編集部
ハリウッド映画とは一味違って、新鮮で斬新すぎるアクション映画である『バーフバリ』2部作。
大幅に追加シーンを加えた完全版を公開された順番に視聴するのが、本作をもっとも楽しめる方法です!
インド映画おすすめランキングベスト30まとめ
以上、ここまでおすすめインド映画をまとめてきました。
どれもわかりやすくて、爽快に楽しめる作品だらけです!
ぜひ、作品選びの参考にしてください。
『カンフー・ヨガ』『ロボット2.0』『インド・オブ・ザ・デッド』『ムトゥ 踊るマハラジャ』『スタンリーのお弁当箱』『ヒンディー・ミディアム』『ガンジー』『マッキー』『サーホー』『ミルカ』『マガディーラ 勇者転生』『スラムドッグ$ミリオネア』『神さまがくれた娘』『盲目のメロディ〜インド式殺人協奏曲〜』『ボンベイ』『バルフィ!人生に唄えば』『ガリーボーイ』『プレーム兄貴、王になる』『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』『ダンガル きっと、つよくなる』『きっと、またあえる』『PK』『マダム・イン・ニューヨーク』『パッドマン 5億人の女性を救った男』『ホテル・ムンバイ』『WAR ウォー!!』『バーフバリ 伝説誕生』『きっと、うまくいく』『バジュランギおじさんと、小さな迷子』『バーフバリ 王の凱旋』