『TENET テネット』主人公の正体をネタバレ考察!名前がない理由、自らを“黒幕”と呼ぶ理由とは?

『TENET テネット』主人公の正体をネタバレ考察!名前がない理由、自らを“黒幕”と呼ぶ理由とは?

(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

『ダークナイト』3部作や『インセプション』『インターステラー』など、数々の話題作を世に送り出してきたクリストファー・ノーランによるオリジナル脚本のアクション・サスペンス超大作『TENET テネット』。

「現在から未来に進む“時間のルール”から脱出する」というミッションを課せられた主人公が、第3次世界大戦に伴う人類滅亡の危機に立ち向かう姿を描きます。

『ブラック・クランズマン』のジョン・デヴィッド・ワシントンが主演を務め、共演に『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソン、『華麗なるギャツビー』のエリザベス・デビッキ、『ダンケルク』に続いてノーラン作品に参加したケネス・ブラナーなど実力派が顔を揃えました。

以前から大きな注目を集めていた本作ですが、公開後は称賛の声と同じくらい「難しい」「ついていけない」という感想があがっています。

今回はいくつもある謎の中から、“主人公の正体”について考えてみようと思います。

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『TENET テネット』作品情報

『TENET テネット』

(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

作品名 TENET テネット
公開日 2020年9月18日
上映時間 150分
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 クリストファー・ノーラン
出演者 ジョン・デヴィッド・ワシントン
ロバート・パティンソン
エリザベス・デビッキ
ケネス・ブラナー
マイケル・ケイン
アーロン・テイラー=ジョンソン
音楽 ルドウィグ・ゴランソン

『TENET テネット』あらすじ


逆行する時間に挑む

キエフのオペラハウスでテロ事件が勃発し、ある特殊部隊が現場に突入しますが、そのうちの一人である「名もなき男」(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は敵に捕らえられ、仲間のために自ら毒薬を飲んで命を絶とうとしました。

しかし、いつのまにか別の薬とすり替えられていたことで生きたまま救出され、昏睡状態で目覚めた「名もなき男」は、第3次世界大戦の発生を阻止するという危険なミッションを課されることになります。

そのミッションのキーワードは“TENET”。

「名もなき男」は、時間の逆行と人類滅亡の危機に挑むことになります。

▼あらすじネタバレ記事はこちら▼

『TENET テネット』ネタバレ考察:主人公の正体について考える

なぜ主人公には名前がないのか?

ジョン・デヴィッド・ワシントン演じる主人公の男は「名も無き男」とクレジットされており、全編を通して名前や出身などが明かされない謎めいた存在です。

『TENET テネット』

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冒頭のオペラハウスでの偽装テロ事件に特殊部隊の一員として潜入したことがきっかけとなり、“TENET”という秘密のミッションに参加することになるのですが、偽装テロ事件自体が“TENET”参加へのオーディションだったことが明かされています。

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そのように実力を認められ、人類を救うという大それたミッションにスカウトされているにもかかわらず、誰からも名前を呼ばれないのは不自然に感じますよね。

他の登場人物はわかりやすすぎるほどに名前や職業、出自が紹介されたり、自ら丁寧に名乗ったりするので、余計に違和感が生まれます。

『TENET テネット』

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では、なぜ主人公「名も無き男」には名前がないのでしょうか?

まず、考えられる理由の一つとしては、主人公の男が優秀なCIA工作員であり、世界中を飛び回るスパイであるためです。

「名も無き男」はきっとその職業柄、いくつも名前(偽名)を持っています。

本作で描かれる秘密のミッション・“TENET”においても各国を飛び回っている様子が映し出されており、ミッション中に様々な名前を使っていたであろうことが想像できます。

そもそも周囲に名前を明かしていなかったから誰からも呼ばれることがなく、明かされる必要もなかったという可能性さえあります。

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また「名も無き男」が個人レベルの感情で行動を起こすのではなく、組織や集団、もっと言えば人類や世界のために動くような人物であることを表現しているのかもしれません。

もう一つは、主人公の男に特定の名前をつけないことによって、すべての人が物語の主役として作品に没入できるようにしたという理由です。

劇中において、主人公の男と女武器商人・プリヤ(ディンプル・カパディア)の会話の中に、「“TENET”というミッションを担う“主役”は一人ではない」というものがあります。

『TENET テネット』

出典:IMDB

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この台詞は、誰もが主役になり得ることを仄めかしているようにも感じられます。

あくまで「名も無き男」は物語の“主役”代表であり、それ以上でも以下でもないということでしょうか。

なぜ主人公は自らを“黒幕”と呼んだのか?

劇中、相棒であるニール(ロバート・パティンソン)に誰からの指示で動いているのかと問うていた「名も無き男」は、ラストシーンで未来の自分自身こそがニールのボスだと聞かされます。

そうして“TENET”というミッション自体を考えたのも、ニールやプリヤ、そして現在の自分を動かしていたのも、未来の自分だと理解したのです。

『TENET テネット』

出典:IMDB

すべての“黒幕”が未来の自分自身だと知った「名も無き男」は、あらゆることを知りすぎたキャット(エリザベス・デビッキ)とその息子・マックス(ロウリー・シェパード)を暗殺しようとしているプリヤの車に乗り込みました。

そこで自らを“黒幕”だと名乗り、暗殺を阻止するために自らプリヤを殺害したという流れになります。

プリヤは主人公の男に、キャットには手を出さないと約束していました。

未来の「名も無き男」から指示を受けて動いていたはずのプリヤが、なぜ約束を破ってキャットを殺そうとしたのかは定かではありませんが、結果として「名も無き男」を裏切ったことになります。

エリザベス・デビッキ

出典:IMDB

もしかすると、プリヤは自分のボスである未来の「名も無き男」と、現在の「名も無き男」を同一人物だと認識していなかったのかもしれません。

そもそも未来の「名も無き男」がプリヤを捨て駒として雇っていて、自らの存在を明かさずに利用していた可能性もあります。

なぜなら、「名も無き男」にとって「嘘は常套手段」だからです。

『TENET テネット』

出典:IMDB

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もし、このようにプリヤ以外にも利用している相手がいるとするならば、「名も無き男」の名前が明らかになっていないのは好都合ですよね。

また、自分自身が“黒幕”だと知り、プリヤを自らの手で殺害したこの一件こそが、「名も無き男」が“黒幕”として暗躍するようになる最初の仕事だったとも考えられます。

そして、ニールが言っていたように、“TENET”というミッションの「中間地点」へと向かっていくことになるのでしょう。

主人公の正体とは?

「名も無き男」は、未来の自分自身によってスカウトされた“TENET”の主役の一人であり、物語の“黒幕”でした。

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名前や出自は明かされていませんが、それは優秀な特殊工作員だからこその演出といえるでしょう。
『TENET テネット』

出典:IMDB

「(世界を股にかける謎の男として)彼にはいくつもの名前がある」

「名も無き男」を演じたジョン・デヴィッド・ワシントンも、インタビューでそう語っています。

“黒幕”として裏で人々を動かし、時間を超えてミッションを遂行する…。

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そんな「名も無き男」は、ある種“神”のような存在なのかもしれませんね。

そうすると、特定の名前が語られないのも納得できる気がします。

一方で、「名も無き男」は科学者のバーバラ(クレマンス・ポエジー)から時間の逆行について説明を受ける際、こう言われます。

『TENET テネット』

出典:IMDB

「理解しようとしないで。感じるのよ」と。

そして、ニールからは都度こう言われます。

「起こってしまったことは仕方がない」と。

『TENET テネット』

出典:IMDB

『TENET テネット』には、時間逆行のルールや回転ドアの仕組み、登場人物それぞれの目的など、一度観ただけではわからない、場合によっては何度観てもわからない不可解な点が多く存在しています。

そのため、あまり深く考え込んでしまっては物語を純粋に楽しめないのではないかと思います。

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だからこそ、ニールもバーバラも前述のような台詞を残し、観客をエンターテイメントの世界へと誘ってくれているのではないでしょうか。

つまり、「名も無き男」の正体も、あまり深く追求するのは野暮なことなのかもしれません。

『TENET テネット』

出典:IMDB

それでも気になる!

と思うのならば、もう一度『TENET テネット』を観て、クリストファー・ノーランの描く“時間”の物語に挑んでみましょう。

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筆者もまだまだ懲りずに探求していくつもりです。

『TENET テネット』ネタバレ考察:主人公の正体について考える:まとめ

いかがだったでしょうか。

数々の謎が残る映画『TENET テネット』。

様々な考察や解釈が飛び交う本作ですが、すべてを知るのはクリストファー・ノーランだけだといえます。

いつかノーランの口から真相が語られる時が来るのかはわかりませんが、彼の傑作として語り継がれていくことは間違いないでしょう。

そこに待ち受けるのは新しい映画体験。

何度も観たくなる作品です。

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