2020年コロナ禍の公開でありながら、興行収入50憶円の大ヒットを記録した『今日から俺は‼劇場版』の福田雄一監督が、長年温めてきた三國志企画を過去の福田作品に出演したオールスターキャストを迎えて待望の映画化。
豪華キャスト、スケール感たっぷりなロケーション、ダイナミックなバトルシーンを盛り込みながら徹底的にユルい世界観が続きます。
今回は2020年冬の目玉作品『新解釈・三国志』をネタバレなしでレビューします!
目次
映画『新解釈・三國志』作品情報
作品名 | 新解釈・三國志 |
公開日 | 2020年12月11日 |
上映時間 | 113分 |
監督 | 福田雄一 |
脚本 | 福田雄一 |
出演者 | 大泉洋 賀来賢人 橋本環奈 山本美月 岡田健史 橋本さとし 高橋努 岩田剛典 渡辺直美 磯村勇斗 矢本悠馬 阿部進之介 半海一晃 ムロツヨシ 佐藤二朗 城田優 山田孝之 小栗旬 |
音楽 | 瀬川英史 |
映画『新解釈・三國志』あらすじ【ネタバレなし】
今から1800年以上前、中国大陸では黄巾の乱が勃発、時の漢王朝は衰退の一途をたどります。
そんな中、黄巾の乱を収めようと、多くの若者たちが立ち上がり、やがて英雄、英傑と呼ばれるようになり、彼らが群雄割拠する時代となりました。
その中には関羽、張飛の二人の豪傑と義兄弟の契りを交わした人徳の人・劉備やエリートで野心家の曹操などの姿もあり、彼らは離合集散を繰り返しながら切磋琢磨していくことに。
劉備、曹操たちの当面の敵は幼い皇帝を意のままに操り、私腹を肥やし大きな勢力を誇っていた董卓。
そこで、劉備は董卓とその右腕で最強の戦士と呼ばれる呂布とを仲たがいさせるために趙雲将軍が見つけてきた絶世の美女・貂蝉を贈りこみます。
貂蝉の美貌に魅了された董卓と呂布の関係は悪化、結果として董卓は呂布に討たれ、呂布もまた都を離れ徐々に勢力を失っていくことに。
その後、劉備は軍師に天才と呼ばれる諸葛孔明を招き蜀を建国、対して曹操は大国・魏を作り、これに若き指導者・孫権が建国した呉が並び、魏・呉・蜀による三國時代が始まります。
しかし、国の勢力で言えば曹操の魏が他の二国を圧倒していました。
そこで劉備と孫権は同盟を結ぶことになります。
それに対して曹操は、80万もの大軍を率いて呉に攻め込んできました。
対する呉・蜀の同盟軍の数は僅かに3万。
この圧倒的な戦力差を独自の戦略で補おうと、諸葛孔明と孫権の軍師・周瑜は様々な策を練り始めます。
ここに、三國志の最大のハイライトともいうべき“赤壁の戦い”の火ぶたが切って落とされるのでした。
映画『新解釈・三國志』感想
徹底的にユルい、福田ワールドが全開
赤壁の戦いをクライマックスにした三國志の映画と言えば日本でも大ヒットしたジョン・ウー監督の『レッドクリフ』二部作がありましたが、間違ってもそれを想像してこの映画『新解釈・三国志』に臨んではいけません。
同じ古代中国を舞台にした映画で言えば『キングダム』の実写版もありました。
村松 健太郎
『新解釈・三國志』は徹底的にユルく、大小のギャグと小ネタに溢れた作品に仕上がっています。
ドラマ版の『今日から俺は!!』や福田監督の初期の映画作品、または演出を手掛ける舞台作品のようにストーリー全体の繋がりは強くなく、逆にワンシーンの中で最大の笑いを誘うことを重視して作り、それを連ねていくような形の映画です。
村松 健太郎
福田監督はそれをものすごい人と時間と手間とお金をかけて作り上げました。
そして、最後に福山雅治の書き下ろしの新曲『革命』が映画を締めくくります。
#新解釈三國志 の主題歌が #福山雅治 さんが歌う「#革命」に決定💥と解禁されましたが、
主題歌に関しての #大泉洋 さんのインタビューが到着👀主題歌が決定したときのお気持ちや、#福田雄一 監督へのメッセージや、福山さんとのエピソードも…?#12月11日公開 #劇場に全員集合 pic.twitter.com/BN9UWDyT0h
— 映画『新解釈・三國志』公式 (@new_sangokushi) October 13, 2020
ついに福田組に参戦の大泉洋と豪華すぎるキャストたち
『新解釈・三国志』の一応の主演は劉備を演じる大泉洋です。
彼が所属する演劇ユニットTEAMNACSと福田監督とは公私とも縁が深く、テレビなどでは共作もありましたが、ここにきて福田雄一監督の映画についに大泉洋が登場します。
『水曜どうでしょう』などのバラエティタレントとして独自の立ち位置を確立し、大河ドラマ『真田丸』や『龍馬伝』のようなTVドラマや『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『探偵はBARにいる』といった映画でシリアスからコメディまで何でも演じきる俳優として知られる大泉洋がユルい“三國志”を程よく引っ張ります。
村松 健太郎
そんな大泉洋を迎えるのが『今日から俺は!!』『銀魂』『勇者ヨシヒコ』シリーズなどで福田雄一ワールドを彩った豪華キャストたち。
賀来賢人、橋本環奈、岩田剛典、岡田健史、山本美月、山田孝之、城田優、西田敏行そして小栗旬など、普通に映画で主演を張れるようなメンバーが続々と登場しては、のびのびとばかばかしくふざけています。
このような並びということもあって大泉洋主演作品というよりはオールスターキャストによる群像劇と言った方が正解かもしれません。
もちろん、福田監督作品・レギュラー俳優のムロツヨシと佐藤二朗も登場。
ムロツヨシはなんと天才軍師の諸葛孔明役で登場し、大泉洋とボケとツッコミのコミカルな関係を築きました。
村松 健太郎
それでもアクションシーンは魅せる
このようにひたすらユルく、グダグダな三國志が続くのですが、城田優演じる呂布と橋本さとし演じる関羽、高橋努演じる張飛との1対2のバトルシーンや、岩田剛典演じる趙雲が劉備夫人とその子供を助ける1対多数のバトルシーンなどは迫力のあるモノに仕上がっています。
この辺りは『銀魂』シリーズや『今日から俺は!!』で1対1、1対多数、多数対多数など様々なアクションシーンを撮ってきて経験値を高めた福田監督の手腕とスタッフのテクニックが光ります。
実は、出演者にもともと他の映画やドラマ、舞台ではキレのいいアクションや立ち回りを見せてきた人たちが多いのも今作の特色と言えます。
“いざ、本格的な殺陣やアクションを!“と求められればちゃんとできる俳優たちによって展開されるアクションシーンは見ごたえたっぷりです。
村松 健太郎
映画『新解釈・三國志』あらすじ・感想まとめ
✍️新解釈・プロダクションノート📜
▷こんな時だからこそ「革命」的な笑いを‼️「80万vs3万という無茶な戦いでも勝てるわけですから、観て下さる方が肩の力を抜いて、少しでも前向きな気持ちになってもらえたら嬉しいです。」(松橋P)#12月11日公開 #劇場に全員集合 pic.twitter.com/e4wKFMIlUK
— 映画『新解釈・三國志』公式 (@new_sangokushi) November 18, 2020
以上、ここまで『新解釈・三国志』をレビューしてきました。
- 大泉洋を筆頭に主演級キャストが勢揃いした福田雄一ワールドの総決算的作品
- ユルいギャグと小ネタのシーンと、魅せるアクションシーンの緩急が効いていて最後まで飽きさせません