『えんとつ町のプペル』あらすじ・ネタバレ感想!キングコング・西野亮廣の絵本を壮大に完全映画化!

『えんとつ町のプペル』あらすじ・ネタバレ感想!キングコング・西野亮廣の絵本を壮大に完全映画化!

出典:『映画 えんとつ町のプペル』公式ページ

人気お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣が手掛けた絵本「えんとつ町のプペル」。

33人のクリエイターによる分業制という異例の形を取られたこの絵本は、5,000部で大ヒットと呼ばれる絵本の中で総売り上げで50万部を突破するベストセラーに!

しかし、絵本『えんとつ町のプペル』は西野亮廣による壮大な物語のほんの入り口でしかありませんでした。

映像化に挑んだのは『海獣の子』『鉄コン筋クリート』のSUTDIO4℃、長編作品としては初めて3DCGアニメーションに挑みました。

声優には芦田愛菜、窪田正孝、立川志の輔、小池栄子、藤森慎吾、野間口徹、伊藤沙莉、宮根誠司、飯尾和樹、國村隼など豪華な面々が集結しています。

ポイント
  • ついに全容が明らかになる「えんとつ町のプペル」の物語
  • 『海獣の子』『鉄コン筋クリート』のSUTDIO4℃が初めて長編3DCGアニメーションに挑戦
  • 後半30分で、予期せぬ感動が…!感涙必至

それではさっそく『映画 えんとつ町のプペル』をネタバレありでレビューしていきたいと思います。

『映画 えんとつ町のプペル』作品情報

『えんとつ町のプペル』

(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会

作品名 映画 えんとつ町のプペル
公開日 2020年12月25日
上映時間 100分
監督 廣田裕介
脚本 西野亮廣
原作 西野亮廣
出演者 窪田正孝
芦田愛菜
立川志の輔
小池栄子
藤森慎吾
野間口徹
伊藤沙莉
宮根誠司
飯尾和樹
山内圭哉
國村隼
音楽 小島裕規
坂東祐大

【ネタバレ】『映画 えんとつ町のプペル』あらすじ


黒い煙に覆われ、周囲を4,000メートルの岸壁に囲まれたこの町では空を見上げることが禁止されていました。

町の人々は、空の向こうにどんな世界が広がっているなんてことは想像しません。

仕立て屋のブルーノはこの町を“えんとつ町”と呼んでいました。

空が煙で閉ざされた町で、空の向こうに星があると唯一信じているブルーノは星の話、黒い煙のその先にある光輝く世界のお話を紙芝居にして伝えていましたが、周りの人たちから「星などあるものか」と嘘つき呼ばわりされてしまいます。

『えんとつ町のプペル』

(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会

そしてある夜ブルーノは妻のローラと息子のルビッチを残して姿を消してしまうのでした…。

1年後、ブルーノの息子・ルビッチはえんとつ掃除の仕事をして暮らしていました。

一方、町はずれのゴミ山に光の塊が墜ちてきます。

光の塊に周りのゴミが集まり、全身にゴミを纏ったゴミ人間が誕生。

『えんとつ町のプペル』

(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会

その夜、町はハロウィンで大盛り上がり、みんな思い思いの扮装・仮装でお祭りを楽しんでいました。

そこにやって来たゴミ人間は、ゴミ人間の仮装をしていると勘違いされて、アントニオら子供たちからハロウィンの注目の的になります。

しかし、いざみんなが仮装を取って回った時にゴミ人間がゴミ人間の仮装しているのではなく、正真正銘のゴミ人間だと言うことが明らかに…!

とたんに周りの人間たちは彼を“バケモノ”扱いします。

彼を受け入れたりしたら異端審問官に異端者として処分されてしまうかもしれないからです。

ルビッチはハロウィンの夜もかつての友達たちと過ごさずにえんとつ掃除の仕事をしていました。

その帰り道、ゴミ収集車で運ばれるゴミ人間を発見。

仮装した人間が入っていると勘違いしたルビッチ。

このままでは、ゴミと一緒に焼却されてしまうと思ったルビッチは彼を助けます。

そして彼がゴミ人間であることを知って驚きますが、人に害を与えそうにもないことで、友達のふりをしてもらうことを頼み、父親・ブルーノの紙芝居の主人公の名前を取ってゴミ人間をプペルと名付けます。

父親の話を未だに密かに信じ続け、星を見たいと願っている少年のルビッチとゴミ人間のプペルはこうして友達になるのでした。

その頃、ハロウィンの夜が明けた町では不審者=ゴミ人間の噂が広まり、プペルは異端審問官に追われることに…。

このえんとつ町は“町の普通”を脅かすものを極端に厳しく取り締まるのです。

そこでルビッチはプペルを匿ってほしいとえんとつ掃除屋のボスのダンに頼みます。

ダンは「不審者を匿うわけにはいかない、お前は仕事に行け!」と言ってルビッチとプペルを離れ離れにし、どこかにプペルを連れて行ってしまいます。

プペルが連れて来られた場所は地下街の仕立て屋。

ダンは1年前から店主のいないこの仕立て屋でミシンの仕事をプペルにあてがい、それで生きていけと言います。

これなら他人と顔を合わせなくてもプペルは生きていけます。

この仕立て屋こそ、ルビッチの父親・ブルーノの営んでいた店でした。

それからプペルはこっそりえんとつ掃除の作業着を繕ったり修理したりする仕事を住み込みで始めました。

プペルとの友情が深まったルビッチはある日、えんとつのてっぺんにプペルを連れていきます。

『えんとつ町のプペル』

(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会

実は高いところがとても苦手なルビッチですが、上を向いて昇っていけば星も見れるのではないかという想いを吐露。

そして、ある日手にはめていたブルーノからもらったブレスレットをえんとつの上から落としてしまったという話をしました。

それからも絆を深める、ルビッチとプペル。

毎日のようにプペルを洗ってあげるルビッチですが、プペルはいつも臭いにおいを放ち続けていました。

『えんとつ町のプペル』

(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会

ある日、ダンが煙突から落ちる事件が起きます。

ベテランのダンが足を滑らせるなどと言うことは考えられないという話から、ゴミ人間のプペルと関わったからではないかと噂が立ってしまいました。

プペルだけではなく彼に関わった人たちもまた異端審問官による厳しい取り締まりが始まります。

さらにプペルがルビッチの友達だったアントニオたちに「ルビッチが星を信じている」ことを漏らしてしまったこともあってルビッチとプペルの絆に大きな溝ができ、2人はしばらく会わなくなりました。

そんな中でプペルは一人ゴミ山を歩き回っていました。

そしてある晩、プペルが久しぶりにルビッチの元を訪ねてきます。

プペルは毎日仕立ての仕事のない時はゴミ山を歩き回り、ルビッチの失くしたブレスレットを探して回っていたのでした。

そして思いもよらないところでブレスレットを発見。

それはプペルの頭の中でした。

それを取り出してルビッチに渡そうとするプペル。

プペルが毎日のようにゴミ山でブレスレットを探してくれていたこと、そしてそのせいで毎日臭かったことを知ったルビッチはブレスレットの件はそのままにして、また友達として毎日会おうと言います。

『えんとつ町のプペル』

(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会

するとルビッチの温かい言葉を知ったプペルの心が海の底から得体のしれないものを引き揚げたのです。

それが船だと知ったルビッチは「ブルーノの紙芝居は嘘ではないのでは?」という思いを新たにしました。

一方で、支配者のレター15世を操り、異端審問官を指揮する影の権力者トシアキは船とプペルを排除しようとします。

その頃、ルビッチは炭鉱泥棒のスコップから町の成り立ちを聞かされます。

スコップは、町の外にも世界は拡がっていること、その一つの町でレターの祖先が腐って価値が減っていくお金を発明したこと、そのために土地を追われたこと、そして今の町に一族が移り住み、そこをえんとつの煙で覆い、外の世界との接触と存在を否定し続けたことなど驚くべき事実を話しました。

250年に及ぶ街の歴史と秘密を知ったルビッチ。

そこで彼は船をガスで空に挙げ、そこでスコップ特性の無煙火薬を使って空の煙を吹き飛ばして、町の人たちにないはずの星を見せようと決めます。

スコップのアジトから火薬を運び出し、いつも面倒を見てくれるドロシーにバーナーを作ってもらいました。

プペルは仕立て屋に籠り船を浮かび上がらせる大きな気球を作るためにミシンを動かし続けます。

そして、ある夜、ルビッチとプペルは煙の上の空へと飛び立ちます。

トシアキと異端審問官が妨害に出ますが、えんとつ掃除屋の仲間や、ドロシー、スコップたちが足止めをしてくれ、やがて町の人たちも加勢に周りました。

母親のローラからの励ましやアントニオたちの応援の言葉を受けたルビッチは空に向かいそこで火薬を爆発させ、町を覆っていた煙を吹き飛ばします。

そこにあったのは今まで“ないもの”とされてきた数えきれないほどの星々でした。

頭の中のブレスレットによってブルーノだった頃の記憶を得たプペルは逞しくなったルビッチの姿を見ると、満足したかのように風に舞うように身体が散り散りになり消えていきます。

真実が明らかになったことでレター15世はトシアキたちにえんとつの煙を止めるように命じます。

翌朝から町には日の光が差し、それまで見ることなかった町の色彩が明らかになるのでした…。

【ネタバレ】『映画 えんとつ町のプペル』感想

絵本は入り口でしかなかった!?

村松 健太郎

ベストセラー絵本「えんとつ町のプペル」の映画化と聞いた時には絵本のページの隙間と隙間を埋めながら一本の長編映画にしていくのだろうと思いました。

同じ“画の映像化”で言えばベストセラーコミックの映画化企画が多いので何となくイメージができるような気持ちでいましたが、動きや行間も埋めてくるコミックに対して絵本は一枚の絵に込められる情報(動きや感情)が多く、そこから多くのものを感じ取る作りになっています。

『えんとつ町のプペル』

(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会

この隙間に感じてきたものがどうやって長編映画になるのだろうか?

「えんとつ町のプペル」が映画化されると聞いた時にはそう思ったものです。

村松 健太郎

しかし!なんと「えんとつ町のプペル」という物語はもともと西野亮廣が映画化を想定して作った全10章からなる壮大な物語で、絵本はその中盤を取捨選択して構成されたものだというので驚きです。

そのため、絵本ではページを割いていた部分が映画では一気に語られたりします。

約100分の上映時間の中に壮大な物語が盛り込まれていました。

村松 健太郎

『海獣の子供』で凄まじい情報量をさばいたSTUDIO4℃が今回もまた圧巻のアニメーションで見事な手腕を発揮しています。

豪華な声優の名演

原作に加えて映画全体の製作総指揮と脚本を担当する西野亮廣の世界観を映画化するために、『映画 えんとつ町のプペル』にはこれまでも声優として活躍している名優たちが出演しています。

少年の声が見事にはまる芦田愛菜、マイペースなキャラクターのプペルを飄々と演じる窪田正孝の二人に加えて、パブリックイメージ通りのマシンガントークを披露する藤森慎吾や声優としても実績の多い伊藤沙莉の熱演。

声を聞いただけで渋さが伝わってくる國村隼など、すみずみにまで頼もしい存在が並んでいます。

村松 健太郎

また劇中で披露されるブルーノ役の立川志の輔の見事な口上は「さすが、噺家だ!!」と唸らされました。

映像ならではの音楽劇

絵本から映画になったことで作品に加わった最大の効果は、動きと音声が入ったことです。

『映画 えんとつ町のプペル』では二つの主題歌に加えて複数の楽曲が劇中で披露されます。

オープニングのハロウィンのシーンはまるでミュージカルのような演出になっていて一気に映画の中に引き込まれました。

『えんとつ町のプペル』

(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会

『えんとつ町のプペル』では各キャラクターの声も大きな要素ですが、音楽、楽曲の部分でもとても目を引きます。

村松 健太郎

実験的な部分を数多く持っていながらも“王道エンターテイメントを目指す”というスタッフの共通認識の元に作られていることがとてもよくわかります。

プペルとルビッチの冒険は西野亮廣自身の物語

『映画 えんとつ町のプペル』は、みんなが存在しないと思っている煙の向こうのきれいな星空を目指すはみ出し者のルビッチとプペルの物語。

この煙に囲まれたえんとつ町というのは「どうにもならない現実」、またその煙を抜けた先にある星空は「叶いそうもない夢や希望」のメタファーとして見ることができます。

村松 健太郎

誰もが夢や希望を持ちつつそれが叶わないという体験はしたことがあると思いますし、だからこそ『えんとつ町のプペル』は万人に普遍的に刺さる物語になっています。

また、みんなにバカにされたり迫害されながらも夢を目指すルビッチたちの姿は日本中に笑われ蔑まれてきた西野亮廣の挑戦の物語にも重なるのではないでしょうか。

芸人を続けながら2005年に絵本作家としての活動を始めた時から、一般人、同業者からも「お笑いに集中しろ」と攻撃を受け、その後、実業家として活動を始めて本を出したり、クラウドファンディングやオンラインサロンを行った時も「胡散臭い」「インチキだ」と叩かれ嘲笑されている西野亮廣。

しかし、彼はそんな周囲の声はものともせず、圧倒的手間暇と工夫を重ねて、大ベストセラー絵本からさらに一流のSUTDIO4℃を動かした大作アニメ映画を作り上げるまで突っ走ってきました。

西野はブログで『映画 えんとつ町のプペル』で世界のエンタメの頂点を目指すと宣言しており、彼自身の”星空”はどこに設定しているのか外野からは計り知れませんが、絵本を分業制にしたり、「えんとつ町のプペル」の絵本を無料公開にするなど新しい挑戦を続ける西野亮廣自身の思いが、本作に込められているのは間違いないでしょう。

個人的な思いをとことん突き詰めたからこそ、万人に響く作品が生まれるという素晴らしい例になっています。

村松 健太郎

見ればプペルとルビッチが最後に見る”星空”に涙を流すこと間違いなしです。

『映画 えんとつ町のプペル』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

要点まとめ
  • ルビッチとプペルの冒険の全容とえんとつ町の秘められた歴史が明らかに
  • オープニング主題歌『HALLOWEENPARTY』から始まるバラエティ豊かな楽曲が映画を支える
  • 芦田愛菜、窪田正孝を筆頭に豪華なメンバーが揃った声優がクセのあるキャラクターを好演
  • SUTDIO4℃による精密かつ華やかな映像の数々に魅了される
  • 西野亮廣自身の挑戦と重なる感動の物語

以上、ここまで『映画 えんとつ町のプペル』をレビューしてきました。

絵本作家として活動を始めた頃はバカにされ続けた西野亮廣の夢の企画がついにスクリーンにやってきました。

コロナウイルスの影響でみんなが希望を失いかけている2020年冬、鬱屈した気分を突破してくれる感動のファンタジーをぜひご覧ください!

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