『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARDたぶんHAPPY』あらすじ・ネタバレ感想!八塩団地の5人が大人になってしまった…

『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARDたぶんHAPPY』あらすじ・ネタバレ感想!

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ピカンチで屋形船を沈めてから11年、前作『ピカンチダブル』で八塩ヒルズの建設を阻止してから8年。

八塩団地の5人も30代に突入して立派な“大人”になっていました。

ポイント
  • 監修・堤幸彦、脚本・河原雅彦、原案・井ノ原快彦、主演・嵐の3作目!
  • 3作目!とか書いたけど、ピカンチハーフとし、単なる続編ではなく2.5作という位置づけとされている作品
  • 大人になってしまった人、毎日に疲れてしまった人に見て欲しい

それではさっそく『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARDたぶんHAPPY』をネタバレありでレビューしたいと思います。

『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARDたぶんHAPPY』作品情報

作品名 ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARDたぶんHAPPY
公開日 2014年8月1日
上映時間 113分
監督 木村ひさし
脚本 河原雅彦
出演者 相葉雅紀
松本潤
二宮和也
大野智
櫻井翔
水川あさみ
上島竜兵
松原智恵子
秋山菜津子
井ノ原快彦
でんでん
宮地真緒
音楽 辻陽

※前作を復習・振り返りたい方はこちら!

『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』あらすじ・ネタバレ感想!嵐の5人がバカな青春を謳歌する!

『ピカ★★ンチ LIFE IS HARDだからHAPPY』あらすじ・ネタバレ感想!大人を拒んだ5人が“大人”の扉を開けるとき

【ネタバレ】『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARDたぶんHAPPY』あらすじ・感想

三度目、八塩団地の5人?

ハル(大野智)

普通棟第5棟出身、第44棟在住。

八塩一運の悪い男。

今や八塩団地に住んでいるのはハル一人。

ボン(松本潤)

リッチ棟第33棟出身。

割烹まんさいで修業中…?

シュン(相葉雅紀)

普通棟第5党出身、「葵学」編み物教室講師?

元・絵に描いたような普通青年。

チュウ(櫻井翔)

ちょっとアブない第9棟出身。

暴走集団「鮫洲一家」25代目総長、現ヨドチェリービッグ新宿店勤務。

それぞれがそれぞれの事情を抱え、8年振りに再会した4人はどこかよそよそしく、以前の自分たちがどんな風に会話していたかも忘れてしまっていました。

タクマ(二宮和也)は連絡がつかず、今頃どこで何をしているのかもわからない状態でした。

8年前から、今に至るまで

昔馴染みの居酒屋で4人は、8年前にハルが“辛いことや悲しいことがあったらここに書こう”と配ったノートを取り出します。

ハルのノートには日付とともにびっしり「家→ガウス八塩店→家」。

家と職場の往復しかしていないことが功を奏して、今や売り場の主任になっています。

同じ文言が並ぶ中、シュンが控えめに「彼女、妊娠」と書いた文字を見つけました。

いわゆる“できちゃった婚”をしていたのです。

結婚式に呼ばれなかったことを詰める3人に対して、ハルは「親族だけで式をしたから呼べなかった」と言いました。

ちなみに奥さんはハルを大人にした女性でした。

vito

ハルの初恋相手の母親です。

最近、奥さんの様子がおかしく、夜な夜な家を空けることが多く、着る服が派手になり、化粧も濃くなって、結婚記念日に花を贈ろうと歩いていたら浮気現場を目撃してしまったと言います。

チュウのノートを読んでいるボンが大号泣しました。

チュウは、今別居中だと言います。

新宿店に栄転になったチュウは、その後も常に営業成績が社内でトップクラスでした。

そんな夫を気遣う弥生の提案もあって八塩から新宿に引っ越したのが7年前。

しかし息子・鉄壁に対しての教育方針が合わず、おしどり夫婦に亀裂が入ってしまいました。

自分のせいで大好きな父と母が仲良しじゃなくなってしまっていると子供ながらに感じていた鉄壁は、弥生の方針で習っていたピアノの発表会当日に、弥生の買い与えた白いロングジャケットに自分で“ショパン上等”と刺繍を施し、髪をリーゼントにして壇上に上がりました。

いつか鉄壁が特攻服を見つけたときに、チュウが「これは男がここ一番の時に着るものだ」と言ったことを受けて、父への憧れとして“ここ一番”のピアノの発表会で真似をしたのです。

翌日、怒りが収まらない弥生は、チュウを一人残して鉄壁とともに実家に帰って行きました。

たまに鉄壁から電話がかかってくる程度で、それ以来丸半年も会えていません。

家に帰っても愛する妻と息子がいないと、何のために働いているかもわからない、とチュウは嘆きました。

しんみりしてしまった雰囲気を変えるべく、ボンは自分のサクセスストーリーを聞いて元気を出せ!と言います。

8年前、割烹まんさいで修業していたボンは若くして花板に昇進、最高の料理人になるために再び流れ板になりました。

言い寄る美女には目もくれずストイックに修業に励む日々、あるとき訪れた宮古島の料理店で運命の出会いを果たします。

最近村の若者と婚約したところだったその女性・妙子と駆け落ち。

単身フランスに渡りクレープ修業に明け暮れ、父の出資で原宿にクレープ専門店を構えると本場仕込みの味を求める人々で連日長蛇の列。

今となっては原宿界隈に五店舗展開しています。

そしてお店が軌道に乗った1年前、妙子と結婚したのでした。

クールなリーダー格、タクマ(二宮和也)合流

翌朝、4人が目を覚ましたのはゴミ捨て場でした。

そして、タクマが以前メッセージを残した陸橋のところへ行くことにします。

8年前に訪れたときは、ボンが八丈島に行って(いることになって)いたので、4人で陸橋の天井を見上げるのは初めてです。

タクマの話をしていると、ハルの携帯にタクマから着信がきました。

タクマ(二宮和也)

貧乏棟第12棟出身・アメリカ在住?

ちょっとクールなリーダー格で、かつてはスケボーを愛しどこに行くにもスケボーとともにあったタクマが長いゆるふわパーマにヒッピー風の恰好をして4人の前に姿を現します。

再会して開口一番「金貸して」と言うタクマは、アメリカではなくカメルーンから帰国したと言います。

スケボーを捨て、今の相棒はギターです。

ケニアで出会ったアニャンゴという妻を持ち、4男4女の子だくさんとなっていました。

そしてハルが渡したノートには、色々な国の言葉でこれまでのことを記されていました。

8年前アメリカに渡り、メロコアバンドを組んだのですが1年ほどで解散、途方にくれているところで一人の少年がスケボーを欲しそうにしていたのであげてしまいます。

相棒とも別れ、日本に帰ろうかと考えつつ歩いた夜の街で、気が付くと八塩団地住民なら誰でも歌える「道」を口ずさんでいました。

それを聞いていたさまざまな国籍の人たちが賞賛したのをきっかけに、新たな相棒であるギターを片手にタイムズスクエア・ダコタハウス・ニューオリンズ・グランドキャニオンなど色々な場所で「道」を歌ってきたのです。

この歌に救われたのだから、世界のどこかにいる「道」を必要とする人たちに向けて歌って“歌”への恩返しをしようと思い立ったのです。

ケニアではヒットチャート18週連続1位を記録したほどの人気曲となっていました。

売り上げで手にしたお金は世界中の恵まれない子供たちに寄付したと言います。

ちなみにタクマの連れてきた子供のうち4人は親のいない子を引き取り、残りの4人はアニャンゴの連れ子です。

思い出の地にて、発覚するボン(松本潤)の“現在”

アニャンゴと子供たちを浅草観光に送り出し、5人きりになったところでタクマは“思い出の地に行こう”と言います。

それは彼らが高校3年生の夏に訪れた原宿でした。

しかし、原宿に降り立ったのはボンとタクマのみ。

ボンのクレープ屋に連れて行くということだったのですが、肝心のお店は潰れてしまっていました。

居酒屋でボンが話していたことはすべて事実だったのですが、それには続きがあったのです。

オープン当初は夫婦で力をあわせて楽しく地道にやっていたクレープ店。

売上好調、店舗も拡大。

しかし、原宿という土地柄、競争相手に淘汰されてしまいました。

心を鬼にして経営方針を変えたところ、慕ってくれていたスタッフは集団辞職。

妙子の顔からも笑顔が消えてしまっていました。

そして今は、パートで働く妙子の少ないお給料で慎ましく暮らしています。

事実は3人には話さないで欲しいと言うボンに対して、タクマは進歩がないと言いました。

8年前、八丈島で修業していることになっていたものの、実は八塩の割烹で修業をしていたボン。

タクマの言うとおり、プライドが高く見栄を張ってしまうところは何も変わっていませんでした。

やっと明かされるシュン(相葉雅紀)の現在

ただ一人、ノートを見せていないシュンは、SHUN麺という大きな看板を乗せた屋形船で現れました。

かつて「あの船に乗るような大人にだけは絶対にならない」と言っていた屋形船で、東京湾でとれたシジミを使ったヘルシーなラーメンを作り商売をしていると言います。

8年前、葵学で編み物講師をしていたシュンですが、ある日突然編み物教室長から卒業証書を渡されてしまいました。

急な卒業に生きる目的を失ってしまったシュンでしたが、自分で立ち上げたニットブランドSHUNMENから発想を得てSHUN麺を立ち上げることを思い立ちます。

その後、八塩を離れラーメン激戦区を転々とし続けたシュンは片っ端から有名店を食べ歩き、ラーメン修行を敢行。

壁にぶつかり苦悩の日々が続くも、決してへこたれず苦節3年、ある日風に乗って飛んできたスーパーのチラシに載っていたシジミから発想を得てシジミスープをモノとしました。

次に取り掛かったのは店舗探し。

ふと目に入った屋形船を見るなり「ビンゴ!」と電光石火のスピードでお店をオープン。

船上でシジミラーメンをすする光景は、今や八塩名物となっていました。

人生は、“たぶん”HAPPY

SHUN麺からの帰り道、一度解散したあとで再び5人が集まって向かったのは、チュウの兄・かごめ(井ノ原快彦)のお通夜でした。

昼間、ボン以外がタクマと一緒に原宿に行けなかったのはお通夜の準備のためでした。

普通棟8棟に住んでいる村岡さん(松原智恵子)が2日前の出来事を語ります。

自分がピザを注文したのがきっかけで、それを配達したかごめが事故に遭い死んでしまったと言うのです。

故人を偲んでタクマがギターを手にして「道」を歌います。

5人が号泣していると、棺桶からかごめが飛び起きました。

式場にいる5人以外のみんなは笑い、事態がつかめない5人。

かごめが事故に遭い、生死をさまよったのは事実。

しかし、三途の川の手前でかごめは夢を見たと言います。

カヌーで自力で渡らなければならない三途の川の渡り方をタクマの父がレクチャーし、いざ渡ろうとしたところでチュウが呼び止めに来ました。

一度は制止を振り切って行ってしまうかごめでしたが、現在のチュウの仲間が頼りないと知ると戻ってきて霊安室で目を覚ました、と言うのでした。

そして、八塩団地のみんなには自分が死んだことを内緒にしておいてもらい、お通夜を5人が集まるきっかけとしたのです。

「もう一回映画みたいな青春をぶちかましてくれ」と言うかごめに、自分たちはもう30オーバーだと煮え切らない態度をとります。

「10代のころの自分たちにとって人生は?」とかごめは問います。

「人生は厳しい、だけどHAPPY」と5人は答えました。

20代は「人生は厳しい、だからHAPPY」。

今は「人生は厳しい、たぶんHAPPY」。

かごめは、その「たぶん」を自分たちの力で変えてみろ、と言いました。

青春に終わりはない、勝手に終わらせる奴がいるだけだ。とまとめるかごめの言葉に続いて、なんだかんだでけっぱりまーす!で締める5人でした。

八塩団地の少年たちが、大人になったらこうなっていた。

vito

まず切ない。

青春よろしくバカやってた5人が、子供と大人の間をさまよい苦悩した日々を経て、すっかり大人になってしまった。

相変わらずで安心したところもあるんだけど、大人になると勢いだけではどうにもならないこともあるよね、とか自分一人の気持ちだけでは立ち行かないこともあるよね、とかそういう“大人”に対しての「やるせなさ」みたいなものを感じる場面が多くて。

私自身も立派に大人の年齢なので、ちょっと他人事ではない感情になる場面もあったりして。

vito

私は嵐と大体同じ年代だから見た時点で大人でしかなかったんだけど、青春時代に見ていたらどんな感想を抱いていたんだろう、とか思ったりしました。

大人になるの嫌だなぁとか思っていたのかな。

それとも、大人になってもあんまり変わらないもんなんだなぁと思っていたのかな。

実際の体感としては、あんまり変わらないもんだよって感じなんですけど。それはそれとして。

一番最後、エンディングのあと、5人が並んでお通夜の場面の出演者たちに挨拶をしながら見送るシーンが入っているんですけど。

井ノ原快彦と監督が出て行くのを引き留めた5人が「よろしくお願いします」的なことを言って、イノッチと監督が「早くしないとお前たち40代になっちまうよ」的なことを返すっていうやりとりがあるんですよね。

vito

人生は“たぶん”HAPPYだと言った5人の、もう少しあとをまた見られたらいいなぁと思います。

チュウの家庭の問題も、ボンの仕事の問題も、ハルの夫婦間の問題も解決してないし。

でも何も解決しない、終わらないままにしておいてほしい気持ちもありますけど。

好きな場面とかセリフとか。あとは恒例のアレ。

前作、前々作と八塩団地の5人の中なら誰が好きかという個人的な好みを書き連ねた私ですが…

vito

今作も例に漏れずチュウが好きです。

やっぱりなんか嘘がなくて、まっすぐで、アツいっていうのが好きです。

早く弥生と鉄壁とまた暮らせるといいね…。

幸せ街道を爆進してほしいね…。

あとひそかに、主に悪い部分が自分と似ていて、見ててジタバタしたくなるのはボンだったりします。

変なプライドで見栄を張ってしまうところとか。

嘘をついて、というか嘘にはならない程度に本当のことで調子の良いところまでを話して、後に引けなくなっていつの間にか話が大きくなってしまっていたりとか。

今回で言うとクレープ屋さんのくだりが例ですけど。

vito

だからきっと私は嘘のないチュウが好きなんだろうなぁと思います。ボンも可愛くて好きだけど。

好きな場面というか笑った場面としては、かごめのお通夜の場面で故人へのビデオメッセージが流れるんですけど、監督・脚本家など“そうくる?”っていう面々の言葉が後ろで流れる中で、かごめの顔を見に色々な人が訪れるんです。

上島竜兵とかレインメーカーことオカダ・カズチカとか。

vito

“そうくる!?”ってなります。

あとはやっぱり最後の、「なんだかんだでけっぱりまーす!」のゆるさと前向きさに救われたというか、明日からも頑張ろうかなぁって思えて、そこが好きです。

けっぱるっていうのは、踏ん張って頑張るとかそういう意味の方言なんですけど。

ちょっとしんどいな、思うようにいかないなと思う時、ふと頭に浮かぶセリフだったりします。

“たぶん”なんて曖昧なふわっとした言葉でもHAPPYと言える毎日を送れたら素敵だなって思います。

『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARDたぶんHAPPY』まとめ

以上、ここまで『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARDたぶんHAPPY』についてネタバレありで紹介させていただきました。

要点まとめ
  • 悩み、行き詰ったとき肩の力を抜くのにちょうどいいきっかけになる映画だと思います
  • どんなことがあってもやってくる“明日”を少しでも楽しくしようと思える、かもしれない
  • あなたの今は、LIFE IS HARD“○○”HAPPY?「○○」に入るのは?