パンデミック&パニック映画おすすめ15選!ウイルスからゾンビまで感染爆発の恐怖と混乱を描く!

パンデミック&パニック映画おすすめまとめ!ウイルスからゾンビまで感染爆発の恐怖と混乱を描く!

出典:U-NEXT

現実世界での出来事を予言したようなフィクションというものががあります。

“原発問題”を1990年代に描ていた東野圭吾の「天空の蜂」(2015年に映画化)、1980年代初頭に2020年の東京オリンピックを描いていた大友克洋のSFアニメーション『AKIRA』などなど。

(C)1988マッシュルーム/アキラ製作委員

そして新型コロナウィルスの世界的な感染拡大を受けて、感染にまつわる映画がここ最近話題になっています。

人間とウィルスとの戦いは、1万年以上前の新石器時代に人間が農業を中心とした定住生活に移行した時から始まったとされています。

ペストや天然痘、スペイン風邪、新型インフルエンザ、HIV、エボラ出血熱、SARS、MARSなどなどなウィルスとの闘いが人類の歴史に刻まれてきました。

そんなこともあって、フィクションの題材として“ウィルスの感染拡大=パンデミック”が取り上げられてきたことは少なくありません。

村松 健太郎

そこで具体的に作品と注目ポイントを挙げながら、分類してご紹介したいと思います。

パンデミック映画:感染爆発に立ち会う人々を描いた作品

ここでは感染拡大=パンデミックの現場に期せずして居合わせ、否応なしにパンデミックとの闘う立場になった人たちの姿をメインに描いた作品を挙げています。

『コンテイジョン』(2011年)


コロナウイルスの感染拡大によるパニックを予言したと言われていて、今、注目を浴びているの映画がスティーブ・ソダーバーグ監督の『コンテイジョン』(Contagion=感染)です。

グウィネス・パルトロウ、マリオン・コティヤール、ケイト・ウィンスレットという3人のアカデミー賞女優に、マット・デイモン、ジュード・ロウ、ローレンス・フィッシュバーンというオスカーノミネート経験者の俳優が並ぶ豪華キャストによる未知のウィルスの感染拡大を描いた一作です。

序盤の感染拡大の静かな進行具合やメインキャストも容赦なく病に倒れていく映画としての思い切りの良さに加えて、医師もまた病に倒れて崩壊していく医療の様子や、物資の買い占めによる混乱する街と人々の描写、デマが拡がり混乱する社会の様子などが、現在私たちがニュース報道で見ている世界と重なります。

村松 健太郎

特にショッキングなのが全世界で多くの感染者と死者が出たという事態の終盤を描いた直後の、映画ラスト6分ごろから約2分間に渡って描かれる”感染拡大の最初の一歩”の描写でしょう。

ブルドーザーが木をなぎ倒しコウモリが飛んで逃げていく→その1匹が豚小屋に飛び込み、バナナのかけらを落とす→そのバナナをブタが食べる→ブタは屠殺され、それを調理したコックが手を洗わずに第一感染者と握手する。

この一連の事象が、実に淡々と描かれています。

『コンテイジョン』

(C)2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

ソダーバーグ監督は様々作品を手掛けてきましたが『コンテイジョン』はその中でも終始、淡々と体温低めに物語が進めます。

ラストはより一層淡々と事象だけを追っていきそのままエンドロールに入ります。

内容的にもっとエモーショナルな作品に仕上げることができる題材ですが、今作ではこの“淡々と”という部分が徹底されていて、それが逆にフィクションと現実の間を曖昧なものにして、見ている現実の側の人間にストレートに突き刺さります。

2000年代初めのSARSウィルスなどの感染拡大を基に、考証には現役の医師を起用し、徹底したリアリティを追求した作品に仕上がっています。

村松 健太郎

参加した医師の中には現在新型コロナウィルスの対策に従事している医師もいて、感染した人も出ているそうです。

リアリティを追及したストーリーが淡々と描かれることもあって、公開当時はパンデミック映画、パニック映画としては満足度が低いと評されていましたが、今・この時に見直すと医療崩壊・デマの拡散・物資の買い占め・都市封鎖など現実世界の出来事とリンクすることばかりで、評価が一転し“予言の映画”と言われています。

グウィネス・パルトロウが最初の感染者の女性、マット・デイモンがその夫を演じ、ケイト・ウィンスレット、マリオン・コティヤール、ローレンス・フィッシュバーンが未知のウィルスに挑みCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の医師を演じ、ジュード・ロウがデマを拡散する怪しげな陰謀論者のブロガーを演じています。

『コンテイジョン』

(C)2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

村松 健太郎

特に、ジュード・ロウ演じるブロガーの行動が最低で、見どころの一つです。

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『アウトブレイク』(1995年)


感染症の突発的な発生を意味する言葉をタイトルしたのが『アウトブレイク』(ちなみにこの状況が継続することを表す言葉がパンデミック)です。

写真:Album/アフロ

こちらもダスティン・ホフマン、レネ・ルッソ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・スペイシー、キューバ・グッディング・Jr、ドナルド・サザーランドといった豪華キャストが並んでいます。

監督は『ネバーエンディング・ストーリー』『エアフォース・ワン』のウォルフガング・ペーターゼン監督。

“モタバ・ウイルス”という未知の殺人ウイルスがアフリカで感染爆発する恐怖が描かれます。

この映画はウィルス感染の封じ込め、さらには細菌兵器への転用を狙う軍人たちの物語で、メインの俳優たちも軍人役、その中で紅一点のレネ・ルッソがCDCの職員を演じています。

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『復活の日』(1980年)


1980年前後に映画プロデューサーとして、業界を席巻していた角川春樹が手掛けた大作映画が『復活の日』。

原作は『日本沈没』の小松左京で、深作欣二監督が映画化しました。

主演は草刈正雄で、共演に緒形拳、夏八木勲、さらにオリヴィア・ハッセーやジョージ・ケネディと言ったハリウッド映画でも活躍した海外の俳優もふんだんに起用した大型作品です。

村松 健太郎

南極やアメリカで実際にロケを行うなど贅沢な作りになっています。

ストーリーは米ソ冷戦を背景にしたスケールの大きな物語で上映時間は2時間半を超えてます。

劇中で猛威を振るう“イタリア風邪”ウィルスの正体は極秘に製造されていた細菌兵器です。

ウィルスの活動が抑制されるのは極地だけということが分かり、南極越冬隊の基地が人類の命運を握る生命線となります。

クライマックスでは核ミサイルが飛び交い、世界は完全に崩壊、世界が二度目の死を迎えたのちに、数少ない生き残りのとなった南極日本隊の吉住(草刈正雄)は世界を彷徨い歩きます。

小松左京の作品群は『日本沈没』や『首都消失』と言ったタイトル通りに最悪の崩壊を迎えてしまうところが特徴ですね。

村松 健太郎

ウィルスの感染拡大によって全人類の99%が死亡した世界を描いたSF作品『12モンキーズ』も見ておきたい一本です。

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『感染列島』(2009年)


妻夫木聡、檀れい、佐藤浩市、藤竜也といった豪華キャストを集め瀬々敬久監督が2009年に発表したのが『感染列島』。

(C)2009 映画「感染列島」製作委員会

2009年の公開から数ヶ月後に新型インフルエンザの世界的な流行が起きて、劇中の描写と同じようなこと現実でも起きることになりました。

『コンテイジョン』もリアルですが『感染列島』の医療崩壊シーンは、現状実際に崩壊寸前になっている海外の医療現場の様子と見比べてもかなりリアルに作りこまれています

(C)2009 映画「感染列島」製作委員会

妻夫木聡、佐藤浩市が最初にウィルス感染が広がる地域の病院の救命医を、檀れいがWHOのメディカルオフィサーを演じています。

村松 健太郎

この脅威は未知のウィルスなのかバイオテロなのか”それとも“神の責め苦=BLAME(ブレイム)”なのか判然としない中で翻弄されていく人間の姿が描かれます。

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『FLU 運命の36時間』(2013年)


『火山高』や『僕の彼女を紹介します』などで知られるチャン・ヒョク主演の韓国映画『FLU 運命の36時間』はパンデミックとそれに対応する救急隊員を描いた物語。

(C)2013 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved

猛威を振るうのは鳥インフルエンザH5N1の変種ウィルスです。

後半になるとどんどん物語が荒んでいき買い占め騒動から軍隊による都市封鎖、さらに感染者に対する命の選別などハードな描写も出てきます。

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SF・ゾンビ系パニック映画:人間の未知の脅威と戦う姿、翻弄される姿を描いた作品

ここではクラシカルな作品から最新の作品まで守備範囲を拡げて、未知のウィルスの出現と言う事象に対して孤軍奮闘する姿を描いた作品を選びました。

『アンドロメダ…』(1971年)


『ジュラシック・パーク』の原作者として知られる作家のマイケル・クライトンの「アンドロメダ…病原体」を『サウンド・オブ・ミュージック』『ウェスト・サイド物語』の巨匠ロバート・ワイズが映画化。

ロバート・ワイズ監督は賞レースの中心になるような作品を手掛ける一方で『地球の静止する日』『スタートレック』などのSF作品でも実績があります。

ここで猛威を振るうのは“アンドロメダ・ストレイン”と名付けられた宇宙からの細菌です。

村松 健太郎

感染した人は体内の血液が乾燥して砂みたいになって死亡するなど恐ろしい症状が出ます。

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『カサンドラ・クロス』(1976年)


『アンドロメダ…』と同様に1970年代に作られたのが『カサンドラ・クロス』。

極秘に製造されていた細菌兵器に感染したゲリラが逃げ込んだ大陸横断鉄道の列車を兵器の情報を秘匿するために列車ごと全てを消そうとする米軍上層部と、鉄道に乗り合わせた人々との戦いを描きます。

舞台となる鉄道が常に移動し続け、崩落する可能性が高い“カサンドラ・クロス橋梁”に向かうという時間的なタイムサスペンスの要素もあります。

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『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)


『カサンドラ・クロス』を思わせる鉄道という限定空間を舞台に作られた韓国映画が『新感染 ファイナル・エクスプレス』です。

(C)2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved.

『バイオハザード』シリーズなどで定着したウィルス感染系ゾンビものの一種ですが、閉鎖空間による荒んでいく集団心理の描写などは娯楽サスペンスとは一線を画したテイストになっているほか、ラストシーンは『FLU運命の36時間』にも重なる描写をみることができます。

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『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』(2007年)と『アイアムアヒーロー』(2016年)

ゾンビ映画はどうしても娯楽色優先になりがちですが、ゾンビ映画の祖ジョージ・A・ロメロによる“リビングデッドサーガ”の第5弾『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』と


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大泉洋・有村架純・長澤まさみ主演の和製ゾンビハザード映画『アイアムアヒーロー』。


この2作の感染拡大を報じるメディアの混乱ぶり、事象を受けたネットにおける混乱ぶりは今の新型コロナウィルス関連の報道とそれを受けての反応と重なる部分が少なくありません。

村松 健太郎

感染で増えるゾンビだけでなくメディアの情報を精査せず、パニックを起こした人々とその結果の怖さも身に沁みます。

(C)映画「アイアムアヒーロー」製作委員会 (C)花沢健吾/小学館

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『28日後…』(2002年)


『スラムドッグ・ミリオネア』のダニー・ボイル監督が手掛けたウィルス感染系ゾンビ映画。

猛スピードで感染し、かかった人間が意識を失って凶暴化する”レイジ・ウイルス”の脅威がイギリス全土を覆います。

物語が主人公が事態発生から4週間の昏睡状態から目覚めたところから始まるので、舞台となったイギリス全土がすでに政府と軍隊によって封鎖・管理されている世界が描かれます。

村松 健太郎

無人となったロンドンなどの市街地の描写は外出自粛要請を受けて人気が失せた世界中の都市部とそっくりです。

(C)2002 TWENTIETH CENTURY FOX

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パニック映画その他:危機に直面した時に見せる人間の姿を描いた作品

最後に(これまでに紹介した作品でも見ることができますが)脅威や恐怖、不安心理を描いた作品と脅威に対応する組織・体制の姿を描いた作品を挙げてみます。

ここで扱うものはウイルスとはまた違います。

『回路』(2001年)と『感染』(2004年)

ジャパニーズホラーの人気作2本です。

黒沢清監督の『回路』。


落合正幸監督による『感染』。


前者は世界規模で、後者は一つの病院の内部と言う舞台の違いはありますが、予期せぬ出来事、対応できない出来事に接した人間の心の中に“恐怖”と“不安”が拡まっていく様を見ることができます。

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『シン・ゴジラ』(2016年)と『日本沈没』(1973年)

地震等の災害大国日本の危機管理を担う人間の姿を見ることができるのが異色のゴジラ映画『シン・ゴジラ』と


小松左京原作の和製名作SF『日本沈没』。


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もともと、最初の『ゴジラ』が原水爆のメタファーであることは知られていますが、『シン・ゴジラ』におけるゴジラは東日本大震災の後ということもあって自然災害のメタファーとなっています。

(C)2016 TOHO CO.,LTD.

村松 健太郎

『日本沈没』に関して言えば1973年版と2006年版のリメイク版もより直接的に災害を描き、それに対応する人々もより具体的な形で描かれていますね。

『シン・ゴジラ』と『日本沈没』2作品の関連作品で言えば、両作品を監督した樋口真嗣監督が特技監督として参加した平成『ガメラ』3部作は未知の巨大生物の襲来に対する体制側の人間たち(政府・民間・自衛隊)の動きがリアルだと評価されています。


また平成ガメラ3部作の脚本の伊藤和典が同じく脚本を手掛けた押井守監督による『機動警察パトレイバー THE MOVIE』と『機動警察パトレイバー THE MOVIE2』も経験したことのない危機に瀕した都市の姿を見ることができます。


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パンデミック&パニック映画おすすめ:まとめ

これらの作品はあくまでも映画です。

これが、そのまま現実に起こるというわけではありません。

ただ、その一方で映画の中身は現実の一部分と地続きであることも確かです。

過度に恐れてパニックになることも危険ですが、これをただの想像の産物と片付けてしまうこともまた危険です。

村松 健太郎

劇中で描かれるような“最悪”な終わり方にならないこと願うばかりです。