怒涛の伏線回収パートに突入、今回がシリアス展開の入り口となる新時代の探偵モノ『ネメシス』。
アンナ(広瀬すず)の秘密、風真(櫻井翔)がさまざまな職を転々としてきた切ない理由、そして本当の黒幕…胸を抉られること間違いなしです!
さて第8話はアンナの出生の秘密や、ずっと縦軸で進行していた20年前の事件についてこれまでの物語がすべて繋がっていきます。
ちなみに今回から先は小説家勢がノータッチの領域で、入江悠総監督たちの描きたかった真のテーマに迫る内容となっているようです。
それではさっそく『ネメシス』の第8話「20年目の告白」をネタバレありでレビューします。
目次
ドラマ『ネメシス』前回第7話のあらすじと振り返り
横浜にある雑居ビルの2階に事務所を構える探偵社「ネメシス」。
CEOの栗田一秋(江口洋介)と自称名探偵の風真尚希(櫻井翔)と探偵助手の美神アンナ(広瀬すず)は、第7話で共闘したジャーナリストの神田凪沙(真木よう子)が追っていた過去の事件と関わりのあるコンサルタント会社社長の烏丸司(宇野祥平)の正体を突き止めていきます。
なかなか素性のわからない烏丸の情報を携帯のデータから引き出そうということになり、風真が昔弟子入りしていたマジシャンの緋邑晶(南野陽子)の協力を得て潜入したのは筋モノばかりが集まる賭場です。
アンナは緋邑から教わった技で烏丸相手に見事イカサマに成功し、大金をGET…というところで神奈川県警の捜査一課がガサ入れにやってきました。
騒動の中、風真とアンナは烏丸と一緒に逃げる体裁で緋邑の店へと誘い込みますが事態は一転、偽名を使ってマジシャンと偽ったはずの風真の素性がバレていました。
実は烏丸は何者かから“仕事”としてネメシスの探偵助手を捕まえるように言い渡されていたのです。
烏丸の携帯のデータから、アンナを捕まえるように指示した黒幕こそが、かつて風真と同じ研究所にいた大和猛流(石黒賢)であったことが発覚します。
そして大和の口からはアンナがゲノム編集ベビーであることも明かされ衝撃が走る中、散りばめられてきた伏線を回収していく第8話の始まりです!
【ネタバレ】ドラマ『ネメシス』第8話あらすじ・感想
19年前の事故、20年前の事件
自分が世界初のゲノム編集ベビーであることを聞かされてショックを受けた美神アンナ(広瀬すず)は、栗田一秋(江口洋介)と風真尚希(櫻井翔)を屋上に呼び出して2つの質問を投げ付けました。
世界初のゲノム編集ベビーとは何なのか、そして立花始(仲村トオル)とは誰なのか。
そして、立花始とはアンナの父・美神始の本名だと答えた栗田にアンナは「知っていることを全部話して」と言いました。
すべての発端は20年前の事件でした。
栗田は高校時代の始の同級生で、風真は世界トップクラスの遺伝子研究者となっていた始の部下でした。
大学を出たあと始に憧れて立花研究室に入った風真は、当時のことを夢みたいな日々だったと言います。
そこには大和猛流(石黒賢)、神田凪沙の姉である水帆(真木よう子・2役)もいました。
ある日、始は脳機能を低下させる遺伝子を発見して、それをピンポイントで狙ったゲノム編集に成功するという偉業を成し遂げました。
そして6番目の受精卵で成功した世界初のゲノム編集ベビーに研究室の面々は盛り上がり、大和に至っては「代理母を用意して…」とまで言いましたが、始は難病治療のための研究であることを主張します。
人が子孫を勝手にデザインするなど許されないとした始の意向によって受精卵は凍結して研究を進めようとしましたが、3か月後に受精卵が盗難されるという事件が起きてしまいます。
始は事件が表沙汰になる前に、当時探偵歴10年で個人事務所を構えていた栗田に連絡しました。
始は受精卵を奪ったのは身内だと思いたくありませんでしたが、栗田の見立てではどうにも内部の犯行のようでした。
始は捜査を打ち切り、事件を公表して全て自分の過失として責任を取り、研究所は閉鎖されてしまいました。
研究員たちもバラバラになり風真はその際に受精卵を盗んだ犯人を見つけるため栗田探偵事務所の扉を叩いたのです。
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研究所の閉鎖後、水帆は始の開いた個人ラボで細々と研究を続けていました。
盗難事件からちょうど1年後のこと。
栗田と風真が食事をしている最中に始から、美馬芽衣子(山崎紘菜)という女性から始のもとに「助けてくれ」と連絡が入ったという電話がかかってきます。
始と水帆が電話のあった公衆電話に急いで駆け付けると、妊娠している芽衣子は「代理出産で監禁されていて、追われている」と言いました。
そこで耳にした始の名前を頼りに連絡してきたらしいのです。
水帆が芽衣子の腕に付けられたバンドに“GE10.6”と印字されているのを見つけて、始はお腹の中にいるのが盗まれた受精卵からできた子だと察しました。
もしそうだとすると適当な病院で生ませるわけにはいかないので、埼玉にある恩師のいる病院に連れて行こうとします。
芽衣子は車の中で破水、黒い車に追われながら病院に向かっている最中に“19年前の事故”が起きました。
一足遅れて追い付き事故を目の当たりにした栗田と風真は、始が向かおうとしていた病院に3人を連れて行きますが、水帆は亡くなってしまいます。
芽衣子も身ごもっていた赤ちゃんを産んだあとに亡くなりました。
この赤ちゃんこそが、盗まれた受精卵で生まれたアンナでした。
父親は始、母親は研究に卵子を提供した水帆と代理母となった芽衣子です。
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秘密もアンナも一生守ると決めた始は…
肝心の菅研については芽衣子が残した言葉だけで、菅容子についてもまだわからないまま。
始はゲノム編集ベビーが生まれたことが世に知れたら世界中から好奇の目で見られ続けることや、菅研に追われることを避けるために海外に身をひそめることにします。
パスポートを手配したのは旧知の道具屋・星憲章(上田竜也)でした。
始は美馬芽衣子と神田水帆から名字を取って、美神始となり旅立ちました。
その後、風真は栗田の元を離れて職を転々とします。
配送業、マジシャン、現場作業員…いつか何かがわかって捜査を再開する日がくるのではないかと思って、その日のために手に職をつけ人脈を広げようと思ってのことでした。
用心を重ねていた始は日本に帰ってくることはありませんでしたが、老人ホームに入っていた母親の病死を機にアンナにネックレスを託して一人で帰国します。
その頃イルカの調教師をしていた風真は空港で栗田と落ち合い、始を迎えました。
事件から20年近く一度も菅研の名を聞くこともなく、栗田も始ももう大丈夫だと思っていました。
しかし、始は葬儀の合間に席を外した時に姿を消してしまったのでした。
恐らくは、未だどの研究所も始の功績に追い付けていないために、研究データを欲した菅研に拉致されたというのが風真の見解です。
アンナが日本にやってきたタイミングで栗田は20年前の事件を洗い直すことを決心して、風真を新しい探偵事務所の顔にすることにします。
始の行方を追いながら19年前の事故で亡くなった芽衣子や水帆の無念を晴らすために、神に代わって正義をつかさどるギリシャ神話の女神の名をとり「ネメシス」として新たなスタートを切ることになります。
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繋がっていく膨大な点と点
栗田は自分が調べたすべてを記してきた“秘密の部屋”に、アンナと風真と凪沙を招き入れました。
そして、これまで関わった事件や菅研、菅容子について現時点でわかっていることを話し始めます。
最初の事件が遺伝子絡みの大富豪。
当てこそ外れたものの、これがきっかけとなって一気にネメシスへの依頼が増えました。
2件目が“あかぼしの家”。
芽衣子の持っていた写真の背景が一致して、19年越しに育った場所がわかりました。
次は菅容子の出身校、デカルト女学院。
肉声のテープは入手できたものの、他の資料は一切何者かに先回りして消されていました。
天狗サーモンの養殖場の事件では、菅研に誘われたという人物の話を聞くことができました。
菅容子は表舞台から姿を消した後、菅研を作って始の功績である受精卵で芽衣子に出産させようとしたのではないかという予想を栗田が口にしたところで、凪沙が過去に追っていた恵美佳という女性の不審死も繋がっているのではないかということに気付きます。
恵美佳の不審死事件を隠蔽しようとした多治見から烏丸へ、少しずつ菅研へと近付き最後に辿りついたのが風真の研究室時代の先輩である大和。
始の母親の葬儀の際に話しかけた時「研究はやめてアメリカで外科医をしている」と言っていたけれど、風真はあの時に気付いていればと悔やみました。
拉致された始は今も菅研に手を貸すのを拒んでいるため実力行使に出たか、もしくはアンナが例の受精卵の子であることに気付いたか…というのが栗田の推理です。
風真は以前、道具屋の星がセキュリティを破れなかったアンナのネックレスに秘密が隠されているのではないかと思い付きますが、その時になってようやくアンナの表情を見て固まりました。
ずっと黙って聞いていたアンナは、全部自分が生まれたせいで芽衣子や水帆が亡くなり、始は日本にいられなくなり風真も夢を諦めて栗田も事務所を変えなければならなかったと捲し立て、どうして黙っていたのかと激昂しました。
そしてネックレスを千切って放り、事務所から飛び出してしまいます。
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栗田と風真と凪沙はそれぞれ分かれて探し回りますが、アンナは見つかりません。
風真は星や上原黄以子(大島優子)や姫川烝位(奥平大兼)、Drハオツーのリュウ(加藤諒)たちに連絡しました。
神奈川県警捜査一課のタカ(勝地涼)、ユージ(中村蒼)、薫(富田望生)にも。
凪沙は緋邑晶(南野陽子)の元を訪ねましたが、手掛かりを得られません。
その頃、アンナは港で父と過ごした子供の頃の何気ない日のことを思い出して泣いています。
そしてアンナが飛び出してから3時間が経ちましたが、まだ誰も見付けられていませんでした。
栗田と凪沙と落ち合ったところで風真は四葉朋美(橋本環奈)に連絡しますが、朋美も連絡がつかないと言います。
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本当の黒幕
朋美は風真からの連絡が3回目だと、一緒にいるアンナに伝えました。
最初に出会った八景島シーパラダイスの水槽の前で、ずっと見たこともない不機嫌な表情のまま事情を話してくれないアンナに朋美はいつも飲んでいるイカスミウォーターを渡しました。
親友だと思ったのに話してくれないんだね…と言った後にアンナがイカスミウォーターを飲んだのを確認した朋美は何故か笑いながら踊り出します。
そして時計を眺めると表情を変え、本当は女子大生ではなく四葉朋美というのも偽名であることを明かし、自分が菅容子の一人娘であると本性を明かしました。
倒れたアンナがネックレスをしてないのを確認した朋美は、烏丸のボディーガードをしていた志葉が現れて警備員が来ることを告げたため、志葉にアンナを抱えさせてどこかへ向かいました。
その頃、風真の元に朋美から連絡が入ります。
アンナのネックレスを拾ったという朋美の嘘に、現状を知らない風真は自分が持っていると素直に答えてしまいます。
そして今はジャック&ベティの裏にいると言うのを鵜呑みにして向かった風真は待ち伏せしていた志葉に襲われて気を失い、ネックレスを奪われてしまいました、
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アンナが目を覚ますと真っ白な部屋の中、担架のようなものに拘束されていました。
おはようと声をかけてきたのは大和です。
小さな窓から見える隣の部屋には始がいました。
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ドラマ『ネメシス』第8話あらすじ・ネタバレ感想まとめ
#ネメシス 8話のご視聴
ありがとうございました🙏✨真の黒幕が明らかになり、
【20年前の事件】
そして
【19年前の事故】
全てが明らかになった今…最新の人物相関図で
おさらいしませんか?🧑🏫※ネタバレしたくない人は
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— 『ネメシス』【公式】第9話6月6日よる10時30分 (@nemesis_ntv_) May 30, 2021
前回第7話放送以降、公式SNSでキャスト陣のほっこりする画像が流れてきたり、マーロウとのショットが流れてきたりして「せめて癒やされてね」感が身に染みていたんですけど、ちょっとしんどい回でした。
…とはいえ、毎度予告での煽りを軽く超えてくる本編の展開にゾクゾクする感覚と、想定した最悪のケースすらも超えてくるストーリーで正直なところ超たまんないです。
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風真がさまざまな職を転々としてきた点について、一貫性を見出せないのも納得でした。
vito
もう風真がアンナを探して色んな人に電話する中で、朋美にも連絡したあたりで「これはマズいんじゃないか」と思いましたよね。
多分リアルタイムで見ていた人の多くがそうだったんじゃないかなと思うんですけど。
そしてイカスミウォーターを差し出されたアンナに、それは絶対飲んだら駄目なやつだ!とも思ったはず。
朋美が本性を現した時の豹変っぷり凄かったなぁ…察したアンナの一瞬の表情も伝わってくるものがあったし。
時間軸的に数時間でアンナは自分が何者か知ってしまったり、身近な栗田や風真に隠し事をされていたことを知ったり、親友だと思っていた朋美に裏切られたりしてるの超しんどいです。
どうか救われて欲しい。
さて第9話は禁じられた神の領域に踏み込もうとする菅研の魔の手がアンナに迫り、残された命のタイムリミットは60分…!?
予告では事務所にこれまでチームネメシスとして関わってきた面々が集まっていたので胸アツ展開になりそうです(そうであってほしいという希望を込めて)。
あの星でさえネメシスにいましたからね!
vito
そして、このところ聞けていなかった風真の「真相解明の時間です」も聞けるようなので心して待て!ですね。
残すところあと2話、最終章も佳境に入る『ネメシス』。
放送直後から最新話まで全話配信中のHuluでは未公開映像を追加して新たに編集した“Hulu特別版”が見られます。
回収された伏線を復習するもよし、それぞれのキャラを深掘りして展開を予想するもよしなのでぜひ!
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▼次回第9話も続けて読む▼