『完全なる飼育 étude』公開記念舞台挨拶レポート!月船さらら、市川知宏、金野美穂が登壇

『完全なる飼育 étude』公開記念舞台挨拶レポート

(C)SEDIC INTERNATOINAL,SEDIC-DILON

劇映画として数々の衝撃作を送りだしてきた『完全なる飼育』シリーズの9作目となる最新作、『完全なる飼育 étude』が11月27日(金)より公開!

この度、公開記念舞台挨拶が実施され、ダブル主演の月船さらら、市川知宏、そして金野美穂、加藤卓哉監督が登壇し、公開を迎えた気持ちや役どころ、撮影秘話などを語りました。

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【日時】11月28日(土)13:05~13:35
【場所】ヒューマントラストシネマ渋谷(渋谷区渋谷1-23-16 ココチビル7・8F)シアター1
【登壇】月船さらら、市川知宏、金野美穂、加藤卓哉監督(敬称略)

冒頭の挨拶で、月船は「たくさんの方に来ていただけて、とても幸せです。ありがとうございます」と会場を笑顔で見渡しました。

市川は「上映後の舞台挨拶なので、映画のことをたっぷりと話したいと思います」と挨拶。

金野は「とても緊張していますが、楽しい時間を過ごしたいと思います」と微笑み、加藤監督は「商業映画を監督するのは本作が2本目です。1本目は公開延期になっているので、お披露目される作品はこれが最初、デビュー作のような気持ちで感慨深いです。無事に公開できて良かったです」と安堵の様子を見せました。

月船は「もちろん“完全なる飼育”シリーズは、名前を知っている有名な映画。自分がオファーを受けているにもかかわらず、お話を聞いたときには“また新しい作品をやるんだ。撮影大変そうだな”って他人事のような反応をしてしまいました」とオファー時を振り返ります。

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「演劇の世界が舞台になっている物語で、自分自身、25年演劇の世界にいる人間。自分に近いだけに、いろいろとお話ししてから考えたいと思い、監督とプロデューサーにお話を伺う機会を設けていただきました。少し話をしただけで、監督、プロデューサーの真摯さが伝わってきて、不安はすぐに解消。新しいチャレンジだと思いましたし、設定は日本なのに全編台湾ロケと聞いて、だんだんワクワクしてしまい、出演しちゃった感じです(笑)」

今作では、女性が男性を飼育するという新しい試み。

市川は、「歴史ある作品に携われる嬉しさはもちろんのこと、以前ご一緒した加藤監督から声をかけられたことがとても光栄でした。僕の人柄や僕自身を知っている方に声をかけられるというのは、認められた感じがするし自信につながります。今回はダブル主演ということで責任も大きかったのですが、それも挑戦したいという気持ちにさせてくれたと思います」と喜びを語りました。

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劇中とは全く違う雰囲気で登場した金野は「オーディションの段階から、この作品に過激なシーンがあることは知っていました。合格したと聞いたときには、嬉しい反面、不安や葛藤もありました。実感も少なくて自分がこの作品の世界に入ることは想像もできなかったけれど、メイクや衣装、演出など、みなさんの協力があって大原早苗役を完成することができました」と感謝の意を述べます。

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物語の設定をどのように作り上げたのかという質問に、加藤監督は「歴史あるシリーズだからこそ、新しいことに挑戦したいと思いました。そこで、まずはこれまでとは違って女性が男性を飼育するという立場を逆転したらおもしろいと思い提案しました。ハリウッド映画の『セッション』のように、役者と演出がバシバシやる関係を作り上げたかった」と経緯を説明。

作中では本当にバシバシな関係だった月船と市川に濃密な芝居を振り返ってもらうと「私の場合はリハなしで台湾ロケに入りましたので、タイトルのように本当にエチュードのようでした。さて、どう芝居をしていこう、という感じで進めていったのがおもしろかったです。練って芝居するのもおもしろいですが、この作品では初めての感情をぶつけ合うという空気感もとても大切。まさにエチュードのように、そして監督の期待通り、バシバシな感じでやっていました」と微笑む月船。

その笑顔を見つめる市川は「役としての彩乃さんも怖かったけれど、月船さんもすごく怖かったです(笑)“才能がないなら辞めれば”とか、ハッとするセリフも多くて、心にグサっと来ていました」と振り返りました。

加藤監督は、「芝居がないときに、二人とも全然しゃべったりしていなくて、バチバチしていました(笑)でも、僕が現場に入ると“監督!監督!”って寄ってきて、台詞や動きについていろいろとアイデアを出してくれる。決定稿から台詞や動きがこれだけ変わるのはめずらしいこと。それだけ二人が役にかけている感じが伝わってきました」と現場の様子を明かします。

金野も「大原早苗としては、彩乃さんが本当に怖かったです。役としても二人の芝居を見させていただいていたし、それ以外の時間も月船さんもずっと観察していました」と、芝居以外でも月船からさまざまなことを吸収していた模様を明かしました。

月船は「限られた時間の中で、ひとりひとりに任されることが多かった作品ですし、殴る蹴るというシーンも多いので危険も多い現場。だからこそ気を張っていたのだと思います。それぞれが必死で向き合わないと撮れない映画だと思いました」と撮影時の心境を解説。

市川は「蒼の印象がガラリと切り替わるシーンでは、撮影前にリハをたくさん重ねました。復讐心を持っている役なのに、僕は根がいい人なので、監督から“まだいい人が残っている”と言われ続けて」とコメントし笑いを誘います。

「そこを突破しなければと思い、憎悪を持って挑みました。役とはいえ、やっぱり“3回まわってワン”なんて言われたら屈辱ですから。その気持ちを憎悪に込めました」という市川に、「いや、本当にひどい男だったよ。そういう側面があるんじゃないかと思いました」とツッコミを入れる月船。

作中でお互いにひどい仕打ちをしたことを振り返り「本当にすみませんでした。お互い様ですね」とお詫びをしあう場面もありました。

加藤監督は「前半の蒼は市川くんの素のまま。後半、狂気じみていくのを演じることが、市川くんにとってハードルになるだろうなと思っていました。リハに1週間くらいかけてしっかりと作りあげてから台湾の撮影に入ったら、スタッフがざわつくくらい狂気が芽生えた良い演技になっていました」と絶賛。

市川は「月船さんが芝居のないときも話してくれなかったので“なんで喋ってくれないんだよ!”という気持ちで入っていきました。でも、そのシーンの撮影後に“怖かったでしょ”ってハグをしてくれたときに、本当に優しい人なんだと思いましたし、一気に大好きになりました」と心境の変化を明かしました。

これに対し、月船は「そうそう。舞台挨拶って本当は怖い人だと思ったけれどいい人でしたと褒めるものなの。これでちょっとはフォローになったかも。ありがとう(笑)」と笑顔を浮かべ、笑いを誘う一幕も。

「これだけの設定の作品は、器用な人ならポンポン切り替えてできるもの。でもそれをやる時間もメンタルも8日間という限られた撮影ではもったいないなって。オンオフつけるよりも役に入りっぱなしの方が楽だと思っていました。今思うと、台湾にいるときはずっと彩乃だったのかな。これからは仲良くしましょうね」と微笑む月船に、市川は「よろしくお願いいたします。大好きです!」としっかりとお辞儀をしました。

最後の挨拶で、金野は「元アイドルですが、女優としてやっとスタートラインに立てたと思っています。当時の私のすべてを出し切った作品ですし、これからも成長する姿を皆様に見ていただきたいと思っています。ぜひ、作品を愛してください」と呼びかけます。

市川は「キャストとスタッフ、みんなの力が結集してできた作品です。愛にはいろんな形がある、人を許すことの大切さ、大変さを感じてほしい作品です。僕がこの役にチャレンジしたように、みなさんにもこの作品を観るチャレンジをしてほしいと思います」と力強くアピール。

月船は「今、二人の挨拶を聞いていて、いろいろなことを思い出しました。金野ちゃんの女優としての道が始まる瞬間が見れたこと、市川くんの必死さも伝わってきて私自身助けられた現場でした。監督も商業映画2作目ということで、みんなのいろんな思いが詰まっている作品です。どこか運命めいたものを感じています。なんかじわっときちゃいますね。作風的には怖い作品ではありますが、優しさが詰まっています。ぜひ、たくさんの方に観ていただきたいです」と微笑みながら熱いメッセージを送ります。

加藤監督は「20人ほどの最少人数で作った作品です。ギリギリ自主映画のようですが、キャストもスタッフもプロフェッショナルが集まって新人監督の僕を支えてくれたと思います。なので、映画がつまらなかったとしても、1人〜3人くらいにこの映画を広めてみてください。そうしたら劇場も潤うと思うので(笑)」とお辞儀をして、イベントは幕を閉じました。

『完全なる飼育 étude』作品情報

『完全なる飼育』

©SEDIC INTERNATOINAL,SEDIC-DILON

出演:月船さらら、市川知宏、金野美穂、寺中寿之、永井すみれ、松井るな、竹中直人
監督:加藤卓哉
原作:松田美智子
脚本:山本浩貴
企画:中沢敏明
プロデューサー:厨子健介、柘植伊佐夫、花田聖
音楽:石川潤
撮影:池田直矢
照明:舘野秀樹
録音:高島良太
美術:神田諭(A.P.D.J)
スタイリスト:橋本ゆか
ヘアメイク:会川敦子
編集:菊池智美
VFX:鹿角剛
助監督:山口晋策
挿入曲:Theatrical Odyssey of BALLET APOLLOアルバム「幻想連鎖 fantasmagoria」
挿入歌:ドクロズ「とんでって」「ちょっと死ぬ」
特別協力:樊賜生文教基金會、嘉義大林萬國戲院、德旺商旅
制作・製作:セディックインターナショナル、SEDIC-DILON
配給:「完全なる飼育 étude」宣伝委員会

あらすじ


イギリスの演劇界で名を成した後、日本に凱旋帰国。

その前衛的な作風で演劇界の寵児として一世を風靡した女性演出家・小泉彩乃(月船さらら)。

しかしながら、ここ数年は観客動員が伸び悩み、とことん追い込むその演出スタイルは俳優からも敬遠されている。

新作舞台「完全なる飼育」の公演初日を2日後に控えている中、サディスティックな演出についていけなくなった主演俳優が突如降板してしまう。

代役のオーディションがすぐさま行われたが、なかなか決まらない。

もはや中止にするしかない。

諦めた彩乃が劇場を後にしようとした時、一人の⻘年・篠田蒼(市川知宏)がやってくる。

演技が上手いとは到底見えない蒼に、もうオーディションは終わったと言い、追い返そうとする彩乃。

だが、蒼は、何とかオーディションを受けさせて欲しいと懇願する。そのすがるような眼差しに血が騒ぐ彩乃。

そして、二人きりの過酷な舞台稽古が始まる…。

舞台「完全なる飼育」は、実際に起きた女子高生誘拐監禁事件に着想を得た、江戶時代、藩主の娘・菊姫を貧しい鍛冶職人が拉致・監禁し、次第に二人に恋愛感情が芽生えるという前衛時代劇。

蒼に対して、稽古という名の容赦ない“飼育”をしていく彩乃。

“飼育”を経て、やがて、蒼の演技は徐々に凄みを増し…ついに、二人の関係は逆転するのだった。

『完全なる飼育 étude』は2020年11月27日(金)ヒューマントラスト渋谷他公開決定!

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