『池袋ウエストゲートパーク』第10話あらすじ・ネタバレ感想!事件の被害者と加害者を繋ぐことはできるのか?

『池袋ウエストゲートパーク』第10話

出典:『池袋ウエストゲートパーク』公式ページ

「愛と平和の池袋」を守る池袋のトラブルシューター・マコト。

第10話では、路上強盗に足を壊され、料理人になる夢を奪われた兄の復讐を誓った妹・チヒロから依頼を受けます。

依頼の内容は、少年院から出て普通の生活を送る犯人を同じ目にあわせてほしいというものでした。

マコトは事件を改めて調査する中で、犯人の意外な事実に直面します。

一癖も二癖もありそうなこの事件…。

一体どんな展開が待ち受けているのでしょうか?

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『池袋ウエストゲートパーク』前回第9話のあらすじと振り返り

今回の依頼は、外国人から日本を取り戻そうと主張する団体・“外排会”のデモを守ること。

彼らの活動を認めない“へ民会”が依頼主で、仲間内の過激派が暴力で相手に攻撃するのを防いでほしいというものでした。

不本意な内容に気乗りしないマコトでしたが、血の繋がらない中国人の妹・クーからの頼みがきっかけで依頼を受けることに。

クーからの依頼は友人夫婦が営む中華料理店への嫌がらせをどうにかしてほしいというものです。

マコトはこの中華料理店が入っているビルで過去に起きた事件を不審に思い、もう一つの依頼である外排会の件と繋がっているのではないかと考えるようになります。

さらに、マコトとタカシは外排会とへ民会の話し合いの場に参加し、外排会の二番手である塚本の態度に違和感をおぼえました。

塚本にはトップの女性や三番手の男性とは明らかに違う方向性や温度感があり、マコトは塚本を怪しく思います。

後日、中華料理店が入っているビルでは以前から地上げ屋による嫌がらせが行われていたことが発覚し、マコトは地上げ行為をしている会社の代表が塚本だと知ります。

実は塚本は外排会に出資することで二番手まで昇りつめ、外排会を自身の会社が行っている地上げの隠れ蓑にしようとしていたのです。

事実を知った外排会は塚本を除名しましたが、混乱の中で迎えたデモは乱闘寸前に。

マコトの依頼でやって来たシャドウの活躍で事なきを得ますが、新たな事実が発覚します。

それは塚本のバックについていた関西系の組織が長く池袋への介入を狙っていること。

そして、今までの様々な事件にも同じ組織がかかわっているかもしれないということでした。

マコトとタカシは池袋に迫る危機を肌で感じ始めたのです。

【ネタバレ】『池袋ウエストゲートパーク』第10話あらすじ・感想


復讐を誓った女性

実家の青果店で店番をしていたマコトのもとに1人の女性が訪ねてきます。

彼女は若い男性の写真を見せてきて、「この人の足を潰してほしい」と真剣なまなざしで言いました。

唐突な依頼と頑なな態度に驚きながらも、マコトは彼女についていくことに。

彼女の名はチヒロ、池袋でショップ店員をしているそうです。

写真の男は1年前にチヒロの兄・ツカサを襲い、大怪我を負わせて財布を盗んでいった犯人だと言います。

犯人の音川エイジは事件当時17歳で未成年だったことから、少年院に7ヶ月入っただけですでに池袋へ戻ってきているそうです。

現在は仕事に就くこともなく、毎日街中をぶらぶらする生活を送っています。

対して、ツカサはイタリアンのレストランで調理師をしていましたが、エイジに襲われた際に膝の皿を粉々にされたことで、3時間以上立っていることができなくなり店を辞めていました。

つまり、怪我のせいで料理人になる夢を諦めるしかなくなっていたのです。

事件の際に財布に入っていたのは、たったの3,000円。

チヒロは3,000円のために兄の夢が絶たれたことが許せず、エイジを尾行して復讐を考えていました。

そして、マコトが安くトラブルを解決してくれるという噂を聞き依頼を持ってきたのです。

マコトは、エイジを襲撃することでチヒロ自身が憎むべき相手と同じレベルまで落ちてしまうことを懸念し、改めてチヒロによく考えさせます。

しかし、エイジを「ケダモノ」と呼ぶチヒロの復讐心が簡単に晴れるはずもなく、それでもエイジの足を潰してほしいと言うのでした。

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チヒロの気持ちもわかりますが、危険性を孕んでいますよね…。

犯人の素顔

翌日、マコトが店番をしていると、幼馴染みで池袋署長の横山から「飲みに行かないか」とメッセージが届きマコトは笑みを浮かべます。

しかし、それと同時に、チヒロから「ケダモノを尾行中」とメッセージが届きました。

マコトは慌てて立ち上がると、横山に電話を掛けながら走り出します。

飲みの誘いを断らなければいけない事情ができたことを伝え、代わりにエイジについて調べてほしいと頼みます。

尾行中のチヒロを追ってゲームセンターに辿り着いたマコトは、エイジを目の当たりにすると「随分気が弱そうなケダモノだな」と評しました。

エイジは髪色こそ派手なものの線が細く、どこか暗い雰囲気の青年。

そこに横山から折り返しの電話が入ります。

エイジは事件当時、同級生からいじめに遭っており日常的にゆすられていたようです。

事件を起こした日も、翌日までにいくらでもいいから金を持っていかなければ、自分が叩かれるという状況でした。

切羽詰まったエイジは自宅から30センチほどのステンレス製の靴ベラを持ち出し、それを凶器に通りかかったツカサの肩を殴打、ツカサが倒れた拍子に膝を踏みつけ財布を盗んで逃亡した…とのこと。

エイジの供述をもとに、いじめをしていた4人の同級生たちも事情聴取されましたが、全員初犯だったということもあり実質上の無罪放免。

いじめられていたエイジだけが暴行の犯人として少年院送りにされました。

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犯人の意外な一面が発覚し、一筋縄ではいかない事件だとわかります。

横山からの報告を受けた後も尾行を続けていたマコトとチヒロは、未だに4人の同級生たちからゆすられているエイジの姿を目撃します。

「様子を知ってもなおエイジを襲撃したいか?」と問われたチヒロは「わからなくなった、でも何もしないわけにはいかない」と答えました。

マコトは複雑そうなチヒロに対して、事件の被害者であるツカサに会わせてほしいと頼みます。

エイジが池袋に戻っていることを知らないツカサのことを考えて難色を示すチヒロでしたが、エイジの話を伏せ、さらにマコトを彼氏だと紹介するという条件で同意しました。

人間かケダモノか

後日、マコトはスーツでバシッと決めて、チヒロとツカサの自宅を訪れます。

彼らは早くに両親を亡くし、兄妹で支え合いながら生きてきました。

将来は2人で店を持つことが夢だったと言います。

穏やかで落ち着きのある雰囲気のツカサは、上機嫌で得意のイタリアンを振る舞ってくれました。

足を引きずって歩くツカサの姿を見たマコトは、何も知らないふりをしながら、いよいよ核心を突いた質問をします。

「もし犯人に会ったらどうしますか?」

ツカサは一瞬ハッとした表情を見せましたが、ぽつりぽつりと、それでもハッキリと答えました。

「直接会って目と目を見て話したら、少しは気分が変わるかもしれない」

「犯人がケダモノじゃなく人間だとわかったら、憎しみの気持ちも変わるかもしれない」

「まだあいつが憎いけど、それを越えていきたい」

マコトはツカサの言葉を聞いて、一筋の可能性を感じるのでした。

しかし、ツカサに異変が起こります。

ある日の夜、チヒロは帰宅したツカサの様子がおかしいことに気がつきました。

ツカサは街でエイジの姿を目撃したようでした。

憎んでいる相手が池袋に戻っていると知ったツカサは、包丁を研ぎながら「奴がいた…」と繰り返すばかりでチヒロは不安をおぼえます。

事情を聞いたマコトは取り急ぎ行動を起こすことに…。

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マコトが“立派”だと評したツカサは、最も人間らしいのかもしれません。

翌日、エイジと接触を図ったマコトは、キングことタカシ率いるGボーイズに加入することを持ちかけます。

Gボーイズに入れば、悪友たちにゆすられることもなくなるはず。

代わりに、マコトの依頼人に会うという条件を提示しました。

その場にタカシが顔を出したこともあってマコトの話には説得力が増し、エイジはこれ以上ない良い話だと条件を飲みます。

こうして、ついにツカサとエイジは対面することになりました。

被害者と加害者

ツカサとチヒロを呼び出したマコトは、本当はチヒロの彼氏ではなく、依頼人と仕事人の関係だと明かします。

そして、タカシ立ち会いのもと、その場にエイジを呼び込みました。

マコトは青ざめた顔でうつむくエイジにきちんとツカサのほうを向くよう促しますが、ツカサがそれを制して話し始めます。

「どうして自分を襲ったのか、あの金は何に使ったのか」と。

エイジは自分がいじめに遭っていたこと、ゆすられていて切羽詰まっていたことを説明しますが、ツカサにいじめっ子たちのせいにするのかと怒鳴られてしまいます。

しかし、エイジの母親が亡くなり、それがきっかけでいじめが始まったことを知るとツカサとチヒロはハッとします。

自分たちも両親を亡くしているため、同情心が芽生えてしまうのです。

それでも、チヒロは自分たち兄妹も酷い目に遭ってきたのだと訴えます。

エイジは自らのせいでツカサが辞職に追い込まれたことを聞くと「働いて償う」と言いますが、エイジがただ街中をぶらつく生活をしていると知っているチヒロは「嘘つき」だと罵りました。

何を言っても否定されてしまうエイジは再びうつむきます。

そんなエイジに、タカシは「俺たちはお前の答えを待つ」と言って考えさせるのでした。

ただただ静かに涙を流し続けるエイジの姿を見て、しばらくの沈黙の後にまず口を開いたのはツカサでした。

ツカサはエイジのことを「ケダモノではなく人間だ」と言います。

そのうえで、「君の罪は消えないが、僕は君を許す」と手を差し伸べました。

そうしないと「僕の明日が始まらない」と言って…。

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憎しみを乗り越える難しさが伺えますね…

後日、マコトは改めて横山と飲みに行きます。

そこで事の顛末を話すと、横山に「それは修復的司法だ」と評されます。

修復的司法とは、事件の被害者と加害者が直接話し合うことで、被害者のメンタルのケアや加害者の社会復帰に繋がるというもの。

その言葉通り、被害者のメンタルの回復、加害者の更生は進んでいました。

エイジはタカシ立ち会いのもと悪友たちと縁を切り、今までにゆすられた金も取り返したようでした。

一方、ツカサとチヒロはフードトラックでの出店を考え始めており、なんとエイジにも手伝ってもらおうと構想を練っているようです。

そんな彼らの姿を見てマコトは思います。

結局はみんな、明日を始めるために憎しみを捨てられる人たちだったのだと。

『池袋ウエストゲートパーク』第10話あらすじ・ネタバレ感想まとめ

いかがだったでしょうか。

修復的司法をテーマに取り入れた第10話。

本当に難しい問題でした。

これは偶然上手くいったケースともいえますが、このような解決法が実際に扱われていると思うと、自分が当事者になった時のことを考えざるをえません。

自分はツカサのように許せるのだろうか?エイジのように立ち上がれるのだろうか?と考えさせられます。

しかし、“明日を始めるために憎しみを捨てられる人”でありたいですね。

物語はラストスパート、次回第11話も楽しみです!

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