『HUMAN LOST 人間失格』公開前情報解禁!『人間失格』がSFアニメーションに!その魅力・見どころは?

映画『HUMAN LOST 人間失格』

出典:『HUMAN LOST 人間失格』公式ページ

没後60年を過ぎてなお、愛され続ける作家・太宰治。

その太宰治の半自伝的小説『人間失格』が『アフロサムライ』『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズのスタッフ・キャストによってSFアニメーションになりました。

大胆なアレンジと見ごたえたっぷりのアクション、そして『人間失格』からの本歌取りの部分など見どころ満載です。

ポイント
  • あの太宰治の『人間失格』がSFアニメーションに
  • 監督木﨑文智・スーパーバイザー本広克行・原案&脚本は冲方丁という人気作を手掛けたスタッフが結集。
  • 宮野真守、花澤香菜、櫻井孝宏、福山潤、小山力也、沢城みゆきといった豪華声優陣が集結
  • m-flowが『人間失格』をモチーフにしたオリジナル楽曲「HUMAN LOST feat. J. Balvin」を提供

今回は一足先にマスコミ・映画業界関係者向けの試写で映画『HUMAN LOST 人間失格』を見てまいりました。

2019年11月29日の劇場公開に先駆けて、本作『HUMAN LOST 人間失格』を少しネタバレしながら見どころをお伝えします。

『HUMAN LOST 人間失格』作品情報

作品名 HUMAN LOST 人間失格
公開日 2019年11月29日
上映時間 110分
監督 木崎文智
脚本 冲方丁
原作 太宰治
声優 宮野真守
花澤香菜
福山潤
沢城みゆき
千菅春香
松田健一郎
小山力也
櫻井孝宏

『HUMAN LOST 人間失格』あらすじ


医療革命後の昭和111年の東京。人間は体内の“ナノマシン”とその管理を請け負う“ネットワーク”が管理する“S.H.E.L.L.”体制に支配されていた。

その結果、病気にならず、傷の治療もいらず、120歳の寿命が保障されるが、その極端な社会制度によって経済格差を含むさまざまな問題が起こっていた。
出典:シネマトゥデイ

【ネタバレ】『HUMAN LOST 人間失格』感想レビュー

没後60年を越えてなお、愛され続ける太宰治と半自伝小説『人間失格』

明治の終わりに青森で生まれ、多くのスキャンダルを起こしながらも作家としていくつもの名作を残した太宰治。

幾度も重ねた自殺・心中未遂や薬物中毒、アルコールに溺れるなど、破滅的とも表現される生涯を送りました。

また芥川龍之介への憧れを持ち、その名前を冠した芥川賞への異様な執着で、落選した時には文壇で論争を招いたことも…。

この破滅的・無頼的な人生を送った作家は不思議な魅力を放ち続け、いまだに多くの人の心を掴んでやみません。

そんな太宰が1948年に玉川上水で入水自殺する、数か月前に完成させたのが半自伝小説『人間失格』です。

太宰治の半自伝小説『人間失格』がアニメーションに

今までにも『人間失格』を題材にした作品は多く作られてきました。

ストレートに映像化されたドラマやアニメ、舞台のほかに、タイトルからインスパイアされて作られた物語など多岐にわたっています。

2010年には生田斗真が主演で、より太宰治の人生をクロスオーバーさせた荒戸源次郎監督の『人間失格』が公開されました。

映画『人間失格』あらすじ・ネタバレ感想!主演:生田斗真。太宰治の有名すぎる小説「人間失格」の世界観に酔う

生田斗真主演の『人間失格』は、共演に伊勢谷友介、森田剛、寺島しのぶ、石原さとみ、小池栄子、大楠道代、三田佳子という豪華なキャストが並んでいます。

最近でも太宰については、戦後の太宰の最期の一瞬を描いた小栗旬が主演した作品『人間失格 太宰治と3人の女たち』や、大泉洋が主演の『グッドバイ』などが作られています。

このように、さまざまな形で表現されてきた『人間失格』と太宰の世界が、今回はなんと近未来SFアニメーションとなって描かれます。

豪華声優陣の好演

主役の大葉葉蔵のボイスキャストは宮野真守。

劇団☆新感線の『髑髏城の七人Season月』やNHKの音楽バラエティ『おげんさんといっしょ』、アーティスト活動などのいわゆる“顔出し”の仕事も多い売れっ子ですが、やはり本業は声優ですね。

不思議なめぐりあわせですが、アニメ版『文豪ストレイドッグス』では太宰治の声を担当しています。

その宮野真守とアニメ『GODZILLA』(=アニゴジ)3部作でも共演している花澤香菜、櫻井孝宏がヒロインの柊美子とキーパーソンの堀木正雄の声を担当しています。

『HUMAN LOST 人間失格』と“アニゴジ”は同じポリゴン・ピクチュアズの制作作品なので、スタッフの面でも共通している部分が多いですね。

他にも小山力也や沢城みゆきなど実力派が並んでいます。

SFアニメーションに定評のあるスタッフが集結

『HUMAN LOST 人間失格』はスタッフも実績たっぷりな実力派が揃いました。

監督は『アフロサムライ:レザレクション』の木﨑文智。

『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズの冲方丁がストーリー原案と脚本を担当しています。

またスーパーバイザーを近年、アニメーションにシフトしている本広克行監督が務めています。

本広克行監督といえば『踊る大捜査線』シリーズの印象が強い監督です。

しかし、2012年から『攻殻機動隊』シリーズなどで知られるProduction I.Gに移籍して、アニメ作品を多く手掛けていくようになります。

総監督を務めた『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズはテレビ・映画・舞台にと拡がりn現在も続いている大ヒットシリーズになっていますね。

人間失格がSFに!見事な本歌取り

『HUMAN LOST 人間失格』は『人間失格』がそのままのSFになったと思うと、ちょっとびっくりしてしまうかもしれませんが、いわゆる本歌取り形式(=有名な作品のエッセンスを取り入れる方法)の映画だと思えばそんなに引っ掛かることもなく見ることができます。

基本的な要素を残しつつダークヒーローに再構築された主人公・大庭葉蔵が上手くはまったこともあるのでしょうが、とても見やすい作品に仕上がっています。

多層的に情報量の多い作品ですが、説明セリフになり過ぎずにテンポよく話が進みます。

各種メカニック・ガシェットも、現実の延長線上に想像できるレトロな要素を残したデザインでよくできていました。

過去の名作アニメ『AKIRA』や『攻殻機動隊』『デビルマン』など過去の金字塔的な作品へのオマージュもたっぷりあって見どころです。

“レインボーブリッジを封鎖する”という本広監督ネタもあります。

東京国際映画祭で上映されましたが、原作を知らない海外の人たちにも受け入れやすいアニメーション作品に仕上がっているのではないでしょうか。

『『HUMAN LOST 人間失格』まとめ

以上、ここまで映画『『HUMAN LOST 人間失格』について少しネタバレを含めて紹介させていただきました。

要点まとめ
  • あの太宰治の『人間失格』がSFアニメーション『HUMANLOST人間失格』へと生まれ変わりました!
  • 宮野真守、花澤香菜、櫻井孝宏などの人気声優陣が集結しました
  • アニゴジ”や『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズのスタッフによる密度の濃い作品に仕上がりました。