葦原の残した資料を辿り、ミサキオクに向かったユンと侍でしたが、そこで遭遇したのは意外な人物でした。
一方、BBに案内され、超時間計算機と対面した銘は、開かれた防御壁の最奥に存在する“特異点“を目指していました。
そして、いよいよ打倒ゴジラを掲げ、ユン、侍、大滝は、佐藤とともにジェットジャガーを連れて東京へ向かいます。
その道中、突如ジェットジャガーが強制再起動とアップデートを繰り返し始め…。
ゴジラに近付いていくユンと、“特異点”を目指す銘。
いよいよ、それぞれが最終決戦に向けて目的地へと歩みを進めているように見えますが、その前に立ちはだかるものがありそうですね。
さっそく、第11話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『ゴジラ S.P』前回第10話のあらすじと振り返り
銘からのメッセージで「葦原」の名前を目にし、かつて訪れた“幽霊屋敷”=葦原邸を再訪したユンと侍は、洋館に残された資料の中に例の暗号のような数字列を発見。
ジェットジャガーによる解析を試みると、数字列は多くの日時を表しており、そのほとんどはユンと銘が今までやり取りしてきたチャットの送受信時刻に当てはまっていることが判明します。
一方、葦原の予言した“破局”を食い止めるべく、ロンドンを離れてインドへ到着した銘は、BBの代理としてやって来た娘のリーナに連れられ、ウパラの研究施設へ。
その道中、地下にいたはずの怪獣・サルンガが地上へ出てきたことで大惨事となっている場所を見つけ、そこに「BBがいる」というリーナとともに現場へ向かいます。
実験と称してサルンガと交戦していたBBは部下に指示を出し、ミサイル型のオーソゴナル・ダイアゴナライザーをサルンガに向けて撃ち放ちました。
すると、以前研究施設で使用した時と同じように紅塵が反応して赤い棘状に変化し、四方八方に突き刺さります。
もれなくサルンガも赤い棘に串刺しにされ、動きを止めました。
その影響でBBたちが乗っていた車も横転しますが、どうやら無事だった様子。
そこへリーナと銘が到着し、一同は合流を果たします。
その頃、進化を繰り返すゴジラとの戦いが続く東京都心では、いよいよ最終形態へと変貌を遂げたゴジラが、火の海と化したビル街を悠々と闊歩していました。
【ネタバレ】アニメ『ゴジラ S.P』第11話あらすじ・感想
最初の“特異点”
電波の発信源を確かめるためにミサキオクへ向かっていたユンと侍は、同じようにミサキオクを目指しているのであろう輸送用ヘリを目撃。
現地に到着し、草陰から様子を窺っていると、恐竜の化石のような巨大な骨が運び出されているのを目にします。
ユンはそれを、佐藤が言っていた地下の意思を持つ骨だと認識します。
加えてユンたちを驚かせたのは、それらの指揮を執っていたのが以前出会った「自称・独立自営ジャーナリスト」の海建宏だったことです。
直後、ユンと侍は武装した人間たちに背後から銃を突き付けられ、佐藤や山本とともに拘束されてしまいます。
海を前にしたユンが“特異点”という言葉を口にすると、海は地下の骨について「葦原が発見した最初の“特異点”」「不可能を可能にする“魔法のランプ”」だと語りました。
続けてユンは「(特異点は)たくさんあるように見えて、実は一つ。いずれ成長して破局に至る」と世界の崩壊を危惧しますが、海は“破局”まで知っているユンに感心を表しつつも「君が世界を救う?それとも彼女?」とからかうように言います。
そして、彼らを置き去りに、ヘリコプターへ乗り込むと飛び立っていきました。
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ところ変わって、東京都心。
紅塵の煙に包まれ、真っ赤に染まった街では、どこからともなく現れたマンダがゴジラの首に喰らいついていました。
以前やって来た黒いラドンのような怪獣と同様に、マンダは空を泳ぐように飛行しており、今まで海中で見せていたものとは違った動きを見せます。
しかし、背ビレを青白く光らせたゴジラの強烈な熱線には敵わず、あっという間に倒されてしまうのでした。
遺言
インド・ウパラの研究所に辿り着いた銘はティルダと対面し、”破局”を回避する方法を考えることを優先したほうがいいと主張します。
しかし、ティルダはオーソゴナル・ダイアゴナライザーの完成を優先する考えを改めるつもりはないようでした。
さらに、顧問研究員であった李博士の穴を埋めるようにと言われた銘は、ティルダのその横暴に不満を抱きます。
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BBに研究施設を案内されながら、この施設全体が巨大な計算機として設計されていると聞かされた銘は、地下から20年かけて特異点を引き上げているという事実を知ります。
そして、超時間計算機のもとへ向かう途中で緊急事態が発生。
その裏には、BBの企みがありました。
同じ頃、ティルダの耳に入った報告は、何者かが研究施設へ侵入したというもの。
これを受けてティルダが施設内のカードキーに使用制限をかけたため、BBは身動きが取りにくくなってしまいます。
実は、BBはオーソゴナル・ダイアゴナライザーを盗んで世界各地に送り付けていたのです。
それはBBに託された、李博士からの遺言でした。
階段を降りて行き着いた最奥のドア、そこでもカードキーの使用制限に阻まれてしまい、いよいよ追手が迫る頃、突然ドアが反対側から開きます。
救いの手を差し伸べてくれたのは、スティーブンでした。
魔法のランプ
打倒ゴジラを掲げ、ボートに乗って東京へと向かうユン、侍、大滝、佐藤、そしてジェットジャガー。
改めて銘とのチャットのやり取りを確認しながら、何かヒントが隠されていないかと探っていたユンと侍に、ジェットジャガーが呟きます。
「信号を繰り返し検討しているうちに、何だか妙な気分になってきました」
「心」が揺さぶられるような感覚に戸惑うジェットジャガーに対して、侍は理屈で話せとツッコみます。
ユン曰く、ジェットジャガーの情報処理ネットワークは人間をモデルにしているため、人間と同じように感情を理屈で語れない時もあるのでは、とのこと。
その後、ジェットジャガーは突然ウィリアム・ブレイクの詩である『虎』の一節を発すると、強制的に再起動状態に入り、自動アップデートを始めてしまいました。
すぐそばに、マンダが迫っているというのに。
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一方その頃、鹿子と対面したマキタは、李博士の遺言としてスーツケースを手渡し、それを東京へ届けるようにと告げます。
そして、銘の身を案じているかのように「神野さんは?」と問う鹿子に、マキタはしっかりと「シヴァです」と伝えるのでした。
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同じ頃、ウパラの研究施設から無事に脱出した銘たちは、スティーブンの運転する車でどこかへ向かっていました。
到着したのは、サルンガが這い出てきたという遺跡。
サルンガが来た道を辿れば、シヴァの真下へ出られるとスティーブンが語った時、その場に現れたのは海でした。
海によると、シヴァ共同事業体は元々寄り合い所帯であり一枚岩ではないということですが、李博士の死亡をきっかけに、それが決定的になったそうです。
海はユンの時と同じように魔法のランプを例えに出し、あらゆる願いを叶えるが破局ももたらすとしたらどうするか、と問います。
すると、銘は「ランプ自身に考えてもらいます」と即答しました。
キッパリとした答えを聞いた海は「君に託すことにするよ」と告げます。
スティーブン曰く、銘たちが無事にシヴァへ辿り着き、オーソゴナル・ダイアゴナライザーを完成させることができれば、ティルダは権限を剥奪されるとのこと。
銘、BB、リーナ、ペロ2は、世界を救うための洞窟探検へと歩みを進めるのでした。
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“ジェットジャガーPP”
相変わらずアップデートを繰り返しているジェットジャガーに対し、侍は通信が遮断されている状態なのに何故、と疑問に思います。
そこで大滝は“前成説”の可能性を提示しました。
ユンは「卵の中には、自分の子孫の情報が全部入っているっていう考え方だ」と侍に説明します。
卵の中には、これから生まれる雛がいつか産む卵の情報がすでにあり、さらにその卵の中には…という途方もない内容に、侍は果てしなさを感じます。
その矢先、ラドンが単体で襲撃してきます。
あわや、というところで再起動中だったはずのジェットジャガーが動きだし、ラドンの背に飛びつきました。
ラドンに覆いかぶさって川の中へ沈めると、アンギラスの槍で攻撃を仕掛けます。
無事にラドンを倒したジェットジャガーは、何事もなかったかのように川辺へ上がると、アップデートを完了させたようでした。
再び話すことが可能になったジェットジャガーでしたが、自らを“ジェットジャガーPP”と名乗り、以前の記憶もなく、話し口調などは幼児化しています。
しかし、次の瞬間には言語や数字を認識し、驚くべき速さで様々なことを学習していきました。
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やがて、佐藤のアシストもあり、ジェットジャガーが「東京駅上空100メートル」の地点に何かが届くと予測していることがわかります。
極めつけに、ジェットジャガーは例のインド民謡を口ずさむのでした。
アニメ『ゴジラ S.P』第11話あらすじ・ネタバレ感想まとめ
『#ゴジラSP』第11話、TOKYO MX, KBS京都, BS11でご視聴ありがとうございました!https://t.co/3uJgy8sH2o
次回6/17(木)放送の第12話「たたかいのおわり」お楽しみに!
[#Netflix にて第12話まで先行配信中] pic.twitter.com/DUnvurMYbb— ゴジラS.P<シンギュラポイント> 公式 #ゴジラSP (@GODZILLA_SP) June 10, 2021
いかがだったでしょうか。
銘やユンが最終目的へと歩みを進める中、李博士の死亡が明かされ、作中で初めての犠牲者として描かれました。
これまでもわかりやすく死者が出そうなターンはいくつもありましたが、こうして死が表現されたのも何かのメッセージなのでしょうか。
そして、銘やユンにとって誰が味方で誰が相対する人間なのか、ようやくハッキリしてきたように思える第11話となりました。
「すべては“シヴァ”の思し召しか」というスティーブンの言葉からも感じ取れるように、“シヴァ”とは結局のところ何なのか、など未だに多く存在する謎。
ジェットジャガーの進化が及ぼす影響なども、残りわずかな時間でどのように描かれていくのか楽しみです。
また、ゴジラが繰り出す熱線の表現や、オオタキファクトリーを訪れた内閣官房の人間たち等、映画『シン・ゴジラ』以降のゴジラ作品だと思わされる場面が増えてきました。
『シン・ゴジラ』を観たことのある方なら、あの内閣官房の人間たちはどう見ても…と感じることでしょう。
そんな小ネタを挟みながら続いてきたアニメ『ゴジラ S.P』、第12話にも期待が高まります。
▼次回第12話も続けて読む▼