『ファンファーレが鳴り響く』初日舞台挨拶レポート!笠松将、祷キララ、森田和樹監督が登壇!

『ファンファーレが鳴り響く』

©「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会

『されど青春の端くれ』で2019年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019でグランプリ&シネガーアワード(批評家賞)の二冠を受賞した森田和樹監督の待望の最新作『ファンファーレが鳴り響く』が10月17日(土)より新宿K’s cinemaを皮切りに、横浜シネマジャック&ベティ(神奈川)、名古屋シネマスコーレ(愛知)、第七藝術劇場(大阪)などで公開!

本作は、森田監督の人生を投影するスプラッター青春群像劇。

病気のせいで、仕事の面接で面接官に相手にもされなかった森田監督が、吃音症についての動画を見た時に、自分の中でリンクして自分を吃音症の主人公に投影させ執筆しました。

主演は『デイアンドナイト』、『ラ』、『花と雨』などの話題作に次々と出演する笠松将、ヒロインに『左様なら』『アイネクライネナハトムジーク』『楽園』など、存在感のある役柄を演じることに定評がある祷キララ。

その他、川瀬陽太、黒沢あすか、大西信満、日高七海、上西雄大、木下ほうかなど、日本映画を支えてきた役者たちが脇を固めます。

10月17日のK’s cinemaでの初日舞台挨拶に、笠松将、祷キララ、森田和樹監督が登壇し、一見過激に見える本作のメッセージ、主人公の母を演じる黒沢あすか、父を演じる川瀬陽太、国会議 員を演じる木下ほうかとの撮影エピソードなどについて語りました!

『ファンファーレが鳴り響く』初日舞台挨拶レポート

『ファンファーレが鳴り響く』

©「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会

日時:2020年10月17日(土)
舞台挨拶:16:45〜17:05頃
登壇者:笠松将、祷キララ、森田和樹監督
会場:新宿K’scinema

冒頭、森田監督は、「4年前に自分が病気を患いまして、治療して就職活動をしたんですが、病気のことを伝えたら、『その病気じゃ無理だね』と一言で片付けられて、社会的弱者になったんだなという気持ちがありました。翌年ゆうばり映画祭でグランプリを獲って、この映画を作ることになったんですけれど、その時の自分の気持ちを、YouTubeで見た吃音症の方の気持ちに重ねて作りました。」と本作に込めた気持ちを吐露。

『ファンファーレが鳴り響く』

©「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会

主演の笠松将は、「監督になんでこういう脚本を書いたのかを聞いたら、1日こんなに薬を飲んでいるという話を聞いて、僕にとっては、何個かある作品の内の1つだけれど、目の前にいるこの人にとっては、めちゃくちゃ大切な1つだと思って、原点回帰できました」とその想いを受け止めたエピソードを語りました。

笠松は完成した本作を見た感想を聞かれ、「(作品中)僕ら二人でいろんな人を殺していくわけですけれど、最後に僕の役は幸せな気持ちになるんです。いじめられている主人公が人を殺したことによって笑えたわけで、自分の存在した意味があった。今の社会の中で、周りからの評価と自分を大切する気持ちを分けて考えられていないと思うんです。自分がどうしたいということと周りがどう思うかは別じゃないですか。その難しいことを、この時代に合わせてバシッとはめてきた。時代を読んでいて、めちゃくちゃ高度なことをやっていると思いました。」と大絶賛!

『ファンファーレが鳴り響く』

©「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会

演じた光莉は狂気を孕んだ役だけれど、一言でサイコパスと片付けたくないと思ったという祷キララは、「予告やポスタービジュアルとかで、激しい快楽殺人をスプラッターで描いた映画だと受け取る方もたくさんいると思うんですけれど、この映画では、形とか見た目ではなくて、犯した犯罪の裏にあるものだとか、二人が選んでいく道筋の内側にあるものを監督は映像に映したいのかなと思いました。私は映像にそういうものが残る作品になればなと思いました。」と語りました。

二人の想いを聞き、森田監督は、「先ほど話した気持ちを含めて脚本を書いているんで、お二人は現場で一生懸命で、あの時の二人と一緒にやれたことが幸せでした」と感謝を述べました。

撮影では、テイクをあまり重ねず、瞬発力を大事にしたという話題になると祷は、「ここのシーンがバチッとハマらなかったらこの映画は終わりだなと思っていたシーンがそれぞれにあったと思うんですけれど、そういうシーンの時は、『感情をこう作ってください』だとか『こういう風に見せてください』っていう演出はされず、その場で生まれたものが見たいと監督が本番に委ねようとしてくださっているような印象を受けました」と回想。

過保護なお母さん役の黒沢あすか、厳格なお父さん川瀬陽太について聞かれた笠松は、「気持ちを作って演技をする方もいいんですけれど、『気持ちは体に出るけれど、体も気持ちに出る』という僕が好きな理論を、川瀬さんから感じました。役割を理解して『こういうパフォーマンスをする』っていうのが明確で、すごくやりやすかったです。川瀬さんがそうやってきてくれるから、そこに僕が乗っかるみたいな。言い合うシーンもあるんですけれど、やっていてテンポがよくて気持ちが良かったです」と撮影エピソードを披露。

「黒沢さんは、カットがかかってもめちゃくちゃ優しくて、『こんな綺麗なお母さんいる?』と思いながら演じました」と話し、笑いも誘った。

国会議員役の木下ほうかとのシーンについて聞かれた祷は、「ほうかさんからも学ぶ部分がたくさんありました。アクションや動きも一緒に試行錯誤してくださって、一緒に考えて作っていけ たのが刺激的でした」とこちらもベテラン俳優に感謝を述べた。

『ファンファーレが鳴り響く』

©「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会

最後に笠松は、「インディーズっぽさもあると思うし、インディーズの映画にこんなメンバーが集まったというのは、監督やプロデューサーの器、人間性、これまで培っていったものの塊で、すごいなと思います。この作品は完璧ではないけれど、監督の想いが詰まっていて、その想いを字にされたものを僕らは読むんですけれど、冒頭で話した出来事(薬の話)が起こり、自分がやってきた仕事や価値観が変わりました。時代が粗探しをする時代じゃないですか。粗なんて誰にでもあると思います。『この作品では、宝探しした方が面白い』と思うくらい、やってよかったなと思った作品なので、皆さんと共有できたらと思います。」と熱いメッセージを送りました。

『ファンファーレが鳴り響く』作品情報

出演者:笠松将、祷キララ、黒沢あすか、川瀬陽太、日高七海、上西雄大、大西信満、木下ほうか
監督・脚本:森田和樹
製作:塩月隆史、人見剛史、小林未生和、森田和樹
プロデューサー:小林良二、鈴木祐介、角田陸、塩月隆史
撮影:吉沢和晃
録音:西山秀明
助監督:森山茂雄
特殊造形:土肥良成
主題歌:「美しい人生」sachi.
制作・配給・宣伝:渋谷プロダクション
製作:「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会

あらすじ


高校生の明彦(笠松将)は、鬱屈した日々を過ごしている。

持病の吃音症が原因でクラスメイトからイジメられ、家族にその悩みを打ち明けられないどころか、厳格な父親(川瀬陽太)からは厳しく叱咤され、母親(黒沢あすか)からは憐れんで過度な心配をされ、脳内で空想の神を殺しなんとか自身を保っている状態だ。

そんなある日、明彦はクラスメイトの才色兼備な女子生徒・光莉(祷キララ)が野良猫を殺している現場に偶然居合わせてしまう。

光莉は、生理の時に見た自分の血に興味を駆られ、他者の血を見たい欲求を持っていた。

光莉は「イジメてくる奴らを殺したいと思わない?」と明彦に問いかける。

その日から明彦の中で、何かが変わったのだった。

明彦は、自身が学校でイジメられていることをホームルーム中に訴える。

そのせいで明彦はさらにイジメグループから追い回されることになり、街中逃げ回るが、ついに追いつめられる。

しかしそこで、光莉がまた野良猫を殺していた。

そしてそのナイフで、光莉はなんと明彦をイジメている同級生を殺してしまう…。

二人はその現実から逃げるように都会へと向かう。

その最中に出会う、汚い大人たちをさらに殺していき、二人の血に塗れた逃亡劇は確実に悲劇に向かっていくのだった…。

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『ファンファーレが鳴り響く』は2020年10月17日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開!

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