皆様は好きな「映画のラストシーン」はありますか?
映画のイメージを最後に大きく印象づける、とても大事なポイントだと思います。
一気にその映画の事を好きになる事もあれば、終わりよければすべて良し、はたまたその逆も…(笑)
今回は、オススメの「ラストシーン最高映画」を5つ紹介したいと思います。
選んだポイントとしては、あくまでラストカット。
『後半に驚きの展開が!』といった、いわゆる「どんでん返し」系の映画…と言うよりも、エンドロールの流れる直前の数秒間、まさに“最後の瞬間”が最高な作品をチョイスしています。
簡単なあらすじとラストの概要以外、極力ネタバレは避けますので、気になったものがあれば是非ご自分の目で確かめてみてください!
オススメその①:「4分間のピアニスト」

(C)2006 KORDES & KORDES FILM GMBH/SWR/BR/ARTE
作品詳細
<あらすじ>
とある刑務所を訪れたピアノ教師のトラウデ・クリューガー(モニカ・ブライプトロイ)は、机を鍵盤にして指を動かす少女に目を留める。
彼女は天才ピアニストとしての将来を期待されながら、道を踏み外し殺人犯として刑務所に囚われているジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)という名の女の子であった。
トラウデはジェニーの才能を見抜き、所長を説得してピアノの特別レッスンを始めるが、気性の荒いジェニーと衝突を繰り返す。
しかし時間を追うごとに、複雑ながらも確かな絆がピアノを通して2人にうまれていくのだった。
<ジャンル>
ヒューマン・ドラマ
<制作年>
2006年
どんなラスト?:息を呑む演奏が終わり、喝采の中で…
この作品、ストーリー自体はなかなか重たく、全体を通して暗めで独特なテンションのまま進んでいきます。
音楽が好きな人であれば楽しんで見られる部分も多いかと思いますが、ハッピーで楽しい映画が好きな方にとっては少々退屈に感じる時間も多いかもしれません。
しかし、キャッチコピーにも「4分間の衝撃」とあるように、この映画の良さはまさに最後の4分間。
主人公のジェニーがピアノを演奏するシーンに、魅力が全て詰まっているといっても過言ではありません。
これまでに誰も見たことのない様な弾き方でピアノを鳴らし、観客と我々視聴者を魅了します。
「ピアノってこんなにカッコよかったっけ!?」と画面に釘付けになる事間違いなしです
そして、演奏を終えたジェニーの“最後の瞬間”が、この映画のラストシーン。
喝采の中、静かで美しくも感じるジェニーの所作、そして画面がフリーズして音楽が流れ出し、エンドロールが流れるまでの間…
全てが完璧で、この一連の流れにトリハダ間違いなしです。
・誰もが魅了されるラスト4分間の演奏シーン
・映画、演奏、全てを見事に終わらせるジェニーの姿にトリハダ!
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オススメその②:「デス・プルーフ」

出典:U-NEXT
作品詳細
<あらすじ>
アメリカテキサス州で、真っ黒なボディに大きくドクロマークがついた不穏な車を走らせる男。
彼の名はスタントマン・マイク(カート・ラッセル)。
とあるバーにて、彼は巧みな話術で女性と意気投合し、自分の車の助手席に女性を乗せる。
しかしその車は、運転席のみがカースタントで使われる耐死仕様(デス・プルーフ)になっている改造車であった。
そして彼の本性は、気に入った女性を助手席にのせ、荒い運転で車ごとでもその女性を傷つけ、遂には殺害してしまうという異常者だったのだ。
運悪くスタントマンの標的となってしまった、女性たちの運命は…!?
<ジャンル>
カーアクション、バイオレンス、スラッシャー・ムービー
<制作年>
2007年
どんなラスト?:映画史に残る「THE END」!最高に気持ちいいラスト!
鬼才、クエンティン・タランティーノ監督による、バイオレンスアクションの名作。
この映画本当に大好きで、その愛はというと、私がボーカルを務めているバンド「Sleeping Girls」のライブでの登場SEに、この映画のテーマソングである「Chick Habit」を使っているほどです。
一言で説明するのであれば「タランティーノ節炸裂!」といった感じ。
バイオレンス描写、セクシー、音楽、それぞれのキャラクターやマシンのデザイン、
小粋なセリフ…
どれをとっても、タランティーノの名刺といっても良いくらいに、彼の「映画癖」が詰まっている様に感じます。
さてこの映画のラストシーンは、スタントマンと標的にされていた女の子グループによる激しいカーチェイス、そしてそれが終わった後の荒野でのワンカットになります。
ネタバレ防止のため内容は伏せますが…見出しにも書いた通り、この映画は「世界一爽快な『THE END』」を見ることができます。(笑)
余計なことは一切せず、あまりにあっけなく、あまりにサッパリとしたラスト。
それまでのシーン全てが嘘だったかの様な簡素さに、『THE END』の文字が出てくるまでの絶妙な間が加わって、これぞシュール!と言わんばかりの最高のラストシーンに仕上がっています。
前半、スタントマンの変態性からなる血も涙もない非道な姿にイライラしていればいるほど、その爽快さは倍増しますので、最後まであきらめずに見続けてみてください!(笑)
映画好きの方でまだ見たことの無い方には是非チェックして欲しいですね!
・突然切り替わる前半後半パートの切り替えが新しくて面白い!
・映画史に残る「THE END」!最高に気持ちいいラスト!
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オススメその③:「バーディ」

©1984 TRISTAR PICTURES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
作品詳細
<あらすじ>
高校時代からの親友である、バーディ(マシュー・モディーン)とアル(ニコラス・ケイジ)。
彼らは共にベトナム戦争に従事する事となる。
戦争の影響で精神に異常をきたしてしまったバーディは、学生時代から「鳥」に対して病的なまでの執着心を持っており、ショックによる記憶喪失により鳥に対しての気持ち以外のほとんどを失ってしまう。
一方、アルも顔面をひどく損傷してしまい、軍の病院で治療を受けていたが、バーディの治療の協力のために彼のいる精神病院に呼ばれる。
アルは与えられた時間を利用し、心を閉ざしてしまったバーディに2人の様々な思い出を語りかけるのだった。
<ジャンル>
ヒューマンドラマ、戦争
<制作年>
1984年
どんなラスト?:もはや気持ちいいくらいに、全員が“必ず”予想を裏切られる!
「戦争」と「友情」をテーマにした名作。
主人公のアルを演じるのは、若き日のニコラス・ケイジです。
物語自体はとてもシリアス。
また、もう一人の主人公であり、映画のタイトルにもなっているバーディが「『鳥』に病的な執着心を持っている」という特殊な設定のキャラクターであることにより、他にはないとても奇抜で不思議な魅力のある作品となっています。
さて問題のラストシーンですが…これがもう本当にすごいんです。(笑)
この記事を読んでくれている映画好きの方の中には、「ラストシーンといえば…バーディが入ってくるか!?」と予想がついた人もいたのではないでしょうか。
例によってネタバレは避けたいので内容は伏せますが、一言で説明するならば「視聴者全員が“必ず”予想を裏切られるラストシーン」。
それまでの展開もめちゃくちゃ面白くて、どんな最後を迎えるのかワクワクをどんどん掻き立てられるのですが…もう全てがフリだったとすら感じてしまう、まさに見事なラスト。
大げさじゃなく、この作品に対する印象がガラッと変わってしまう程。
すごく個人的な表現になってしまうのですが、最後の数秒だけでこの映画自体の事が一気に愛おしく感じると思います。
もし「私は予想できましたけど?」なんていう強者がいらっしゃったら、是非教えて欲しいものです。
ここまで力説しているのですから、皆必ず裏切られて、思わず感嘆してしまうことを私が保証しますので、是非見てみて欲しいです。
この「一本取られた!」は、もう映画好きだけでなく全ての人に経験して欲しいですね!
・「鳥」に憑りつかれてしまった友人…奇抜で個性的な設定
・全員の予想を裏切るお見事すぎるラストに思わず拍手!
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オススメその④:「ゼイリブ」

(C)1988 StudioCanal. All Rights Reserved.
作品詳細
<あらすじ>
職を求めてとある街に辿り着いた、しがない肉体労働者の男ナダ(ロディ・パイパー)。
彼は建設現場にて仕事をしながら、家のない貧民たちがキャンプ地としている教会のそばの空き地に住み始める。
空き地に住む人々の唯一の娯楽であった1台のテレビが度々電波ジャックに悩まされており、原因を探っていたナダは、教会で行われている秘密の会合に目を付け、教会に忍び込む。
するとその中で、大量のサングラスが入った段ボールを発見する。
何気なくそのサングラスをかけると、街中の看板の文字が「従え」「消費しろ」等と書かれた別の文字に見え、また裕福そうな人々の多くがガイコツの様なおそろしい顔へと変わっていた。
彼らはなんと人間に擬態したエイリアンであり、看板の文字は彼らが人間たちの洗脳のためにメディアに仕込んだメッセージだったのだ。
サングラスは、エイリアンの存在に気付き抵抗している人々が極秘に開発した、それらを見分けられるアイテムであった。
ナダは協力者たちとともに、エイリアンとのゲリラ戦にのぞむのだった。
<ジャンル>
SF、アクション、サスペンス
<制作年>
1988年
どんなラスト?:これぞアメリカンジョーク!なクスッと笑えるオチ
こちらも、不動のカルト的人気を誇る鬼才映画監督ジョン・カーペンター氏によるSFアクションムービー。
今なおTシャツなどのグッズが高値で市場に出ている、映画好きにはおなじみの名作ですね。
内容はと言うと、細かい設定や心情、人間模様など、一切なし!
サングラスをかけると「人間に扮した宇宙人」が見えるようになった男、侵略を止めるべく敵に立ち向かう!
愉快痛快、低予算映画の魅力が詰まった“これぞポップコーンムービー”ですね。
しかしそれだけでなく、当時の時代背景を上手く皮肉った「社会風刺作品」という裏テーマもあり、それが今も愛されている大きな理由の1つになっています。
ラストシーンは、まさにアメリカのお笑い!といった感じの、ちょっとセクシーで洒落の効いたカット。
アメリカンジョークやB級映画が大好き!という方にオススメです!
・低予算ながらにアイデアの詰まった、痛快ストーリー
・クスッと笑える、少しブラックでオシャレなラスト
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オススメその⑤:「悪魔のいけにえ」

(C)MCMLXXIV BY VORTEX, INC.
作品詳細
<あらすじ>
テキサス州にて、夏休みを利用し旅行に出かける若者の男女5人組。
彼らは途中でヒッチハイカーを車にのせるが、その男はナイフをもっており、突如自分を切りつけたり隣に座るメンバーの1人を切りつけたりと、異常な行動を見せる。
身の危険を感じた一同は男を車からおろすが、車のガソリンが切れてしまい、近くにあったとある洋館で休息をとることにする。
しかし彼らは、そこで想像を絶する恐怖を経験する事になるのだった。
<ジャンル>
ホラー
<制作年>
1974年
どんなラスト?:全てのホラー映画の原点…!?歴史に残る衝撃(笑劇)のラスト
あらすじを見て頂いてわかる通り、「もう聞き飽きたよ!」と言いたくなってしまうような王道中の王道ストーリー。
しかしこの作品は「全てのホラー映画の原点」と称されることもあるくらいにクラシックな映画であり、どちらかと言えばその“王道”を作ったものの1つともいえますね。
ホラーが苦手な方にとっては「余計な事しやがって!」といった感じかもしれませんが。(笑)
ジャケットにも大きく写っている今作メインの怪物「レザーフェイス」。
CGや特殊メイクがここまで発達し、様々なホラーの楽しみ方が誕生した今この時代に見ても、かなりインパクトのあるデザイン。
当時はもっと世間に衝撃を与えたのではないでしょうか。
しかしこの作品が今なお愛されているのは、やっぱり隠し切れないチープさも理由の一つ。
ラストも、あまりに斬新で理解が追いつかない、新しすぎる描写に“衝撃”、しかしチープさがどうしても見えてしまった“笑劇”がまさに同時にやってくる、「ホラー映画史に残る伝説のラストシーン」となっております。
しかしフォローする訳ではないですが、作品全体を通して逆にその質素さが怖さを増しているところもあり、色々な相乗効果を生み出している様にも感じます。
ホラー映画ファンには愛されキャラとして、同時にホラーが苦手な人にはしっかり怖い存在として。
幅広く、また時代を渡って永遠に魅力を伝えることのできる不朽の名作ですね。
ちなみに、怪物…といっても私はこの作品はいわゆる「ヒトコワ」のジャンルだと思っています。
映像の質感も相まってか、妙にリアルに感じるんですよね。
なので、古くてチープ、B級だからと言って侮らないで。
苦手な方はちゃんと心してかからないと、痛い目を見るかもしれませんよ。
・コワさ、チープさ、古さとその中にある新しさ。幅広く魅力のある作品!
・映画史に残る、“笑劇”と“衝撃”が織りなす伝説のラスト
<映画を見れるサイト>
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野元ミナギ
気になるラストシーンはありましたでしょうか。
自分で選んでおいてなんですが…テーマがテーマなだけに、ネタバレできないという部分で魅力を伝えるのが難しかったので、紹介した映画たちへの私の愛が上手く伝わっているか不安です(笑)
ちょっと古めの作品ばかりになってしまいましたが、とにかく全部本当に面白い映画なので、是非見る映画を迷ったときは参考にしていただけたら嬉しいです!
それでは。

