創作に関係ないことの大部分を引き受けてくれる金森。
当然、過去があって現在がある。
現在の金森ができた経緯は、少ししんみりするお話でした。
もっと金森を応援したくなりました!
歴史に翻弄された町「芝浜」を舞台に、次はいったいどんなアニメを見せてくれるのか。
『映像研には手を出すな!』第9話は、期待が膨らむお話でした。
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目次
『映像研には手を出すな!』前回第8話のあらすじと振り返り
ついに完成したロボットアニメ。
文化祭では上映に合わせて、関係者が一丸となって集客に全力を尽くします。
努力の甲斐あって、上映もその後のDVDの販売も成功を収めます。
アニメ制作に反対していた水崎ツバメの両親も、上映されたアニメを観て考えを改めます。
両親に認められた水崎は頼もしい仲間たちと共に、アニメーターへの道を歩き始めるのでした。
【ネタバレ】『映像研には手を出すな!』第9話あらすじ・感想
部活の限界
生徒会に呼び出された金森は、音響部からのピンハネを指摘されてしまいます。
1枚500円のDVDを120枚完売したにも関わらず、利益は2万円ほど。
時給1,000円換算で180万円、1,800時間もの労働の対価が約2万円。
さらに、音響部からの収入も断たれた金森は決断を下します。
「自主制作物展示即売会、コメットA」
金森は、次のステップとして学外のアニメファンをターゲットにするのでした。
SU_BU
風情のある芝浜の町
- Q.ショートケーキのような鋭角な三角形の建物
- A.山道に対して斜めに国道が通ったため、鋭角になった
- Q.川のない橋がある
- A.もともと川だったが埋め立てられて道になった
芝浜の変わった場所を見つけては驚く水崎に、浅草は的確にその理由を答えていきます。
- 電柱は、割れてミサイル発射
- 車止めボラードは、対空機関銃
- 見えない巨人vsモノレールの高架線路生物
- クレーンは動物型ロボット兵器
もちろん、いつもの妄想も爆発します。
- 川に面した立地を活かした家の、川を使った天然の冷蔵庫
- 河童を祭った祠とお供えのキュウリ
- 川の上流を埋め立てている光景
- 雪深いため地下街が発展したが今は寂れている
奇想天外な校風の芝浜高校とは打って変わって、町の方は落ち着いた雰囲気で、とても風情ある街並みでした。
SU_BU
果実麺
金森に連れられてやってきたのは、寂びれた地下街の一角にある「果実麺」。
- スターフルーツ担々麺
- バナナ担々麺
- パイナップル担々麺
- パッションフルーツ担々麺
食欲を無くすような組み合わせが並んだ看板に、浅草と水崎は戸惑います。
「意外と美味い」
「ほんと意外、フルーツラーメンだなんて美味しくないと思った」
食べた結果、フルーツ担々麺はそこそこの評価を得られました。
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真に美味しいフルーツ担々麺
「美味くてもフルーツが死んでいたり、フルーツが前面に出ているのに不味い時もあります。美味いのはもちろん、その果物らしさが出ていることも重要です」
「なるほど、美味くするためにそのフルーツが死ぬこともあるのか……」
美味しいフルーツ担々麺は、そのフルーツの良さも引き出してこそ、真に美味しいフルーツ担々麺だと言える。
SU_BU
金森の過去
日本家屋が並ぶ街並み、立派な造り酒屋、そして酒造樽がならぶ酒蔵。
やがてガラス張りの田舎の酒屋、そして寂びれた町の雑貨屋へ。
SU_BU
金森の親戚が経営していた日本酒好きの間ではそこそこ知られていた「福屋酒店」は、時代の変化についていけず、やがて雑貨屋に変わっていました。
「年金以外じゃ暮らせない世だと聞いていたので、小遣い以外にも稼ごうと思ったんですよ」
幼い金森は、この雑貨屋で手伝いと称したバイトを行っていました。
「もう今月で閉店するんですよ、赤字続きでねぇ」
「早く知ってりゃ、仲間に宣伝したんだけどなあ」
バイト先の閉店に立ち会った金森は宣伝の重要性を認識します。
SU_BU
宣伝は超重要!
- 商品の充実だけに拘っても意味がない
- 時代に合った需要と供給、そして宣伝
- 良い店なら自然と客が来るなんて考えは甘い
- 宣伝無くして商売は成り立たない
- 作品が無ければ何も始まらない
- 拘りだけじゃなく客の購買意欲を掻き立てる内容に!
仕事を失ったトラウマからくる、金森の魂の叫び。
SU_BU
「芝浜UFO大戦」
- UFOに襲われる芝浜の町
- 迎え撃つ迎撃兵器
- 地上に突き出す螺旋商店街と、そこから発進するスチームタンク
奇妙な地形や建造物、迷路のような水路など、歴史の試行錯誤が色濃く残る芝浜を舞台に描くのは「UFOとの戦い」。
SU_BU
クリエイターなら我を通せ
「あんたには理解できるでしょうが、作品を見るのは一般人ですよ」
不可視の指向性エネルギー兵器を描いた浅草に、金森の冷静なツッコミが入ります。
- 射出される電池のような薬莢
- 熱せられた砲身と熱そうな音
- 後部から排出される熱
- それっぽい効果音
視聴するのは、「SFオタクじゃなくて一般人」という制約の中で不可視の砲を描く。
描きたいものを描いてこそクリエイター。
分からないものを分かりやすくする「演出」の力。
それを無自覚に使っていたことを理解した浅草は、制約の中で描きたいものを描く方法を見つけます。
SU_BU
『映像研には手を出すな!』第9話まとめ
9話ご視聴ありがとうございました!
チビ森氏のエピソードは刺さったなあ。フルーツたんたんめん、食べたくなる。そして浅草氏の覚醒。演出への目覚めが次回以降のキーになってくる!?さあ「芝浜UFO大戦」の制作が始まりましたよ、来週もお見逃しなく!#映像研 つるP pic.twitter.com/ajH9CWGZsq
— TVアニメ「映像研には手を出すな!」 (@Eizouken_anime) March 1, 2020
- SNSは遊びじゃねぇ!
- 1,000円のDVDは売れないが、アニメTシャツは2,000円で売れる
- 芝浜UFO大戦
- 演出力!
クレイトン・クリステンセンが提唱した「イノベーションのジレンマ」には、「既存技術を高めることと、それに需要があることは関係がない」とあります。
要するに、「客が満足するクオリティに達したら宣伝と集客に力を入れるべきだけど、それができない企業は滅びてしまう」という話です。
酒蔵の話を聞いてて、この話を思い出しました。
意外と職人さんにも当てはまるのかもですね。
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