直木賞・本屋大賞受賞作家・辻村深月のヒューマンミステリーを、『あん』『光』の河瀨直美監督が実力派キャストを揃えて映画化し、カンヌ国際映画祭公式作品「CANNES 2020」に正式に選出された『朝が来る』が10月23日より全国公開中。
このたび、『朝が来る』が、第93回米国アカデミー賞国際長編映画賞部門の“日本代表作品”に決定しました。
『朝が来る』米国アカデミー賞国際長編映画賞部門の“日本代表作品”に決定
一般社団法人日本映画製作者連盟の発表により明らかとなりました。
カンヌの常連というイメージの強い河瀨監督は、同映画賞の“日本代表作品”に選出されるのは監督人生25年の中で初めて。
この勢いのままにノミネート、さらには受賞となるかに期待がかかる。
本作は、カンヌ国際映画祭【CANNES2020】公式選出の後、米アカデミー賞を占う前哨戦として名高いトロント国際映画祭をはじめ、サン・セバスティアン国際映画祭、釜山国際映画祭で上映。
世界での公開地域も増え、北米・アメリカでの配給も決まり、フランス、スペイン、北欧、ブラジル、中国、韓国など、すでに26の国と地域で配給される予定。
受賞に向けては、各国の代表作品の中から “ノミネート5作品” が選定されます。
近年では、2019年に是枝裕和監督作『万引き家族』が国際長編映画賞(従来の名称で外国語映画賞)にノミネートされています。
このたびの選出を受けて、河瀨監督は「本作品が描く、どんなことがあっても必ず朝は来ると思える希望の光を、日本代表として栄えある米国アカデミー賞国際長編映画賞部門の枠へ届けられることを誇りに想います。」とコメントしています。
米国アカデミー賞授賞式は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2か月延期となり、現地時間2021年4月25日(日)、日本時間4月26日(月)に予定されている。
つきましては、ぜひ本情報をご紹介いただけますと幸いです。
河瀨直美監督コメント全文
本作品が描く、どんなことがあっても必ず朝は来ると思える希望の光を、日本代表として栄えある米国アカデミー賞国際長編映画賞部門の枠へ届けられることを誇りに想います。
撮影中、共に創りあげた俳優陣は、役を「生きる者」としてそこにあり、流す涙や心からの微笑みで嘘のない「本当」を作品に刻みました。
映画を創るということは私にとってもうひとつの人生のようで、そこに降りそそぐ光や吹く風に勇気や希望を見いだします。
子供のいない高齢の夫婦の元で両親を知らない私は養女として迎えられ、この生を慈しむことを知りました。
運命的に出逢った本作品『朝が来る』には私が見てきたこの世界の闇と光が存在します。
コロナ禍にあって、皆さんの生活が脅かされ、心が疲弊するとき、本作品に出逢っていただく時間は、少なからず「希望」を感じていただけるものとなりました。
世界中の人々がその「希望」の光を持って、誰かに少しでも優しくなれる時間が訪れますように。
明けない夜はない!
大切な誰かと一緒に全国の映画館へ、公開中の『朝が来る』に出逢いに来ていただけると幸いです。
映画監督 河瀨直美
『朝が来る』作品情報
【原作】辻村深月「朝が来る」(文春文庫)
【監督・脚本】河瀨直美
【共同脚本】髙橋泉
【出演】永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子、佐藤令旺、田中偉登、中島ひろ子、平原テツ、駒井蓮、山下リオ、森田想、堀内正美、山本浩司、三浦誠己、池津祥子、若葉竜也、青木崇高、利重剛
【製作】キノフィルムズ・組画
【配給】キノフィルムズ/木下グループ
【公式サイト】http://asagakuru-movie.jp/
『朝が来る』あらすじ
「子どもを返してほしいんです。」
平凡な家族のしあわせを脅かす、謎の女からの1本の電話。この女はいったい何者なのか―。
一度は子どもを持つことを諦めた栗原清和と佐都子の夫婦は「特別養子縁組」というシステムを知り、男の子を迎え入れる。
それから6年、夫婦は朝斗と名付けた息子の成長を見守る幸せな日々を送っていた。
ところが突然、朝斗の産みの母親“片倉ひかり”を名乗る女性から、「子どもを返してほしいんです。それが駄目ならお金をください」という電話がかかってくる。
当時14歳だったひかりとは一度だけ会ったが、生まれた子どもへの手紙を佐都子に託す、心優しい少女だった。
渦巻く疑問の中、訪ねて来た若い女には、あの日のひかりの面影は微塵もなかった。
いったい、彼女は何者なのか、何が目的なのか──?
『朝が来る』は10月23日に全国公開!
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