これまで光月庵の後継者について、血の繋がりを重んじていた大旦那(佐野史郎)はその慣習を捨てることを決め、遺言書を燃やしました。
その思いを受けた椿(横浜流星)と七桜(浜辺美波)は、除夜祭に向けて大旦那の魂を震わす御菓子作りを始めます。
しかし、本当の孫でありながら大旦那とはほとんど関わりがない七桜は、プレッシャーから初めてスランプに陥ってしまいます。
運命の大晦日。ついに大旦那は光月庵の後継者を指名します。
そして、ついに樹(鈴木伸之)が殺害された事件の真相が明らかになります。
真犯人、そして椿の本当の父親は誰なのでしょうか?
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目次
『私たちはどうかしている』前回第7話のあらすじと振り返り
光月庵の火事から3年後。
椿(横浜流星)は大旦那(佐野史郎)の代わりに光月庵を切り盛りしていました。
そこに新進気鋭の菓子屋『花がすみ』に60年続く五月雨亭の仕事を奪われてしまいます。
椿は名誉挽回のために五月雨亭の新春園遊会の選定会に向けて、自ら菓子作りを始めます。
しかし、椿には菓子作りに関わるある大きな問題を抱えていました。
七桜(浜辺美波)は自分が正当な後継者だと、多喜川(山崎育三郎)の協力を得ながら淡々と光月庵の乗っ取りを考えていました。
『花がすみ』の店主が七桜だと気がついた女将(観月ありさ)は、大旦那と七桜の接触を阻止するために大旦那を家に連れて帰りますが、七桜は大旦那に自分が樹(鈴木伸之)の子だと訴え、久しぶりに口を開いた大旦那は、光月庵の後継者を決めるべく椿と七桜に大晦日の除夜祭で自分の心を動かす御菓子を作った者に後を継がせると宣言したのです。
【ネタバレ】『私たちはどうかしている』第8話(最終回)あらすじ・感想
初めてのスランプ
血の繋がりというこだわりを捨て、より美しく、より魂を震わせる御菓子を作った者を後継者にすると決めた大旦那(佐野史郎)は、遺言書を焼き捨てます。
除夜祭まであと20日。
椿(横浜流星)と七桜(浜辺美波)はそれぞれ御菓子作りに奮闘していました。
特に、七桜は店を閉め、除夜祭の御菓子だけに集中します。
しかし、本当の孫でありながら大旦那との交流がほとんどない七桜は、どんな御菓子が大旦那の心を打つのかわからず、プレッシャーで押しつぶされそうになっていました。
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相変わらず赤い色を使うこともできず、初めて御菓子に対して怖さを感じた七桜。
そんな七桜に多喜川(山崎育三郎)は、自信を持って自分なりの御菓子を作ればいいと励まし、さらにこう言います。
「何もかもが終わったら、僕と結婚して欲しい」
道具を持ち出した者
椿に拒絶され、自己嫌悪に陥っていた栞(岸井ゆきの)は、栞を気にかけてくれた城島(高杉真宙)に妊娠をしているというのは嘘だと告白します。
ずっと父から愛されていないと思い込み、自分を認められたいと求め続けていた栞。
しかし、城島から人の愛は見えないものだと言われ、親の愛に気づかされます。
栞は自分を二の次に椿のことだけを考えている七桜に、ずっと言えずにいたある真実を告げるため、城島と共に『花がすみ』を訪れます。
実は3年前の火事の夜、椿は七桜との約束を守ろうと七桜の元へ戻ろうとしていました。
椿を助けに行った栞が見たのは、光月庵の伝統の道具箱を持ち出そうとする女将(観月ありさ)の姿でした。
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一方、椿は夕子(須藤理彩)の店を訪れ、そこで3年前七桜が妊娠していたことを知らされ、再び七桜について複雑な感情が入り混じり始めてしまいます。
子供ができれば状況は変わる
一方、大旦那の決意に自分の計画が果たせなくなると思った女将は、再び栞に近づきます。
しかし、栞は妊娠は嘘だと話し、椿と結婚はできないと言いますが、女将は栞が妊娠していないことに気がついていました。
そして、悪びれずにこう言います。
「相手は誰でもいいから、とにかく妊娠するの」
子供ができれば状況が変わるのだと女将は言います。
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七桜に樹(鈴木伸之)を取られ、今度は七桜に店を取られるかもしれない。
そんなことは女将にとって耐えがたいことでした。
しかし、椿は栞や七桜に何かしたら勝負を降りると女将に忠告します。
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好きなのに許せない
12月29日。
椿は店ではなく自分を選ぼうとしていたことと、栞とは関係がなかったことを知った七桜は激しく動揺しますが、必死でそれを押し殺しています。
しかし、勝負が決まれば今度こそ会えなくなるのだと多喜川に背中を押され、七桜は椿に会うべく走り出します。
そして、椿はずっと七桜を忘れていないことに気がついている城島に、本当にこのままでいいのかと言われ、七桜の元へ走り出します。
七桜は出会ってから今まで椿のことを愛しています。
しかし、椿を想うと同時に、あの事件の日のことが思い出され、憎しみが湧いてきてしまうのです。
「好きなのに、許せない」
七桜は、勝っても負けても椿に会うのは大晦日が最後と決めていました。
しかし、そう宣言する七桜が泣いているのを見て、椿は七桜を思わず抱きしめます。
そして、2人は最後の夜を過ごしました。
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除夜祭
大晦日。
七桜と椿はそれぞれ渾身の御菓子を大旦那に差し出します。
七桜の『冬暖』は、椀を開けるとふわっと柚子の香りが広がる上生菓子。
切ると中から姫柚子の皮を丸ごと使ったあんが現れるという趣向を凝らした一品です。
食べて無くなってしまって寂しいではなく、あたたかい気持ちになれる御菓子を作るというのが七桜が母・百合子(中村ゆり)とした約束でした。
対する椿が用意したのは椿の葉で道明寺を包んだ『つばき餅』。
シンプルだからこそ腕が試される品です。
このつばき餅は、椿が樹から最初に教わった御菓子でした。
それを大旦那が驚くほど完璧に再現していました。
それは椿が絶対に忘れたことのない味でした。
椿の御菓子を食べて、思わず涙をこぼした大旦那。
気を取り直した大旦那は、二人を別々の部屋に入れ、もう一つずついただいてから後継者と決めた者の襖を開けると告げました。
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後継者指名
二人を部屋に入れた後、大旦那は部屋の外で聞き耳を立てている女将を呼び入れ、二つの御菓子のどちらが光月庵にふさわしいか尋ねます。
「簡単ですわ」
女将は一口食べて、すぐに一方の御菓子を選びました。
そして、大旦那は襖を開けます。
それは、七桜がいる部屋でした。
女将は七桜の『冬暖』を選んだのです。
椿が負けたと知って、椿を激しく責める女将。
「止めないか!」
大旦那は女将制しようとしますが、発作を起こして倒れてしまいます。
峠を迎えた大旦那は、自室に椿だけを呼び、今まで辛く当たったこと、そして椿の御菓子を選べなかったことを謝ります。
「あれは私だけに向けられた御菓子だった」
そして、これからはもっと自由に御菓子を作っていいと言い残し、大旦那はこの世を去りました。
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光月庵を潰さないでくれ
大旦那の告別式の後、椿は着物を捨て洋服に着替え、光月庵を出て行くことにしました。
椿は、最後に七桜にこう言い残しました。
「光月庵は絶対に潰さないでくれ」
七桜は、この店は絶対に守り抜くと約束しました。
ようやく店を手に入れた七桜は、百合子の夢だった『桜の羊羹』に着手します。
しかし、それには赤色が欠かせません。
七桜は全てが終わったはずなのに、まだ赤色を見ると動悸が止まらなくなるのでした。
それもそのはず。まだ事件の真相は明らかになっていないのです。
そして、椿がいなくなっても居座り続ける女将との間で決着をつけなければいけません。
しかし、女将は戦闘態勢を崩しません。
「この店は渡さないわよ」
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椿(横浜流星)の父親
その頃、城島と栞が夕子の店で食事をしていると、溝口議員(吉沢悠)がやってきました。
城島は、女将と関係が深い溝口議員に、椿の本当の父親なのではないかと迫ります。
しかし、溝口はそれを否定し、本当の父親が誰なのか知っていると言います。
18年前、女将とその男が共謀して樹を殺したのではないかと噂が持ち切りだったからです。
その相手の名前とは『多喜川』。
なんと、多喜川の父親・秀幸が椿の父親だと言うのです。
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その頃、椿は光月庵の職人の山口(和田聰宏)から、事件の日に女将が厨房からある職人の包丁を持ち出したと、前職の職人から聞いたという話を聞かされていました。
そして七桜は、樹の部屋で女将が伝統の道具に火をつけようとしているのを見つけます。
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女将の共犯者
その時、女将の背後にナイフを突きつけた人物がいました。
「あなたと私は共犯でしょう?」
「冗談じゃない。あなたは世界で一番憎い人だ」
そう言ってナイフを女将に向けるのは、多喜川です。
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その多喜川の隙をついて道具箱に火をつける女将。
七桜は必死で火を消そうとします。
そこへ女将に真相を確かめるために戻ってきた椿がやってきて火を消しました。
道具が無事だったことに安堵する七桜。
そして、椿は女将に真実を話すように促します。
「お父様を愛してたんじゃないのか?」
「愛してたわ。殺したいほど」
そして、女将は自らの不遇な人生を語り始めたのです。
修羅の道
女将が樹と結婚してからしばらくして、樹の心の中には別の女が存在すると知って絶望した女将。
しばらくして樹から別れて欲しいと言われた時、女将は相手の女に子どもができたと直感しました。
「私にも子どもさえできれば」
そんな時に多喜川秀幸と知り合い、女将は秀幸を相手に定めました。
念願叶って妊娠した女将は、血が繋がっていない椿が光月庵を継げば自分を地獄に落とした光月庵に復讐ができると考え、椿を厳しく育てました。
しかしその後、百合子が娘と共に光月庵にやってきます。
いつまでも離れない二人の関係を見て、女将はますます修羅の道を選ぶことになるのでした。
厨房から包丁を持ち出したのは女将ですが、それでも女将は自分が殺したのではないと言い張ります。
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真犯人
しかしあの日、椿は庭から立ち去る女将の姿を見ていました。それは七桜も同じです。
女将は樹の部屋に行った時は樹はすでに刺されていて、凶器の包丁を厨房から持ち出した百合子の物とすり替えただけだと主張します。
では、樹を殺したのは秀幸なのでしょうか?
確かに、女将は秀幸に大倉百合子を殺して欲しいと頼んでいました。
それを聞いた七桜は怒りを爆発させ、女将につかみかかります。
「お前さえ生まれて来なければ!」
女将は多喜川のナイフを七桜に向けます。
とっさに七桜を抱きしめてかばう椿。
しかし、ナイフを握って女将を止めたのは多喜川でした。
「彼女を傷つけることは絶対に許さない」
「あなたに言われたくないわ」
女将は、多喜川こそ七桜の父親も母親も奪った人物なのだと言うのです。
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事件の真相
「そうですよ、僕が殺したんです」
多喜川にとって光月庵の御菓子は一家団欒の象徴でした。
しかしある時、母親から父が女将と不倫しているということを聞かされます。
秀幸はどんどん女将にのめり込み、頻繁に通うようになりました。
その度に母はどんどん壊れていきました。
ある日、百合子に密会現場を目撃された女将は百合子に解雇を言い渡しますが、反対に樹を返してくれと反論されてしまいます。
我慢の限界に達した女将は、秀幸に百合子を殺してくれと頼むのでした。
秀幸は女将をなだめ、夜に会いに行く約束をします。
その電話のやり取りを聞いてしまった多喜川の母親は、自殺を図ったのでした。
母の大事に女将の家にいる父を許せなかった多喜川は、二人を別れさせようと包丁を持って高月家へ。
そこでタイミング悪く鉢合わせ、太樹ともみ合いになり、誤って刺してしまったのです。
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多喜川(山崎育三郎)の贖罪
逃げ出した多喜川と入れ替わりにやってきた女将は、樹がこと切れる寸前、百合子の名前を呼んだことで復讐の炎を燃やし、包丁を入れ替えることを思いついたのです。
そして百合子を殺人犯に仕立て、親子ともども店から追い出すことに成功したのでした。
七桜は今までずっと百合子に罪を着せたまま黙っていた多喜川を責めます。
多喜川は、どんどんおかしくなる母に息子まで殺人犯だったと知らせることはできないと考えていたのでした。
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女将が犯人だと思っていた秀幸は、その後の百合子を支え、自分の死が近づいた時に息子に百合子の手紙を託します。
その時に自首しようと決めた多喜川は、見つけ出した七桜が百合子と同じあたたかい御菓子を作る和菓子職人になっていることを知り、自分の罪を改めて感じたのでした。
もう大切な人を奪わないで
多喜川はせめてもの贖罪として、七桜を本来の場所である光月庵に戻すことを計画します。
そのために七桜が働いていた店にメールを送って七桜を追い出し、夕子に母親だと名乗らせ、週刊誌の記者に光月庵を探らせました。
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念願叶って女将から全てを奪った多喜川ですが、ちっとも気が晴れません。
なぜなら女将が店に居座り、今も七桜を苦しめているからです。
「この店を出ていかないのなら消えてもらう」
多喜川は女将を殺して自首するつもりでした。
しかし、七桜はこんな憎い人でも椿の母親なのだと多喜川を止めます。
椿も、七桜が自分のために罪を重ねることは望んでいないと必死で多喜川を止めます。
「私たちからもう大切な人を奪わないで」
なおも女将へナイフを向けようとした多喜川を、七桜は全身で受け止めます。
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しゃぼん玉飛んだ
七桜に抱きとめられた多喜川はナイフを落とし、膝をつきます。
「俺が七桜を幸せにしたかった…。ごめん…」
七桜は多喜川を許すつもりはありません。
しかし、彼が全てを話してくれたことで、やっと呪いから解放されたと感じたのでした。
多喜川が連行された後、七桜のヤケドを手当てした椿は、目の不調を感じます。
そこで七桜が自分が目の治療に専念できるために光月庵を手に入れようとしていたことを知ります。
その時、女将の姿が消えていることに気づいた椿は、慌てて女将を探しに出ます。
全てを失った女将は、心神喪失状態で外を歩いていました。
たった一人の家族である椿でさえ失ってしまい、悲しみに暮れる女将。
その時、子どもがボールを追いかけて道路に飛び出してしまいます。
すぐそこにトラックが迫っていることに気がついた女将はとっさに子どもを突き飛ばし、トラックの前に立ちはだかります。
女将の最後のわらべ歌は『しゃぼん玉』でした。
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息子ヘの思い
椿と七桜が病院に駆けつけた時、女将は息を引き取った直後でした。
女将は臓器提供の意思を示していて、椿に献眼する手続きをしていました。
職人の富岡(岡部たかし)によれば、どうにかして椿を助けようと必死になっている姿があったとのこと。
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母親の自分への思いを知った椿は、母の前で涙にむせぶのでした。
そして、手術を控えた椿に七桜は光月庵を守ることを約束し、椿には自由に御菓子を作って欲しいと言って別れます。
愛してる
1ヶ月後。
七桜は光月庵の当主として責任ある仕事をこなしていくので精一杯。
改めて、椿の存在の大きさを思い知らされます。
一方、城島は自ら『しまやのわらび餅』を完成させることができ、近々能登で独立することを宣言。
城島の誘いで栞も能登に行くことになりました。
今日は椿の退院の日。
椿の行く末を心配する職人たちの間で、七桜は子供の頃にずっと一緒に御菓子を作ろうと約束していたことを思い出していました。
そして、椿の道具を手に椿の元へ走り出します。
橋の上で椿と再会した七桜は、光月庵に戻ってきて欲しいと告げます。
「光月庵にも私にも椿が必要なの」
そんな七桜に椿も「愛してる」と答えます。
どんなに憎んでも傷つけあっても忘れることなんかできなかった二人。
この先もずっと一緒にいると誓いました。
そして二人は心の中でこう言うのです。
「私たちはどうかしている」
『私たちはどうかしている』第8話(最終回)あらすじ・ネタバレ感想まとめ
最終回ご覧頂きありがとうございました✨ラストシーンの七桜ちゃんと椿さま🌸#背景が真夏な件🤣#最後まで全力で駆け抜けてくれた#美波ちゃんと流星さん✨#そして#応援してくださった皆さま#本当に本当にありがとうございましたっ🙌#私たちはどうかしている#わたどう#浜辺美波#横浜流星 pic.twitter.com/rAYkGcoVIZ
— 公式【私たちはどうかしている】 (@watadou_ntv) September 30, 2020
最初から最後まで息つく暇もないジェットコースターのようなドラマがここに完結しました。
これまでの伏線が全て回収され、椿と七桜の恋愛模様もハッピーエンドになり、かなりスッキリした気分です。
まさか多喜川が真犯人だったとは、思いもよりませんでした。
結局は悪しき慣習と何事にも代えがたい男女の情が物事をこじらせてしまっていました。
人間とはかくも恐ろしいものなのか…と思いますね。
でも、今後二人には幸せになって欲しいと願っています。
椿と七桜を演じた若いお二人の今後の活躍にも期待です!
全8話、お疲れさまでした!
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