人類の歴史上、数多の戦争が起き大勢の命が奪われてきました。
そしてそんな過ちを繰り返さないために、数多くの戦争映画が作られています。
まだ世界各地で紛争が続き、戦争の火種も残っていますが、そんな時だからこそ、そして平和に暮らしている日本人だからこそ見るべき戦争映画をミルトモライターたちが厳選しました!
今回は近代史に絞って戦争映画の名作をまとめています。
目次
- 1.胸打たれるおすすめ戦争映画33選
- 1.1『ジョジョ・ラビット』
- 1.2『イングロリアス・バスターズ』
- 1.3『ライフ・イズ・ビューティフル』
- 1.4『ダンケルク』
- 1.5『プライベート・ライアン』
- 1.6『大脱走』
- 1.7『ハクソー・リッジ』
- 1.8『父親たちの星条旗』
- 1.9『硫黄島からの手紙』
- 1.10『戦場のメリークリスマス』
- 1.11『ビルマの竪琴』
- 1.12『この世界の片隅に』
- 1.13『火垂るの墓』
- 1.14『縞模様のパジャマの少年』
- 1.15『独裁者』
- 1.16『フューリー』
- 1.17『U・ボート』
- 1.18『ブラックブック』
- 1.19『パトリオット』
- 1.20『風と共に去りぬ』
- 1.21『1917 命をかけた伝令』
- 1.22『ジョニーは戦場へ行った』
- 1.23『フルメタル・ジャケット』
- 1.24『地獄の黙示録』
- 1.25『プラトーン』
- 1.26『国際市場で逢いましょう』
- 1.27『スウィング・キッズ』
- 1.28『オペレーション・クロマイト』
- 1.29『長沙里9.15』
- 1.30『高地戦』
- 1.31『キリング・フィールド』
- 1.32『ルワンダの涙』
- 1.33『ブラックホーク・ダウン』
- 2.胸打たれるおすすめ戦争映画33選:まとめ
胸打たれるおすすめ戦争映画33選
『ジョジョ・ラビット』
- 戦争を子供の目を通してユーモアをたっぷり含んだストーリーで描いている
- 第92回アカデミー賞で脚色賞を受賞
- 子供と一緒に観て考えさせられる戦争映画
2020年に公開されたタイカ・ワイティティ監督による戦争映画で、10歳の少年・ジョジョの目を通して、戦争やユダヤ人迫害についての物語をユーモアたっぷり含んだ形で描いています。
『ジョジョ・ラビット』は、クリスティン・ルーネン原作の小説を映画化していますが、原作には登場しないジョジョの空想上の友人、アドルフ・ヒトラーをタイカ監督自身が演じるなど大胆なアレンジを加え、第92回アカデミー賞では脚色賞を受賞。
戦時中でも自由奔放な母親のロージーと暮らす10歳の少年ジョジョ。
将来立派な兵士になるためにナチス・ドイツ主催のヒトラーユーゲントのキャンプに参加したジョジョは、訓練中にウサギを殺すことができずに上級生から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられてしまいます。
そしてジョジョはある日、母親が自宅にかくまっているユダヤ人の少女エルサの存在に気づき戸惑います。
ミルトモ 編集部
必要なのはヘイトではなく寛容な心。
タイカ・ワイティティ監督の真っ直ぐなメッセージとユーモアたっぷりな物語で、何故か笑いながら観れてしまう不思議な戦争映画です。
映画を彩るビートルズやデヴィット・ボウイの楽曲も抜群な効果を発揮しています。
ヒトラー役を演じたタイカ監督をはじめ、スカーレット・ヨハンソン、サム・ロックウェル、レベル・ウィルソン、子役のアーチー・イェーツら俳優も個性派揃い。
ミルトモ 編集部
残酷なシーンも比較的少ないので子供と一緒に観て、戦争について考えるきっかけにもなる作品です。
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『イングロリアス・バスターズ』
- クエンティン・タランティーノ監督による戦争アクション
- アカデミー賞で8部門ノミネート、クリストフ・ヴァルツが助演男優賞を受賞
- 戦争映画でありながらもタランティーノ監督「らしさ」は健在!
2009年に公開、クエンティン・タランティーノ監督、ブラッド・ピット主演によるナチス・ドイツ占領下のフランスを舞台にした戦争アクション&ナチスへの復讐劇です。
5章に分けて描かれる物語には2人の主人公が存在し、1人はブラッド・ピットが演じるユダヤ系アメリカ人の秘密部隊「バスターズ」を率いる陸軍中尉のアルド・レイン。
もう1人はクリストフ・ヴァルツ演じるナチス親衛隊大佐のハンス・ランダに両親を殺されたフランス系ユダヤ人の映画館館主のショシャナ・ドレフュス(メラニー・ロラン)。
エマニュエルという別人になりすまして生きていたショシャナは、親から譲り受けた映画館でナチス・ドイツのプロパガンダ映画が上映されることを知り、特殊なフィルムを使って集まったナチスの高官たちを焼き殺す計画を立て復讐を果たそうします。
そこに情報を聞きつけたレインたち「バスターズ」も関わって、壮絶なラストへと向かっていきます。
ミルトモ 編集部
今作はタランティーノ監督が1978年公開のイタリア戦争映画『地獄のバスターズ』にインスパイアされた作品で、脚本の執筆に実に10年以上を費やしていたことから、ハリウッドでは神話のような作品になっていたそうです。
ナチス・ドイツ親衛隊大佐のランダ役を演じたクリストフ・ヴァルツの演技が評価され、第82回アカデミー賞助演男優賞、第62回カンヌ国際映画祭男優賞を受賞しました。
ミルトモ 編集部
『ライフ・イズ・ビューティフル』
- ロベルト・ベニーニが監督&主演を務め各国で高い評価を得た作品
- ユダヤ系イタリア人の親子の視点で描くユダヤ人迫害についての物語
- 父親の愛に泣かずにはいられない
第51回カンヌ国際映画祭の審査員グランプリを受賞、第71回アカデミー賞では7部門にノミネートされ、その年の本命と言われていた『プライベート・ライアン』のトム・ハンクスを押しのけてロベルト・ベニーニが主演男優賞を受賞したほか、海外でも高い評価を得ています。
イタリア系ユダヤ人の陽気な父親のグイドと美しい母親のドーラ、その間に生まれたジョズエは楽しい暮らしを送っていましたが、戦時色が強くなり、一家はナチス・ドイツの強制収容所へと送られてしまいます。
母親と引き離されて怖がるジョズエに対してグイドは「これはゲームなんだ」と勇気づけ、100点を勝ち取ったら本物の戦車に乗ってお家に帰れると励まし続けます。
ミルトモ 編集部
どんな絶望的な状況下にあっても子供を励まし続けるグイドはまさに理想の父親の姿で、涙が止まりません。
『ライフ・イズ・ビューティフル』というタイトルは、スターリンの暗殺に怯えながらも「人生は美しい」という言葉を残したロシアの革命家レフ・トロツキーによるものであり、ロベルト・ベニーニはこの言葉に感銘を受けて物語の着想を得たそうです。
ミルトモ 編集部
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『ダンケルク』
- クリストファー・ノーラン監督が手掛けた史実をもとに描いた物語
- 第二次世界大戦における連合軍のフランス、ダンケルク海岸からの撤退を描く
- 1時間46分の上映時間の中にはセリフがほとんどなく、戦争の臨場感たっぷり
2017年に公開、『インセプション』『インターステラー』などの大作を手がけたクリストファー・ノーランが監督を務め、第2次世界大戦における連合軍の「ダンケルクの大撤退」を題材に製作した戦争映画です。
『ダンケルク』の題材になった大規模な撤退作戦は通称「ダイナモ作戦」と呼ばれ、1940年5月26日〜6月4日の9日間にかけて860隻の船を手配し、33万人以上のイギリス・フランスの兵士たちをドイツ軍が迫るフランスのダンケルク海岸から撤退させました。
貨物船、漁船、遊覧船、王室の救命艇などの民間の船たちが浜辺から兵士たちを沖の大型船に運ぶ手伝いをし、イギリス国民の間では「小さな船たちの奇跡」として、のちの兵士たちの士気を上げる結果に繋がったそうです。
ノーラン監督による『ダンケルク』は空・陸・海の3つの視点で描かれており、半端ない臨場感と大きな音やリアルな映像などに慄きながらも、3つの視点で描かれていた物語が繋がるラストには胸打たれます。
ミルトモ 編集部
クリストファー・ノーラン監督の作品にしては、上映時間が1時間46分と短いほうです。
撮影は実際にダンケルクで行われ、IMAX66mm及び66mmラージ・フォーマットが用いられたため、映画館やなるべく大きなスクリーンで観ることが、監督の意図も汲めるのでおすすめです。
ミルトモ 編集部
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『ダンケルク』作品情報 『ダークナイト』シリーズ、『インセプション』のクリストファー・ノーラン監督がメガホンを……
『プライベート・ライアン』
- 第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦と1人の兵士の救出劇を描いた作品
- 冒頭の上陸シーンと戦闘シーンの迫力と臨場感が半端ない
- 戦争の残酷さ悲惨さがこれでもかというくらいに描かれているが紛れもない名作
1998年に公開され、スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクスが主演を務めた作品で、第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦から、戦場で行方不明になった1人の兵士を救うまでの物語が描かれています。
ノルマンディー上陸作戦は1944年に連合軍によって行われたナチス・ドイツ軍占領下にある北西ヨーロッパへの侵攻作戦で、現在に至るまで歴史上最大の上陸作戦として数々の戦争映画の題材にもなりました。
戦場で行方不明になったライアン二等兵を救出するために派遣された8人の兵士たちが、ドイツ軍との激戦地となっているフランスの内陸部へ向かいます。
ミルトモ 編集部
爆撃により飛び散る人間の肉片、地面に転がっている手足などグロテスクで思わず目を背けたくなるようなシーンですが、これが戦争のリアルであることを思い知らされます。
ミルトモ 編集部
『プライベート・ライアン』は、ナイランド兄弟の末っ子が3人の兄が戦死したことにより、前線から引き抜かれ本国に送還されたという、ナイランド兄弟の逸話をモデルに製作されました。
第71回アカデミー賞で11部門にノミネートされ、監督賞、編集賞、撮影賞、音響賞、音響編集賞の5部門を獲得し、編集賞部門においてはデジタル編集に頼らない作品としては、最後のオスカー受賞作となっています。
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『大脱走』
- 戦闘シーンがない異色の戦争映画の名作
- エルマー・バーンスタインによるテーマ曲も誰もが知っている名曲
- スティーブ・マックィーンの代表作
1963年公開、『荒野の七人』のジョン・スタージェス監督、スティーブ・マックィーンが主演を務めた、捕虜収容所からの脱走劇を描く戦闘シーンがない異色の戦争映画として話題になった作品。
舞台は新設されたドイツ軍の捕虜収容所で、新たに収容された捕虜たちの中には脱走の常習犯が含まれていたため、ドイツ軍はたびたび手を焼いていました。
250人の捕虜は脱出するべく、もちろんこの収容所でもすぐさま脱走計画を決行!
森に向かってトンネルを数本掘って行きますが、そのうちの一本の存在がバレてしまうのです。
映画『大脱走』はポール・ブリックヒル原作による小説の映画化で、ポール・ブリックヒル自身が第二次世界大戦中に経験した収容所で企てられた脱走計画の詳細をモデルに製作されています。
集団脱走を成功させるために互いの得意分野を生かしたり、知恵を出し合ったりする脱走部分の展開と、ドラマティックに描かれた脱走後の展開を楽しむことができる作品です。
ミルトモ 編集部
250人もの兵士たちの中で実際に脱走に成功したのは3名というのだから、かなり少ないです。
ミルトモ 編集部
エルマー・バーンスタインによる『大脱走マーチ』もCMなどでよく使用されており、誰もが聞いたことがあるくらいの名曲です。
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『ハクソー・リッジ』
- アメリカ軍視点で描かれた沖縄の前田高地を舞台にした激戦
- 史実に基づく物語で第89回アカデミー賞において録音賞と編集賞を受賞
- 臨場感溢れる戦闘描写により戦場のリアルを感じることができる
2016年公開の俳優メル・ギブソンが監督、アンドリュー・ガーフィールドが主演を務めた、第二次世界大戦の沖縄戦における前田高地の激戦を舞台に、実在した衛生兵デズモンド・T・ドスの実話を描いた作品。
タイトルにもなっている『ハクソー・リッジ』とは、沖縄県の浦添城址の南東にある前田高地と呼ばれる日本軍の陣地で、北側が急な崖となっており、アメリカ軍がその崖を見て「Hacksaw=弓鋸」の名前をつけたことに因んでいます。
デズモンドは子供時代の兄弟喧嘩で弟を死なせそうになった状況から「汝、殺すことなかれ」の教えを胸に刻んで生きていくことを誓います。
第二次世界大戦が勃発し、戦争が色濃くなる世の中で「衛生兵としてでなら教えを守りながら国に仕えることができる」と考えたデズモンドは、徹底的に銃を持たないことを主張したため軍法会議にかけられるなど波乱万丈の年月を送りながらも、沖縄戦に派遣されることに。
ミルトモ 編集部
戦争の描かれ方もかなりリアルな方で、自分の横にいる仲間が次の瞬間には死んでいたりと、どう感じていいのかすらわからなくなってしまうほどには残酷。
そんな窮地に立たされた仲間を武器なしで戦場から救い出すという、デズモンドの英雄的行動を中心に描かれた物語です。
ミルトモ 編集部
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『父親たちの星条旗』
- クリント・イーストウッド監督による戦争映画「硫黄島プロジェクト」作品
- アイスランドに硫黄島のような黒い砂浜を再現し、戦闘シーンも撮影
- ジョー・ローゼンタールが撮影した「硫黄島の星条旗」という写真がモデル
2006年に公開された、クリント・イーストウッド監督による「硫黄島プロジェクト」2部作品における1作目で、第二次世界大戦の硫黄島の戦いの際に撮影された「1枚の写真」についての物語を描く作品です。
2作品目となる『硫黄島からの手紙』とともに「硫黄島プロジェクト」2部作として同年に公開され、『父親たちの星条旗』は、第49回ブルーリボン賞と第30回日本アカデミー賞で最優秀外国語映画賞を受賞しました。
硫黄島の激戦で生き残り英雄として讃えられたジョン・”ドク”・ブラッドリーの息子であるジェームズ・ブラッドリーが父親の人生を知るために、かつての戦友や元大尉から物語を聞くという形で物語が進んでいきます。
ミルトモ 編集部
しかし、今作の問題は星条旗を建てた後。
星条旗を建てた写真が新聞の一面を飾り、写真に写っていたドクを含めた6人は英雄として称賛されアメリカ各地の戦債キャンペーンの広告塔として起用されますが、実は写真に写っている人物に誤りがあったことが発覚します。
しかしながら戦争への士気を高めるためと資金集めのために、ドク、レイニー、アイラはそのままキャンペーンを続行。
戦争そのものを描くというよりかは、3人ともそれぞれの悩みや戦場のフラッシュバック、両親の呵責に悩んで、それが戦後何十年に渡っても続いているというプロパガンダに利用された人たちの人生を描く物語でした。
ミルトモ 編集部
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『硫黄島からの手紙』
- クリント・イーストウッド監督「硫黄島プロジェクト」日本視点の作品
- 第79回アカデミー賞において4部門ノミネート
- 渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、中村獅童、加瀬亮ら日本人俳優の熱演に注目
2006年に公開された『父親たちの星条旗』に続くクリント・イーストウッド監督の「硫黄島プロジェクト」2作目で、今作では硫黄島の戦いにおける日本側の視点での物語が描かれています。
全編が日本語にもかかわらず第70回アカデミー賞においては作品賞にノミネートされるという快挙を成し遂げ、嵐の二宮和也が出演していることから今作や硫黄島の戦いについて若い人たちの関心を集めることになりました。
なお、渡辺謙以外は全て監督によるオーディションで選出された俳優で、特に二宮和也に感銘を受けたクリント・イーストウッドは二宮のために新たに西郷という役を作り、脚本を書き換えたそうです。
2006年に硫黄島で見つかった第二次世界大戦当時に書かれた兵士たちの手紙を巡る物語で、実在した栗林忠道中将と、二宮和也演じる陸軍一等兵・西郷との交流や硫黄島の過酷な環境下での生活や戦闘を強いられることになった彼らの姿が描かれます。
ミルトモ 編集部
何十年も経って発見された手紙、それを受け取った家族などの人々の思いや表情、当時届けられることがなかった手紙に込められていた願いや思いを考えると非常に心が痛みます。
ミルトモ 編集部
ハリウッドで活躍する日本人俳優の代表格・渡辺謙が演じる栗林中将の人格者ぶりも当時にしては素晴らしいものでした。
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『戦場のメリークリスマス』
- 日米豪華キャストが勢揃いした大島渚監督による名作!
- 捕虜収容所を舞台にした物語で戦場での戦闘シーンはなし
- なんといっても坂本龍一作のテーマ曲が秀逸
1983年に公開された大島渚監督による作品で、原作者のローレンス・ヴァン・デル・ポストが第二次世界大戦中にジャワ島の日本軍俘虜収容所での体験をもとに製作されました。
ビートたけし、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、トム・コンティ、内田裕也、三上寛、ジョニー大倉など俳優やミュージシャン出身俳優を多く起用したことでも話題になり、第36回カンヌ映画祭でグランプリ確実と言われていましたが、惜しくも逃してしまいます。
坂本龍一が手掛けた『戦場のメリークリスマス』のテーマはあまりにも有名で、英国アカデミー賞において作曲賞を受賞しています。
1942年、インドネシアのジャワ島の日本軍の俘虜収容所で朝鮮軍人属のカネモトがオランダ人兵を犯すという事件が発生。
事件の処理を担当した英兵のロレンスと日本兵のハラが奇妙な友情で結ばれていき、冷徹な陸軍大尉のヨノイは英国陸軍将兵のセリアズに魅せられていくという、男同士の友情や恋愛に近い感情を婉曲的に描いた大島渚監督らしい物語です。
ミルトモ 編集部
特にデヴィッド・ボウイ演じるセリアズが坂本龍一演じるヨノイの頬にキスをするという名シーンは、リアルでも卒倒するほどの美しさで、なんとも言えないたまらない感情になります。
また今作最大の名シーンである、ビートたけし演じるハラがローレンスに「メリークリスマス、ミスター・ローレンス!」と叫ぶシーンですが、あんなに震える「メリークリスマス」を今まで聞いたことがありません。
ミルトモ 編集部
戦闘シーンを描かなくても、戦争の愚かさや悲惨さを十分感じることができる作品です。
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『ビルマの竪琴』
- 竹山道雄の児童向け小説を市川崑が2度に渡って映画化
- 1985年版、僧侶姿の中井貴一が竪琴を弾く姿が印象的すぎて忘れられない
- 音楽には国境を越えて通じる力がある
日本映画の巨匠、市川崑が1956年と1985年の2度に渡って監督を務めた、竹山道雄原作の児童向け小説の映画版。
安井昌二や三國連太郎が出演した1956年版は当時ベネチア国際映画祭のサン・ジョルジョ賞を受賞し、1957年のアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされました。
第二次世界大戦中のビルマ(現在のミャンマー)を舞台に、音楽学校出身の井上小隊長率いる一軍隊が戦地で敗戦を迎えたことを知り敵に投降。
しかし、いまだ敗戦を知らずに戦い続ける部隊を止めに行った水島上等兵の辿る運命を描きます。
ミルトモ 編集部
「埴生の宿」は「Home sweet home」というアメリカにも同じメロディで、どちらも故郷を想う歌の内容で、言語は違えども日本軍とアメリカ軍が唯一歌で通じ合った瞬間であり、ハッとさせられました。
小学校や中学校の音楽の授業で習う人もいたのではないでしょうか?
敗戦後、日本軍の仲間たちは捕虜として捕らえられ水島の行方はわからないまま…。
そんな時現れた竪琴を弾く僧侶は明らかに水島なのですが、なぜ水島は日本に帰らずにビルマに残る選択をしたのでしょうか…。
ミルトモ 編集部
1985年のカラー映像もですが、1956年のモノクロ版も映像美が圧倒的!
2作品を見比べてみることも面白いかもしれません。
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『この世界の片隅に』
- 戦争映画だけど暖かいタッチでなぜかほのぼのしてしまうシーンも
- 普通の人と戦争の距離感を上手く描いている作品
- 片渕須直監督の再現力が半端ない!公開日から1133日連続のロングランを記録!
2016年に公開された片渕須直監督によるアニメーション映画で、こうの史代原作の漫画を映画化した、戦時中に生きる1人の女性「すずさん」の毎日を綴った物語です。
1944年に広島の呉市にある北條家に嫁いだ18歳のすず。
戦時色が濃くなっていき、次第にアメリカへの本土空襲も日常になっていく世の中を持ち前の明るさで乗り切っていきますが、翌年の空襲後に大切なものを失ってしまいます。
広島への原爆投下、終戦を迎えた後までのすずの日常と戦争との距離を中心に描かれています。
ミルトモ 編集部
戦時下を生きる「普通の人々」の生きる知恵や生活の様子だけでなく、片渕須直監督の詳細な調査による当時の広島や呉の街並みの再現度の高さに驚かされます。
普通の人の生活に戦争が徐々に忍び寄る恐ろしさや、突然大切なひとを失うことになる悲劇。
他、習慣やこんな出来事があったよ、という当時の思い出を知ることができる貴重な作品です。
ミルトモ 編集部
過激な戦争描写はなくともアニメの手法等でこんなことがあったんだな、と観客に想像させるアニメーションの力強さも感じさせてくれました。
ミルトモ 編集部
戦争を題材にしたアニメーションでなぜか幸せを感じ、観終わった後に涙を流した作品は初めてで、可能ならば毎年夏に放送して欲しいと思うくらい素晴らしい作品です。
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『火垂るの墓』
- スタジオジブリ製作の戦争映画
- 作家の野坂昭如自身が体験した過酷な戦争体験を映画化
- 戦争孤児が直面する厳しい現実を限りなくリアルに描いている
空襲により家と母親を失った主人公の14歳の清太と、4歳の妹・節子が直面する戦争と現実の厳しさを描いています。
叔母の家に疎開したものの、折り合いがつかなくなり家を飛び出した清太は節子とともに生きていくことを決意します。
しかし、食糧難や子供2人だけで生きていくことの難しさを感じ、最後には2人とも衰弱し死んでしまうという悲しい物語。
ミルトモ 編集部
子供2人だけで生きるなんて今の時代でも無理ゲーすぎるのに、戦争時代だからこそそうしなきゃならなかったのか、疎開先の叔母さんと清太がいがみ合わなければ、もしかしたら節子は命を落とさずに済んだのではないか…と考えると無念。
戦争の描写や怪我人の描写なども衝撃的なので、名作ではあるのですが、正直今の子供が見て耐えられるものかといえば難しい作品だと思います。
しかしながら戦争孤児の存在や、彼らが厳しい現実を力強く生きなければならなかった現実を知るためには重要な作品です。
ミルトモ 編集部
『縞模様のパジャマの少年』
- 第二次世界大戦中のナチス政権下、8歳のドイツ人少年の視点で描く戦争
- 「ユダヤ人にもいい人はいるよね」という純真無垢な言葉が突き刺さる
- ブルーノを演じるのは『セックス・エデュケーション』のエイサ・バターフィールド
第二次世界大戦中のドイツ。
ナチス党員を父にもつ8歳の少年ブルーノは、「父の仕事の都合」で友達が1人もいない田舎町に引っ越すことになってしまいます。
引っ越し先で学校に通うこともできなかったブルーノが一人遊びを覚えた頃、家の裏手の農場のような場所で縞模様のパジャマを来た同じ年の少年シュムエルと出会います。
そしてブルーノとシュムエルは鉄格子越しに秘密の友情を育んでいくのです。
シュムエルが昼間なのにパジャマを着ている理由、有刺鉄線で張り巡らされた農場、たまに農場の煙突から出る酷い臭いの煙…。
ミルトモ 編集部
視聴者が口を揃えて「ラストの衝撃が凄い」と言われる本作。
ミルトモ 編集部
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『独裁者』
- 喜劇王チャールズ・チャップリン初の全編トーキー映画
- 「笑い」で「反戦」を訴えた作品
- チャップリンの命を賭けたラスト6分の演説シーンは心が痺れる
1940年に喜劇王・チャップリンが制作・主演を務めた『独裁者』は、第二次世界大戦勃発前にナチスドイツの独裁者ヒトラーを喜劇の主人公にしてしまう、という大胆な作品です。
近年ではヒトラーを面白おかしい悪役に仕立て上げた作品もいくつもありますが、『独裁者』はヒトラー全盛期の時代に制作されました。
ミルトモ 編集部
1889年4月16日に産まれたチャップリンと、そのわずか4日後の1889年4月20日に産まれたのがヒトラーです。
さらに二人にはトレードマークの口ひげや、青年時代の貧しい生活…とその他にも不思議な共通点があり、そもそもヒトラーは、当時すでに世界的に人気だったチャップリンの口ひげを真似たという説も存在します。
本作でチャップリンが演じるのは、独裁者ヒンケルとユダヤ人で床屋を営むチャーリーです。
チャーリーは戦争での事故が原因で20年の昏睡状態にあり、その間に政権が交代したことを知りませんでした。
そしてその20年の間に独裁者として大頭したヒンケル(ヒトラー)と容姿が似ていることから、部下にヒンケルと間違われてしまい、なんと民衆の前でスピーチをすることに…!
ミルトモ 編集部
当時すでにハリウッドスターだったチャップリンですが、本作公開後アメリカに危険視され、1972年にアカデミー賞特別賞を授与されるまでの20年もの間、実質的に国外追放されるほど世界に影響を与えた作品です。
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『フューリー』
- 戦車同士の大迫力戦闘シーン
- 実力派俳優たちの競演
- 戦場で最期まで闘う男たちの熱いドラマ
第2次世界大戦末期のヨーロッパで戦車を駆使してナチスドイツと戦った連合軍の5人の兵士の生き様を描く作品。
監督は『エンド・オブ・ウォッチ』『サボタージュ』等のデヴィッド・エアー。
主演にブラッド・ピット、共演にシャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン、ジョン・バーンサルら実力派俳優たちが集結しました。
1945年4月、ヨーロッパ戦線で戦況を優位に進めていた連合軍はナチスドイツの最後の徹底抗戦に苦戦。
そんな中、ベテラン兵士のウォーダディーことドン・コリアーはアメリカ製の中戦車シャーマンにフューリーと名付け、部下たちと共に戦っていました。
そんなある日、彼の部隊に戦闘経験の無い新兵ノーマンが配属されることになり…。
ミルトモ 編集部
デヴィッド・エアー監督は戦車内部の場面も細かく再現し、そしてイギリスの戦車博物館から今も走行できる本物のティーガー戦車を撮影に使用させてもらい、圧巻の映像を作り上げました。
当時のシャーマン戦車はとても脆弱で、戦車4~5台でようやくティーガー戦車1台を打破できるような状況でした。
ミルトモ 編集部
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『U・ボート』
- 潜水艦映画の決定版
- 卓越した撮影、音響技術
一般的には第一次世界大戦から第二次世界大戦のころに使用されていたものを指します。
原作はロータル=ギュンター・ブーフハイムの小説。
ブーフハイムは報道画家として軍に採用され、実際にUボートに搭乗していた経験があります。
映画の内容は超シンプルで、第二次大戦時、Uボートに搭乗した軍人たちを描いたタイトルそのまんまの内容です。
ミルトモ 編集部
映画は大西洋に乗り出した一隻の戦艦内でほぼすべてが完結します。
ほとんどどがUボート艦内を再現したセットでの撮影で、同じような光景が延々続き、正直絵面は地味です。
ミルトモ 編集部
潜水艦は海中に潜航して戦う性質上、直接敵を目視することが困難です。
そのために、音を使って敵との距離を測定するソナーシステムが開発されたわけですが、映画でも音響が絶大な効果を発揮します。
潜水艦の性能限界を超えて深く潜航し、水圧でボルトが吹っ飛び海水が流れ込んでくる場面などボルトが吹っ飛ぶ音で幽霊屋敷アトラクションもかくやというほどビックリ効果が上がっています。
ドイツ映画ですが国際的にも高く評価され、ヴォルフガング・ペーターゼン監督はアカデミー賞の最優秀監督賞候補になりました。
ミルトモ 編集部
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『ブラックブック』
- 善悪が境目な挑戦的作風
- 生々しい描写
第二次大戦時のオランダを舞台に、レジスタンス活動に従事することになるユダヤ人女性を主人公にしたサスペンスです。
カリス・ファン・ハウテン演じる主人公のエリスはドイツ兵に家族を殺され、復讐のためレジスタンス活動に従事します。
ドイツ軍をスパイするため毛髪だけでなく陰毛までブロンドに染めて(こんなところまでわざわざ描くのがいかにもヴァーホーベン監督)、ドイツ軍に秘書として潜入しますが必ずしもドイツ軍人を悪者として描いておらず、レジスタンスも正義として描いていません。
ミルトモ 編集部
映画は高く評価され、英国アカデミー賞の外国語作品賞候補のほか、欧米のいくつかの賞の候補になっています。
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『パトリオット』
- ローランド・エメリッヒ監督が描くアメリカ独立戦争
- アメリカ独立のために立ち上がる男をメル・ギブソンが熱演
- アメリカ独立までの歴史を知る上での重要作品
2000年に公開のローランド・エメリッヒ監督、メル・ギブソンが主演を務めた戦争アクションで、アメリカ独立戦争の際に活躍した1人の男の物語を描きます。
アメリカ独立戦争とは、18世紀に起こったアメリカのイギリスからの独立を巡った戦争のことです。
かつてのフレンチ・インディアン戦争で名を馳せた英雄のベンジャミン・マーティンは、亡くなった妻が残した子供たちとともに平穏な暮らしを送っていましたが、再び始まった戦争により従軍した息子たちを失ったことで本能に目覚め、再び戦地へ向かいます。
ミルトモ 編集部
というのも今作の脚本を担当したのは『プライベート・ライアン』のロバート・ロダット。
さらには自身も映画監督を務めるメル・ギブソンや、演技派ヒース・レジャーなど名優がそろったことも今作が良い結果を出すことができた理由だと考えます。
見どころはなんと言っても戦闘シーンで無双状態のメル・ギブソン。
また『ダークナイト』でジョーカー役を務めたヒース・レジャーの若い頃の演技が見れる作品としては貴重で、戦争を意識した際の表情の切り替えはさすがとしか言いようがありません。
ミルトモ 編集部
アメリカの近代史って意外と知らないものばかりなので、イチから勉強し直す意味でもおすすめの作品です!
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『風と共に去りぬ』
- マーガレット・ミッチェル原作の長編小説を3年以上の月日をかけて製作
- スカーレット・オハラという1人の女性の半生を描いた3時間42分の大作!
- 第12回アカデミー賞において9部門を受賞した名作
1939年に公開された、マーガレット・ミッチェルが10年以上をかけて執筆した小説の映画化で、アメリカの南北戦争を背景にその時代を生きた1人女性の激動の半生を描いた作品です。
日本では戦後の1952年に公開されました。
3時間42分にわたる大作で映画史に残る名作と言っても過言ではなく、第12回アカデミー賞においては9部門を受賞する快挙で、主人公のスカーレットに仕える黒人メイド役のハティ・マクダニエルは黒人初の助演女優賞受賞者として話題になりました。
アメリカの南北戦争を背景に、主人公のスカーレット・オハラが力強く生きていく物語が描かれており、レット・バトラーとの激しいロマンスや戦争に翻弄された末に「自分の土地で力強く生きていこう」と決意します。
ミルトモ 編集部
しかしながら現代においては、奴隷が不満を言わずに奴隷所有者が英雄のように描かれているなど人種差別を理由にアメリカでの動画配信が停止されており、時が経ってからも色々と話題になることが多い作品でもあります。
第二次世界大戦真っ最中の1939年に公開されたことが信じられないくらいのクオリティと、スケールの大きさにはびっくり。
ミルトモ 編集部
「明日は明日の風が吹く」と訳されたラストのスカーレットの台詞は、名台詞として多くの人の心に刻まれています。
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『1917 命をかけた伝令』
- 臨場感溢れるカメラワーク!まるで戦場にいるような没入感が味わえる
- 全編ワンカット風の映像が話題になり、アカデミー賞でも3部門受賞
- 第一次世界大戦を題材にした最近では貴重な作品
2019年公開に公開された、サム・メンデス監督による第一次世界大戦のヨーロッパ西部戦線での出来事を描いた作品。
全編をワンカットに見えるように撮影されたことが話題になり、第92回アカデミー賞において撮影賞、視覚効果賞、録音賞の3部門を受賞しました。
第一次世界大戦の真っ只中にある1917年のヨーロッパで、2名の若きイギリス軍兵士が前線の兵士たちを撤退させ彼らの命を救うための伝令を届けに戦場の中を駆け抜ける物語を戦場の臨場感たっぷりに描きます。
ミルトモ 編集部
映画というよりかは、その中に入り込んでしまうような体験型アトラクションと言っても良いかもしれません。
作品自体はフィクションであるものの、細部では実際に西部戦線で伝令係を務めていたサム・メンデス監督の祖父のエピソードを多数用いているということです。
ミルトモ 編集部
コリン・ファース、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチら、イギリスを代表する名優たちの登場にも注目です!
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『ジョニーは戦場へ行った』
- とにかく悲惨で、正直あまりおすすめしづらい作品ではある
- 実在したイギリス人兵をモデルにした原作小説を映画化
- 主人公の心境と出来事を表す白黒映像とカラー映像の対比に注目
1971年公開、『ローマの休日』で脚本を務めたダルトン・トランボが1939年に発表した自らの反戦小説を映画化した作品。
小説が発表された1939年は第二次世界大戦中で、反戦的な内容が反政府文学として判断され1945年に絶版。
その後復刊するものの朝鮮戦争が勃発したことで再び絶版になり、戦争が起こるたびに絶版と復刊を繰り返していたほか、トランボ自身も赤狩りで逮捕、禁固刑の末に映画業界から干されてしまうという壮絶な経験をしています。
ミルトモ 編集部
物語もとにかく悲惨で、主人公は第一次世界大戦で両手足と顔を吹き飛ばされ、名前を表すものを全て失った男・ジョー。
死者同然として扱われつつも、生命維持装置をつけられたまま放置されたジョーでしたが、鮮明な意識があり、首と胴を動かすことは可能だったのです。
何もできないまま病院のベッドで過去を思い出し幻想に耽ります。
ジョーの夢の中はカラー映像、現実はモノクロという色の対比がまた絶望感を増幅させます。
しかし、ジョーに意識があると認識した看護婦が現れたことでジョーが彼女にSOSを伝えようとモールス信号のように頭を枕に打ち付けたことで、事態は思わぬ方向へ進んでいってしまうのです。
自分がもし戦争でジョーのような状態になってしまったら生きたいと思うか、死にたいと思うか?
戦争の悲惨さを通して、命の尊厳や倫理観についても考えさせられる非常に重たい作品です。
ミルトモ 編集部
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『フルメタル・ジャケット』
- スタンリー・キューブリック監督が描くベトナム戦争の地獄
- 前半・後半と物語が分かれており、それぞれ考えさせられる
- 名物キャラクターのハートマン軍曹による名ゼリフにも注目
1987年に公開された、『2001年宇宙の旅』や『シャイニング』を手掛けた、映画界の巨匠であるスタンリー・キューブリック監督による戦争映画です。
ベトナム戦争を背景に物語を前半・後半に分け、前半では徴兵された青年たちが兵士になるまでに受ける厳しい訓練の様子やそれによって精神を壊して起こしてしまった事件について、後半では戦場に派遣された兵士たちが現地での地獄の体験を描いています。
ベトナム戦争を背景としていながらもジャングルでの戦闘ではなく、市街地戦を描いた珍しい作品です。
マシュー・モディーン演じる主人公・ジョーカーの視点で物語が進んでいき、兵士たちに罵詈雑言を浴びせ、ウジ虫以下の扱いをするハートマン軍曹や、落ちこぼれのレナードなど数々の名物キャラクターを生み出しました。
ミルトモ 編集部
また、後半は報道部として派遣されたものの、上官の機嫌を損ねたことで戦線部隊に異動させられたジョーカーがその目で見る戦争の悲惨さがリアルに描かれています。
仲間たちが次々に死んでいく中で、生き抜いた兵士たちが「ミッキーマウス・マーチ」を歌いながら歩くラストは印象的です。
悲惨な戦場を経験しつつも、生き残ったジョーカーが五体満足に生きていることへの喜びを改めて感じる名シーンです。
ミルトモ 編集部
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『地獄の黙示録』
- フランシス・フォード・コッポラ監督による戦争映画
- ベトナム戦争の闇を壮大なスケールで描く
- 本物のナパーム弾を使ったCGなしの大迫力の映像は圧巻!
1979年公開のフランシス・フォード・コッポラ監督による戦争映画で、ジョセフ・コンラッド原作の『闇の奥』という小説の舞台をベトナム戦争に置き換え、戦争に隠された人間の闇を描いた壮大な叙情詩。
1979年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞、アカデミー賞では8部門にノミネートされ撮影賞と音響賞を受賞したほか、ゴールデングローブ賞や全米映画批評家協会賞などで数々の賞を受賞している名作です。
ベトナム戦争後期、妻と離婚してまで戦場に戻ったウィラード大尉は、アメリカ軍の命令を無視して暴走し、ジャングルの中に独立王国を築いていた元グリーンベレー隊長のカーツ大佐の暗殺命令を受けるという物語。
ウィラードたちが進んでいく道のりは、まさに恐怖のジャングル・クルーズで、戦争のために狂ってしまった人々が辿った恐ろしい顛末を見せつけられ、見ている側もウィラード同様に心の均衡が保てなくなっていくほど…。
ミルトモ 編集部
また当時はCGなどの技術がないことから、戦闘シーンは本物の軍用ヘリやナパーム弾などを使用しており迫力満点の映像に仕上がっています。
まさにギルゴア中佐のいう通り、「朝のナパーム弾の臭いは格別だ」なのです。
『地獄の黙示録』には153分のオリジナル版と202分の完全版、183分のファイナル・カットの3種類ありますので、それぞれ比べて鑑賞しても面白いでしょう。
ミルトモ 編集部
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『プラトーン』
- オリバー・ストーン監督が自らの体験をもとに描くベトナム戦争映画
- 1986年のアカデミー賞では作品賞含む4部門を受賞
- 本当の戦争を再現するためのリアリティが凄まじい
1986年公開、映画界の巨匠であるオリバー・ストーンが自らの戦場での体験をもとに製作した作品で、ベトナム戦争を題材に描いた『ディア・ハンター』『地獄の黙示録』に次ぐ名作と言われています。
第59回アカデミー賞では作品賞・監督賞・編集賞・録音賞を受賞し、アメリカ国内だけで製作予算の20倍を超える1億3,800万ドルの興行収入を記録する大ヒット作となりました。
監督自身の体験に基づき、アメリカ軍が無抵抗なベトナム民間人に対して行った虐待・放火・虐殺・強姦だけでなく、米軍間に広まる麻薬汚染や部隊内での対立に殺人、同志討ちなど、リアルに起こっていたとは信じがたい出来事が描かれます。
ミルトモ 編集部
また、今作の撮影に至るまでや撮影中のエピソードも過酷で、オリバー・ストーン監督は撮影前2週間から俳優たちをジャングルに放り込んで生活をさせるとていたり、麻薬でハイになるシーンでは、俳優たちは実際にマリファナを吸引してから撮影に挑んだなどすごい徹底ぶりです。
ミルトモ 編集部
とにかく絶望&絶望、そして絶望の連続なのですが、これこそ戦争のリアル。
若き日のジョニー・デップも出演していますが、若過ぎて気づけないかもしれません。
ミルトモ 編集部
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『国際市場で逢いましょう』
- 朝鮮戦争から今日までの韓国現代史を学べる
- 主人公ドスクの青年期から老年期までをファン・ジョンミンが演じた
- 韓国映画の歴代観客動員数4位を記録した作品
1950年の朝鮮戦争下、幼かったドスクは家族と共に興南地区から釜山へ逃げる船に乗り込む途中、妹と父と離れ離れになってしまいます。
父親から「今からはお前が家長だ、家族を守れ」と言われたドスクは、それから釜山の国際市場にある父の姉の経営する「コップンの店」に身を寄せ、父と妹との再会を待ち焦がれながら大人へと成長していきます。
ミルトモ 編集部
北部から避難してきた人々は、戦後ももといた場所に帰ることができず、これにより南北離散家族という悲劇を生んでしまいます。
『国際市場で逢いましょう』は、韓国の朝鮮戦争から今日に至るまでの激動の歴史をドスクという男の一生から教えてくれる作品です。
朝鮮戦争からドイツへ、そしてベトナム戦争へ。
ミルトモ 編集部
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『スウィング・キッズ』
- 戦争映画×タップダンスという異色のエンタメ作品
- 『サニー 永遠の仲間たち』のカン・ヒョンチョル監督の音楽センスが抜群!
- アイドルグループEXOで活躍するD.O.の演技力がすごい!
日本では2020年公開、『サニー 永遠の仲間たち』でお馴染みのカン・ヒョンチョル監督による朝鮮戦争を背景に描かれた作品。
朝鮮半島の南北が分断されるきっかけになった朝鮮戦争において、アメリカ軍が運営する最大規模の収容所を舞台に、収容所の対外イメージアップのために捕虜たちでタップダンスチームを結成するという物語です。
しかしながら集まったのは収容所の問題児ばかり…様々な事情を抱える様々な人種の人間がチームを組んでショーを開催することができるのか…という一見戦争映画には思えないような明るい内容なのですが、この作品の根底にあるのは「思想の違い」によって分断されてしまった人々の物語です。
ミルトモ 編集部
考え方が違うだけでもともと1つの民族が2つの国に分かれてしまった、それが現在も続いているという事実を忘れてはいけないと作品を通して伝えています。
D.O.が演じる北朝鮮軍の捕虜ロ・ギスと、パク・ヘスが演じる4カ国語が話せる韓国人女性のヤン・パンネが踊るタップダンスのシーンですが、それぞれ違う場所で踊っているのにまるで2人で踊っているかのように見せるカメラワークや演出、2人のダンスもとても素晴らしいものでした。
ミルトモ 編集部
内容も明るめで比較的楽しみながら観れる戦争映画ですが、単なる感動作やサクセスストーリーで終わらないところが、韓国映画らしいなと思いました。
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『オペレーション・クロマイト』
- 朝鮮戦争屈指の「命懸けの作戦」
- イ・ジョンジェ、イ・ボムス、リーアム・ニーソンの豪華共演
- マッカーサーが強行したと言われる作戦とは?
日本統治時代が終わり、一体となって国を立て直すのを夢見た朝鮮半島。
しかし1950年、朝鮮半島38度線を境に南はアメリカ軍中心の民主主義思想の国連軍が、北は共産主義思想のソ連・中国軍がバックについた「代理戦争」とも言われる朝鮮戦争が勃発。
この作品は、国連軍司令官マッカーサーが覚悟を決めてどうしても強行したかった作戦「クロマイト作戦」を、韓国軍将校たちのスパイ活動「X-RAY」と北朝鮮将校の関係も織り込んで描かれています。
リーアム・ニーソン演じるマッカーサーは、一瞬「本物?」と思うほど似ています。
また、イ・ボムス演じる北朝鮮将校リム・ゲジンは本当に「極悪」そのもの。
ミルトモ 編集部
北朝鮮軍が釜山近辺まで南下し現地を占領していた時期、人々は急遽共産思想を支持せねばならず、それを無視すると即殺害・電信柱に遺体を宙づりにされるなど、かなり悲痛な場面もあります。
そんな人々を北朝鮮から救ったこともあり、現在も仁川には「仁川上陸作戦記念館」があるほど、この作戦は重要なものとして語り継がれているのです。
ミルトモ 編集部
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『長沙里9.15』
- 隠された名もなき学生たちの活躍と悲劇を描いた戦争アクション
- 仁川上陸作戦を成功させるための陽動作戦に関する史実をもとにしている
- 人気アイドルグループSHINeeのミンホや若手俳優が活躍!
韓国では2019年に公開、『友へ チング』のクァク・キョンテク、キム・テフンが監督を務めた朝鮮戦争で今まで描かれることがなかった真実を描いた作品です。
朝鮮戦争で圧倒的劣勢を強いられていた韓国軍は、マッカーサー将軍の指揮下でソウルを奪還するための仁川上陸作戦を計画していました。
今作ではその仁川上陸作戦を成功させるために発動された陽動作戦「長沙上陸作戦」について、当時学生だった兵士たちが少ない水と食料、戦闘未経験という状態で戦地に送り込まれたという知られざる真実を描いています。
ミルトモ 編集部
登場するのは、ろくに訓練も受けずに戦地に送り込まれ、まるで捨て駒のように扱われた学徒たち。
ミルトモ 編集部
いつも戦争で真っ先に奪われるのは若い者の命です。
大人たちの作戦に国のためだ大義だと納得させられ、嫌でも気持ちを隠して戦地に向かわなければならない、そんな気持ちをこれから大人になる子供たちには絶対に味わって欲しくないと強く願います。
ミルトモ 編集部
しかし、なんでもドラマティックに仕上げてしまう韓国映画の底力には、いつでも脱帽です。
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『高地戦』
- 朝鮮戦争のむごさをリアルに語る
- コ・ス、シン・ハギュン、イ・ジェフンの熱演に注目
- 同じ民族が「戦う意味」を考えさせられる
朝鮮戦争映画は数あれど、ここまで戦争の無意味さをリアルに描いたものはなかなかありません。
とある奇妙な部隊「ワニ中隊」の謎を暴くため、若手将校がその部隊に潜入し、彼らの奇妙な謎・直面した「人間性をも変えてしまうむごい事件」などを描き、「同じ民族が戦う戦争の意味とは?」というメッセージを伝えてくる物語。
ミルトモ 編集部
争いごとなど無縁だった2人の若者が、同じ軍の仲間を銃殺するほどギリギリの精神状態で戦っている、さらに覚せい剤なしではやってられないほど人格が変わってしまっている状況を見ると、本当に戦争というのは恐ろしいと改めて感じます。
俳優たちの素晴らしい演技、壮大でリアルな戦闘シーン、そして何とも言えない「戦争の無意味さ」を語るラスト、どこをとっても名作としか言いようがないです。
『プライベート・ライアン』や『シン・レッド・ライン』などに続く壮大なスケールのミリタリー・アクション映画と高い評価を得ています。
ミルトモ 編集部
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『キリング・フィールド』
- アメリカ人記者の実体験を基にした実話
- 実際のポル・ポト政権の被害者がみせる迫真の演技
- ホロコーストと並ぶ大虐殺の真実を描く作品
実際にニューヨーク・タイムズの記者としてカンボジア内戦の取材をし、ピューリッツァ賞を受賞したシドニー・シャンバーグの実体験が基になっています。
ポル・ポト派に支配されたカンボジアで辛うじて大使館に逃げ込んだアメリカ人記者シャンバーグは、手伝いをしてくれていた現地人のプランを国外に逃がそうとします。
しかし、作戦は失敗しプランは強制労働で農場送りになってしまいます。
多くのカンボジア人が理不尽な理由で次々に殺されていく中、プランはどうにか脱出を試みようとしますが…。
ミルトモ 編集部
彼は演技経験のない素人でしたが、プラン本人以上の過酷な体験をしていました。
そして、その鬼気迫る演技で第57回米アカデミー賞では助演男優賞を獲得します。
ミルトモ 編集部
『ルワンダの涙』
- 90年代最悪の大虐殺事件を描く衝撃作
- 隣人同士が殺し合う大衆扇動の恐ろしさ
- 国際社会の‘無関心’が生み出してしまった悲劇
ルワンダ国内の隣人同士が殺し合う異常な状況をリアルタイムで知りながらも何もできず、ただ傍観するのみだった先進国側の視点からこの事件の真実を痛烈に暴きます。
ミルトモ 編集部
海外青年協力隊の英語教師としてルワンダにやってきたイギリス人青年のジョーはカトリック教会のクリストファー神父が運営する公立学校に赴任します。
そんな中、フツ族出身の大統領が乗る飛行機が撃墜されたのをきっかけにフツ族によるツチ族への虐殺が始まります。
そして、クリストファー神父の学校は虐殺から逃げてきた人たちの避難場所となりますが、やがてその学校にも危険が迫ってきます。
わずか3か月間で約80万人が殺害されたルワンダ大虐殺は『ホテル・ルワンダ』でも描かれていますが、この『ルワンダの涙』では当時ルワンダ国内の多数の場所で起こったであろう救いようのない悲劇を真正面から描いています。
何もしない国際社会や周囲に流され隣人同士で殺し合いが始まる状況など、とうてい90年代の話とは思えない事件の一部を垣間見ることができます。
ミルトモ 編集部
『ブラックホーク・ダウン』
- リアルな都市での戦闘
- ほぼ全編が戦闘の高純度な戦争映画
1980年代にはじまり、今や泥沼化しているソマリア内戦を背景にした映画です。
映画はソマリアの首都モガディッシュで、米軍が軍事介入して特殊部隊を送り込んだ結果、戦闘が泥沼化した1993年の「モガディッシュの戦闘」を描いています。
上映時間が145分あり、結構長いですが全編のほとんどがソマリア市街を舞台にした戦闘シーンです。
秩序立って戦うアメリカの特殊部隊員ですが、原始的な装備しか持たないソマリア民兵の数が多すぎて劣勢に立たされ始めます。
ミルトモ 編集部
死んでも次から次へと湧いてくるソマリア民兵が「ゾンビみたい」と批判する声もありますが、純粋に戦闘だけで物語を構築する高純度な「戦争映画」ならぬ「戦闘映画」で都市を舞台にした戦闘ものとしては中々の佳作だと思います。
監督は名匠リドリー・スコット。
ミルトモ 編集部
→映画『ブラックホーク・ダウン』動画フル無料視聴!人気配信サービスを比較しオススメを紹介
胸打たれるおすすめ戦争映画33選:まとめ
以上、ここまでおすすめの戦争映画をまとめてきました。
当然どれもヘビーな内容ではあるのですが、どれも過酷な現実を描いた人類が見るべき作品ばかりです。
ぜひ他のジャンルではできない映画体験を味わって、真摯に戦争と向き合ってほしいと思います。
『ジョジョ・ラビット』『イングロリアス・バスターズ』『ライフ・イズ・ビューティフル』『ダンケルク』『プライベート・ライアン』『大脱走』『ハクソー・リッジ』『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』『戦場のメリークリスマス』『ビルマの竪琴』『この世界の片隅に』『火垂るの墓』『縞模様のパジャマの少年』『独裁者』『フューリー』『U・ボート』『ブラックブック』『パトリオット』『風と共に去りぬ』『1917 命をかけた伝令』『ジョニーは戦場へ行った』『フルメタル・ジャケット』『地獄の黙示録』『プラトーン』『国際市場で逢いましょう』『スウィング・キッズ』『オペレーション・クロマイト』『長沙里9.15』『高地戦』『キリング・フィールド』『ルワンダの涙』『ブラックホーク・ダウン』
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