萬津総合病院に末期がんのため入院中の『娘娘亭』の店主、辰川(迫田孝也)の父・太一(伊武雅刀)の容体が急変し、安定はしたものの葵(石原さとみ)は孫の樹里(久保田紗友)をはじめ辰川家の人たちを心配していました。
末期がんだということを告知していない辰川と祖父に嘘をついているのが辛い樹里の間にできた溝は埋まらないままです。
一方、くるみ(西野七瀬)はがん薬物療法認定薬剤師の資格を持つ刈谷(桜井ユキ)の仕事に興味を持ち、葵と共に太一を看たいと申し出ます。
がん患者を担当するのはまだ早いと危惧する販田部長(真矢ミキ)ですが、葵は了承します。
くるみははりきって太一を看ますが、末期がん患者を看るということは、想像以上に過酷だったのです。
▼動画の無料視聴はこちら▼
目次
『アンサング・シンデレラ』前回第4話のあらすじと振り返り
ある日、調剤室に羽倉(井之脇海)の母親が訪ねてきます。
いつも明るく振る舞っている羽倉ですが、父親の名前が出ると態度が一変します。
その父親・龍一(菅原大吉)は息子が勤務する病院とは知らずに入院していました。
龍一は医師で、「薬剤師は医者の奴隷だ」と口にするような人物で、医学部入学を諦めた羽倉は勘当同然の扱いを受けていました。
一方、葵(石原さとみ)が行きつける中華料理屋の主人・辰川(迫田孝也)の娘・樹里(久保田紗友)が摂食障害が原因で倒れ、萬津総合病院に運び込まれてきます。
実はその前に、辰川の父で樹里の祖父・太一(伊武雅刀)も末期がんで入院していたのです。
樹里の摂食障害にはそのことが関係しているようです。
樹里は、大好きな祖父に病気のことについて嘘をついていることで傷ついているのでした。
「助けて葵さん…」
樹里は葵に助けを求めます。
【ネタバレ】『アンサング・シンデレラ』第5話あらすじ・感想
第二の患者
末期の胃がんで入院中の『娘娘亭』店主・辰川(迫田孝也)の父・太一(伊武雅刀)の容体が急変して救急センターに運び込まれました。
幸い容体は安定しましたが、予断は許されない状況です。
辰川の希望で、太一は告知をされていませんでした。
「助けて葵さん…!」
萬津総合病院に摂食障害で入院している樹里(久保田紗友)は、葵(石原さとみ)に助けを求めます。
樹里は、大好きな祖父に嘘をついているのが辛いのです。
辰川家を心配した葵は、辰川と樹里の現状について話します。
患者の家族は『第二の患者』と呼ばれるほど、患者と同じくらい辛いもの。
葵は辰川に、まずは店の常連である薬剤師に相談してみてはどうかと提案します。
その結果、辰川は太一に告知することを決めます。
樹里もそれを受け入れました。
moyoko
告知
太一に胃がんのステージ4であることを告知すると、本人も薄々感じていたようで、そのことは素直に受け取りました。
何もしなければ余命はあと3ヶ月。
太一はそれでも良いと言います。
しかし、樹里はそれを受け入れられないと泣き出してしまいます。
葵は「抗がん剤は休薬期間もあり、その間に家で過ごしたり、体調を見て仕事もできる。だけどどんな時もそれを支えるのは家族だから家族で話し合って欲しい」と太一に伝えます。
翌日、太一は治療を受けることを決意しました。
辰川家はまず、「やりたいことリスト」を作って最終的に野球観戦をするという目標に向かって頑張って行くことにしました。
moyoko
ケモセラピールーム
くるみ(西野七瀬)は、ケモセラピールーム(抗がん剤調剤室)で抗がん剤の注射薬を調合する認定薬剤師の資格を持つ刈谷(桜井ユキ)の仕事に興味を示し、葵と一緒に太一を看たいと販田部長(真矢ミキ)に申し出ます。
その申し出に、くるみにはまだ早いのではと部長は不安視しますが、葵はこれも勉強のうちだとそれを了承します。
太一は抗がん剤がよく効き、元気を取り戻していました。
「もしかして、治るかもしれないですね!」
くるみは楽観的な感想を述べます。
すると、七尾副部長(池田鉄洋)が太一に治験薬の話を持ち込んできました。
くるみは喜びますが、葵は難色を示します。
moyoko
家族と患者、どちらが大事?
『治験薬』と聞くと、どうしてもネガティブなイメージを持ちがちですが、治験が大事なのは葵にも分かっています。
しかし、今の辰川家に『治験』という言葉は強すぎると葵は考えているのです。
「君は患者と家族どちらが大事なの?」
「もちろん、両方です!」
結局、太一の担当医師は今の薬で効果が出ているのでしばらく様子を見ようということになりました。
moyoko
諦めたくない
くるみははりきって抗がん剤の勉強を始めます。
ここに来て、急に使命感みたいなものを感じ始めているのです。
患者の大事な時を一緒に過ごしている今、少しでも助けになりたいとくるみは考えています。
くるみは、葵と共に『娘娘亭』に行って、辰川に太一が今やっている治療で延命したという論文を見せ、辰川を励まします。
しかし、葵はそれについて、希望を与えるなら責任を取らなければいけないと釘を刺します。
くるみは諦めたくないだけだと反論し、葵のことを冷たいと感じます。
「昔の自分を見ているみたいだろ」
くるみと葵を心配して食事について来た瀬野(田中圭)は、葵にそう言います。
かつて新人だった葵も、初めてのがん患者でくるみと同じように入れ込んでしまったのです。
moyoko
最後は自分で決めたい
治療の甲斐もあって、太一は一時退院することが決まりました。
辰川家の人たちは、明日は野球を観に行くのだと言って嬉しそうに自宅に帰っていきました。
しかし、翌日太一は高熱を出し、再び病院に戻ってきてしまいます。
その姿を見て、くるみは思わず動揺してしまいます。
「そういうの、患者さんや家族は敏感に感じるからこれからは気をつけて」
葵はくるみを注意します。
そして、太一は葵を1人呼び出し、もう治療はやめたいと訴えます。
葵は説得しようとしますが、最後にどう生きるかは自分で決めたいと言われ、葵もそれ以上は何も言えませんでした。
moyoko
諦めてなんかない
太一は今後は治療せず、緩和ケアに移ることになりました。
くるみはそれを知って、ここまで頑張って来たのにと落胆しています。
葵は、緩和ケアになると病院に見放されたと感じる患者やその家族もいるから、言動には気をつけるようにくるみに忠告します。
「なんでそんなに簡単に割り切れるんですか!?」
病気を治すための薬ではなく、ただ命を延ばすだけの薬を出すために薬剤師はいるのかと、くるみは葵に食ってかかります。
「諦めてないよ!諦めてなんかない」
痛みをとって患者が最期の時間を穏やかに過ごすというのも大事な治療の一つだと葵は言います。
刈谷もその考えは一緒です。
しかし、くるみはその考え方は冷たいように感じるのでした。
moyoko
家族と楽しく過ごしたい
それから辰川家と葵は、太一のために「やりたいことリスト」を叶えるために奔走します。
まずはチャーハン、餃子、紹興酒を食べること。
辰川は努力をしてなるべく太一に負担がかからないようにチャーハンを作ります。
そして野球観戦。
太一は病院の裏ならと一日外出許可を得て、休診日に薬剤部と地域の薬剤師チームで野球対決をします。
皆野球は上手くありませんが、皆が笑顔で野球を楽しみました。
太一も笑顔で観戦しました。
夕方、病室に戻った太一は、辰川と2人で紹興酒を楽しみます。
辰川は、太一がいなくなった後に店のことや樹里のことが不安だと父親に漏らします。
しかし、それは妻を亡くした時の太一も同じでした。
その悩みは一生続くのだと太一は語ります。
そして、昔のように2人でキャッチボールをしました。
「今日は楽しかった。俺の人生何もかも楽しかった。ありがとうな」
moyoko
最後の別れ
翌日、太一の容体が急変します。
刈谷からの一報を受けて、葵は平静を装って仕事を続けます。
本来、薬剤師が患者の最期に立ち会うことはないからです。
しかし、部長や刈谷の計らいで、葵とくるみは太一の病室で立ち会うことが許されました。
太一を看取った後、くるみは辰川に無責任なことを言って希望を持たせたことを謝ります。
しかし、辰川はくるみの気持ちが嬉しかったと言います。
太一のために何もできなかったと悔しがるくるみに、葵はその悔しい思いは皆同じだと励まします。
自分には何ができるのか、考え続けることがこれからも続けるべきことなのです。
「その覚悟、忘れないでね」
刈谷は、本当は辰川家に近かった葵が一番迷っていたはずだと語ります。
葵は太一も家族も救いたいと思っていたからです。
「でも、一番太一さんの命を救いたいと思っていたのはアイツだよ」
moyoko
病気を治すのは薬だ
調剤室に戻った葵に、瀬野は太一から言付かった野球ボールを渡します。
そこには、「ありがとう」と書いてありました。
葵はそれを見て、たまらず泣き崩れるのでした。
七尾副部長は瀬野に対して、治験薬を使っていれば状況は変わっていたと恨み言を言います。
瀬野は、七尾の個人的な成果のために患者を利用するなと返します。
しかし、七尾にしてみれば、個人的な感情で治験に偏見があるのは瀬野の方だと思っています。
「あの時、お母さんを救えなかったのは誰のせいでもない。薬に力がなかっただけだ」
瀬野は七尾に掴みかかりますが、七尾は動じずに葵のように患者に寄り添うのは無意味で、病気を治すのは薬だと言い切ります。
瀬野も瀬野で、それでも葵のやっていることには意味があると信じています。
moyoko
葵が病院薬剤師になった理由
太一がいなくなったベッドに1人佇む樹里に、葵は背中合わせに座ります。
かつて、葵がまだ子供の時、妹が病気になりました。
入院して治療や病の痛みで苦しむ妹は、なぜお姉ちゃんではなく自分が選ばれたのかと泣くこともありました。
病院スタッフも両親も、必死で妹を看病しました。
葵は何もしてあげることができませんでした。
何も考えられず、涙も出ません。
結局、妹は助かりませんでした。
妹亡き後、葵が樹里のように1人でベッドに座っていると、その時にある薬剤師が背中をつけて黙ってそばにいてくれたのです。
それが、葵が病院薬剤師を目指すことになったきっかけでした。
彼女のように患者やその家族にも寄り添える薬剤師になろうと突っ走ってきた葵。
「大丈夫。葵さんはその人みたいになれてるよ」
樹里はそんな葵にそう言ってくれました。
「ありがとう」
『アンサング・シンデレラ』第5話あらすじ・ネタバレ感想まとめ
本日第5話!
もう…現場で…涙が止まらなくて我慢するのが辛すぎて…でも先輩として薬剤師としてそれを見せないようにしなきゃいけなくて…でも。。。
家族愛に人間愛に包まれた優しいお話です。絶対に見てほしいです。石原さとみ pic.twitter.com/1wTPp5dneF
— 【公式】アンサング・シンデレラ (@unsung2020) August 13, 2020
辛い思いをしている患者やその家族にとって、自分の気持ちを理解してくれる人はとてもありがたいし、大事な存在だと思います。
もちろん、七尾副部長が言うように病気を治すのは薬かもしれませんが、患者本人の気持ちというのは病気を治す上でとても重要なことだと思います。
さて、今回は葵がなぜ今のような時間のかかる薬剤師になったのかが語られました。
そして、瀬野にも何か事情があるようです。気になりますね。
次回以降も見逃せません!
▼動画の無料視聴はこちら▼
▼次回第6話も続けて読む▼