『やめるときも、すこやかなるときも』第5話あらすじ・ネタバレ感想!壱晴の悲しい初恋が明らかに。

『やめるときも、すこやかなるときも』第5話

出典:『やめるときも、すこやかなるときも』公式ページ

哲先生(火野正平)が倒れたことで、自分の過去と向き合うことにした壱晴(藤ヶ谷太輔)は、桜子(奈緒)にかつての恋人・真織の話をし始めます。

しかし、聞き始めてからしばらくして、桜子はこんな話聞かなければ良かったと後悔することになります。

何故なら、桜子の家庭環境や付き合うきっかけになった壱晴の言葉など、ほとんど真織の時と同じだったからです。

高校2年の秋に壱晴と真織が出会って真織が亡くなるまでの1年と少しの間の物語です。

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『やめるときも、すこやかなるときも』前回第4話あらすじと振り返り

壱晴(藤ヶ谷太輔)の母の実家で、壱晴と女の子が手をつないで写っている写真を見てしまった桜子(奈緒)。

壱晴もそれに気がつきますが、2人はその話題を切り出すことができずギクシャクしてしまいます。

過去に踏み込んだらいけない。

桜子もわかってはいますが、気になってしまいます。

しかし、ある日哲先生(火野正平)が倒れたことで明日が来るのが当たり前ではないと気がついた壱晴は、桜子に過去の話をすることを決意します。

大島真織(中井友望)。それが彼女の名前でした。

【ネタバレ】『やめるときも、すこやかなるときも』第5話あらすじ・感想


大島真織(中井友望)

「俺が、初めて好きになった人。目の前で死んだ」

壱晴(藤ヶ谷太輔)が真織(中井友望)と出会ったのは、高校2年の秋。大阪から松江に引っ越してきて、まず仲良くなった友達・堀内の幼馴染でした。

彼女は、堀内の家の旅館でバイトをしていました。

学校はバイト禁止でしたが、彼女が働かなければならない理由があるといいます。

「一目惚れというわけではなかった。でも同情をしていたのかもしれない」

彼女への見方が変わったのはその年のクリスマスでした。

壱晴は堀内の旅館でクリスマス会を開いていました。

宍道湖でデートをしているクラスメイトを冷やかそうと皆出ていき壱晴が一人片付けをしているところへ、バイト中の真織が現れました。

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バイトが禁止なのに働かなければいけない理由がある。何やら、嫌な予感がします。きっと、真織は生活のために働かなければならないのかもしれません。

食べかけのクリスマスケーキ

真織は一緒に後片付けを手伝ってくれました。

すると、壱晴は真織が食べかけのケーキを見つめていることに気がつきます。

「ケーキ食べる?」

壱晴がそう聞くと真織はもったいないと思っただけだからとそれを断りますが、壱晴はケーキを分けてあげました。

真織はケーキを一口食べ、そのまま部屋を出て行ってしまいます。

食べ残したものを女の子に勧めることがいかに醜くて惨めなものか、ましてやクリスマスに女の子がそうされてどう感じるのか、壱晴は全くわかっていませんでした。

それどころか、ケーキをあげて喜んでくれない彼女に対して不満に思っていたぐらいです。

真織の考えていることがわからなかった壱晴は、真織がバイトを終えて出てくるのを待っていました。

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これは真織にとってとてもキツイ出来事です。高校2年生の男子にそれを汲み取れというのも無理な話ではありますが、とっても切ないエピソードです。

須藤君(藤ヶ谷太輔)はお母さんみたい

2人は自転車で並んで帰ります。

途中橋を渡ったところで、真織は道を横切ろうとします。

「そんなところで渡ったら危ないよ」

壱晴が注意すると、真織は須藤君はお母さんみたいと笑います。

「送っていくよ」

「大丈夫。いつも一人で帰ってるけん」

じゃあ途中までということになり、再び自転車で走り出します。

真織はバイトをしているのに、成績はいつも10位以内に入っていました。

彼女はバイトが始まるまでの時間に、図書館に寄って勉強をしていると言います。

勉強を頑張るのは、目標があるからです。

「私、家を出たいんよ」

「どうして?」

「…須藤君には一生わからんよ」

真織はそう言って、分かれ道で帰っていきました。

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このことで真織が家庭に問題がある系の女の子であることがわかります。桜子はきっと、じわじわと寄ってくる嫌な予感を振り払おうとしているはずです。橋を横切るシーンでは、この後事故に遭うフラグが立ってしまいました。

パンクした自転車

壱晴は、真織の生活を知る中で、自分がいかに恵まれて育ったのかに気がつきます。

だからどうしても真織との間に距離があるのですが、壱晴はその距離をどうしても縮めたいと思っていました。

ある日、壱晴はバイトに向かう真織と出くわします。

彼女の自転車を見ると、パンクしています。

壱晴は代わりに修理に持っていくと申し出、彼女のバイトが終わるのを待っていました。

修理代は800円。

「ブレーキの調子が悪いからまた持ってきた方がいいって」

壱晴はいらないと言いましたが、真織は借りを作るのは気持ち悪いからと代金を払おうとします。

「じゃあ500円」

そう言われて真織はきちんと800円出しました。

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壱晴は気を遣ったつもりだったのかもしれませんが、逆に真織のプライドを傷つけることになってしまいました。修理に持っていったまでは良かったのですが…。

デートの約束

それから、壱晴は真織を家の手前の道まで毎日送るようになります。

3年生になると、2人で受験勉強をするようになりました。

「好きとも付き合ってほしいとも言わなかった。一緒にいるだけで満足だから」

10月5日。壱晴は、これからますます勉強で忙しくなるから、どこかに行こうと真織を誘います。

「誕生日だろ」

聞けば真織は、去年もバイトをしていたというのでそんなのつまらないと壱晴が言うと、
真織は同情してくれなくてもいいと返します。

「同情なんかじゃないよ。俺が一緒に過ごしたいんだ。真織の誕生日」

「私も一緒に過ごしたいかな。壱晴と」

この日、2人は初めて名前で呼び合いました。

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高校生らしい、甘酸っぱいやりとりのシーンです。これまでずっとハズシ気味だった壱晴がここ一番で決めてくれたので良かったですね。真織も嬉しそうにしています。

初デート

10月20日。2人はカフェでケーキを食べて、ウィンドウショッピングをして、映画を観てデートを思い切り楽しみました。

夕方には夕日の浮かぶ宍道湖へ向かいます。

壱晴はそこで思い切って真織の手を握ります。

すると、写真を撮りに来ていた壱晴の母とバッタリ出くわします。

壱晴はとっさに手を離しますが、母に写真を撮ってもらう時彼は再び真織の手を取りました。

夜、いつものように真織の家の手前まで送っていきます。

「この時間がずっと続けばいいのに」

寂しそうに目を伏せる真織に壱晴がキスをしようとすると、そこに酒に酔った真織の父が現れました。

「真織の男かって聞いちょんのや!」

「付き合ってはいません。今はまだ。でも、お付き合いするつもりでいます」

壱晴がそう返すと、真織はこれからずっと俺の面倒を見るんだと父親が暴れ始めました。

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桜子(奈緒)にとって、衝撃の事実が発覚します。桜子の家で父が壱晴に詰め寄った時、壱晴が父に向かって言った言葉は、そのまま真織の父に向けられたものでした。桜子の大切な思い出は、過去のコピーだったのでしょうか。

一緒に東京に行こう

真織は暴れた父を止めようとすると、突き飛ばされてしまいます。

それを助けようとした壱晴でしたが、今日は帰ってと言われて仕方なく帰ることにしました。

真織の父は腕のいい板前でしたが、ギャンブルにハマり職を失ってしまい、真織が中3の時に母親が出て行ってしまいました。

そのため真織は生活のためにバイトを余儀なくされているのでした。

10月21日。真織は壱晴を呼び出して昨夜のことを謝ります。

家を出たらお父さんが独りぼっちになって死んでしまうかもしれないと弱気になっている真織に、壱晴は一緒に東京の大学に行って壱晴の祖父の家に住もうと提案します。

そうすれば家賃がかからず、バイトをしてお父さんにお金を送ることが出来ると。

「俺と一緒なら何も怖くないよ」

壱晴は、背負うものが少ない分、真織の荷物を全て引き受けるつもりでした。

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東京に行けると涙を流す真織。彼女にとって壱晴の提案は、天の助けにも似たものでした。もちろん、彼女の家庭のことを考えると、一筋縄ではいかないかもしれません。それでも彼女にとっては東京に行くということが心の支えになったのかもしれません。

12月10日

それから2人の目標は東京で一緒に住むことになりました。

12月に入っても真織はまだバイトを続けていて、あの日もバイト帰りだったのです。

12月10日。風邪を引いていた壱晴は、熱が下がったのでいつものように真織を迎えに行きますが、もうすぐ受験だから帰った方がいいと諭されます。

「明日学校でね」

そう言って2人は橋の上で別れます。

すると、真織はそのまま反対側に渡ろうとします。壱晴はそんなところ渡ったら危ないと声を出そうとすると、風邪で喉が枯れていて声が出ません。

そこへトラックがやってきて真織はブレーキをかけようとしますが、ブレーキは直っていなかったため止まることが出来ませんでした。

次の年から、壱晴は真織の命日になると声が出なくなってしまうのです。

真織のことを、初めて告白したことで壱晴は少し気が楽になった気がしていました。

しかし、桜子はうつむいたまま動きませんでした。

『やめるときも、すこやかなるときも』第5話まとめ


壱晴の声が出なくなるほどの話ですからわかってはいましたが、なかなかヘビーな告白でした。

それを聞くことになった当事者の桜子にとってはもっとヘビーです。

何しろ、壱晴の初恋の相手は父親が働かず、家庭に問題がある女の子で、自分と全く同じシチュエーションを経験していたのです。

そして目の前で死んでしまった。

これを超えられることが、果たして自分に出来るのか…桜子には自信が持てないはずです。

次回はやはり真織のことが気になった桜子と壱晴がすれ違ってしまいます。

壱晴は桜子をフォローすることが出来るでしょうか?今後の展開を見守っていきたいと思います。

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