2010年に公開され、話題を集めた『ムカデ人間』。
その1年後に公開された『ムカデ人間2』は、前作を遥かに凌ぐグロテスクさで注目を集めました。
- 前作よりもパワーアップしたムカデ人間のグロさに注目
- 食事をしながらは絶対に見れないシーンの数々
- 前作に出演していたあの人も登場!
前作を観ていなくても十分に楽しめる内容ですが『ムカデ人間』にリンクする場面や人物が登場するので、前作を観てから鑑賞すると楽しさが倍増しますよ。
それではさっそくネタバレありでレビューしたいと思います。
→映画『ムカデ人間2』動画フル無料視聴!人気配信サービスを比較しオススメを紹介
目次
『ムカデ人間2』作品情報
作品名 | ムカデ人間2 |
公開日 | 2012年7月14日 |
上映時間 | 91分 |
監督 | トム・シックス |
脚本 | トム・シックス |
出演者 | ローレンス・R・ハーヴィー アシュリン・イェニー マディ・ブラック ドミニク・ボレリ |
音楽 |
【ネタバレ】『ムカデ人間2』あらすじ・感想
前作『ムカデ人間』を上回るグロテスクさ!食事中は絶対にNG!
『ムカデ人間2』は前作の続編ではありません。
前作『ムカデ人間』の熱狂的なファンであるマーティンが主人公の物語です。
斎藤あやめ
前作とは比べものにならないぐらい暴行や撲殺、銃殺シーンが多くあり、もちろん劇中で流れる血も『ムカデ人間2』の方が多いです。
また、『ムカデ人間』では観られなかった排泄物の描写や性行為などの描写もあり、下劣さや醜悪さが前面に押し出された作品になっています。
斎藤あやめ
後半ラスト30分前後からグロテスクさが最高潮になります。
上映50分を過ぎたあたりから、ついにマーティンによるムカデ人間の手術が始まるのです。
マーティンが拉致してきた人々は、男女合わせて12人。
成功すれば前作『ムカデ人間』よりも人数の多いムカデ人間が出来上がるわけです。
しかしながら先頭に繋げるつもりだった妊婦は手術前の暴行で、そしてもう1人は手術中の大量出血によって死亡し、マーティンは最終的に10人を結合させたムカデ人間を完成させます。
斎藤あやめ
『ムカデ人間』のハーティー博士は外科医でしたので、麻酔を使って完璧な手術を行っていましたが、障害があって駐車場の警備員であるマーティンが博士と同じようにできるはずがありません。
麻酔なしでの切開、そして口と肛門の結合はタッカー(工具用の巨大なホッチキス)という、観ているこちらも色々なところが痛くなってしまう手術シーンが繰り広げられます。
しかし「キツイ」シーンは手術シーンのみではありません。
斎藤あやめ
特にグロテスクなのがマーティンの思いつきで、繋がれた10人が下剤を飲まされるシーンです。
前述の通り、手術が雑なので結合部は隙間だらけ。
その隙間から、マーティンは一人一人の口に下剤を流し込みます。
しばらくするとそれぞれが便意を催し、結合部の隙間から排泄物が流れ出します。
最初は嬉々としていたマーティンすらも匂いで吐き気を催すぐらいで、凄まじい光景が画面いっぱいに広がり、不快極まりないの一言しか出てきません。
斎藤あやめ
さらには一番最初に死んだと思われていた妊婦が意識を取り戻し逃げ出すシーンにも、なかなかキツイ描写があるので要注意です。
マーティンから逃げ出し、妊婦は車の中にこもるものの、恐怖のあまり出産してしまいます。
と同時に、母親である彼女は車を出すためペダルを踏む際に、生まれたての赤ん坊も一緒に踏みつけてしまうのです。
斎藤あやめ
ここまで残忍で胸糞悪いシーンが続くと感覚がだんだん麻痺してきて、ムカデ人間が半分に分かれる場面やラストの銃殺シーン、刺殺シーンなどは気持ち悪さが薄らいだように感じるくらいです。
こんなにグロテスクなシーンを観せ続けられていたのに、結局ラストはまさかのマーティンの妄想落ちで一気に気が抜けてしまいます。
斎藤あやめ
映画の世界とはいえども、あんなことが本当に起きていなくて良かったという気持ちになり、響き渡る赤ん坊の鳴き声がどこか不吉な予感すら感じさせてエンディングロールが流れ始めます。
斎藤あやめ
マーティンの復讐劇
最終的には妄想と言えども、劇中のマーティンの行為は残忍極まりないものばかりです。
どうしてマーティンはあんな残忍な妄想に取り憑かれてしまったのでしょうか。
これには、劇中でも語られるマーティンのかなりハードな半生が大きく影響していることが考えられます。
実の父親から性的暴行を受け、母からは愛されないどころか父が投獄された原因とばかりに憎まれる日々。
外見も低身長で肥満、そして障害のためか真っ当に話すらできない。
そんなマーティンは常に人に罵られて、見下されています。
声を出して抗議することもなければ、暴力で立ち向かうこともできません。
斎藤あやめ
また、興味深いのはアクシデントとしての殺人はあったものの、本当に憎い相手はマーティンは自らの意思で虐殺していることです。
母親を顔がなくなるまで殴り続けて殺し、父と同じく自分を性の対象と見ていた医師は銃殺しています。
この2人はマーティンにとってムカデ人間にする価値もない人間だったのかもしれません。
自分を見下した人間や、自分と違い幸せな生活を送っている人々をムカデ人間にしたマーティンの顔は誇らし気で、指揮者のような素振りを見せます。
斎藤あやめ
10人のムカデ人間を犬のように扱うマーティンの姿は勝者のようで、これが彼の復讐だったのだということに気付かされます。
しかし、妄想のラストはマーティンにとっても残忍な結末です。
ムカデ人間の先頭になった女優のアシュリンに反撃され、アナルから体内にムカデを入れられてしまいます。
劇中の医師いわく、ムカデは男性器の象徴。
そのムカデをアナルの中に入れられる場面は、マーティンが幼少期に受けた実父からの性的暴行とリンクしてしまいます。
斎藤あやめ
しかし、マーティンは妄想の中ですら自分を苦しめることを選んだのです。
これにはマーティンの根深いトラウマが伺えます。
実際に数回「泣くんじゃない。パパのチンチンが硬くなるぞ」という父親と思われる声が響き渡るシーンがあります。
きっとマーティンが幼い頃に父に言われた言葉なのでしょう。
たとえ妄想といえども、どんなに周囲の人間に復讐しても、幼少期に受けたトラウマからは逃げられないということをマーティンは無自覚でも頭の隅に感じているのかもしれません。
あまりに根深いマーティンの闇と傷。
斎藤あやめ
『ムカデ人間』の続編ではないものの、前作も観ていると2倍楽しめる
『ムカデ人間2』は『ムカデ人間』の続編ではないので、『ムカデ人間』を観ていなくても問題はない物語になっています。
斎藤あやめ
というのも、ムカデ人間として使う最後のターゲットとして、前作にジェニー役で出演していたアシュリン・イェニーが本人役として登場します。
斎藤あやめ
他にも、登場はしませんがカツロー役の北村昭博や、リンジー役のアシュリー・C・ウィリアムズの名前が出てきます。
斎藤あやめ
映画の所々で前作の映像が使われているので、前作を観ていた人にとっては感慨深い思いが味わえるかもしれません。
また、マーティンの研究ノートや、部屋で手にしていた写真など、前作ファンならば思わず「おっ」と声をあげたくなる箇所がいくつもあります。
そして『ムカデ人間2』の4年後に公開される『ムカデ人間3』にも、マーティン役のローレンス・R・ハーヴィーが全く異なる役柄で出演しています。
斎藤あやめ
『ムカデ人間2』まとめ
以上、ここまで映画『ムカデ人間2』についてネタバレありで紹介させていただきました。
- とにかくグロ過ぎ!でも最後まで結末が読めないスリリングな楽しさ
- 主人公マーティンの半生の過酷さには同情やむなし
- 前作を観ていると、さらに楽しめるポイントがたくさん!
→映画『ムカデ人間2』動画フル無料視聴!人気配信サービスを比較しオススメを紹介
▼あわせて読みたい!▼