映画『太陽は動かない』あらすじ・感想!吉田修一の小説を藤原竜也×竹内涼真で映画化!世界を股にかけたノンストップサスペンス!

『太陽は動かない』

出典:『太陽は動かない』公式ページ

『怒り』『悪人』などのベストセラーで知られる人気作家・吉田修一の同題小説を、『海猿』『MOZU』シリーズの羽住英一郎監督が映画化。

主演は藤原竜也、共演には竹内涼真、佐藤浩市などが顔を揃えました。

村松 健太郎

ブルガリアでの大掛かりなロケーションなど、これまでの日本映画にはなかったスケール感を感じさせる大作映画に仕上がっています。

同時進行でWOWOWオリジナルドラマが製作されたことも話題に!

おすすめポイント
  • 日本映画に珍しい企業スパイ、情報戦をアクション満載で描く
  • 主演は圧倒的な存在感で物語に説得力を与える藤原竜也
  • 後半30分で予期せぬ感動が待っており、感涙必至

それでは映画『太陽は動かない』をネタバレなしでレビューします。

映画『太陽は動かない』作品情報

『太陽は動かない』

(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

作品名 太陽は動かない
公開日 2021年3月5日
上映時間 110分
監督 羽住英一郎
脚本 林民夫
原作 吉田修一
出演者 藤原竜也
竹内涼真
ハン・ヒョジュ
ピョン・ヨハン
市原隼人
南沙良
日向亘
加藤清史郎
横田栄司
翁華栄
八木アリサ
勝野洋
宮崎美子
鶴見辰吾
佐藤浩市
音楽 菅野祐悟

映画『太陽は動かない』あらすじ【ネタバレなし】


謎に包まれた日本のエージェントが、世界を股にかけて暗躍していました。

エージェントの在籍先は、小さなニュース配信会社を装った組織“AN通信”です。

そのエージェントは24時間ごとに本部への定期連絡をしなければ「情報を漏洩させた」「裏切った」とされて、心臓に埋め込まれたチップの起爆装置が発動し、さらに解除の申請ができなかった場合は5分でチップが爆発し命を落とします。

東欧・ブルガリアのとあるアパート。

そこではAN通信のエージェント山下(市原隼人)が、監禁され絶体絶命のピンチに陥っていました。

山下を助けるべく、AN通信は敏腕エージェントを送り込みます。

派遣されたエージェントは、一気にアパートへ侵入すると屈強な敵たちを次々と倒していきした。

『太陽は動かない』

(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

その男の名は鷹野一彦(藤原竜也)。

そして、救出用の車を調達してきたのが、若き相棒・田岡亮一(竹内涼真)です。

2人は山下をアパートから脱出させますが、本部への連絡が間に合わず、2人の目の前で爆発し帰らぬ人に…。

鷹野と田岡は改めて任務の厳しさ、冷酷さを知るのでした。

『太陽は動かない』

(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

山下救出に続く任務が、鷹野と田岡のもとに届きます。

司令塔は、エージェント鷹野の育ての親とも言うべき風間(佐藤浩市)。

新たな任務は、これまでにないほど困難なものでした。

ことの始まりは、中国で活動していたはずの山下がブルガリアにいたこと。

山下の痕跡を追う内に、中国の巨大エネルギー企業CNOXの会長アンディ・ウォン(翁華栄)の存在にたどり着きます。

エネルギー分野の寵児も言うべき彼は、裏社会で陰然たる力を持ったフィクサーの1人で、さらなる勢力の拡大を目指していました。

鷹野と田岡はアンディ・ウォンの狙いを探るために、彼が参加するチャリティパーティーが開かれるウィーンに飛びます。

そこで見たアンディ・ウォンの隣には、国籍不明の謎の美女AYAKO(ハン・ヒョジュ)の姿がありました。

さらに、パーティー会場には鷹野と因縁深い韓国人エージェントのデイビッド・キム(ピョン・ヨハン)の姿もありました。

『太陽は動かない』

(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

調査を進める中で浮かび上がってきたのは、全人類の未来を決める次世代型太陽光エネルギーの実用化に関する巨大利権。

アンディ・ウォンは、日本の大手電機メーカーMETと組んで、次世代型太陽光エネルギーの開発に乗り出していました。

しかし、この動きにはアンディ・ウォンの陰謀が隠されていたのです。

アンディ・ウォンの狙いは、METから特殊な蓄電技術だけを盗み取り、エネルギー技術の実用化を独占しようとしていたのでした。

やがて、利権・極秘情報・特殊技術を巡って世界各国のエージェントや裏組織が動き出し、争奪戦に発展します。

鷹野と田岡は、命がけの肉弾戦と頭脳戦に挑むことに。

『太陽は動かない』

(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

もちろん、その任務の最中でも心臓の起爆装置は常に動き続け、24時間ごとのタイムリミットが彼らに迫ります…。

映画『太陽は動かない』感想

世界を股にかける壮大なスケール

『海猿』『MOZU』シリーズのスタッフがさらなるスケール感を目指して制作したのがこの映画『太陽は動かない』。

『エクスペンダブルズ』シリーズなどのハリウッド大作も手掛けた、ブルガリアの「B2Y Productions」が製作チームとして全面参加。

首都ソフィアの市街地を封鎖した派手なカーチェイスや爆破アクションは、日本映画では本来不可能なリアリティを与えています。

さらに、同国内の撮影スタジオでは大掛かりなオープンセットを創り上げ、インドとキューバのアクションシーンや、鷹野とデイビッド・キムが格闘戦を展開する中国の高層ビルの天窓シーンなどが撮影されました。

また鉄道を終日借り切って、実際に走らせながらの撮影も実現!

村松 健太郎

日本ではまず不可能でしょう。

藤原竜也と竹内涼真が、初共演にして最高のバディに

主役の鷹野を演じるのは『バトルロワイアル』や『DEATH NOTE デスノート』、『カイジ 人生逆転ゲーム』など突飛な設定の世界観の作品に圧倒的な説得力を与えてきた藤原竜也。

『太陽は動かない』

(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

村松 健太郎

本作でも抜群の存在感で、物語を引っ張ります。

そのバディ・田岡を演じるのが竹内涼真。

『テセウスの船』や、『君と世界が終わる日に』などで硬軟自在な演技を見せていますが、本作でも軽さと心臓の爆弾に怯える弱さを交互に演じて切り、キャラクターに深みを与えました。

『太陽は動かない』

(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

村松 健太郎

さすがは仮面ライダー出身と思わせるアクションシーンは、藤原竜也と並んでも見劣りがしないものになっています。

二転三転するストーリーと、24時間ごとに迫るタイムリミットの緊迫感

鷹野(藤原竜也)と田岡(竹内涼真)に課せられた任務は、過去最大にして最悪の任務。

『太陽は動かない』

(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

これまで完璧に仕事をこなしてきた鷹野にとっても、命がけの任務となります。

さらに、まだ経験が浅い田岡にとっては自分の任務、生き方に疑問を投げかけるほどの任務です。

多くの情報を集め、状況を把握し続けてきた司令塔の風間(佐藤浩市)を持ってしても、不明な出来事が続発。

『太陽は動かない』

(C)吉田修一/幻冬舎 (C)2020「太陽は動かない」製作委員会

結果、手足となって動くエージェントには、混乱と命の危機が訪れます。

村松 健太郎

「二転三転する展開」に加えて、「24時間ごとに訪れる爆弾のタイムリミット」がエージェントの危機感、それを見る我々の心理をも追い込んでいきます。

映画『太陽は動かない』あらすじ・感想まとめ

ここまで映画『太陽は動かない』をネタバレなしでレビューしました。

要点まとめ
  • 突飛な設定に文句なしの説得力を与える主演・藤原竜也の存在感
  • 竹内涼真、佐藤浩市、市原隼人、ハン・ヒョジュ、ビョン・ヨンハンなどの、物語内で有機的に機能する共演陣
  • ブルガリアを筆頭に、各地で撮影されたことで得られた、邦画では珍しいスケール感
  • 藤原竜也と竹内涼真の数か月のトレーニングを経て、ノンスタントで描かれる迫力満点のアクションシーン