『イエスタデイをうたって』第4話あらすじ・ネタバレ感想!俺は兄貴の模造品じゃない…切ない弟の叫びに心震える!

『イエスタデイをうたって』第4話

出典:『イエスタデイをうたって』公式ページ

不安と逡巡…すべきことを先延ばしにしてきた大人がドキッとさせられるアニメ『イエスタデイをうたって』第4話のタイトルは「川は流れて榀子帰郷」。

亡き想い人を引きずったまま榀子が金沢へ帰省。

彼の遺品を手に取って溢れ出した思い出の先に見たものとは?

終われない恋の切なさと、1人の青年の成長の眩しさとが堪能できるストーリー。

悩んでた思春期が懐かしくなっちゃいます!

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『イエスタデイをうたって』前回第3話のあらすじと振り返り

「カップルで怪獣映画見る、変な奴らになろう!」

ダメ元で映画に誘ったハル。

思いがけず、リクオが快諾!

ピョンピョン飛び跳ねちゃうほど嬉しい約束の日。

お洒落をしたハルは映画館の前で待ち続けますが、待ち合わせから3時間経ってもリクオは現れず…電話しても応答なし。

何かあったんじゃないかと心配したハルは、雨に濡れながらリクオのアパートまで向かい、留守の彼を待ちます。

昨晩、リクオは風邪をひいた片想い相手の榀子を徹夜で看病し爆睡…ハルとの約束に寝坊してしまったのでした。

アパートの階段にポツンと座るハルに、リクオは「榀子の家にいた」と告げます。

それを知ったハルは傷つき涙し帰っていきます。

苦いまま終わった初デート。

会えないまま1週間経った頃、道を歩くリクオに聞こえてきた「約束ぐらい守れー!」というハルの叫ぶ声。

咄嗟にリクオはハルの声のする方へ走り出します。

奇跡的に会えたリクオとハル…ハルは嬉しそうに新たに自己紹介から2人の関係をはじめます。

【ネタバレ】『イエスタデイをうたって』第4話あらすじ・感想

東京の美術予備校に通いはじめた浪。絵を描きはじめた切ない理由とは?

「そこまで!時間内に絵を仕上げるのも必須技能だ!」

終了アラームが鳴ると、講師の居沢が言います。

足早にランチに向かう生徒たち。

その波に乗れず、まだ白の面積多めのキャンバスをただ見つめてポツンと1人座ったままの浪がいます。

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ここは美大を目指す浪が通う美術予備校。

同級生の滝下克美が「どうした?」と浪に声をかけます。

「みんなずりい。鉛筆デッサンなのにいきなり刷毛塗ってる奴いるし、鉛筆以外の知らねぇ道具使ってんじゃん。美術部とはレベルが違うっつうか…現役生もみんな上手すぎ!」

大量のため息混じりで浪が愚痴ります。

「技術的なことね…奇抜なことすると受験落とされるけど、それぞれ“小ワザ”は持ってる。みんな最初は上手くなりたくて必死なんだ。上手いだけの絵なら1年真面目に取り組めば描けるようになるよ。」

達観している滝下は「ある程度描けるようになると他の人たちと同じ絵を描いているようでつまらない」と話します。

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滝下の放つ言葉はとても奥深く考えさせられます。浪が絵の道に進もうとするのにはある切実な理由が…これがまた切ないんです。

浪がなんで絵を描いているのか…小学校2年のとき、学校の授業で描いた風景画が県のコンクールで金賞を獲ったことがありました。

それ以来、浪は学校生活において“絵の上手い奴”というキャラクターになりました。

「浪くん、絵上手。湧くんは苦手なのに。」

中学生の榀子に褒められた浪が嬉しそうにします。

<唯一絵は兄貴に勝てるもの。出来が良くて体の弱い兄はいつも周囲の人間の中心だった。絵を描いてさえいれば…兄貴より一歩劣る俺をみんなが認めてくれた。>

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兄に対する憧れとコンプレックス…浪の心情が言葉の中に詰まっています。

亡くなった想い人・湧の面影を弟の浪に重ねる榀子

榀子は予備校から帰宅した浪に夕飯を作ってくれていました。

キッチンで料理を温め直す榀子を手伝おうと浪が榀子の横へ。

すると「浪くん、背伸びた!」と今度は榀子が嬉しそうに浪を覗き込みます。

一瞬、榀子の近さに驚いた浪でしたが「育ちざかりですから!」と照れ笑い…すごくいい雰囲気だったのですが、榀子のひと言で少し空気が変わります。

「湧くんが170cmくらいだったから、もうすぐ追い越しちゃうね…」

ちょっと寂しそうに榀子が言うと、浪は何も言えなくなってしまいました。

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榀子の心の中に大きな割合で未だ存在し続けている兄・湧。実感しちゃうような言葉を言われると榀子を好きな浪にとっては辛い。

「いつも遅いんだって?おじさんから浪くんが何の予備校行ってるか聞いちゃった。」

美味しそうに食べる浪を見ながら榀子が言います。

浪は「本気っぽくって恥ずかしい」と、美大を目指していることを榀子に内緒にしていました。

「お盆休み。私は実家に帰るんだけど、浪くんは?」と榀子に聞かれ、「講習があるから帰らない」と浪。

ふと榀子が皿洗いをしながら話す浪の横顔をじっと眺めます。

「ん?どうした?」

「今の物言いが湧くんと似てるなって。兄弟だもん、当たり前か…」

榀子の発言に反応した浪はピタッと手を止めます。

「そうやっていつまでも兄貴の方向いてるつもりなのか?俺は、いつまでも死んだ奴に縛られてる榀子を見たくない…だからって他人の方を向かれるのはもっと辛いんだ。」

浪の切実な想いに、榀子は目を伏せます。

俺は兄貴の模造品じゃない…浪の悲痛な恋の叫びは榀子に届くのか?

「俺は兄貴の模造品じゃない…代わりにはなれないし、完全オリジナルと思ってもらえないのも分かってる。今は俺のやり方で認めてもらえるよう頑張るしかない…だから、ちゃんと見てて!」

心の痛みに顔を歪ませながら苦しそうに浪が言います。

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これを受け、言葉を選びながら榀子が浪を諭す様に話します。

「私たち子供の頃から知っているから、その分お互いを理解している気がするだけなの。たぶんあなたは錯覚してる。浪くんのことは“弟みたいなもの”としか思えないよ。」

「そんなの関係ねぇ!じゃあ、榀子は兄貴のことは錯覚じゃなかった?体の弱い兄貴に同情と愛情を混同してなかったって言いきれんのか?」

さらに苦しそうにしながら浪が言葉を絞り出します。

「言い切れるわ。私だって考えたわ。そんなこと言うの浪くんらしくないよ。」

浪は榀子の指摘にハッとして、悲しい顔をします。

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榀子の想いは錯覚じゃない…この後の金沢帰省で描かれます。

弟とはっきり言われてしまい、もう自分には絵に打ち込んで頑張るしかないという気概を感じる浪。

夏期講習を受け、必死に食らいつこうとします。

でも、同級生たちとの差はそんなに簡単には埋まらず…頭を抱えます。

リクオの働く店に、浪とハルが来店!3人の掛け合いが微笑ましい!

「まいど!MILK HALLです!」

メイド服姿のハルが、美術予備校の講師室に珈琲の出前にやってきます。

この可愛いメイド服、MILK HALL店主の狭山杏子の趣味らしい。

それをハルから聞いた居沢は「アイツ…少女趣味っぽいとこある」と親しげに語ります。

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実は居沢は杏子と高校の同級生で“卒業式でフラれて未だに諦めていない”のだとか。「諦めてないこと杏子には言わないで!」とハルに念押しw

「今後ともご贔屓に!」

イタズラに笑いながらハルが部屋を出ると、居沢に会いに来た浪と特に会話もなくすれ違います。

その日の帰り道、未だ他の予備校生との歴然とした実力不足に喘ぐ浪の足は、自然と“リクオの働くコンビニ”に向かっていました。

ノートを1冊買って「俺は客!愛想よくしろ!」とリクオに高飛車な態度をとります。

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まるで兄に駄々こねる弟のようで微笑ましい!

「青少年…夏休み返上でご苦労なこった。」

「お前のようになりたくないからな!」

生意気な返しにイラッとするリクオ、「事実だろうが!」と絡む浪。

そこへ、ハルがお店にやってきます。

「リクオは榀子先生のこといつも帰りに送ってる…だったら私も送れー!」

「さも当然みたいに言うな!何でお前を送らにゃいかんのだ?」

ハルとリクオのやりとりを聞いていた浪は、怪訝な顔をして「マジ…お前らそういう関係!?保険かけてんの?榀子に言いつけてやろ!」とリクオを脅します。

リクオは「断じてこれは違う!」と焦り出し…この会話で“浪がリクオの恋敵”と察したハルは「君がリクオのライバルだったのか…」と浪に言います。

「は?ライバルじゃねーし!!」

リクオと浪の声がユニゾンしますw

浪が気づいた“榀子が金沢を離れて東京に就職した”本当の訳!

バイトの先輩・木ノ下にバックヤードに連れていかれたリクオ。

仕方なくハルは浪に送ってもらいます。

浪は歩きながら、ハルが十泉高中退した話を初めて聞きます。

「チェッ…榀子先生モテモテ。報われないハルちゃんとの違いは何?これはマジメに調査する必要があるかもしれませんぞ。」

ハルが明るくこれからの恋愛課題を語ります。

「俺は全然相手にされてない。悔しいけどな…」

浪が満天の星空を見上げながら切な気な表情を浮かべます。

バシッと大きな音をさせ、浪の背中を叩いたハルが「頑張ってよ!私のためにも!」と激励します。

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ちょっと荒いけどハルなりの優しさ…伝わります。

「あんな奴のどこがいい?」と聞く浪に、笑顔で「さぁ?」と明言を避けるハル。

ハルが「送ってくれてありがとー!」と浪の傍を離れると、カンスケがハルの肩に飛んできます。

突然のカラスの出現に驚いた浪は呆然!

「変な奴!」と呟くのでした。

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ハルに出会った男子の第一印象は「変な奴」なんですよねw

お盆休み、榀子は帰省前に浪のためにカレーを作って書き置きを残していきます。

弟宣言以来、榀子は家には来ていませんでした。

<盆明けたら何事もなかったかのようにまた顔を出すんだろうな。榀子は俺の性格をよく知ってる…お陰で俺は“ごめんなさい”や“ありがとう”が素直に言えないガキのままだ…>

本当はキツい言葉を放ってしまったことを謝りたいと思っている浪の心の声が聞こえます。

東京に来て浪は気づきます…榀子が金沢から離れて東京で就職したのは湧を忘れようとしてだと思っていましたが、実際は金沢で湧がいない日常が当たり前になることから目を逸らしたかったのだということを。

錯覚じゃない…遺品に触れ、榀子の大切な湧との思い出が蘇る!

<兄貴が死んだ現実から逃れるため、兄貴を忘れたくないから…そんな榀子が自分から金沢に帰って行った。結局、榀子自身の問題なんだ…>

どうしようもできない浪のもどかしい想いが語られます。

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その頃、帰省した榀子も辛い現実に直面しようとしていました。

榀子は金沢で、浪の父から「来年からこの家を他人に貸そうと思っている」と聞かされます。

そして、湧の遺品が入った箱を見せられます。

「何かきっかけがないと、僕も榀子ちゃんも前に進めないと思ってね。もう忘れていいんだ。こうしてたまに帰ってきて、思い出して…それでいいんだ。」

榀子は何も言わず遺品を愛おしそうに手に取り、数学の教科書に描かれた落書きを見てふっと笑います。

次に使いかけの消しゴムを持った榀子、湧との思い出が浮かんできます。

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それは湧の生前、学校の試験の日のこと…

消しゴムを忘れた榀子が困っていると、後ろの席にいた湧が気づいて榀子に消しゴムを投げてくれます。

榀子が振り返ると、湧が抑えめのピースサインをしています。

あの時の消しゴム…カバーを外すと“バカ”と書いてありました。

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湧の行動にキュンとします…確かに榀子は湧のことが錯覚じゃなく好きだったことが分かる描写。

真っ暗になった湧の部屋で、ただただその消しゴムを見つめる榀子。

そこへ咲いているはずもない桜の花びらが消しゴムの上に舞ってきます。

振り向くと、庭の桜が満開でそこに学ラン姿の湧の姿!

すっかり時間を遡った制服姿の榀子が嬉しそうに近づいていきます。

すると、湧は何かを言って榀子に背を向けて行ってしまいました。

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あのとき、去り際の湧は「バカ」と言ったのか…「じゃあな」と言ったのか…

消しゴムに、今度は榀子の流す大粒の涙が降ります。

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榀子の葛藤が目に見えた瞬間でした。

青少年から大人へ…悩みぬいた末に浪が魅せた大人への1歩

「一度フラれたぐらいで諦められっか!」

東京に残された浪は決意して奮起します。

でも、現実はそう上手くは行かず…予備校では相変わらずの劣等生。

滝下が「技術的な事は置いておいて、早川くんの絵は面白いと思う。どうして美大に行きたいの?」と聞いてきます。

「他に取り柄がないからさ。」

「僕もだよ。僕は大学は絵が上手っていうアイデンティティーの“1つのゴール”として考えているんだ。大体、絵なんて他人から教わるものじゃない。知識や技術で描かれた絵をいい絵と言うなら…いい絵もつまらない絵も関係なく、僕は書き続けるしか無い。なぜなら絵を描くことが好きだからね。早川くんもだろ?」

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この滝下の高校生とは思えない哲学的な発言…凄い!

“絵を描くことが好き”、そして“榀子を好き”。

悩み抜いて大切なものに気づいた浪、原点回帰します。

<不安と逡巡。本気になってようやく人生の入り口に立った気がした…なんてな。>

立ち上がって、また絵を描きに向かうちょっとたくましい表情になった浪がいました。

『イエスタデイをうたって』第4話まとめ

湧を忘れまいと昨日をずっと生きてしまっている榀子に引きずられる浪…この2人のどうしようもない想いに泣きました。

エンディングに流れた主題歌「籠の中に鳥」の“どうしたら笑って昨日をうたってられるのでしょうか”というフレーズが、今日はいつもより心に響きました。

浪がこの1話で幾重にも成長…ライバルが手強くなってしまったリクオ、大丈夫でしょうか。

レベル高き恋の行く末が、さらに楽しみになってきました!

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