今作は「るろうに剣心」シリーズの最終章でありながら、剣心がなぜ、るろうにになったかが語られる、「るろうに剣心」始まりの作品である。
旧幕府の志士だった剣心は新選組などを相手取りながら新しい平和な世界を望んでいた。
そんな時美しい女性、巴と出会い、共に時を暮らすようになる。2人は徐々に惹かれあっていくが、その結末は悲劇に満ちているのだった。
それではさっそく『るろうに剣心 最終章 The Beginning』のネタバレありでレビューしていきます!
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目次
【ネタバレ】映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』あらすじ・感想
剣心、志士の時代。華麗に妙技を披露!
時は幕末。旧幕府の志士と幕府側の人間が血で血を洗う戦いをしていた頃の話。人斬り抜刀斎という志士を捕まえたととある屋敷で人が集まっていた。
その中心には椅子に縛り付けられた剣心。剣心が抜刀斎なのか判断がつかないと話し合いがされる中、剣心は椅子に縛られたまま周りの男たちを巧みに倒していく。
剣を口で咥えたり、敵の攻撃を利用して手の縄を切ったりして、華麗に立ち振る舞い、最後には殲滅してしまった。
後にそこへ新撰組が入ったときにはもう剣心は去った後だった。ただ死体が転がり、その鮮やかな切り口を見て新撰組の沖田総司は「これは人斬り抜刀斎の仕業だ」と斎藤一に報告する。
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剣心、最愛の女性巴と出会う
そんな事件が起こる前、剣心は奇兵隊に入っていた。
剣心は稽古場でその腕前を披露し、桂という志士のリーダーに目をつけられ、今後は桂の指示に従うことになる。
その後は志士を匿う宿屋で暮らす剣心。
そこで巴という美女が宿屋で酒を飲みにくる。そこで酔っ払った志士が巴に絡んでくる。
剣心はそれを仲裁する。しかし恥をかかされた志士が剣心を逆恨みし闇討ちしようとする。
そんなことは剣心にはお見通しだったが、驚いた巴はその場で倒れてしまう。
剣心は巴を放っておくことができず、宿屋で休ませることにする。
目が覚めると巴は宿で働いていた。剣心は驚きつつ状況を飲み込む。
その後、剣心と巴は少しずつ距離を縮めていった。そんな時、池田屋が新撰組の襲撃に遭う。
剣心も向かおうとするが、現れた沖田総司に足止めされて池田屋に助太刀できなかった。
しかし桂は無事逃げ果せたと連絡が入る。
そして志士たちが使っている宿屋も新撰組に気づかれているようだから、じきに引き払うことになる。
そんな中、桂から剣心と巴は今日から離れた場所でしばらく身を隠すことを命じられた。
桂自身もしばらく身を隠すらしい。
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巴と剣心の愛に満ちた共同生活に影
そうして剣心と巴の共同生活は始まる。
慣れない土いじりをしながら2人は平和に暮らしていき、季節はいつの間にか冬になっていた。
剣心にとって巴は大事な人になっており、巴もまた剣心に心を寄せていた。
そんなとき、巴の元に弟の縁がやってくる。弟は闇乃武の使いとなり、争いごとに手を貸していた。
巴はそれを聞いて闇乃武の元へ行く。そんな巴がいないとき、桂の使者が剣心の元へやってきた。
その使者曰く、今まで志士の溜まり場などがバレていたのは巴がスパイだったからだというもの。
剣心はそれに対して大きなショックを受ける。
使者は日記を見れば一目瞭然だ、といい、剣心に巴に指示を出している闇乃武という組織のトップ、辰巳の殲滅を命令した。その頃巴は辰巳に縁を巻き込んだことを責め立てていた。
辰巳にとってそんなことは意にも返さない様子である。
巴が剣心と共にし、巴自身が剣心の弱みに鳴ることが辰巳の目的であった。
それを聞いて激怒する巴。
本来、巴は幼馴染で結婚する予定だった人を剣心に殺され、辰巳と協力して剣心に復讐することを目的に行動していたのだが、剣心に情が移った巴は縁を利用したことも含め、辰巳に怒りを向ける。
剣心を殺させないために小刀を辰巳に向ける巴。
しかしそんなことでは辰巳に歯が立たなかった。
そして辰巳は剣心を殺すために外に向かう。
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けれど巴の方も仇の剣心の側に居続けて複雑なものだったでしょう。
今までにないほどの満身創痍の剣心、迎える結末は?
剣心は巴に裏切られたことで心がボロボロになっていた。
そこに次々に闇乃武の刺客がやってくる。
忍術のようなたくさんの罠を仕掛けて命を捨てる覚悟で挑んでくる刺客に、剣心も苦戦する。
さらに刺客は爆薬を使って爆発したことで健診は耳が聞こえなくなってしまう。
さらに閃光弾でめも見えなくさせられてしまった。
それでも刺客を倒していく剣心だが、そんな彼の前に辰巳が現れる。
満身創痍の剣心では辰巳に攻撃することもできない。
やられてしまうと思いきや、そこに巴が現れて、辰巳が剣心にトドメを刺そうとする構えを抱きついて止めた。
そこで剣心は隙ができたと感じ、巴がいるとわからず巴ごと辰巳を切ってしまう。気づいたときには巴は虫の息だった。
巴は剣心の頬に小刀で傷をつけながら「ごめんなさい、あなた」と言って静かに息を引き取る。
それから日がたち、桂が剣心の家に来てスパイは別の人間だったことを知らせる。
そして剣心は桂に世界が変わるまで剣を振るい、その先ではもう人は切らないと告げた。そして桂が帰った後、部屋で綺麗に寝かせられた巴のそばで、剣心は巴の日記を読む。
巴の日記には幼馴染への恋心やそれを殺した剣心への恨みと共に、徐々に剣心に心を寄せていったことが書かれていた。
剣心はその日記を持ち、家を焼き払い、人斬り抜刀斎としてさらに生きることを決める。
そして鳥羽伏見の戦いで志士と新撰組が激しい戦いをした後、幕府側の勝利が決まった。
すると生き残った剣心は持っていた刀を地面に突き刺し、戦場をさっていく。
その後剣心は行方不明で、その姿を見るのは10年後のこととなった。
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仇の側で居続けた忍耐強さ、仇を愛した情の深さ、それは巴だけがわかるものでしょう。
映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
剣心は最悪な形で巴と別れてしまいますが、この物語には悪役はいません。
剣心はおそらく自分を責めているでしょうが、剣心も悪くないのです。
戦争ということは誰が正義で誰が悪かなんてなく、ただ戦いがあるだけです。
その中で愛を貫いた巴は美しいと思いますし、剣心が戦いの歴史の終わりを望んだのも無理はありません。
この経緯を踏まえて初めからこのシリーズを見たら剣心への見方がだいぶ変わるでしょうね。また見たくなりました!