ドラマ『ここは今から倫理です。』第6話あらすじ・ネタバレ感想!無口な青年と母に従う青年。言葉が持つ力とは?

ドラマ『ここは今から倫理です。』第6話

出典:『ここは今から倫理です。』公式ページ

成績優秀でスポーツ万能、一見なんの問題もないように見える生徒・曽我涼馬(犬飼直紀)はまったく喋らない。

そのことで先生たちは頭を抱えるのですが、高柳(山田裕貴)だけはこれに関与しようとはしません。

他の先生たちから非難を受けますが、今の高柳の中には自分は生徒たちに必要がないというふうに思う感情も…。

そして、図書館で一人受験勉強に励む生徒・田村創(杉田雷麟)は、今は母のためにと毎日勉強をするが、受験に関係ない勉強はしたくないと言います。

言葉の持つ力、勉強の喜び、高柳は今日も彼らに倫理の視点から語り掛けます。

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ドラマ『ここは今から倫理です。』前回第5話のあらすじと振り返り

親や周囲からのストレスと、自身が生きている快感を得るためにリストカットを辞めることができない高崎由梨は、ある日倫理の授業中に切ってしまおうと考えだしてしまいます。

これに気づいたのが、都幾川幸人(板垣李光人)。

家庭内暴力の影響により愛着障害となってしまった彼は、高柳(山田裕貴)など一部の気を許した人としか交流をせず、当たり前のように密着をしたりするのです。

都幾川のおかげで高柳は腕を切ることを辞めることができたのですが、都幾川自身は高柳に腕を組むことを拒絶されてパニックを起こしたり、人間不信になってしまったり…。

倫理の授業で彼らに語り掛けてきたつもりだった高柳は、恩師の言葉を思い出しながらも自分には誰も救えないと嘆きます。

【ネタバレ】ドラマ『ここは今から倫理です。』第6話あらすじ・感想

報われない…

夏がもう終わろうとしているのに蝉がミンミンと鳴く秋のこと。

喫煙所へとやって来た高柳(山田裕貴)は、他の先生たちから「リスカ事件で大変だったな」と言われます。

「生徒の抱える悩みには誠心誠意向き合うべきなんだけどもなぁ」と他の教師から同情の言葉をもらう高柳。

すると彼はふと「ギュッとして」と言った都幾川(板垣李光人)のことを思い出し、「報われない…」と言葉をこぼすのでした。

KAMUI

ほぼ1話完結で来ていたのですが、どうも引きずっていますね。

言葉を発しない生徒・曽我涼馬(犬飼直紀)に、高柳(山田裕貴)はそっと寄り添う

曽我涼馬(犬飼直紀)という一人の生徒は、成績が良く、スポーツもできる。

友達が全くいないわけでもなく、なんとなくグループにスッといるような生徒。

しかし、全くと言っていいほど喋らず、授業中に当てられても答えません。

家では口少ないが喋るという情報はあるものの、学校では彼の声を聞いたものがいないというほどに無口。

教師たちが頭を抱え、何とかして喋れるようにしてやりたいと言います。

彼がそれを求めていない限り何もしないと言い、高柳はこの手には乗りません。

それはただのお節介であると意見をするも、「無理矢理介入して問題点をあぶり出すべき」だと言い返され、言葉を受け入れて貰うことはできませんでした。

何もしないと言いつつも、曽我のことを気にかけるようになった高柳。

すれ違えば会釈くらいはされ、熱中症で曽我がぐったりしているのではと心配して声をかけたことがきっかけで、高柳はもっと曽我の心に触れようと思うようになるのです。

KAMUI

結局、寝ていただけという…BGMも危機感を覚えるような曲を流すからこちらもドキッとしましたよ。

高柳(山田裕貴)は気づきたい

曽我になんて声をかけたらいいのか悩み続ける高柳。

そんな彼の様子を見て、いち子(茅島みずき)は積極的に話しかけます。

しかし、何を話しても上の空の高柳。

「ねえ先生、ちゃんと私の話聞いてる?」と言い、お菓子を差し出して去っていくのでした。

いち子に気を使わせてしまったことに気づいた高柳は、ライスサンドを食べる曽我に対し「本当に心から辛い時だけでいいから、その時だけは声を上げてほしいです」「気づきたい…私は、気づきたいんです。」と胸の内を訴えます。

もちろん曽我は何も言葉を返しませんが、高柳は今はそれでいいとほほ笑むのでした。

受験勉強以外の勉強をしたくない田村(杉田雷麟)に、高柳は勉強の面白さを伝える

高柳が図書館を訪れると、必死に勉強をする田村(杉田雷麟)の姿が。

親からのLINEでは「志望校は関東工科大学にしなさい」と言われ、赤本をやりこみます。

疲れているなら休みなさいと高柳に言われますが、自分を大学に行かせるために必死に働いて費用を工面してくれようとしている母のことを考えると休むことはできません。

「勉強は好きですか?」

「別に」

「じゃあ田村くんはどうして勉強をするんですか?」

先生だって勉強をするために図書館に来たのでは?と田村は言いますが、高柳が見ているのは「にぎらず弁当」のレシピ本。

今は受験に関係する勉強以外に触れたくないという田村からすれば驚きの本です。

ライスサンドなど、握らないおにぎりのお弁当についてのレシピが書かれた本だと説明する高柳ですが、詳しくは本を読んでくださいと言ってすべてを話してはくれません。

「勉強は本来すごく楽しいこと。図書館にはその楽しさが詰まっている」と高柳に言われるも、受験に必死なため、楽しむ余裕など今の田村にはありません。

努力を諦めず、母のことも大事にする田村を偉いと褒める高柳。

そして、彼はこの生徒にエリック・ホッファーの言葉を伝えます。

「他者への没頭は、それが支援であれ妨害であれ、愛情であれ憎悪であれ、つまるところ自分からの逃避の一手段である」

「大学へ行ったら、あなたは自分のための勉強をしてくれますか?あなたはとても立派な人です。そんな自分を一番に愛して、自分のために生きてくださいね。」

倫理の教師として、高柳は田村にそう伝え帰っていくのでした。

KAMUI

うわぁ、この言葉よくわかります。ワーカーホリックになっている自分もこれな気がして、自分を大事にしていないと気づかされます。そして限界を突破して倒れちゃって…自分を大事にしないといけませんね。

曽我(犬養直紀)と共に無言の食事をする高柳(山田裕貴)

曽我が1人お弁当を食べているところにやって来た高柳。

隣りでお弁当を広げると、彼は曽我と同じライスサンド、握らないおにぎりのお弁当を堪能します。

曽我もこれに気づきますが話しかけることはせず、黙々とお弁当を食べます。

無言の時間が続く中、高柳がそっと口を開きます。

「無言の食事も悪くないですね」

そして高柳は、自分達は言葉の力を信じすぎているのかもしれないと曽我に語り掛けます。

「どれだけ語り合っても、我々はお互いの言葉が通じ合うという幻想を抱いているに過ぎない。そして曽我は言葉の力に慎重。だからこそ言葉を発しないという決断をし、この世界と誠実に向き合おうとしているのだろう」と高柳は自身の見解を語ります。

「こんなことを言葉で語る行為もナンセンスかもしれない。しかし、人は他人と同じになるために厳しい自己放棄によって自身の4分の3を捨てないといけない」というショーペンハウアーの言葉を語ります。

その考え方からすると、曽我が捨てているのは4分の2なのでしょう。

高柳が自身の考えを言い切ると、「2分の1…」と曽我が口を開きました。

初めて言葉を発してくれたことに喜びを感じて笑顔を見せる高柳は「無言の食事も悪くないですね。私たちは、言葉の力を信じすぎているのかもしれない。どれだけ語り合っても、お互いの想いが通じ合うという幻想を抱いている。曽我君は言葉の力に慎重。だからこそ、言葉を発しないという決断をして、この世界と誠実に向き合おうとしている」と言います。

「約分しない方が伝わりやすいと思ったんですよ」と、言葉を返します。

それ以上、曽我から言葉が返ってくることはありませんでした。

しかし、彼は去り際に高柳にお菓子を渡し、構内へと帰っていくのでした。

曽我(犬養直紀)と共に無言の食事をする高柳(山田裕貴)

田村は色々な大学の資料を集め始めるのですが、明京大と書かれたパンフレットだけが見つからずに困っています。

すると、後ろにいた曽我がそのパンフレットを見せてきます。

曽我からパンフレットを手渡される田村。

「ねえ曽我君、大学行ったら何を勉強したい?」

曽我はただニッコリと笑うだけ。

KAMUI

静かだけれど、言葉は少ないけれど、きちんと語り合えているこの空間、素敵だと思います。

ドラマ『ここは今から倫理です。』第6話あらすじ・ネタバレ感想まとめ

曽我が語らないことで、我々が言葉の力に頼りすぎているという見解に辿り着いたのは、第5話の答えに一つ繋がっているのかなぁという気もします。

私個人も、言葉選びに慎重になりすぎるがゆえに無言で過ごすことが多々。

色々な考えを巡らせつつ、これを言って大丈夫だろうかと慎重になる気持ちがよくわかります。

勉強は何のためにあるのか、社会人になってから求める情報が出てきてようやく勉強が楽しいものだと分かりますが、学生じゃ難しいと思うかもしれませんよね。

受験というプレッシャーに押し寄せられたら、さらに思うもの。

実に面白い回だったと思います。

『ここは今から倫理です。』もあと2回。どんな言葉が待っているのでしょう。

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