半グレたちと交流がある兄・カイト(山科圭太)に言われて、使いっぱしりをしてきた近藤陸(川野快晴)は、ある日を境に学校に来なくなってしまいました。
間(渡邉蒼)や山野亮太(浦上晟周)からこのことを聞いた高柳(山田裕貴)は、ある男のことを思い出し学校を飛び出していきます。
一方、ジュダ(成河)と呼ばれるその男は、陸を助けるますが、そのまま軟禁してしまいました。
陸の絶体絶命のピンチに、高柳が飛び込んできて…。
これまで過去が見えてこなかった高柳。
そんな彼の過去の一部が、明らかになります。
2人の倫理論争も必見です。
目次
『ここは今から倫理です。』前回第3話のあらすじと振り返り
文化祭の準備で学校が盛り上がっている時、物理学教師・松田(田村健太郎)は、嫌われ者の自分に積極的に声をかけ、距離を縮めてくる深川時代(池田朱那)に恋をしてしまいました。
「教師と生徒との恋は許されるはずもない」と胸に秘めるのですが、高柳(山田裕貴)に一連の出来事を話してしまいます。
すると高柳は「それは愛か、性的欲求のはけ口か?」と松田に聞くのでした。
一方の深川は「大人を困らせて遊ぶこと」に快感を覚えており、その優越感のために松田を誘惑しているに過ぎませんでした。
しかも、過去に高柳に対してセクハラ疑惑をかけてみたものの失敗したために、「今度こそは失敗しない」と息巻くのです。
文化祭が終わり、後夜祭になった時のこと。
深川は松田を物理室に呼び出し、決定的瞬間をとらえようとしますが、高柳の介入により彼女の作戦は失敗。
松田は、自分が深川に寄せている想いが「愛」だと確信して告白するも、儚く散ってしまいます。
高柳は深川が大人を困らわせるのは、彼女の妹が人気者であることからくる劣等感だと分析。
そして、彼女の行動は「自分に注目してほしい」という子供のいたずらに過ぎないと高柳は告げます。
深川は高柳の分析を否定するも、その目には涙を浮かべていました。
自分は妹よりもブスだと言う深川は、「君は美しい」と松田に言われながら、その場を去っていくのでした。
【ネタバレ】『ここは今から倫理です。』第4話あらすじ・感想
行方不明の生徒・近藤陸(川野快晴)の複雑な家庭環境に半グレの兄の存在が…
「人は不快さよりも心地よさを求める。快楽の傾向を求める」とカントの言葉を元に説明する高柳(山田裕貴)。
授業が終わると、間(渡邉蒼)と山野(浦上晟周)がとある相談を持ち掛けてきます。
同じく倫理の授業を受けているはずの近藤陸(川野快晴)が学校に来ないとのこと。
陸は二人とは仲良しなのですが、全く連絡が通じないというのです。
「教師たちからも、何か知らないかと聞かれて困っている」と話す2人。
その会話を聞いたいち子(茅島みずき)は「兄貴絡みじゃない?」と言います。
陸に半グレの兄がいるという話を聞いた高柳は「思い当たることがある」と言い、学校を飛び出していくのでした。
KAMUI
高柳(山田裕貴)とジュダ(河成)の近藤陸(川野快晴)を巡る倫理論争が勃発
兄・カイト(山科圭太)から「ある人に渡してきてほしい」と煙草を差し出された陸は、「おかしい」と思いながらも兄の頼みを聞いてしまいます。
彼らに言われるままに行動していくうちに、あらゆることがどうでもよくなってしまった陸。
そんなある日、カイトがお金を持って姿を消したことで、陸がチンピラたちに「カイトの居場所を吐け」と暴行されることになってしまいます。
陸はその後、ジュダ(河成)と名乗る男に救われますが、バーに連れ込まれると肉体関係を迫られます。
ジュダから逃げようとしますが「外に出ればまたチンピラたちに捕まるよ」と言われ、陸は軟禁されることに。
ジュダが再び陸を襲おうとした時、彼は陸のポケットに入っていたネクタイを見つけて驚きます。
陸が高柳がいる学校の生徒だと知り、「あっぶねぇ~!」と手を止め、「全部冗談だから!」と言い出すジュダ。
その後、高柳がバーにやってくると、ジュダは鍵を閉めるように言います。
「あの男の言うことは聞いてはいけない」と言って陸を連れ出そうとする高柳に対して、待ったをかけるジュダ。
「先生それはないでしょ。テメェんとこの生徒救ってやったんだけど、これでも一応」
「あんたは今、頭から俺を悪とみなし会話を拒絶した。それ、倫理の先生としていかがなもんかね」
ジュダの言葉で冷静さを取り戻した高柳は、謝罪します。
「自分が普段、どんなところで生きているのか知っているから、そう思うのも無理はない」とジュダは言います。
そして、「陸は、その世界に自分から入って来たんだ」とジュダは続けました。
何が善か悪かもわからず、その場で流されてきてしまった陸。
「近藤君、なぜここにいるんですか?」という高柳の問いに、陸が絞り出した答えは「わかんない」というものでした。
おかしいなと思うタイミングはありましたが、煙草を渡せば筒の中に多額のお金が入っていたのです。
「誰も疑問に対して答えを出してくれない。」
「何故学校に行かないといけないのか、なぜ自分の家に家族がいないのか、なぜ兄の友達が作ってくれるジュースを飲むと次の日頭が痛いのか…」と疑問は浮かびますが、陸はどうでもよくなってしまっていたのです。
「そんな陸を叱るのは違う。その場の悪に流されるのは人間として当然だ」と話すジュダ。
人間の本性は悪だとカントやハンナ・アーレントは言っていると告げ、それがこの世界の真理だと言います。
高柳は、すぐさまジュダの考えを否定しました。
「確かに彼らは人間の本性は悪だと言いますが、容認しているわけではないのです。人が悪を乗り越えるためにどうするかを語っている」と訴えても、ジュダはこの考えを受け入れることはありません。
ジュダはさらに、ハンナ・アーレントのこんな話を出します。
「アイヒマン裁判を分析したハンナ・アーレント。では、アイヒマンとは?元ナチス親衛隊でユダヤ人大虐殺を行った人物。彼はヒトラーに心酔した差別主義者でもなく快楽殺人者でもない。上からの命令に従った従順な人間。命令されただけで人は毒ガスのスイッチも原爆のスイッチも押せる。人は人間の悪性についても追及し、答えも出したが人間は変わらない。今も人間によって人間の命は奪われる。人は悪を克服できない。誰もがアイヒマンになる。それが世界の真理だ」
倫理を熟知している高柳に、こう言うジュダ。
「私は、彼の教師ですので。教師として善の心で接するしかない」
ジュダは、高柳の言葉に「辛いねぇ~」と軽く返します。
高柳は陸に「何があったのか?」と聞きますが、陸は「あんたにはわからない」と答えてくれません。
「高柳には、偽善の仮面がベッタリとついていて理解できないだろう。」
ジュダからそう言われても、高柳はジュダと陸に歩み寄ろうとします。
KAMUI
高柳(山田裕貴)とジュダ(河成)の過去、陸(川野快晴)のこれから…
兄が好きだった陸は「兄はいつも優しかった。家族は兄だけ。そんな兄を失いたくなくて、いつの間にかにジュダの元にいる。どうしたらいいかわからない」と言って、泣きそうな顔で高柳を見つめます。
そんな中、陸はふと携帯を確認しました。
そこには、間と山野からたくさんのメールが届いていました…。
写真や「答えてくれよ」というメールを見た陸は、「学校に行きたい」と涙をこぼします。
すると、ジュダはどこかに電話をかけます。
「カイトの弟に2度と手を出さないで。出したら2度とブツを売らない」と告げるジュダ。
こうして、陸がチンピラたちに追われることはなくなりました。
「正しいことは嫌いだ」と言うジュダ。
続けて、「誰よりも正しくあろうとする高柳が、自分と真正面から話をすることがたまらなく好きだ」と言います。
変なのに絡まれそうになった時は自分の名前を出すよう陸に言いつけ、ジュダは店の扉を開けるのでした。
「じゃあな高柳」
「体には気を付けて、川村君」
「おおい、それ以上言ったら殺すからな」
高柳と陸は店を出ていき、ジュダは背中でその扉を閉めます。
KAMUI
2年前、ジュダに教え子を取られた高柳。
高柳は自殺未遂を起こした生徒の話を何度も聞いていたのですが、その生徒はいつの間にか学校に来なくなり、ジュダの側に行って、そのまま闇の世界に足を踏み入れてしまいます。
時々、彼女の話を聞きにジュダの元へと行っていた高柳。
「悪のおかげで今も彼女は生きている」と聞き、高柳はショックを受けたのです。
そして、高柳は陸に言います。
「近藤君。あなたがもし、この悪を怖いと思い、学校という正しい場所を不快と思わないのならば、2度とこんなことをしないで下さい。ちゃんと考えなさい!自分にとって何が悪か…。」
結局、兄は捕まり、陸は学校へ。
陸は間と山野と共に机を囲んで弁当を食べ、今まで通りの生活を手にするのでした。
KAMUI
『ここは今から倫理です。』第4話あらすじ・ネタバレ感想まとめ
📖ドラマに登場した言葉
今週も倫理の監修 #神戸和佳子 先生に聞きました。第4回、ジュダという不思議な人物が出てきました。
二人がどんな話をしていたのか、もう一度おさらいしてみましょう。https://t.co/LUyV1nPjQ5#NHKここ倫 #ここは今から倫理です。#山田裕貴 #成河— NHKよるドラ「ここは今から倫理です。」 (@nhk_rinri) February 6, 2021
原作では前編・後編に別れていたすごーく重くて深い話を、良い具合にすっきりまとめてくれました。
非常に見やすかったです。
人は快楽を求めて悪におちるという、カントの考え方もよくわかります。
食べ続けたら太るし、怠ければ貧乏になるし、良いことないんですよね。
それを理解しつつ、自分がどう生きていくかを考えるべき!
悪に染まっていないかどうか、悪の道に踏み込もうとしていないかどうか、常に自分と向き合い考えていきたいものです。
次週もまたなかなかに重たいお話の様子。
2つの物語を30分に詰め込んでくると考えると、次回も楽しみですね。
▼次回第5話も続けて読む▼