高校教師として赴任してきたゲイで女装家の男・原田のぶお(古田新太)が、生徒や周囲の考え方を、破天荒な行動で変えていく学園ドラマの第1話。
過去、様々な学園ドラマがあり、近年ではLGBTに関連した作品を取り扱うものも増えてきました。
そんな時代に投下されたこの作品、いろんな意味で、かなり面白いです。
さっそく『俺のスカート、どこ行った?』第1話をレビューします。
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目次
『俺のスカート、どこ行った?』第1話あらすじ
新学期を迎えた豪林館学園高校2年3組に新しい担任教師が赴任することになり、明智(永瀬廉)、東条(道枝駿佑)ら2年3組の生徒たちはどんな教師が来るのかと噂していた。
始業式では、その新担任が紹介されるものの、本人が現れない。何が起こるのかと生徒と教師がざわつく中、スカートをはいて女装したおじさんが壇上に上がる。
そのおじさんこそが、2年3組の新しい担任・原田のぶお(古田新太)だった。
原田は、ゲイで女装家。豪林館学園高校校長(いとうせいこう)は、真の多様性を生徒たちだけでなく教師たちにも学んでもらうため、ゲイバーで働いていた原田を教師として迎え入れたのだった。
校長は原田に対して「好きなようにやってみてください」と激励。原田は、初日から遅刻してきた上に、廊下を走ったりと、マイペースを貫く。
数学教師の長井(松下奈緒)や里見(白石麻衣)をはじめ、教師たちの困惑は深まるばかり。
原田は、副担任の田中(桐山漣)とともに、2年3組のホームルームへ。
原田が自己紹介を始めると、からかう生徒たち。東条は原田に「なんでそんなキモイ格好なんですか?」と質問する。
“男が女の格好をしているのがキモイ”と決めつけている東条に原田は「お前程度のチンケな常識でキモイなんて決めつけないでくれない?」と言い、LGBTについて説明するのだった。
生徒たちは、原田に反発。東条と明智は、原田を辞めさせる作戦を企む。
数日後、原田は、校舎の裏で昼食を食べている2年3組の生徒・若林(長尾謙杜)を見かける。
人と接するのが苦手な若林は、常にマスクで顔を隠していた。原田は、若林のマスクを取ろうとする。
その後、若林が学校で騒ぎを起こす。若林は「原田先生を辞めさせろ!」と叫び、校舎の屋上から飛び降りようとする…。果たして、原田は!?
出典:『俺のスカート、どこ行った?』公式ページ
【ネタバレ】『俺のスカート、どこ行った?』第1話の感想
古田新太が演じる強烈なキャラクターは“これでいいのだ”
『俺のスカート、どこ行った?』の主人公・原田のぶお(古田新太)は、ゲイで女装家。
このキャラクターから連想できる性格は、テレビでよく見るオネェの方々同様で、ガンガン前に進んでいくタイプでした。
ドラマの予告でも使われた「恋してやろうか…この野郎」とか、なかなかのパワーワードなので、耳から離れません。
朝登校の際に、スカートが見つからないと、一人娘の糸(片山友希)のモノを勝手に借りていき、あとで大喧嘩を繰り返します。
そんな破天荒で型破りな人を、クラスの生徒はすんなりと受け入れる気はありません。
生徒たちから「ヤバいおっさん」と言われると、「そこらのおっさんと一緒にするな。私はヤバいおっさんよりさらにヤバいオッサンよ」
生徒たちも、どう言葉を返していいかわかりません。
しかも、のぶおに頭を抱えるのは、生徒だけじゃなく、生活指導の長井あゆみ(松下奈緒)や副担任の田中みちる(桐山漣)も同じです。
5分前行動を守らせるためにも、時間になったら校舎の門を閉めることで、のぶおと長井は対立。
田中が廊下を走らないでと言えば、「私が走れば、廊下はパリコレのランウェイになる」と理解できない発言。
結果、廊下を歩く気はないし、「次にあの門閉まってたら壊すからな」という言葉通り、ショベルカーを持ってきて壊し始めます。
さすがにここまでやった教師はいませんし、これは古田新太さんだから許される役だなあと思ってしまいます。
去年、アニメ『天才バカボン』で、バカボンのパパの声をやっていたことがフラッシュバックされると、余計に面白く見ることができました。
ミステリアス?反抗期全開の美人教師(白石麻衣/乃木坂46)が下ネタをサラッという世界
のぶおを取り巻く教師は学園ドラマでいるような真面目に教師をやっています、というタイプが多数出ています。
その中で1人、始業式には居眠りをし、休み時間には保健室で昼寝をする、やる気のない世界史担当の美人教師がいます。
その名は里見萌。演じているのは乃木坂46の白石麻衣さんです。
憧れの教師生活を始められたものの、現実の教師像との違いにギャップを感じ、すっかりやさぐれてしまったらしいのです。
そんな里見先生(あえて先生と付けたい)、のぶおの歓迎会の時、その顔から発するとは思えない下ネタ発言をのぶおにぶつけます。
それ、放送禁止用語じゃないんですか?
そんなの台本に入れていいんですか?
というか、そのセリフをよくトップアイドルに言わせましたね!
そして白石麻衣さんもよく言いましたよね!
周囲の先生たちも大慌てですが、見ているこっちも唖然としましたよ。
規制が厳しくなったと聞いていましたが、ずいぶんと自由な世の中になったのだなぁと、明後日の方角に向かって思いました。
原田流、飛び降り自殺しようとする生徒の止め方は「よし飛べ」
学園ドラマの定番は、不良生徒、いじめられっ子の存在があり、いじめられっ子は不良生徒に言われて何かやらされるパターンです。
今回の場合だと、常にマスクをつけて自分の表情を隠す若林優馬(長尾謙杜)は、明智秀一(永瀬廉)や東条正義(道枝駿佑)に言われ、のぶおが学校をやめないと校舎から飛び降りて死ぬと言い出します。
これに対して、のぶおはどうせそんな度胸はないと踏み、校舎の屋上へと行きます。
「あんたが飛び降りたら私はクビになる。あんたそれで嬉しいの?」というと、頷くしかなく、じゃあ飛べばと……。
まあ飛び降りるのは脅しにしかならないと、誰でもわかります。
それでも止めるのが教師じゃないのかと思いますが、そこは今回のドラマが新しいということですよ。
世の中顔で得する人もいれば損をする人もいます。
でも、マスクして顔を隠してたら、そのスタート地点にも立てないのです。だから得してる人ばかり見るな、損をしてる人も見ろ。
そういって、若林をなだめました。…なだめたのでしょうか?
問題が解決したかのように思えた次の瞬間。よし、わかったなら「飛べ」。
さすがに唖然としました。
のぶおは下に降りて、黒い布をそこにいるクラスメイトや教師を集めて広げ、そこに飛び降りろと言ったのです。
これに対して長井は「何を考えているんだ」と言うと「じゃあこの布たたむ?」と反論。さすがに言い返せません。
思い切ってやってみろ、着地を手伝わないでこの光景を撮影している明智や東条に向かってVサインでもしてやれ!
そういわれて飛び降り、無事に着地をした若林は、一皮むけたような感じでした。
見ていて清々しかったです。
『俺のスカート、どこ行った?』第1話まとめ
原田のぶおの型破りな言動は、前に進めずにただ立ち止まっている人たちの心を動かすことができるんじゃないでしょうか?
若林に対しても、もう一回死んだようなもんなんだから、思いっきりやりなさいと、のぶおは言います。
そう、周りの目を気にしたり、リスクを気にしたり、自分を卑下して何もしないよりも、思い切って自分の思うがままに生きることを教えてくれた今回。
しかも、相手が学校であっても関係ない!というその姿勢が魅力的です。
こんなクレイジーな女装家先生が、次回はどんなことをやらかすのか、今から楽しみです。
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