「ひとりだけれど、ひとりじゃない。」
桃子さんが辿り着いた賑やかな孤独とは?75歳、桃子さんのあたらしい”進化”の物語。
75歳でひとり暮らしをしている主人公“桃子さん”役には映画『いつか読書する日』以来15年ぶりに映画主演を務める田中裕子。
そして桃子さんの「娘の時代」「妻の時代」を蒼井優が二人一役で務めます。
メガホンをとるのは『南極料理人』『横道世之介』『モリのいる場所』などを手掛け、数々の国内外の映画賞を受賞してきた沖田修一監督。
東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎ら豪華俳優陣も集結し、可憐でたくましい桃子さんの日常を描きます。
本日公開初日を迎え、およそ6年半ぶりの映画舞台挨拶登壇となり、15年ぶりに映画主演を務めた田中裕子を筆頭に、沖田組初参加の蒼井優、田中演じる主人公の心の声を演じた濱田岳、青木崇高、そして監督の沖田修一が登壇いたしました。
『おらおらでひとりいぐも』初日舞台挨拶レポート
日時:11月6日(金)18:30-19:00
会場:TOHOシネマズ日本橋 スクリーン7
登壇者(敬称略):田中裕子、蒼井優、濱田岳、青木崇高、沖田修一監督、MC:奥浜レイラ
田中裕子にとって『いつか読書する日』以来15年ぶりに主演作となった本作。
映画の舞台挨拶参加は、2014年3月公開の『家路』以来約6年半ぶり。初日を迎え、満を持しての登壇となりました。
本作について「この映画は想像を超えてポップです。観終わってちょっとでも弾けてもらえたら幸せです」と柔和な表情を浮かべます。
桃子さんの心の声である”寂しさ“たちを演じた濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎に囲まれての撮影には「沢山の自分自身と出会う中で、目と目を合わせていいものなのか、存在をわかっていいものか難しかったけれど、余計なことをしないよう心掛けました。変だったら監督が言ってくれるだろうと、絶大なる信頼のもと演じました。」と振り返りました。
そんな田中との初仕事に沖田監督は「撮影中から嬉しいというか、ふとした瞬間に“田中裕子さんとお仕事をさせてもらっている”という喜びがあった。田中さん演じる桃子さんが凄くチャーミングで、撮影中もずっと見ていたいと思いました。」と笑顔を見せます。
昭和時代の桃子さん役の蒼井優も「田中さんと同じ役を演じられる機会なんてそうそうないですし、ずっと夢みたいでした!(現場では)自分の家族のこれからと過去を考えながら、こんなに自分の人生と合わせながら撮影をしたのは初めてでした」と噛みしめ、「いい仕事だったと思います」と喜びを語りました。
桃子さんの脳内の声を演じるために田中が撮影中の現場にも行ったが「たまに台詞を言うのを忘れるくらい現場での芝居がとても楽しくて。田中さんの視界に入らないようにこっそりといました(笑)」と撮影の舞台裏についてのエピソードも。
それに対し、田中は「照明さんかな?と思うくらい現場の隅にいらっしゃいましたね」と振り返り柔和な表情を浮かべていました。
桃子さんの心の声である“寂しさ1”役の濱田は「チャレンジングな役だし、僕は桃子さんのペースを乱す役回りでした。でも青木さんや宮藤さんら心強いお兄さん方がいたので、末っ子全開で自由にペースを乱すことを目指しました」と熱演を報告。
そのお兄さんの一人、“寂しさ2”役の青木は先日行われた第33回東京国際映画祭での舞台挨拶を振り返り「英語通訳の方が役名を“ロンリネス2”とめちゃくちゃカッコ良く紹介してくださって。撮影中に自分が“ロンリネス”だと聞いていたら役作りも違った気がする」と会場を笑わせました。
映画の内容にちなんで、日々の小さな楽しみを聞かれた田中は「朝起きて日めくりカレンダーをめくること。今日は大安でした。カレンダーに『一粒万倍日』と書かれていたりすると、いい事をしたら万倍に返ってくるのかなあ?と思って、そんな日は“よし!”と思ったりします」と素朴な素顔を覗かせた一面も。
「育てている植物を愛でる」という蒼井は「新しい花芽ができたりすると嬉しくて、植物と向き合っている時間は本当に楽しい。今の時期はパールアカシア。立派な花芽を付けているので、誇らしいです」と満面の笑み。
濱田は「家に帰って缶ビールを開けること。撮影で残りワンカットの時とかは、頭の中では真っ暗な台所でブ~ンと唸る冷蔵庫が浮かんでいます」とぶっちゃけ。
青木は「小銭貯金」と言うも「最近は銀行の手数料が上がっているので、割に合いません。ショックです」と残念そう。
手数料の高騰に蒼井が「え~?本当ですか?」と疑問を挟むと、青木は「どんどん手数料が上がっている。銀行に預けるのはそろそろやめようかなぁと思っています」と吐露。
一方、沖田監督は「近所の喫茶店のポイントカードを貯めること」と告白。
「50杯くらい飲まないと貯まらないカードで、貯まったとしても200円くらいの割引。でもそれを貯めようと挑戦中です。貯まって嬉しいというよりも“貯める奴もいるんだぞ!なめるなよ!”という反骨心なのかもしれない」と明かした。
最後に主演の田中は「一日でも早く、気兼ねなく映画館で映画が観られる日が来るように。肩をぶつけ合ってコンサートを聞きにいける日が来るように。小さな小屋で息を潜めて芝居を観ることができるように。映画館で久しぶりに映画でも観ようかなと思ってくれる人がいたら『みんなで待っています』と伝えたいです」とこの状況下で映画初日を迎えられたことについて、これから作品を観る観客へ語りかけ、そのひと言ひと言に会場が温かく包まれました。
『おらおらでひとりいぐも』作品情報
原作:若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」(河出文庫)
監督・脚本:沖田修一
出演:田中裕子、蒼井優、東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎、田畑智子、黒田大輔、山中崇、岡山天音、三浦透子、六角精児、大方斐紗子、鷲尾真知子
音楽:鈴木正人
主題歌:ハナレグミ「賑やかな日々」
撮影:近藤龍人
美術:安宅紀史
録音:矢野正人
編集:佐藤崇
VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
アニメーション:四宮義俊
フードスタイリスト:飯島奈美
製作:「おらおらでひとりいぐも」製作委員会
配給:アスミック・エース
公式HP:https://oraora-movie.asmik-ace.co.jp/
公式Twitter:@oraora_movie
あらすじ
1964年、日本中に響き渡るファンファーレに押し出されるように故郷を飛び出し、上京した桃子(田中裕子)さん。
あれから55年。
結婚し子供を育て、夫と2人の平穏な日常になると思っていた矢先…突然夫に先立たれひとり孤独な日々を送ることに。
図書館で本を借り、病院へ行き、46億年の歴史ノートを作る毎日。
しかし、ある時、桃子さんの“心の声=寂しさたち”が、音楽に乗せて内から外へと沸き上がってきた!
孤独の先で新しい世界を見つけた桃子さんの、ささやかで壮大な1年の物語。
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『おらおらでひとりいぐも』は11月6日(金)より絶賛公開中です。
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