芥川賞&文藝賞をW受賞した若竹千佐子のベストセラーを沖田修一監督が待望の映画化!
『おらおらでひとりいぐも』が11月6日(金)より公開となります。
75歳でひとり暮らしをしている主人公“桃子さん”役には映画『いつか読書する日』以来15年ぶりに映画主演を務める田中裕子。
そして桃子さんの「娘の時代」、「妻の時代」を蒼井優が二人一役で務めます。
メガホンをとるのは『南極料理人』『横道世之介』『モリのいる場所』などを手掛け、数々の国内外の映画賞を受賞してきた沖田修一監督。
東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎ら豪華俳優陣も集結し、可憐でたくましい桃子さんの日常を描きます。
「ひとりだけれど、ひとりじゃない。」桃子さんが辿り着いた賑やかな孤独とは?75歳、桃子さんの、あたらしい”進化”の物語。
11月6日の全国公開に先駆け、第25回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」正式出品され、10/27(火)に韓国・釜山の映画の殿堂(釜山シネマセンター)で世界初上映となるワールドプレミアを実施。
上映後には沖田修一監督がリモートで登壇し、およそ50名の観客からの質問に答えました。
沖田監督作が釜山国際映画祭に選出されるのは今回が初めてのこと。
また、現地で本作を鑑賞したばかりの観客の声も到着しました!
『おらおらでひとりいぐも』沖田監督が釜山国際映画祭でワールドプレミア、リモートQA登壇
第25回釜山国際映画祭公式上映リモートQ&Aイベント
実施日時:10月27日(火)15:17-15:47(上映後/日本時間)
現地会場:映画の殿堂(釜山シネマセンター/韓国・釜山)
日本会場:都内スタジオ
登壇者:沖田修一監督
選出部門:第25回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」正式出品
女優の田中裕子が約15年ぶりに主演する映画『おらおらでひとりいぐも』が11月6日(金)に全国公開される。日本時間10月27日(火)には第25回釜山国際映画祭で同作のワールドプレミア上映が行われ、沖田修一監督が東京都内のスタジオからリモートでQ&Aセッションに参加。
コロナウイルス対策のもと人数制限があるものの、発売後およそ1分で完売したプレミアチケットを手にした観客5名と活発なQ&Aを繰り広げました。
監督の後ろには大島依提亜さんデザイン、高橋将貴さん・石黒亜矢子さん・丹地陽子さんが描いたイラストポスターがずらりと並び、リモート登壇を彩りました。
芥川賞&文藝賞W受賞のベストセラーを映画『モリのいる場所』の沖田修一監督が実写映画化。
ひとりだけれど、ひとりじゃない。
孤独の先で圧倒的な自由に辿り着いた75歳・桃子さんの進化の物語を軽妙なタッチで描き出します。
作家・若竹千佐子による同名小説を映画化した理由について沖田監督は「僕にも桃子さんと近い年齢の母親が一人で住んでいることもあり、まるで自分の物語でもあるかのような気がしました」。
映画『モリのいる場所』に続いて高齢者が主演の”シニア映画”だが「結果的に2作続けて高齢者が出てくる映画を作りましたが、自分の中で”老い”が大きなテーマではありません。今回は自分の母親を映画化するような気持ちがありました」と明しました。
『愛より自由だ。』と明言するシニア女性が主人公という点にも韓国の観客は大いに興味を惹かれたようです。
約15年ぶりに主演する田中裕子のキャスティングには「台本書き終えたときに田中さんの名前が挙がり、僕も大好きな女優さんですし、ご一緒したかった。そして田中さんが桃子さんを演じる姿を見たいとも思いました」と満場一致の決定だったといいます。
原作とは違い、桃子さんの心の声=”寂しさ”を擬人化していますが「原作では年齢不詳で性別も不詳。映画化するにあたり桃子さんの心の中の寂しいという気持ちを、女性ではなく異性がやる方が面白いと思いました。桃子さんとかけ離れた年齢と性別の人が演じる方が、原作の雰囲気が出る」と効果的な変更を採用しました。
その”寂しさ”を濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎が演じているが、イメージしたものは『白雪姫』に登場する七人の小人だったとのこと。
「このお三方は僕が大好きな俳優さんであり、彼らが陽気にはしゃぐ演技も面白くなるだろうと感じていました」と配役に自信を持っていました。
桃子さんが地球の歴史に造詣が深いという設定には「桃子さんの独りぼっちの生活が、地球の誕生や宇宙の誕生、太古のマンモスなどの地球の歴史の中の果てにいるという解釈。桃子さんは歴史の中で自分の命の意味を探していて、過去の歴史から自分が今そこにいる意味を探しているのだと僕は理解しています」と狙いを明かしました。
劇中には“おらだばおめだ”という方言のセリフが印象的に使用されるが「(それは)桃子さんの生まれ育った場所の方言。昔の自分と老いている今の自分を比較しているから、昔使っていた故郷の言葉が出てきてしまう」と解説。
また観客から『演出や装置が舞台的』との指摘が多く出ると「一人でいる75歳のおばあさんの寂しい心の葛藤を描いた作品で、大きな出来事が起こるわけではない。同じ室内で時代が二つあるかのように見せたり、場所が二つあるように見せる演出は、桃子さんの日常生活の中で演出面での仕掛けができないかと考えたから。その仕掛けの数々が舞台のように見えると言われるのはわかります」と意図を察した観客の反応に嬉しそうでした。
さらには、沖田監督の次回作についての質問が飛び交うなど今後の活躍ぶりにも興味津々。
沖田監督も「今回はリモートでの参加という形にはなりましたが、映画祭の雰囲気に触れることができて嬉しかったです」と交流を楽しんでいました。
東北弁が満載の本作だが、韓国の映画ファンにも言語の壁を越えて受け入れられたようで、Q&Aに参加した観客からは「歳を老いたときに見る景色が必ずしも憂鬱なものではないと思えた」「人はいつでも『やりたいこと』を始められるし、夢見ても良いのだと思った」「とても共感でき、かつ普遍的な物語」などの共感の声が多く寄せられ、大盛況のうちに幕を閉じました。
『おらおらでひとりいぐも』作品情報
原作:若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」(河出文庫)
監督・脚本:沖田修一
出演:田中裕子、蒼井優、東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎、田畑智子、黒田大輔、山中崇、岡山天音、三浦透子、六角精児、大方斐紗子、鷲尾真知子
音楽:鈴木正人
主題歌:ハナレグミ「賑やかな日々」
撮影:近藤龍人
美術:安宅紀史
録音:矢野正人
編集:佐藤崇
VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
アニメーション:四宮義俊
フードスタイリスト:飯島奈美
製作:「おらおらでひとりいぐも」製作委員会
配給:アスミック・エース
公式HP:https://oraora-movie.asmik-ace.co.jp/
公式Twitter:@oraora_movie
あらすじ
1964年、日本中に響き渡るファンファーレに押し出されるように故郷を飛び出し、上京した桃子(田中裕子)さん。
あれから55年。
結婚し子供を育て、夫と2人の平穏な日常になると思っていた矢先…突然夫に先立たれひとり孤独な日々を送ることに。
図書館で本を借り、病院へ行き、46億年の歴史ノートを作る毎日。
しかし、ある時、桃子さんの“心の声=寂しさたち”が、音楽に乗せて内から外へと沸き上がってきた!
孤独の先で新しい世界を見つけた桃子さんの、ささやかで壮大な1年の物語。
Gallery
『おらおらでひとりいぐも』は11月6日(金)より公開です。
→映画『おらおらでひとりいぐも』動画フル無料視聴!人気配信サービスを比較しオススメを紹介
▼あわせて読みたい!▼