「ひとりだけれど、ひとりじゃない。」
桃子さんが辿り着いた賑やかな孤独とは?
75歳、桃子さんのあたらしい”進化”の物語。
75歳でひとり暮らしをしている主人公“桃子さん”役には映画『いつか読書する日』以来15年ぶりに映画主演を務める田中裕子。
そして桃子さんの「娘の時代」「妻の時代」を蒼井優が二人一役で務めます。
メガホンをとるのは『南極料理人』『横道世之介』『モリのいる場所』などを手掛け、数々の国内外の映画賞を受賞してきた沖田修一監督。
東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎ら豪華俳優陣も集結し、可憐でたくましい桃子さんの日常を描きます。
2020年12月12日、公開後イベントを実施しました。
様々な作品に引っ張りだこで話題沸騰!本作では車の営業マン堀川役を演じた岡山天音さん、そして沖田修一監督が登壇。
本作で初タッグを果たした2人のトークに会場は大いに盛り上がりました!
『おらおらでひとりいぐも』公開後舞台挨拶レポート
日時:12月12日(土)19:10~19:40 ※上映後イベント
場所:アップリンク渋谷スクリーン1
登壇者:岡山天音、沖田修一監督
63歳で作家デビューし、芥川賞と文藝賞をW受賞した若竹千佐子のベストセラーを映画化した『おらおらでひとりいぐも』の公開を記念し12月12日(土)、車の営業マン・堀川役の岡山天音さんと沖田修一監督が登壇。
上映後のお客さんを前に「今日のトークでさらにこの作品が記憶に残ったらいいなと思います」とあいさつをした岡山さん。
沖田監督との初タッグについて「数年前から“一緒にお仕事をしたい監督”として沖田さんのお名前を挙げさせていただいていました。過去にはオーディションに参加したこともあって、(今回出演ができて)嬉しかったです。ついにお仕事をご一緒出来るんだという思いで、夢が叶ったみたいな感じでした」と明かし、沖田監督は「え~やめてよ」と照れ笑い。
「僕もずいぶん前から岡山くんに映画出てもらいたいなと思っていたんですよ」と相思相愛だったことを監督が話すと、「これはヤバい話ですね。憧れていた沖田監督の脳内に自分がいるっていうのが不思議です」と感無量の様子。
監督はさらに「最初に台本に堀川という役を書いたときに“岡山くんが演じてくれるのが一番いいな”と思い、なんか面白くなりそうという予感があったんです」とキャスティング秘話を明かしました。
岡山さんは沖田作品の印象について「1シーンや数分しか出ていないキャラクターでも一人ひとりが粒立っていて、すごく強く印象に残るんです。現場に行くと、台本に書かれていることを再現するよりも、監督がその場でキャラクターを膨らませようとしてさらに新しい演出やニュアンスの変更などをつけてくださるんです。こういう俳優部へのまなざしが沖田作品を産むんだと感じました」と話し、監督の「撮影しながら“こういうの面白いよね?”というのが自然と現場で出てくるような関係で撮る方が面白いと思うんですよ。」という話を受け、監督がいろいろと色を付けていってくれた感じはすごくありました。“ここをこうしたら面白そう”などの提案をしてくださったのを覚えています。台本に書かれている枠の中で自分なりのアイデアをもって演じたら、それをさらに監督が膨らましてくれるという感じでしたね」と岡山さんは振り返ります。
出演シーンの全てが田中裕子さんとの共演となった岡山さん。
今作が3度目の共演となった名女優について「すごく好きなんです。『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』でヒロインを演じているのを見てすごく衝撃を受けました。二次元とか三次元とか、そういう次元とは違うところでやってる感じがします。素敵な先輩です。3回も共演させていただけているのは不思議な縁を感じます。この作品では対面での芝居だったので緊張もしましたが、やはりエキサイティングな時間でした」と尊敬のまなざし。
「緊張してたの?」と不思議がる沖田監督は2人の様子について「“遠くの子供より、近くのホンダです”っていう堀川の台詞は、実際にうちの母親が営業マンに言われた言葉なんです。それがおかしくて台本に書いたんですけど、なかなか言い方が難しいセリフなんですよね。どう演じるんだろうって思っていたら、田中さんの受けの演技がすごく面白かったから、そこをちゃんと面白がって二人がやってくれてると思って嬉しかったのを覚えています」と微笑みます。
最後のあいさつで岡山さんは「僕の祖母がこの作品を見てとても喜んでいて、僕にとっていつものお仕事とは少し違う、特別な作品でした。僕も楽しかったので、皆さんも楽しんでいただけていたらなと思います」、監督は「不思議な映画だけど色んな見方が出来る珍しい映画で、誰かに何かが残ればいいなと思っています。また思い出した時にこの映画を見てやってください」と話し、大きな拍手で幕を閉じました。
『おらおらでひとりいぐも』作品情報
原作:若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」(河出文庫)
監督・脚本:沖田修一
出演:田中裕子、蒼井優、東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎、田畑智子、黒田大輔、山中崇、岡山天音、三浦透子、六角精児、大方斐紗子、鷲尾真知子
音楽:鈴木正人
主題歌:ハナレグミ「賑やかな日々」
撮影:近藤龍人
美術:安宅紀史
録音:矢野正人
編集:佐藤崇
VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
アニメーション:四宮義俊
フードスタイリスト:飯島奈美
製作:「おらおらでひとりいぐも」製作委員会
配給:アスミック・エース
公式HP:https://oraora-movie.asmik-ace.co.jp/
公式Twitter:@oraora_movie
あらすじ
1964年、日本中に響き渡るファンファーレに押し出されるように故郷を飛び出し、上京した桃子(田中裕子)さん。
あれから55年。
結婚し子供を育て、夫と2人の平穏な日常になると思っていた矢先…突然夫に先立たれひとり孤独な日々を送ることに。
図書館で本を借り、病院へ行き、46億年の歴史ノートを作る毎日。
しかし、ある時、桃子さんの“心の声=寂しさたち”が、音楽に乗せて内から外へと沸き上がってきた!
孤独の先で新しい世界を見つけた桃子さんの、ささやかで壮大な1年の物語。
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『おらおらでひとりいぐも』は11月6日(金)より絶賛公開中です。
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