十勝の広い大地で育ち、絵を描きながら酪農に携わり、後にアニメータとしての道を歩んでいく奥原なつ(広瀬すず)の物語『なつぞら』の第5週29話。
兄・咲太郎(岡田将生)との再会に涙。
咲太郎の想い、なつの想いを知り、穏やかな回です。
しかしこれはどう見ても、嵐の前の静けさでした。
目次
『なつぞら』第5週29話あらすじ
信哉(工藤阿須加)に連れられ、なつ(広瀬すず)と富士子(松嶋菜々子)は浅草の劇場にやってきた。
ダンサーのステージが終わり再び明かりがつくと、スポットの中に独特な格好をした男が姿を現す。
男はステージの上でひとり歌いだし、やがて音楽に乗ってタップを踏み始めた。
客席の男たちは一斉に、ステージに向かい罵声を浴びせる。
すかさず、男も客を罵倒し始める。
そのとき、なつがその男に向かって声をかけた…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第5週29話の感想
再会は奥原咲太郎(岡田将生)の初舞台
佐々岡信哉(工藤阿須賀)に連れられるまま、芝居小屋へと来たなつ(広瀬すず)。
しかし、そこで行われていたのはストリップショーでした。
急いでなつの目を手でふさぐ富士子(松嶋菜々子)。当たり前です。
咲太郎がいるから…となつを連れてきた信哉もタジタジです。そりゃそうなりますよね。
そして、咲太郎(岡田将生)の舞台が始まりました。
急きょ舞台に上がることになった咲太郎は、さぞ緊張していたことでしょう。
馴れていないせいか、客からヤジが飛んできます。
幼い頃の兄しか知らないなつは、気づくことができるのか…?はい、できたのです。
なつは、兄のあのステップを覚えていました。
懐かしいあの動き、あれは間違いなく兄だと感じられたのでしょう。
舞台が終わり、咲太郎が客と言い合いをしていると、その場にスッと立ち上がり一言。
「お兄ちゃん」
じーっとなつを見る咲太郎。
「誰だ、お前」
当然の反応ですね。
しかし、なつが歩み寄り、じっと自分を見つめるその目を見て、咲太郎もなつだと分かったのです。
「なつ…か?」
「はい、なつです」
いつか自分の手で迎えに行こうとしていた咲太郎。
今を必死に生きているその途上で、妹が自分の目の前に現れたこの奇跡ともいえる瞬間、感極まるものがありました。
咲太郎(岡田将生)が手紙を書かなかったのには理由があったみたい
再会を果たすことができたなつと咲太郎は、咲太郎の馴染みの店で夕飯を一緒に食べることにしました。
もちろん、信哉も富士子も一緒です。
そこでかつ丼を食べれば「親父のかつ丼はもっとうまかった。親父は世界一の料理人だったからな」と、咲太郎はなつに言います。
ナレーションがなにか口を挟んでくるのかなぁとも思いましたが、それはありませんでした。
お父さん(内村光良)、静かに鑑賞ですね。
なつが幸せそうだということは、咲太郎の目から見てもわかることです。
兄として富士子に頭を下げると、富士子も母として「あんたはどうしたいの?」と聞きます。
今の咲太郎は宿なし。あちこち飛び回って芝居をしていると言います。
自分がどうしたいかと聞かれても、咲太郎は話をはぐらかしました。
「なつは、どうしたいんだ?」
するとなつは、もう一人の妹である千遥にも会いたいと言いました。
しかし、千遥の行方はもうわからないみたいです。
引っ越しをし、その後の消息は分からないらしいです。
でも幸せらしい。それがどうしてわかるかというと…。
過去に咲太郎は千遥に手紙を書くと、今はもう家に馴染んでおり、里心がつくと困るから手紙を書かないでくれと言われたようです。
もしかしたら、なつが待てど暮らせど手紙が来なかったのは、千遥のようになつが自分のことを思い出して、恋しくなって家族と馴染めないと困るから、柴田家に馴染んで、自分のことをもう忘れたかもしれないのに今さら…という後ろ向きな気持ちがあったからかもしれません。
まるで、ふたりの妹を嫁いで一人になった感じと言いましょうか。非常に悲しい結論でした。
しかし、なつは咲太郎のことも、千遥のことも、もちろん亡くなった両親のことも忘れません。
柴田家の家族の一員になっていながらも、なつの苗字は「奥原」のままだったのですから。
もしかしたら千遥も、なつと同じように無理に作り笑いをして、心の底では咲太郎やなつに会いたいと思っているかもしれません。
今後千遥は見つかるのかも、気になるところです。
できることなら再会してほしいですね。
まぁきっと、なつは生きている限り諦めないでしょう。
咲太郎(岡田将生)、なんかあるでしょ
なつと富士子が新宿の川村屋にお世話になっていると聞くなり、ちょっと顔色が曇った咲太郎。
牛の異変に気づけるなつですから、何かあるってすぐわかりますよ。
必死に隠そうとしても無駄です、お兄ちゃん。
それでも咲太郎ははぐらかしました。
明日マダムの元にお礼に行くって言っておいてくれと言い、その晩は別れました。
咲太郎ももっとこの再会を喜びたかったことでしょう。
しかし、何かあるんですよね?
じゃないと前島光子(比嘉愛未)だって、なつを人質にして咲太郎をおびき出そうと言いませんからね。
前島がなにか企んでいるのでしょうか?
それとも、咲太郎が過去に何かやらかし、そこから逃げているという状態なのでしょうか?
その答えはおそらく、明日(第30話)のお話で。
また気になるところで終わられました…。
続き、続きと机をバンバンしたくなります。
『なつぞら』第5週29話まとめ
なっちゃん、やっとお兄ちゃんに会えてよかったね。久しぶりの再会を祝して、天丼屋さんでのオフショット。広瀬すずさん、カットがかかった後も天丼を食べ続けてました。#朝ドラ #なつぞら #広瀬すず #松嶋菜々子 #岡田将生 #工藤阿須加 pic.twitter.com/6CKt1qIFGH
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) 2019年5月2日
十勝の柴田家に暮らし、酪農に携わり、農業高校に通いながら絵を描く。
4週にわたり紆余曲折あったなつの人生を経て「私はずっと幸せだった」と心から兄に報告するなつの顔には、偽りの笑みはありませんでした。
一方、咲太郎の方は明らかに何かあります。
その真意は、幼馴染の信哉も知りません。
次回は、その真相が明らかになると信じ、期待して待ちます。
というか、次で第5週が終わりですね。次週分まで気になる展開が今すでに。
嵐の前の静けさ、ここからの大荒れの様子が楽しみとは…非常に『なつぞら』にのめり込んでいると実感しました。
▼次回第30話も続けて読む▼