『なつぞら』第26週155話あらすじ・ネタバレ感想!泰樹は開拓者としての魂を失っていなかった

ドラマ『なつぞら』最終週(第155話)あらすじ・ネタバレ感想!

出典:Real Sound

『なつぞら』も残すところあと2話。

しばた牧場を進化させようと考える照男(清原翔)であるが、牛舎を大きくしたりなどして借金を増やすことを剛男(藤木直人)は反対します。

しかし、泰樹(草刈正雄)が「好きにすればいい」というので、誰も止められません。

その晩、嵐が吹き荒れ雷も鳴り響く緊急事態。

そのせいで停電となり、搾乳のための機械は一切動かないうえ、牛乳を冷やすクーラーも使えません。

照男は牛乳を収穫できないことに悩みますが、大事なのはそんなことではありません。

年老いてぼーっとする時間が増えた泰樹の中に、牛飼いとしての、開拓者としての魂が戻って来た気がしました。

最終回を迎えるまで、お迎えなんてこないわー。そして泰樹はやっぱりこうでしょ!

最終回を前に、ちょっとホッとさせられました。

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『なつぞら』第26週155話あらすじ

十勝が冷害水害に見舞われた昭和50年。

柴田家の居間では剛男(藤木直人)と照男(清原翔)が古い牛舎を建て替え、新しい設備を導入しようと話していた。

多額の借金をして設備投資しようとする照男に対し、泰樹(草刈正雄)はやりたいようにすればいいと言う。

その晩、十勝には激しい落雷の音が響き渡る。

翌朝なつ(広瀬すず)が起きると停電になっていた。

牛の心配する泰樹は若返ったように声を張り、指示をしていくが…。
出典:NHK

【ネタバレ】『なつぞら』第26週155話の感想

照男(清原翔)の開拓だから、照男が覚悟すること

今は照男(清原翔)が経営をしているしばた牧場は、より大きくなろうとしています。

手で搾ることをやめ、ミルカーで搾乳をしたことで時間が短縮され、多くの牛の搾乳をすることができるようになりました。

すると照男は、ミルカーを運ぶ作業も省こうとします。

そのために、パイプラインミルカーを設置し、牛舎も立て直して牛を増やそうと考えるのです。

十勝イチの牧場にしたいと望む照男ですが、そのためには借金をすることになるので、父・剛男(藤木直人)は反対します。

泰樹が大事に育ててきた牧場だからこそ、絶えさせず、より大きくしようと考える照男。

泰樹(草刈正雄)はどうなの?と富士子(松嶋菜々子)が聞くと、

「好きにすればいい」と言います。

相変わらず抜け殻のような泰樹。なつ(広瀬すず)同様、見ていて悲しくなります。

「これは照男の開拓だ。照男が覚悟すればいい」

泰樹に任されていると思う照男は、自身をもって計画を進めようと考えるのです。

もう自分の牧場ではないから?なんて思いもしましたが、この先の展開を見ていくと、そんなことはないんだなぁと思わされました。

奥原さんの想いは、こうしてて3人に届いた…

停電により牧場の機能が停止。牛のなく声に呼び戻される泰樹(草刈正雄)の開拓者魂

その日の夜は嵐になり、雷鳴が轟きます。

牛飼いの朝は早いと言うのにいつまでも暗い。

何かを察した泰樹は急いで部屋の電気を付けようとしますがつかず、停電になったことに気づいたのです。

すると、牧場のミルカーや、牛乳を冷やすためのクーラーが使えません。

停電になると、電気で動くものはなにも使えない状態となってしまいました。

7時になっても搾乳は終わっておらず、照男は電気を使えるところを探しますがなかなか見つかりません。

しかし、泰樹が危惧しているのはそこではありません。

牛と共に暮らしてきた泰樹には、家の中にいながらも牛の声を聞いたのです。

「牛が鳴いてるべ」

幻聴でも聞こえ始めたのかと思われても仕方がないことです。

照男が昼までに搾乳すればいいと言いますが、問題はそこではありません。

「早く牛のところ行って手で搾れ!嘘をほっとくな!」

牛は決まった時間に搾ってやるから、人を信頼して良い牛乳を出してくれるのです。

人の都合で変えてはいけないと、泰樹は言います。

それに、搾乳をされない牛は乳房炎になってしまうリスクだってあります。

久しぶりの泰樹のハッキリとした声にハッとした照男はすぐに牛舎へ向かい、搾乳の準備を始めます。

そして泰樹もなつを連れて牛舎へ。

牛の泣く声によって、泰樹の開拓者魂が舞い戻って来たように思えました!

こうなったら杖などいらず、地に足を付けてしっかりと歩いています。

そんな泰樹の姿を見たことで、なつもホッとした表情を浮かべるのでした。

泰樹(草刈正雄)を筆頭にみんなで搾乳。牧場にとって必要なことを教わる照男(清原翔)

雨風が吹きすさぶ中、悠吉(小林隆)も駆けつけ、手での搾乳が始まりました。

乳房炎になったことがある牛や、そのリスクがある牛を優先的に搾乳をしていくことで、作業はどんどん進みました。

「私も手伝うからやり方を教えて!」

そう言って駆けつけてきた夕見子(福地桃子)に対して、泰樹は「教えている暇はない。見て覚えろ」と言って、あの牛乳嫌いの夕見子が搾乳を始めます。

牛に近づくこともしてこなかった夕見子が初めて乳を搾ると、「私、才能あったのかも」とこの緊急事態にも喜びを露わにします。

一久(中川大志)も手伝うと言いますが、なつはどこまでも一久の搾乳は不安なのでしょう!

搾乳した牛乳を運び、ミルク缶に移す作業を任されます。

搾乳だけで解決というわけにもいきません。収穫した牛乳は冷やさなくてはいけません。

「母さん、砂良(北乃きい)、アイスクリーム屋壊すわ」

もう使わないと思われた小屋でしたが、この緊急事態。

照男は、そこを再び水槽として使うため、テーブルを解体。

牧場に携わる人たちがなつや泰樹の指示のもと動いた影で、牛が命の危機に晒されることもなく、牛乳も得ることができました。

牛舎を大きくすることを考え、とっさの時に何もできない自分が不甲斐ないと、照男は凹みます。

泰樹は教えてくれました。

「一番大事なのは、働くことでも稼ぐことでもない。牛と生きることじゃ」

これが牛飼いの原点。ハッとさせられました。

山田家は天陽(吉沢亮)の絵を守り。天陽は畑を守った

台風の影響が出ているのは柴田家だけではありません。

剛男が農協で他の農家を助けるように、泰樹となつは山田家の畑の様子を見に来ました。

靖枝(大原櫻子)が子供たちと一緒に畑のジャガイモの収穫をするのですが、水分を必要以上に吸ったおかげで、良質なジャガイモとはなりません。

でんぷんの材料として出荷することができるので、被害の程度は抑えられたと言っても良いでしょう。

これはきっと、天陽が畑を守ってくれたからだと、泰樹は言います。

確かに、天陽の魂はここにあると言っても過言ではありません。

ここは天陽が根を張った大地ですから…そう思うと涙が出てくるのです。

収穫を手伝うなつと泰樹。

ここで初めて、靖枝となつは「やっちゃん」「なっちゃん」と呼び合う仲になりました。

そういえばずっと名前にさん付けだったのだなぁと、今さら思いました。

そしてこの時、正治(戸次重幸)とタミ(小林綾子)は小屋の方、天陽のアトリエにいました。

天陽の遺作となる馬の絵が濡れなかったことに涙を流す両親。

ふたりは息子・天陽の絵を守り切り、そして天陽は畑を守った…そんな山田家の絆が見えました。

『なつぞら』第26週155話まとめ

去年のことですが、北海道胆振東部地震の影響で停電に遭いました。

地震の恐怖もありましたが、電気がいつまでも使えないとなると、この先どうなってしまうのだろうと不安になったのを今でも覚えています。

現実逃避をするように「星がきれいだなぁ」と口にしたものです。

それだけ今の私たちは「電気」に衣食住はもちろん、仕事も含めた生活が支えられています。

電気のない生活がこんなにも不便で、不安なことはないと思い知らされたことを思い出した今回。

「昔の人たちは不便だったのよ」と、人生の先輩方に私も何度も言われました。

だからこそ、泰樹のようにいざという時に機転が利き、すぐに動き出すことができるんだなぁとも思えました。

一人前だと思っても、こういう時に不甲斐なさを感じる照男の気持ちが痛くわかります。

大事なのは牛と生きること。それはきっと、開拓者一世の泰樹のそばにいたなつも気づいたことでしょう。

私も気づかされました。

明日でついに『なつぞら』が最終回。長いようで短い、なつの物語を最後まで楽しみたいと思います。

最終回を前にして、余生を過ごす泰樹から開拓者泰樹に蘇ってくれたことに本当にうれしく思い、明日を待とうと思います。

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