『大草原の少女ソラ』の中でレイがソラの父に旅立つ決意をするシーンで、富士子(松嶋菜々子)が、なつ(広瀬すず)と泰樹(草刈正雄)を思い出して涙。
そして泰樹は、雪月を訪れ、パフェを頬張りながら、とよ(高畑淳子)と語らいます。
そろそろお迎えが来たという話かと思いきや、作中の「朝日」の話。
自分を天使というとよと、なつの作り上げてくれたものに微笑む泰樹。幸せな時間が流れている気がしました。
一方マコプロダクションでは、放送日ギリギリまで作画をしているせいで、取引先から怒りの催促電話が鳴り響きます。
そのうえ、雨の中転んで外注先から預かって来た動画が水浸しというトンデモ事態が起きてしまいました。
心折れそうなアニメーターたちですが、それでもなつは諦めません。その力強さが、また素晴らしかったです。
目次
『なつぞら』第26週152話あらすじ
「大草原の少女ソラ」を見ていた十勝の柴田家では、泰樹(草刈正雄)が何か物思いにふけっていた。
放送後、久しぶりに「雪月」のお店に向かった泰樹は、とよ(高畑淳子)を訪ねるのだった。
梅雨に入る頃、なつ(広瀬すず)達は「大草原の少女ソラ」も大詰めを迎えていたが、放送前日ギリギリに完成することが当たり前になっていた。
マコプロでは、局のプロデューサーからのクレーム電話を麻子(貫地谷しほり)が受けていて…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第26週152話の感想
とよ(高畑淳子)「天使だべさ」が可愛らしい
なつ(広瀬すず)たちが力を入れたレイとソラの父が語らい、朝日が昇ってくるシーンをみた富士子(松嶋菜々子)は、なつが泰樹(草刈正雄)に漫画映画を作りたいと言ったこととリンクし、涙します。
自分の夢を追いたいというレイの気持ちも、それを送り出そうとする父の気持ちもよくわかりますし、一番近くでその現場を見ていたからです。
そして、このシーンに泰樹も感銘を受けました。が、それはなつとの別れを思い出したからではないみたいでした。
杖を突きながらも、泰樹は帯広の雪月のとよの元を訪れました。
「私が恋しくなったということは、そろそろお迎えがきたかい?」
まぁ確かにそのフラグはありましたね。今生の別れになるかもしれないから来たのかと思われても仕方がないですが、じいちゃんは相変わらずパフェを頬張っています。
「あんた死神かい?」
「天使だべさ」
自分を天使と言ってしまうとよばあちゃんが可愛らしかったです。
とよもお迎えが何度か来ているが、その度に追い払ったらしいです。開拓者一世とはすばらしいですね。
「私が好きなら好きって言えばいいべ」
「口が裂けても言わん」
本当、良いコンビです。何回か生まれ変わる前は夫婦だったんでしょうね。
そういえば、この『なつぞら』の中、特に泰樹関連で大河ドラマ『真田丸』を匂わせるセリフが多数出てきていたり、キャスティングにもそう思わせるものになっていたのは、脚本家の大森寿美男さんが『真田丸』大好きだったからみたいです。
その愛情が、作品にふんだんに盛り込まれていたということでしょう。どおりで面白かったわけです。
泰樹(草刈正雄)がグッと来たのは朝日だった
泰樹がとよの元を訪れたのは、お迎えが来た話をしに来たわけでも、とよに好きと言いに来たわけでもありません。
「あんた、なつの作品は見たか」
「もちろんさ」
『大草原の少女ソラ』のおかげで、雪月のお菓子は大人気です。
もはや雪月はなつに足を向けて寝ることができません。
「昨日の見たか?」
「見たかなぁ~」
…とよばあちゃん、わざとのボケですよね!?
泰樹がとよに話したかったのは、朝日のシーンでした。
開拓者一世である自分たちは、何度も朝日に励まされたことを思い出したのです。
辛くても、逃げ出したくても、太陽が昇るたびに力をくれた、泰樹はそれをとよと話したかったのでした。
「夜明けに感動したのかい。まあねぇ、夜明けに励まされるってことは、何度もあったね」
「なつは、そういうものを作ってるんじゃ」
そう言って見せたふたりの笑顔も、朝日のように晴れやかでした。
やっぱりこのふたりは良いですねぇ~。
麻子(貫地谷しほり)はプライドあるスタッフを守る
『大草原の少女ソラ』最終回の制作がどんどん遅れると、テレビ局から催促の電話がかかってくるようになります。
本来は1週間前にできていないといけないのに、まだできないとなると局としては放送に穴を空ける不安を感じずにはいられませんから、イライラして送ってきます。
監督を呼べと言われると「出払っています」と一久(中川大志)を出させない麻子(貫地谷しほり)。
なつたちスタッフは、良い物を作ろうと必死に作ります。
プライドと視聴者のために頑張っていることをよく知っている麻子だからこそ、時間を守れと言い続けてきた麻子も、アニメーターやスタッフを守ることに徹するのでした。
それだけ麻子にとっても今の『大草原の少女ソラ』の作り方は良いものだと思ってくれているのでしょう。
だからこそ、局からのクレームはスタッフの耳には入れないようにして、自分の所で止めるようにしていました。
板挟み状態で辛いだろうに…麻子さんって強い人だなぁと思いました。
大変なのにさらなるトラブル。それでもなつ(広瀬すず)は諦めない
作画だけでも遅れが出ていて大変なところにとんでもない事件勃発です。
梅雨で雨がひどく降る中、外注先の動画を持って帰って来た町田(鈴鹿央士)がプロダクションの前で盛大に転倒し、動画を水たまりに落としてしまったのです。
作画作業をせっせとやっているなつたちにもその声が聞こえるほどの叫び声。
戻ってくるとすべて濡れちゃっています。
外注先に描き直しをお願いしたいものですが、先方も限界。
これ以上仕事を増やしたら放棄されかねないと言われます。
ならば自分たちで描き直すしかないのですが、ここで茜(渡辺麻友)が本音を漏らします。
「私だってもう限界よ。無理よそんなことは。」
なつも手伝うと言いますが、このときのなつも24時間寝ないで描いても時間がないくらいの忙しさ。
みんな厳しい状況なので動きを減らすことも一久は提案しますが、なつがこれをダメだと言います。
今のマコプロダクションの面々なら腕が上がっているのだから早く描くことができるはずだと、なつは言うのです。
それだけではありません。
「この作品を待っている人がいるの。待っている人たちを裏切っちゃいけない」
この言葉に鼓舞されたことで麻子も作画を手伝うと言い、神地(染谷将太)は「みんなで町田を助けてやろうぜ」と言い、現場の士気が上がるのです。
そうして一丸となり、描き直し作業が始まります。
なつの言う通り、作品はどんどん描きあがっていきます。麻子が紙に向き合う姿も久しぶりに見れました。
このときのなつは、みんなにとってあの希望の朝日に見えたのかもしれませんね。
優(増田光桜)も友達もソラを待ち、作品はついにフィナーレを迎える
結局、なつが帰ってきたのは朝方。
優(増田光桜)が起きる前に帰ってくることができました。
優も学校の友達もみんなソラを待っている。
家でこの言葉を聞いていたからこそ、なつは頑張ることができたと言えます。
作画作業が終わりを迎えないまま、声の収録もスタート。
絵が出来上がっていない仲でも、レミ子(藤本沙紀)や白本(沢城みゆき)は声を当ててきます。
今じゃこれが当たり前。時には線一本とキャラクターの名前しか出ないみたいです。
全てはソラを愛する視聴者のため、何とか間に合わせた末、予定通り放送されました。
最終回の内容は次回。怒涛の追い込みでした。
『なつぞら』第26週152話まとめ
マコプロ全員集合。力を合わせて「大草原の少女ソラ」を最後まで全力で作り上げます!#朝ドラ #なつぞら #広瀬すず #中川大志 #貫地谷しほり #川島明 #染谷将太 #渡辺麻友 #犬飼貴丈 #伊原六花 #大野泰広 #伊藤修子 #鈴鹿央士 pic.twitter.com/B9RylVUnhz
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) September 23, 2019
後半は怒涛の作品作りでした。
とんでもないトラブルに追い込まれながらも、これを引き起こした町田を責めるどころか、助けてやろうぜという姿勢のマコプロダクションは素晴らしかったです。
正直、時間がなくて忙しすぎると怒ったり責めたりする時間さえもったいないですし、あきれる暇があるなら作ります。よくわかる。
というか、誰かを責めて自分たちの負担を考えるよりも、楽しみに待っていてくれる人のことを考えたら、気にすることじゃないんでしょうね。
この時のなつは、泰樹も感動した夜明けの朝日だったかもしれません。
ラジオ体操のうたの歌詞にもありましたね。「新しい朝が来た 希望の朝だ」って。
その朝日のすばらしさやエネルギーの大きさをよく教えてくれた回だと思いました。
『大草原の少女ソラ』もついに最終回。
そこから残り数話でどんな物語が続くのか、非常に楽しみです。
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