『なつぞら』第23週133話では、なつ(広瀬すず)が作画監督を務めた『魔界の番長』が放送開始。
しかし、優が怖がって見てくれないので、なつのモチベーションはさらに下がります。
その上、神地(染谷将太)もマコプロダクションへの移籍を決め、一久(中川大志)はなつを勧誘。
麻子(貫地谷しほり)が魔王のように描かれました。
そして、一度は退院したものの、また入院をする天陽(吉沢亮)ですが、馬の絵を完成させたいがため病院を抜け出してきていたのです。
翌朝には帰るようにと笑顔で言う家族。
そんな幸せな雰囲気を漂わせている場合ではないと、見ているこっちは思います。
目次
『なつぞら』第23週133話あらすじ
なつ(広瀬すず)の手がけたテレビ漫画「魔界の番長」が放送される。
しかし、娘の優は怖がって見ようとしない。
坂場(中川大志)に、子供は多感だからと言われるも、子供が怖がるアニメを作ることに思い悩むなつ。
そんなある日、神地(染谷将太)はなつを呼び出し、麻子(貫地谷しほり)からマコプロに誘われていると告げ、神地の抱く夢を語るのだった。
一方、十勝では体調を崩した天陽(吉沢亮)が…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第23週133話の感想
娘が喜ばない仕事をするのは気が引ける
ついに『魔界の番長』のアニメがスタート。
なつ(広瀬すず)はいつものように優(増田光桜)と一緒に見ようとするのですが、優は目を伏せ隠れてしまいました。
「どうしたの?」と聞くと「怖いから見たくない!」と言われてしまったのです。
また誰かを裏切り闘う作品であることから、なつは『魔界の番長』の作画監督を受け持つことに気が引けていました。
その上、優の反応をみたことで、なつのモチベーションはさらに下がってしまったでしょう。
そもそも自分も納得することができる作品ではないのだから、そう思っても仕方がありません。
やるならば、子供に見せられる作品を作りたいものです。
ついに神地(染谷将太)もマコプロダクションへ
『魔界の番長』放送日翌日。
神地(染谷将太)はなつを外へと呼び出しました。
よくできているが、それはなつの実力で作品としてはひどいと神地は評価。
神地、バッサリいうなぁとは思いますが、それをテレビ班のど真ん中で言うことはしません。
テレビ漫画の文句を言うために、なつを呼び出したわけではありません。
ついに神地も東洋動画を辞めて、マコプロダクションへと移る決意をしたのです。
このときの漫画映画は、昔のような長編アニメは作ることができず、テレビ漫画の総集編のおまけに作る程度。
真剣に漫画映画を作りたいと思う人間からすれば、不完全燃焼でしょう。
そして、このたびテレビ班に異動させられそうになってもいたらしく、だったら辞める!と決心したみたいです。
また1人、戦友がいなくなるのかと思うと、なつとしては寂しい気持になるのは仕方がありません。
神地の漫画映画への情熱は、もうこの職場ではどうにもできない。
独身を貫いてまでアニメーションに没頭すると決めたのだから、神地としては譲れません。
「神っち、いつか良い人が現れるよ」
なつ、慰めるのはそっち?神地も私も思いました。
東洋動画を辞めるときはアニメーターを辞めるとき
下山(川島明)、一久(中川大志)、桃代(伊原六花)、そして神地までもがマコプロダクションに…。
東洋動画を支え、自分と一緒に功績をあげた人たちが次々と移籍したことで、なつには麻子(貫地谷しほり)が魔王に思えてきたのでした。
麻子は良い魔女も描きますからね。イメージとしてはピッタリです。
なつもちょっと羨ましいなぁという気持ちがあるのでしょう。
しかし、仲(井浦新)を裏切られないなつは、東洋動画に居続けようとします。
なつがそう主張しても、一久は言います。
「なつも、魂を売らないか?」
実は今、マコプロダクションでは『大草原の小さな家族』という、小説をベースにしたアニメーションを作ろうとしています。
それは開拓者のお話。これを完成させるためには、なつの力が必要なのです。その気持ち、よくわかります。
その絵から見ても、なつなら良く描くことができると思うでしょう。
しかし、なつの心の中には、東洋動画を辞める時はアニメーターを辞める時だと言います。
それだけ今の作品が嫌なのかというと、そうではありません。
いや、それもあるかもしれませんが。やっぱり優の側にいたいからです。
子供の成長する姿をもっと見ていたいという気持ちがあるから、アニメーターで居続けていいのかとたびたび思うなつでした。
仲は前回第132話で「なっちゃんの意思を尊重するよ」と言ってくれています。
それは作画監督をすることだけではなく、アニメーターとして、人としてどんな道を進むのかも含まれているように思うのです。
すでになつは、日本のアニメーターの宝。
なのに、東洋動画に固執するのは良くないだろうなぁと思います。
馬と言えば天陽(吉沢亮)、風景画と言えば陽平(犬飼貴丈)
一時は退院したものの、夏になってまた体調を崩し、入院をしてしまった天陽(吉沢亮)。
病床で仕事の絵を描くのですが、その絵には馬は1頭も出てきません。
天陽が風景画を描くときは、陽平(犬飼貴丈)のことを思い出す天陽。
確かに、風景画と言えば兄、馬の絵と言えば弟だなぁと思います。
しかも、天陽が描いた風景は、幼いころになつと渡った思い出の場所。
そして、このドラマのオープニングにも映し出されている風景でした。
それだけ天陽にとっては思い出の、大切な場所だと言えるでしょう。
そんな絵を描きながら「絵を描いていれば、それで十分なんだ」という天陽の言葉は、なんだかもう辞世の句にしか聞こえないのです。
病院を抜け出した天陽(吉沢亮)は自分の寿命をわかっていたのでは?
どうしても今描いている馬の絵を描きあげたい天陽は、病院を抜け出してきてしまったのです。
これに山田家の人たちは驚きます。
翌週には退院の許可が出たから帰ってきたというのですが、だからって抜け出してくるなよ!って思いますよ。
「来週にはまた一緒にいられるからな」と笑顔で子供たちに話す天陽を見て、周りも靖枝(大原櫻子)も笑って見せます。
いやいや、そんなふうに笑っていられないでしょ!って思うのです。
その晩、天陽は一晩かけて絵を完成させますが、そのとき彼は、妻の靖枝にそばにいてほしいと言います。
靖枝が農業を頑張ってくれるから、自分は絵を描いていられる。
天陽にとって靖枝の存在はとてもありがたいものです。
朝までかけて馬の絵を完成させた天陽なんですが、明らかに辛そう。あぶら汗のようなものが止まらない天陽。
病院を抜け出して絵を描き、朝までかかって描きあげる。
もしかして天陽は、自分の命がもう僅かだということをわかっていたのかもしれません。
もうすぐ夏が終わる。
なつが天陽に会えるのかどうか、本当にわかりません。
『なつぞら』第23週133話まとめ
天陽の絵画制作と指導を担当する村山之都さんから、馬の絵のレクチャーを受ける吉沢亮さん。#朝ドラ #なつぞら #吉沢亮 pic.twitter.com/6h0j85Cd8g
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) September 1, 2019
神地までもがマコプロダクションに移ることを決めたことで、なんだかなつだけ東洋動画に取り残されているように見えてしまいます。
『魔界の番長』は優には受け入れられていませんし、なつのアニメーターとしての熱意が下がっているようにも見えるのです。
「仲を裏切れないから東洋動画を辞められない」というのは、「泰樹(草刈正雄)を裏切れないかから、牛飼いを辞められない」と同じようにも感じます。
だからこそ、自分に正直になってほしいと思うのです。
そして、天陽がもう見ていてただただ辛いです。
なつは天陽に会うことができるのかどうか、本当ここが気になります!
▼次回第134話も続けて読む▼