月日は経ち、26歳になったなつ(広瀬すず)は、女性アニメーターとして注目を浴び始めます。
『なつぞら』第17週97話では、昇進した仲(井浦新)から新しい仕事の話をもらいます。
しかし、それを受け入れることは、漫画映画を作れなくなってしまう事態。
なつと一久(中川大志)は迷います。
そして、声優プロダクションが波に乗ってきたところ、雪次郎(山田裕貴)と蘭子(鈴木杏樹)の関係が噂に。
その真相やいかに!
一部の人たちのイメチェンした姿も必見の回でした。
目次
『なつぞら』第17週97あらすじ
昭和38年夏、なつ(広瀬すず)は東洋動画の原画担当初の女性アニメーターとなった。
風車では、週刊誌に載ったなつの話で盛り上がっていた。
そんな中、咲太郎(岡田将生)が、劇団の中で雪次郎(山田裕貴)と蘭子(鈴木杏樹)の仲が噂になっていると口にする。
雪次郎が気にしていないか、心配になったなつは部屋を訪ねる。
一方東洋動画では、大人気テレビ漫画の影響を受け、社内でもテレビ漫画を製作する班をつくる話が出て…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第17週97話の感想
取材を受けて輝くなつ(広瀬すず)
1963年の夏。
様々な作品でアニメーターとして活躍するなつ(広瀬すず)に取材の依頼が舞い込んできました。
作画課の案内をしながら、どのように漫画映画ができていくのかを紹介し、自分の仕事ぶりも披露。
カメラマンに言われて写真を撮ると、それが雑誌の1ページ全体にどーんと載っちゃいました。
これには亜矢美(山口智子)も咲太郎(岡田将生)も大喜びです。
亜矢美の影響とはいえ、いつにも増して派手な格好のなつ。
ビビット感が強調され、とっても輝いていました。
その雑誌を大量に買い込み、店に来たお客さんに売ろうとする亜矢美。
「誰が買うのさ」
「茂木社長」
茂木社長(リリー・フランキー)、本屋さんですよね?
よく考えれば、その雑誌も茂木社長の店から買ったらしく…意味ない。
でもそれだけ喜ばしいことなんです。
柴田家や信哉(工藤阿須賀)にも送らないと!と意気込む亜矢美。
なつの中ではもう一人、雑誌を送りたい人物がいました。
言わずもがな、千遥(清原果耶)です。
しかし、奥原との縁を切った千遥にこのことを報告することはできません。
妹の幸せを壊したくありませんからね。
ですが、東洋動画のポスターにも、井戸原(小手伸也)、仲(井浦新)と並び、「奥原なつ」の文字が掲載されています。
漫画映画を作っていることを千遥も知っているのだから、どこかできっと見ていてくれる。
そう思うことにしたのでした。
リーゼントとベレー帽
月日が経ったことで…いや、月日が経ったことを表すかの如く、一部の人間はイメチェンを始めていました。
声優プロダクションが軌道に乗り、順調に仕事をもらい、これを果たしている咲太郎。
今まではずっとどうやってセットしているの?と言いたくなるようなリーゼントだったのですが、今回からは自然な髪型に。
十勝に行ったときも、そのリーゼントを崩すことはなかったのですが、ここに来てやんちゃな感じがなくなり、スッキリした感じです。
ハッキリとイメチェンをした人物がもう一人。
それが、井戸原なのです。
漫画家かよ!と言いたくなるようなベレー帽をいつもかぶっていた井戸原。
今回からも被ってはいるのですが…サイズが大きくなっています。
しかも、なつのビビットファッションに匹敵するような赤いベレー帽。
古さを出すため、舞台セットや他の役者の衣装にさほどの主張がないのに、その赤いベレー帽がハッキリと出過ぎて、ちょっと話に集中できなくなりそうでした。
ワンポイントで模様も入っているのですが…とりあえず、それどこに売っているんですか?と聞きたくなってしまった感じです。
咲太郎(岡田将生)の作った声優プロダクションってどこ!?
プロダクションが上手く行きはじめたということは、この声優プロダクションも実際にあるところをモデルにしているということなんですよね?
どこなのだろうと調べてみたところ、大手声優プロダクションの「青二プロダクション」ではないかと思われます。
青二は、なつが務める東洋動画のモデルである「東映」の作品に出演していることもありますし、優れた声優は優れた俳優でもあるというスローガンを掲げているので納得ができます。
東映や青二、そしてジブリなど、この時代に生まれたものは今でも強く生き残り、多くの人に影響を与えているのですね。
一緒にいれば恋も芽生えるものですが
咲太郎の声優プロダクションは順調で、四谷に事務所を構えた様子。
そして、最近ではアメリカのコメディドラマに蘭子(鈴木杏樹)と雪次郎(山田裕貴)が声を当てたことで、ふたりは人気者になっているようです。
しかし、ふたりの共演が多く、一緒にいる現場も増えていることから、恋仲の噂も出てきているみたいです。
劇団内じゃよくあることで(あるある、確かにあった)、咲太郎やレミ子(藤本沙紀)は何も聞けず、真意を探ることはできません。
「なつの職場でもそんなことはないか?」
咲太郎がそう言うもんだから、なつの脳裏には一久(中川大志)が浮かびます。
いやいや!そういうのじゃない!と頭の中の記憶をかき消すなつ。
そこ素直にならないと天陽(吉沢亮)の二の舞だぞ!とツッコミたい。
いざ雪次郎の元へ雑誌を持って訪れるなつ。
蘭子とのことを聞いてみたが、雪次郎はこれをキッパリと否定。
「俺は蘭子さんに早く追いつきたいだけ。恋愛とかしてる場合じゃない」
雪次郎は本当に演劇が好きで、良い役者になりたいと思っていることがすごくわかります。
そこに恋沙汰が邪魔と思う気持ち!よくわかる!
そこまでやらないと、お菓子職人の道を割りきった意味もないですからね!良いことだと思います。
が、こういう噂って一度耳に入ると、そこから気になってしまうなんてこともあるんですよね…。
個人的には雪次郎は夕見子(福地桃子)一択でいてほしいと思っています。
夕見子への熱烈なアプローチや、男がいることへの嫉妬心が非常にかわいく思えたので、そのままの気持ちでいてほしいと思う次第です。
時代はあの漫画の神様のアニメーション
ある日、なつは茜(渡辺麻友)と共に作画課長となった仲に呼ばれました。
美人アニメーター対決をさせるんじゃないのか?とからかう神地(染谷将太)。
そんなことやってる暇があるわけないです。
1963年と言えば、手塚治虫の『鉄腕アトム』がテレビ漫画として大ヒットしている時代です。
それに関することだろうと下山(川島明)が言います。
川島さん、その良い声でアトムをワンフレーズ歌うのですが…もうちょっと聞いていたいのでフルでお願い!と言いたくなりました。
下山の予想通り、東洋動画でも「テレビ漫画」を作ることが決定。
そこで白羽の矢が立ったのは、作画になつ、動画に茜、そして監督の一久でした。
テレビ漫画制作となると、もう長編の漫画映画を作ることができなくなるなつ。
そこが未練いっぱいです。
企画もすでにできているようですが、すんなりと「はい、やります」と言えないなつ。
仲と井戸原に、こんな質問を投げかけます。
「東洋動画らしくというのは、『鉄腕アトム』と違うやり方で作るということでしょうか?」
答えは「NO」でした。
長編アニメ映画は、10ヶ月もの年月をかけ、一本の作品を作っていきました。
しかしテレビ漫画となれば、1週間か、それよりも短い時間で作画をしてかなくてはいけません。
少ない予算と時間で、あれだけのクオリティーだからこそ『鉄腕アトム』はヒットしている。
そこに価値があると考えるみたいですが…手塚プロダクションだってしんどい思いしてやってますよ!
大変な仕事なのに、さらに大変なんです。
期待の目で見てますが軽々しく言うなよ!という気になってしまいました。
「仲さんは、あれをアニメーションだと認めていますか」
一久!また火種になりそうな質問を、言い方をするなぁ君は!
「作る価値があると思いますか?」
張り詰めた空気を残したまま、明日に続きます。
ヒヤッとしてドキッとして、ホッとできないまま明日にお預けです!
『なつぞら』第17週97話まとめ
週刊誌に載ったなつの写真を作画課のみんなでお面にしちゃいました。なっちゃんがいっぱい!#朝ドラ #なつぞら #広瀬すず #井浦新 #川島明 #染谷将太 #渡辺麻友 #田村健太郎 pic.twitter.com/iTs2S0famb
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) July 21, 2019
そうかー、ここでついに『鉄腕アトム』の時代ですかー。という感じです。
手塚治虫自身、漫画映画の影響を受けて漫画家となり、自分でアニメーションを作りたいと思うようになった人ですから。
週1で作品を作るため、斬新な手法が生まれた時代でもあるこのとき、東洋動画もやろう!と言うわけです。
しかし、一久の作りたいものとはちょっと違う様子。
モデルである高畑勲の作品を見れば、それがなんとなくわかる気がします。
なつはこの先どうするのか、どんな答えを出すのか。明日に続きます。
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