『なつぞら』第16週91話は恋とは?愛とは?と大論争。
お酒に酔った若者たちの支離滅裂な会話。
まとまらない意見。
雪次郎(山田裕貴)は訛りと戦いながら、またタイムスリップ。
なつ(広瀬すず)と一久(中川大志)は泥酔気味で意外な一面を披露!
そして、夕見子(福地桃子)が東京へとやってきた理由を明らかにします。
目次
『なつぞら』第16週91話あらすじ
亜矢美(山口智子)が営むおでん屋・風車に、なつ(広瀬すず)や咲太郎(岡田将生)、坂場(中川大志)、雪次郎(山田裕貴)たちが集まる。
その中心にいるのは、北海道から上京している夕見子(福地桃子)。
相変わらず独自の視点で恋愛について語っているが、なつにはまったく理解ができない。
その夜、なつは夕見子に、どうして東京に来たのか、今どんな人と一緒にいるのか聞き出そうとするが…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第16週91話の感想
なつ(広瀬すず)が酔っ払う
新しい一歩を踏み出そうと、風車で飲んで踊る若者たち。
道に出てダンスまで。
煙カスミ(戸田恵子)が歌い出します。
過去になつ(広瀬すず)を追いかけて咲太郎(岡田将生)が北海道へとやってきて、泰樹(草刈正雄)がそれを阻み、警察官が豪雪の中でタップダンスをする夢を描いた瞬間がありましたが、あんな感じにコミカルで現実的な感じがないシーンでした。
そこからがまあメチャクチャです。
喉が渇いたからとお酒を一気飲みするなつ。
「いつの間にそんな飲めるようになったんだ!」
咲太郎も心配するほどです。
しかも、酔ったなつは大変です。
夕見子(福地桃子)に泊まっていくように言ったり、その勢いで説教を始めたり、一久(中川大志)が口を挟めば「ちょっと黙っててもらってますか?」…と。
普段のなつでは完全にありません。
人との距離感がわからなくなるなっちゃんは非常に顔が近いし、一久は酔ったせいでいつも以上に哲学的。
夕見子が男と一緒にいるとわかれば、雪次郎(山田裕貴)は黙っていません。
訛りが出ればレミ子(藤本沙紀)に注意されます。
もう…面白すぎるくらいカオスです。
「駆け落ち」の夕見子(福地桃子)。愛とは何か?
夕見子が東京へ来たのは学生運動ではなく、北大で一緒になった男性と結ばれるために北海道を出てきたというものでした。
物書きをしている彼。
その彼と一緒にいたいから、きっと来るであろう親の反対や余計な詮索を避けねば…と夕見子は思ったのです。
だからこそ、北海道の家族には内緒にしろとなつに釘をさす夕見子。
「夕見子ちゃんはその男を愛しているのかい」
雪次郎、方言どころか、役者とは思えないほどの棒読みです。
夕見子の思う愛とは「志」。
「こ・こ・ろ・ざ・し?」
雪次郎、その手は「お・も・て・な・し」です。
君の名はと叫んでみたり、君はちょくちょくタイムスリップしますね。
話は戻り、男の存在に愛は持てないが、その志になら愛は持てると夕見子は言います。
だから、志がなくなったとき、愛もなくなるのです。
これに麻子(貫地谷しほり)は同意するが、茜(渡辺麻友)は賛同しません。
合理的な愛だと言われると、それは古いと夕見子は言います。
酔ったなつの見解は、
「私にはわかんないわ。新しくなったりとか古くなったりしないから愛なんじゃないのかい?」
すると一久、
「君の愛ってなんですか?」
なつは一言、
「ごちゃごちゃ言うな!」
賑やかな若者たちを見たカスミと亜矢美(山口智子)は言います。
「若いって素晴らしいわねー」
「愛を語れるのは素晴らしい」
未来ある若者たちが語る愛に合わせて、カスミは歌います。
そしてみんなで大合唱。
ただし、なつは完全につぶれていました。
一見和やかムードですが、夕見子の言葉を聞いて以来、麻子の表情から笑顔が消えていきます。
好きな人ができれば結婚を考えないといけない。
すると仕事と結婚、どちらを選べと選択を迫られます。
アニメーターとして生き続けたい麻子やなつにも、この問題は降りかかってくることであり、麻子はこのことを真摯に考えていたのです。
たしかに、この時代の女性の立場を考えると非常に辛いですよね。
短編映画の中でもやりたいことが見えてきたと意気揚々の麻子ですから。
どちらも取ることができないというのは、なかなか辛いものです。
なつ(広瀬すず)はとにかく夕見子(福地桃子)が心配
酔いがさめたなつは、夕見子がその人に騙されているのではないかと不安なのです。
もしものことがあった時、悲しむのは自分だけじゃなく、柴田家の人たちなのですから。
夕見子はそんなことはないと言いますが、しかし電気を消して眠ろうとするとき、そこには不安を抱く表情がありました。
やっぱり、何かあるんでしょうね。
大学を辞めることも考える夕見子。
その時には、家族にも話さないとねと言われます。
その時がまた修羅場になるのは、なんとなく予想がつきます。
翌朝、東京で仕事を探そうとする夕見子。
これを聞いた亜矢美は、おでん屋の手伝いや、咲太郎のプロダクションの電話番として働かないかと提案。
本職が見つからない間のつなぎ程度でいいということで、夕見子はこれを承諾。
人手が足りないわけではないが、近くにいることでなつが安心するという亜矢美の愛でした。良い人です。
これで、なつの心配も少しは減らすことができますからね。
神っち(染谷将太)も恋愛フラグ?
麻子やなつが作画に奮闘している時、神地(染谷将太)も作画にトライします。
彼の作画はとてもきれいで、絵を裏から見てもバランスが整っています。
これくらい当たり前でしょ?と神地は言いますが、入社したばっかりのなつはこれができていませんでした。
ここでもう差を見せつけられた感。
天才はこのときから天才なんですね。
その神地に対し、麻子は「神っち」というあだ名を授けます。
人当たりもよく、意外とガンガン攻めるタイプなのでしょう。
茜のことを「茜ちゃん」と呼びます。
ネタバレになりますが、このふたりが結ばれるんですよねー。
なつや麻子に対してはない照れた表情を茜には見せている神地。
何とも憎めない男なので、拒否する理由もありません。
にしても、男は恋も仕事も取ることができますよね…。
なんとなく思ってしまいました。
先輩に屈しない一久(中川大志)は「古い」という
仲(井浦新)と井戸原(小手伸也)に色々言われ、肩身の狭い思いをした下山(川島明)。
その時の質問が、一久にも投げかけられました。
魔女の上に悪魔がいる。
これは日本とアメリカの関係を描いた社会風刺ではないのかと指摘する井戸原に対し、そんな意図はないと言い返す一久。
どう見えるかは見る人によるものです。
しかし、風刺の意味を込めたつもりはないのです。
自由や信頼、兵器などをイメージはしたものの、明確に国を出しているわけではありませんからね。
単純に子供が見て楽しめるモノを作ってほしいと、仲はやんわり言います。
これに対し、一久は自分の意見を主張。
「その考え方は古いんじゃないですか?」
漫画映画は子供だけのものではない。
大人が見ても魅了するものであっても良いと一久は言うのです。
その結果として出てきたのが、原作と全然違う『ヘンゼルとグレーテル』だと思うとやっぱり目くじらを立てずにいられませんし、真ん中にいる下山は冷や汗をかきますよね。
モデルとなった高畑勲監督の作品を見れば、一久の言いたいことはよくわかります。
子供が見て楽しい映画を作ればいいと思うなら、名作『火垂るの墓」は生まれていませんよね。
風車にじいちゃん!?
雨の中、急いで職場から帰宅したなつ。
風車では、さっそく夕見子がおでんづくりの手伝いをしています。
タオルで顔を拭いながら自分の隣を見ると、そこには泰樹(草刈正雄)の姿が…。
「え!?」
じいちゃんなんでこんなところに?と思ったのですが、よく見ると別人です。
髭や格好が泰樹そっくりですが、ずっと若いです。
「なつ、会わせてやったよ」
と夕見子がいいます。
…え、まさか。
そう、泰樹に一瞬見えた彼こそが、夕見子と共に東京へやってきた作家志望の男性、高山昭治(須藤蓮)なのです。
夕見子、そういうタイプの人が好きだったのかと、ナレーション(内村光良)は言いました。
激しく同意です。
雪次郎と全然違いますから!
にしても、高山を泰樹と見間違えるとは…。
なっちゃん、まだ前夜のお酒でも残っていましたかね?なんて思ってみたり。
『なつぞら』第16週91話まとめ
収録の出番待ちをしていた、夕見子役の福地桃子さんと、一緒に駆け落ちしてきた高山昭治役・須藤蓮さん。高山は泰樹さんを意識しているそうですが…似てますか?#朝ドラ #なつぞら #福地桃子 #須藤蓮 pic.twitter.com/dxA0hjogmH
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) 2019年7月15日
若者たちがはしゃぎながらも、夕見子の現状を聞き、愛とは何かを語り出しました。
それぞれ答えは違うものの、思うところはあるみたいです。
しかしこの問題は、現代でも答えの出ない問題です。
愛ってなに?
人生のテーマのひとつでしょう。
そんな難しい話があるなか、アニメーションは誰のためにあるのかも考えさせられましたし、志こそが愛という夕見子の相手が出てきて驚かされたりと、ドタバタした回でした。
なによりも、泥酔したなつはレアです!
雪之助(安田顕)やとよ(高田淳子)までとはいきませんが、非常に面白かったです!
▼次回第92話も続けて読む▼