『なつぞら』第15週87話は、いよいよ、短編映画の制作が開始。
一久(中川大志)の提案通り、大まかなシナリオを作り、そこから細かいストーリーを決めていくことに。
そこで明らかに異質な新人が登場。
この人、もしかして…いや、確実にそうですよね!?
宮崎駿と思われる人物が、なつ(広瀬すず)に新しい楽しみを与えてくれます。
目次
『なつぞら』第15週87話あらすじ
なつ(広瀬すず)が初めて原画を務める短編映画の制作が始まった。
脚本家をたてない坂場(中川大志)のやり方に、麻子(貫地谷しほり)は難色を示しながらも、下山(川島明)を中心になつや麻子、新人の動画マンが集まり、ストーリーの検討会が行われる。
互いに意見を言い合いながら物語が少しずつできあがっていく中、今まで口を閉ざしていた新人動画マンの神地(染谷将太)が、突如遠慮なく意見をぶつけてきて…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第15週87話の感想
一久(中川大志)主導のもと、短編映画製作スタート
第86話で、なつ(広瀬すず)の話を聞いた一久(中川大志)は、
「これは、君が作るべき作品です」
と言いました。
一久はこの言葉通り、『ヘンゼルとグレーテル』の企画書を通して、作品制作に取り掛かることとなりました。
そして、監督となった一久は、脚本を作ってからキャラクターを作ったりするのではなく、キャラクターを作画課の人たちと作り、そこから話を膨らませていこうと提案します。
こうすることで、アニメーターが作家にもなり、役者にもなるのだと。
チャレンジという形で、これをやりたいと一久は主張します。
この件についてひたすら否定的だった麻子(貫地谷しほり)は納得のいかなそうな顔をします。
しかし「面白い!」と、声をあげた一人の男がいました。
彼は、新人のアニメーター、神地航也(染谷将太)。
この一言のおかげで、『ヘンゼルとグレーテル』は動き出しました。
麻子(貫地谷しほり)となつ(広瀬すず)
脚本を作らずに、アニメーターにやれという今回の方法。
GOサインが出たからといって、麻子は納得していません。
そこで麻子は、仲(井浦新)の意見を聞くことにしました。
実は、このやり方は短編としては当たり前だった方法なのです。
長編作品では行われません。
つまり、一久は漫画映画の「原点」に戻ろうとしているのだと、仲は考えます。
アニメーションの歴史なんですね、これが!
ただ、脚本がないと麻子は不安な様子です。
それはなぜか。
「自分が何を作っているのかがわからなくなる」
出来上がったシナリオをさらに膨らませるのが今までの仕事。
だからこそ、脚本が欲しいのです。
でも、ならばこれは麻子にとっての挑戦。
これからどうなっていくのかが楽しみです。
麻子はさらに「どうしてなつも作画に抜擢したのか」と仲に質問します。
あんなにきつく当たる麻子ですが、なつの実力や熱意は十分認めている様子。
より成長させたい、活躍を見たいから抜擢したのかと仲に聞いたのです。
仲の答えにはさらにプラスの要素がありました。
なつに作画を任せたのは、麻子自身のためでもあったみたいです。
ふたりが一緒に作画をやれば、お互いにいい刺激になると思った、だから2人に作画をやってみないかと声をかけたのでした。
なつは色々な人に影響を与えますからね。仲は鋭いと思います。
ふたを開けてみると、なつがいることの利点はそれだけではないと思うんです。
どうやらこの現場、麻子が衝突するであろう人物がたくさん出てきそう。
一久とか、神地とか…。
なつという潤滑油が大事になる瞬間がきっと出てきますよ、これは。
異質すぎる新人、神地航也(染谷将太)
キャラクターの分担がされると、なつは“ヘンゼルとグレーテル”を、麻子は“魔女の姿”を描きあげました。
イメージボードができ、ストーリーを作り上げていくのですが、これがまた面白いです!
ヘンゼルとグレーテルが魔女に捕らえられたというところまでは童話通り。
問題はここからです。
魔女から逃げ出したヘンゼルとグレーテル、実は魔女は森の奥にある悪魔の手下で、捕まえた子供たちをそこに連れていこうとするのです。
何度も捕まるヘンゼルとグレーテルですが、ふたりの道しるべであるパンを食べたトリが恩返しとして助けに来てくれたりと…。
あら?トリも重要キャラですか!?
話が少し複雑になってきていますが、ここで再び「面白い!」と神地が声をあげます。
新人がしゃしゃり出るなみたいに言われますが、何でも言えって言ったから言ったまで。
そして続きを所望します。
助かってもまたグレーテルだけ捕まり、ヘンゼルが助けに行くのです!
面白いと言われ、なつも勢いが上がります。
「面白くない」
「えっ」
神地、はっきり言うなあ。
面白い面白くないと思ったことを言うばかりじゃないか?
と思ったら、神地はそこから自分が膨らませたストーリーを語り始めるのです。
「助けるならグレーテル。魔女の元で働きながらヘンゼルを助ける機会を伺う。塔にはツタがあるから、グレーテルがこれを必死に登っていきます」
その姿も、ササッと描きあげてしまう。
鉛筆でさっと描きあげ、なつは驚きますし、より楽しいと思えるように。
では、悪魔の目的は何かと話し合うと、
「悪魔はオオカミを飼っていて、餌となる子供を連れてくるように魔女に命令をしていた」
そのオオカミは戦争の兵器の象徴と考える一久。
話はさらにヒートアップします。
そこからどうやって逃げるの?
「魔女が裏切るんですよ!魔女が悪魔を裏切って、グレーテルの味方になるんですよ!」
なんですかそのシナリオ、こっちまでワクワクするんですが!?
この男、天才なんじゃないだろうか。そう思わされます。
アニメーション、大好きなんですね。
ただ、短編映画のシナリオじゃないです。
新人と思えない発言。
本当に新人ですか…という風格もあります。
鬼才の匂いしかしない神地航也(染谷将太)。君は明らかに…
思ったことをズバッと言い、考えたプランをその場でサラッと描きあげる神地。
生意気な新人は他にもいますが、あそこまで言えちゃう人間は初めてです。
この男、会議が終わるとそのままデスクで思ったシナリオの絵コンテみたいなものを描き始め、それをお茶をしているなつたちに持ってきたのです。
なつを越える行動力。
そして実力も申し分ないです。
大学を出て、能力試験でも断トツ上位。
「使えなかったら捨ててください」
とサラッという神地。
しかし、一久も下山(川島明/麒麟)も、そしてなつも魅了されていきます。
この鬼才っぷり、まるで宮崎駿じゃないかと思いました。
いや、神地こそが宮崎駿なんです!
存在感が異質すぎる、発案するシナリオは誰もを魅了する。
とんでもない人が出てきた。
そう思いますが、この人物こそがアニメーション業界の一端を担う人物になっていくんですよね。
『なつぞら』第15週87話まとめ
本日登場の染谷将太さんが演じるアニメーター・神地航也は、抜群の画力の持ち主で、絵コンテも自分で書いちゃいます。いきなり強めのインパクトを残した神地。これからをお楽しみに!#朝ドラ #なつぞら #染谷将太 pic.twitter.com/EquRGexg3M
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) 2019年7月9日
「魔女が裏切るシーンは?」
「それはこれからです。僕この魔女が大好きなんで」
一久と神地…。
これは高畑勲と宮崎駿の会話ということなんですね。
なつはとんでもない現場にいたんだなあと思えてしまいます。
2人とも、のちには映画監督として多くの名作を世に送り出す重役人物。
そんなふたりに出会ったからこそ、なつは大きく成長できるんだなあと思えました。
今週は見ているこっちまでワクワクしてしまうことばかりです。
次回はどんな展開?
そして『ヘンゼルとグレーテル』はどんなお話になっていくのでしょうか?
非常に楽しみです。
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