『なつぞら』第11週62話は、咲太郎(岡田将生)の所属する劇団「赤い星座」の公演を見たなつ(広瀬すず)と雪次郎(山田裕貴)のお話です。
看板女優である亀山蘭子(鈴木杏樹)の芝居に影響を受けたなつは、アニメーターになるための勉強をさらに極めようとしていきます。
それではさっそくレビューしていきます。
目次
『なつぞら』第11週62話あらすじ
咲太郎(岡田将生)に誘われ、劇団「赤い星座」の舞台を見にいったなつ(広瀬すず)と雪次郎(山田裕貴)。
終演後、二人は咲太郎の案内で主演女優の亀山蘭子(鈴木杏樹)を紹介してもらう。
風車に帰っても、なつの熱は覚めやらず興奮気味に亜矢美(山口智子)に報告。
雪次郎は、周囲が驚くほどに冷静な視点で、物語について語り始める。
そしてなつは、アニメーションの仕上げの新しい仕事であるトレースに挑戦する。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第11週62話の感想
感想がこんがらがる2人
咲太郎(岡田将生)が所属する劇団「赤い星座」の公演を見たなつ(広瀬すず)と雪次郎(山田裕貴)。
演目「人形の家」の大まかなストーリーですが、幼いころから人形のように可愛がられ、結婚した後は旦那さんから人形のように可愛がられている1人の女性が、最終的に自分は人形じゃないと気づき家を出ていくというもの。
その女優を務めていた亀山蘭子(鈴木杏樹)の演技に、なつと雪次郎はただただ見入っていくのです。
終演後、咲太郎の計らいで蘭子に会うことができたなつと雪次郎。
すごかった…しか出てこないなつ。
一方で、普通の人がまるでそこにいるみたいで、普通の人が言いたいことを代弁する力がすごい普通だった、ともはや意味不明な雪次郎。
2人の感想は、かなりこんがらがったものとなりました。
しかし、人は本当にすごいものを見たとき、得てしてそうなるものですよね。
現代では「語彙力がなくなる」なんて言いますが、このときのなつと雪次郎もそうでしょう。
雪次郎(山田裕貴)、語る
咲太郎の演劇話は、風車に戻っても続きます。
あれは「目覚めることがこの芝居のテーマ」だと言います。
長い間、女は家の中に居続けた。それを変えるための運動だという咲太郎。
しかし、雪次郎はシビアな顔で、これを真っ向から否定します。
演劇や文学の目的は、人間の描写、人間を描き出すことです。
それを見た観客も、詩人や哲学者になることができる。
雪次郎が勝農時代に見つけることができなかった答えが、蘭子のお芝居を見たことで見つけることができたのでしょう。
ただそれだけに、雪次郎にはショックなこともありました。
「よく演劇をやめられたわね」という言葉です。
蘭子にそう言われたとき、雪次郎は明らかに固まりました。
雪次郎、君はやっぱりお芝居がしたいんだろうな…そう思いました。
なつ(広瀬すず)、感動を絵に描きたい
その日の夜、蘭子のワンシーンを浮かべながら、白蛇伝のワンシーンを描きます。
しかし、描きたいと思っていても手がついてきません。
それは試験の時にも思っていたことです。
諦めることでもありません。
なつはこれを克服するために努力を続けるのです。
綺麗な線を書こうとするとうまくいきません。
しかし、アニメーターには綺麗な線を描くことは必須!
なので、なつはクリーンナップの練習を重点的にするようになりました。
つまり、清書をすること指します。
色々な人の色々な言葉に影響を受け、なつはまた一歩、成長しようとする姿が伺えました。
トレースに挑戦
白蛇伝の仕上げの仕事が終わると、なつたちには仕事がなくなります。
その間は、非常に暇なのです。
ですが、その間に何もやらないというわけではありません。
仕上課には二つの仕事があります。
ひとつは、なつや桃代(伊原六花)がやっていた彩色。
もうひとつは、トレースです。
トレースとは、作画課からできあがった絵をセル画に描き移す仕事のことです。
これができないと、なつたちがやっていた彩色に行くことができません。
線をまっすぐキレイになぞらなくてはいけないという大変な仕事のため、やれると思う人はいないかと聞かれても、誰も手をあげません。
しかし、やってみたい人という質問に変わった時、なつは恐る恐る挙手しました。
「あなたは作画に行きたいのよね?」
「はい、でも仕上げもできるようになりたいです」
熱意あるなつは、さっそくトレースに挑戦をしました。
魚と大きく「A」が描かれた画にセルを乗せ、慎重に一枚をなぞり終えたなつ。
「もう一枚」
同じものを描かされます。
「もう一枚」
「もう一枚」
「もう一枚」
…誰もが思ったことでしょう。
何枚描くんだ!?
10枚のセル画を完成させたなつ。
そのセル画をすべて重ねて見てみるように言われます。
すると、思った以上に絵がズレており、トレースの難しさを実感させられるのです。
画がズレてしまっては、映画になった時もブレてしまいますからね。
家でクリーンナップの練習をしているといっても、戦力になるにはまだまだ時間と練習が必要となりそうです。
といっても、これで諦めるなつではないでしょう。
自分の実力がどれだけ足りてないかを理解したなつは、これからもひたむきに頑張っていくはずです。
なつの目力はそう言っているので、これからも期待です。
『なつぞら』第11週62話まとめ
なつが挑戦した“トレース”とは、動画の線を崩さないようにセルに写し取る作業のこと。トレースしたセルを何枚重ねてもズレない線を描くには、かなり練習する必要がありそうですね。#朝ドラ #なつぞら pic.twitter.com/ytabo4RgJa
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) 2019年6月11日
帯広で漫画映画を見たなつは、これに魅了され、アニメーターへの道を突き進みます。
それと同じように、雪次郎も東京で芝居を見たことで、やっぱり演劇の道を続けたいと思うようになっているのではないかと思える瞬間がちらほら見えてきました。
「俺は小畑家の一人息子だから…」
と諦めモードになったりもしますが、今回の蘭子の言葉は、やっぱり雪次郎の中に強く響いたのではないでしょうか?
なつが川村屋を離れてからというもの、雪次郎の修業話も出てきませんし。
これはもしや…なんて思ったりもします。
明日はどんな展開が待っているのか、じっくり待ちましょう。
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