『なつぞら』第10週60話では、なつ(広瀬すず)の作画課への試験結果が出ます。
不合格。しかし、今のなつの悩みは、現場で働く仲(井浦新)や井戸原(小手伸也)と同じものです。
そして十勝では、天陽(吉沢亮)と菊介(音尾琢磨)が阿川家に来て、てんやわんや。
2人の三文芝居は、いったいなぜ行われたのか……。
第10週最後にして、十勝の方でも大きな動きがありそうです。
目次
『なつぞら』第10週60話あらすじ
アニメーターになるための試験を受けたなつ(広瀬すず)。
試験の夜、仲(井浦新)や井戸原(小手伸也)、露木(木下ほうか)らが集まり、受験者の描いた絵を採点する。
しかし、なかなか決めきれない。
日が変わり、よくやく決断した仲と井戸原はなつを呼び出し、結果を伝える。
そのころ十勝では、天陽(吉沢亮)が、森の奥深くの小屋へと向かっていた。
それは、弥一郎(中原丈雄)の娘・砂良(北乃きい)の家で…。
出典:NHK
【ネタバレ】『なつぞら』第10週60話の感想
不合格の悔しさよりも、想像に手が追いつかない悔しさ
制限時間内に15枚の動画を描けばいいものの、なつ(広瀬すず)は30枚もの絵を描きました。
しかし、どれもがラフ画状態で、綺麗に書き上げることができたものでも線がブレており、使い物にならないという判断をされたなつ。
ですが、それは絵の勉強をすれば問題のないことです。
それよりも、なつには絵を動かす勘が備わっていることを仲(井浦新)は必死にアピールをしますが、それでもなつの作画課への移動は叶いませんでした。
なつ自身も、自分の絵の下手さに悔やみ、家に帰っても勉強を続けます。
仲と井戸原(小手伸也)から不採用を告げられた時、もっと悔しがると思ったのでしょう。
しかし、自分の実力不足をわかっていたなつは、感情的になることはありません。
仲はなつに聞きます。
「悔しくないの?」
「悔しいです。実力不足で。」
ここで井戸原も聞きました。
「どうして30枚も描いたの?」
それに対するなつの答えは、作画をする二人も持つ悩みと同じでした。
「描いていくうちに、想像が広がってどんどん描きたくなりました。でも、想像に手が追いついてこなくて悔しいです。」
やりたいことはたくさんあるのに、技術が追いつかない。
プロフェッショナルが一度は考える悩みでしょう。この言葉、他の業界でもよく聞く気がします。
なつの想いは、すでにそんな高みへと来ているのです。
仕上課で彩色の仕事をしながらも、なつは作画の勉強をやめません。
ここで諦めるなつではないことは、今までの彼女の生き様を見ていればわかることです。
どれだけ弾かれても諦めない!
この精神、見習いたいですね。
照男(清原翔)が鮭を持ってプロポーズ
冬の十勝、森の奥にある阿川家では、とんでもない三文芝居が始まりました。
天陽(吉沢亮)が阿川砂良(北乃きい)を訪ね、牛乳を持って登場。
すると、菊介(音尾琢磨)が照男(清原翔)が作ったバターを持って出てきました。
天陽と菊介、2人が顔を見合わせると、何やらおかしなBGMが鳴り始めたのです。
「天陽くんでねえの。なんでおめえがここにいるんだ。まさか、砂良さんのことが好きなんでねえの?砂良さんは、うちの照男くんが先に好きになったんだ。お前もそれをわかってるべ?」
「わかりません」
「わかんねえか。わかんねえから、牛乳持ってきたのか。牛乳は真っ白でも、おめえの腹は真っ黒だ。なっちゃんがいなくなったら砂良ちゃんか。大したもんだな」
「なっちゃんは関係ないっしょ」
「それに比べて、照男の腹は真っ白だ。真っ白な想いで砂良さんのことを想っている。一点の曇りもない、十勝晴れだわ」
「砂良さんにはなんもつたわってねぇべ」
この三文芝居、何がしたいんですかね。まだまだ続きます。
「砂良さんがそんな馬鹿な男を相手にするもんかぁ!」
「馬鹿は馬鹿なりに考えんだ!」
すると、また誰かが扉を叩きます。
急いで砂良が扉を開けると、熊が出てきました。
「熊だーー」
と、菊介。茶番です。
砂良は急いで猟銃を構えた弥市郎(中原丈雄)の後ろに隠れます。
しかし、それは熊ではなく、照男(清原翔)でした。
天陽、照男、菊介が三人並び、なんのつもりか……。
「砂良ちゃん、好きです。結婚してください!」
照男は、鮭を差し出し頭を下げます。
すると、両サイドの2人も、牛乳とバターを差し出してお願いしました。
つまり、サプライズプロポーズだったのです。
なつの演技が下手でイラついたと言った天陽ですが、なかなかに棒読みでした。
しかも、お互いの顔を見ることなく、明らかに覚えたセリフを言っている状態…誰が脚本を書いたんでしょうね。
照男のプロポーズの言葉は、これで終わりではありません。
「牛飼いの家に嫁に来てください。酪農家の嫁に来てください。食べることだけは困りません。美味しい人生を約束します。どうか、俺と一緒に生きてください」
良いプロポーズの言葉です。
これに対する砂良は、嫁入り道具に弥市郎の猟銃を持ち、照男を受け入れました。
こんなに馬鹿だと思わなかった……そう言いますが、そんな馬鹿になるほど純粋に好きだということなんですね。
そしてどうやら、この芝居を考えたのは天陽と菊介でした。
いっそあれくらい雑な演技での後押しが、功を奏したのではと思えたりもします。
天陽(吉沢亮)の涙
東京にいるなつは、照男と砂良の結婚の報告を喜びます。
十勝に帰りたい気持ちもあるが、今のなつは振り返らずに頑張るために、みんなに無様な姿を見せないために頑張ろうとしています。
そしてなつは「私はここで生きていきます」と、手紙に添えられていました。
これを見た天陽の表情は、喜びではなく悲しみです。
なつは東京で生きていく。
天陽は十勝で生きていく。
一緒になることはできない、と実感した天陽は涙をこぼしました。
漫画映画を作る夢を叶えるべきだと背中を押したはずなのに…それが自分を苦しめてしまったのです。
好きだからこそ、相手の幸せを想いたいのに、なんだか辛くなりました。
『なつぞら』第10週60話まとめ
照男、砂良さんおめでとう!!弥市郎さんに撃たれなくてよかったですね。サプライズに参加した菊介さんと天陽も一緒に、阿川家でパチリ。#朝ドラ #なつぞら #北乃きい #清原翔 #中原丈雄 #音尾琢真 #吉沢亮 pic.twitter.com/FMZoGn2qA2
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) 2019年6月7日
なつがみんなに会いたいと思うように、天陽もなつに会いたいと思っています。
それはこの週で自分に向けられた色々な場面が、それを助長したと思うのです。
母・タミ(小林綾子)の「なっちゃんのことは忘れなさい」とか、照男と砂良が結ばれたこと、そしてなつの「東京で生きていく」という言葉。
本当なら結ばれたかった、結ばれてほしかったなぁと思えてしまう終わり方。
天陽の涙に同調せざるを得ません。
そして、その想いをなつに伝えることもありません。
なつはまたアニメーターへの道を突き進みます。
次週はどんなことが待っているのか、まだまだ物語は続きます。
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