スティーヴン・キング原作の海外ドラマ『ミスター・メルセデス シーズン2』は、“メルセデス・キラー”ことブレイディが昏睡状態となっているところからスタートします。
しかし、ホッジスとブレイディの対決の続きは意外な方法で始まることになってしまいます。
ホッジスは探偵社ファインダーズ・キーパーズを設立し、ホリーを助手にしてさらに同居まで!
YUKI
- 完全ミステリーだったシーズン1と違い、SFホラー感満載!
- ホッジスは探偵社ファインダーズ・キーパーズを設立!ホリーは助手に。
- ブレイディの入院する病院で相次ぐ不審な事件
それでは『ミスター・メルセデス シーズン2』もネタバレありでレビューしていきたいと思います!
▼前回シーズン1の記事はこちら▼
『ミスター・メルセデス シーズン2』キャスト
ブレンダン・グリーソン / 役:ビル・ホッジス
- 心筋梗塞の発作を起こし入院していたが、復活。現在はリハビリ帰りにブレイディの病室に行くのが日課。
- 探偵社ファインダーズ・キーパーズを設立し、ホリーを助手に雇っている。
ハリー・ドレッダウェイ / 役:ブレイディ・ハーツフィールド(メルセデス・キラー)
- シーズン1でホリーに頭を殴られて以来植物状態となっているが…。
ジャレル・ジェローム / 役:ジェローム・ロビンソン
- ハーバード大に進学するも、新しい環境に馴染めていない様子で成績も落ちてしまっている。
ジャスティン・ルーペ / 役:ホリー・ギブニー
- ファインダーズ・キーパーズで助手として働き、探偵社で受ける仕事の精査、事件の情報収集などを担当している。
- ホッジスの元相棒のピートが急死してしまってからは、ホッジスの自宅で暮らす。
ホランド・テイラー / 役:アイダ・シルバー
- ホッジスの隣人。
- 以前はホッジスを狙っていたが、現在はお互い良い友達関係で落ち着いている。
ナンシー・トラヴィス / 役:ドナ・ホッジス
- ホッジスの元妻。
- ピートの葬式でホッジスと再会し、再び距離が縮まってゆく。
ブリーダ・ウール / 役:ルー・リンクレイター
- ブレイディの親友だったが、シーズン1でブレイディに腹を刺され重傷を負う。
- リハビリをしながら事件のトラウマに苦しむ。
ジャック・ヒューストン / 役:フェリックス・バビノー
- ブレイディの担当医。
- 妻コーラからブレイディに新薬を投与するように頼まれる。
テッサ・フェラー / 役:コーラ・バビノー
- 製薬会社で働くバビノーの妻。妊娠中。
- ブレイディに新薬を投与するようバビノーを誘惑したり脅したりする。
【ネタバレ】『ミスター・メルセデス シーズン2』あらすじ・感想
昏睡から目覚めぬブレイディにご執心のホッジス
シーズン1のホッジスとブレイディの対決で心臓発作を起こしたホッジス。
さらにホリーからメッタ撃ちにされたブレイディも、そしてブレイディから刺されたルーも入院することに。
いち早く退院したホッジスは、リハビリで病院に行くたびに必ずブレイディの病室に寄ってから帰ります。
YUKI
一度は呼吸器を外し、ブレイディをいっそ殺してしまおうか、それが世界平和のためか、とも思うのですが…できない。
以前、ホッジスは「ブレイディの件が片付いたら刑事の真似事はやめる」と言っていました。
この未練は、もしかしたら仕事への未練なのかも知れません。
一度は世間から忘れ去られた孤独な老人が、ブレイディという因縁の敵と再会することで、皮肉にも体の底に眠っていた力が再び沸きはじめてきた。
そして、事件を追ううちに手にしたものは、家族のような人たち。
YUKI
そのくらい、とにかく眠ったままのブレイディにご執心なんです。
そしてブレイディの入院する病院では、不審な事件や事故が起こり始め…ということで、『ミスター・メルセデス シーズン2』はホッジスを取り巻く環境と、病院での出来事が同時進行で進んでいきます。
元刑事のホッジスはファインダーズ・キーパーズという探偵社を始め、ホリーは助手として一緒に働いています。
さらにシーズン2ではホッジスの元妻ドナが現れ、ふたりは接近し始めます。
YUKI
ジェロームは父親の期待通りにハーバード大へ行きますが、こちらは想像していた通り…というワケにはいかず、理想と現実に苦悩し始めるジェローム。
新薬の投与の被験者になったブレイディ
ブレイディの担当医のバビノーは、製薬会社に勤める妻のコーラから、新薬をブレイディに投薬するようにおねだりされます。
コーラの務める製薬会社が開発した脳卒中の薬、ゼータ・コーテックスと中国が開発した薬を調合した新薬は、脳組織を再生させ、そしてそれが叶えばパーキンソン病やうつ病、自閉症にも効果がある薬となる可能性がある、という夢のような薬です。
この薬の被験者にコーラが思いついたのがブレイディでした。
YUKI
そしてブレイディを目覚めさせることができれば、バビノー夫妻はノーベル賞モノ。
うつ病も自閉症も治せる薬なんて、後世に名が残る功績です。
同じタイミングで妊娠したコーラはバビノーに子供をエサにねだったり脅したり…最初は倫理観から投薬を渋っていたバビノーでしたが、ついに根負けしてブレイディへの投薬を密かに開始します。
そして投薬を始めたブレイディは外見はあまり変化がありませんが、内部的に覚醒!!
『ミスター・メルセデス シーズン2』はこのあたりから急に、ホラーや超能力の要素を含んできます。
自分の脳内の中にある住んでいた自宅の地下室で自由に動き始め、パソコンのモニターが外界を繋ぐ目のような存在になったブレイディは、母親や弟、電気屋の店長など、過去に自分が殺害してきた人物と遊んだり語り合ったり。
力を得たブレイディは、地下室から外界の人を操り始めていきます。
力をつけたブレイディが人の脳内を乗っ取り暴れ出す!
ブレイディの世話をしていた看護師の突然の人格崩壊、そして自殺を不審に思ったホッジスはブレイディが脳内は目覚めていると周囲に訴えますが、もちろん信じてはもらえません。
そのまま実験は続き、ブレイディはメキメキと力を付け始めます。
次に乗り移った病院の清掃係のアルを使い、検事補のモンテスの犬を殺して、血文字のメッセージを遺します。
この血文字のメッセージが、モンテスが昏睡状態のブレイディとふたりきりの時に吐き捨てた暴言であったことから、モンテスはホッジスの訴えを信じ、共にブレイディに立ち向かうことになります。
実はここまで何度もブレイディが乗っ取った人物たちから命を狙われてきたホッジスでしたが、それはことごとく失敗。
アルをホッジスの家に忍び込ませ殺そうともしますが、逆にアルはホッジスに殺されてしまいます。
目を覚ましたブレイディ
大量の投薬の結果、ブレイディはついに目覚め、病院を脱走、バビノー夫妻の家に向かいます。
ブレイディは投薬を続けるため脱走後すぐに出頭し、国中を震撼させたメルセデス事件の裁判が始まります。
しかしブレイディとその弁護士は投薬前のメルセデス・キラーと投薬後のブレイディ・ハーツフィールドは全くの別人である、と言い始め、バビノー夫妻もマスコミの記者会見でブレイディの治療を続けることは人類にとって希望である、と力説します。
ブレイディを無罪にするわけにはいかないと、ホッジスとモンテスが目を付けたのは、ブレイディの元親友でもあり被害者でもあるルーでした。
ルーをブレイディに面会させることで、ブレイディが投薬前と変わらない人格を持っていることを証言させようとするこの作戦は、ルーにとっては非常に大きな試練となります。
面会の日、ルーに「母親が死んだ時と、ルーを刺した時は何か感情が動いた」と話し「自分が前と変わっていないと証言してもいい」と話すブレイディ。
これは演技だったのか、それとも本当に別の人間になったのか、ここが『ミスター・メルセデス シーズン2』最大の謎になりました。
目に涙を浮かべながら「君を刺した自分が理解できない」と語るブレイディに大いに動揺したルーは、裁判を前にどう証言をするべきなのか悩みます。
YUKI
ブレイディの場合、有罪であると判決が下れば、極刑。
自分の証言次第で人の生き死にが決まるとなれば、迷ってしまうのも当然です。
ルーの証言とブレイディの最期
証言台に立ったルーは、「人間らしくなり、以前とは確かにブレイディは変わったが、別人ではない」と証言します。
「人は誰でも何か起きれば変わる、自分もブレイディに刺される前と後では大きく変わってしまった、しかし別人ではなく芯は同じ人間なんだ」と言うルーを見つめるブレイディ。
そして証言台から降りて席へ戻るルーは、ブレイディの横を通り過ぎる時に「あんたを許さない」と囁き、ブレイディを銃で撃ち殺すのでした…!
YUKI
ルーは被害者から一転、殺人犯として逮捕されてしまいます。
結局、ブレイディが別人ではないと証言したルーは言わばブレイディへの死刑をプッシュしたことに。
YUKI
後日、ルーがブレイディ殺害に使用した改造銃は、ブレイディがルーに作り方を教えたものだったということも判明します。
世間の反応は「メルセデス・キラーが死んでホッとした」という意見が多数。
YUKI
ブレイディは本当にイイ人になっていたのか?
『ミスター・メルセデス シーズン2』のラスト2話のブレイディに関してあれは演技なのか、それとも本当に改心したのかわからないままの死があまりにも衝撃でした。
YUKI
切り分けられ、“善”と“悪”として切り離されたブレイディ。
ルーが復讐して殺してしまったのは、善の方だったのでしょうか。
その善の部分にこそ、かつては親友だったブレイディがいたはずなのに…なんて残酷なんこと考えるんだスティーヴン・キング!
そして生き残った悪の部分は「ウイルスとなりコンピューターと融合した」とのことですが…ここについてはよく分かりませんでした。
シーズン3ではコンピューターウイルスになってしまった悪ブレディとの対決が始まるのでしょうか。
しかし、キング小説の『ミスター・メルセデス』は3部作となっており、このシーズン2は3部作の中の3番目『任務の終わり』に基づいています。
YUKI
しかしラスト、やっとのことでメルセデス事件との悪縁が切れたかのようなホッジスでしたが、庭で絵を描いているその絵の太陽にメルセデスキラーのマークを書き足してしまっていたり…。
YUKI
『ミスター・メルセデス シーズン2』の原作との違い、『アウトサイダー』との共通点
シーズン1とは大きくジャンルを変更し、超常現象やホラー感満載のシーズン2でした。
YUKI
原作の『ミスター・メルセデス 任務の終わり』には基づいているものの、少々設定変更が加えられているようで、いくつか気になったものをピックアップしてみました。
- ブレイディとルーは親友じゃなかった!
ドラマではふたりはブレイディがメルセデスキラーであることが発覚する前までは親友同士でした。
YUKI
- ホッジスは癌を宣告されていた。
YUKI
- ブレイディの被害者はメルセデス事件の生き残り。
YUKI
以上の3つがドラマ化にあたって大きく原作から変わった点だと感じました。
さらに同じくキング原作のドラマ『アウトサイダー』は『ミスター・メルセデス』と地続き設定になっています。
といっても、双方のドラマに共通するのはホリー・ギブニーの登場くらいなのですが。
私も大好きなホリーが出ているならば、見ないワケにはいかない!ということで視聴しました。
そして『アウトサイダー』版のホリーがこちら。
YUKI
『ミスター・メルセデス シーズン2』キャスト・あらすじ・ネタバレ感想まとめ
MR. MERCEDES. Coming soon to Audience Network. Beware. pic.twitter.com/3BjvCNYreo
— Stephen King (@StephenKing) February 16, 2018
『ミスター・メルセデス シーズン2』は、ホッジスとブレイディの戦いがまさかのブレイディの死、という衝撃展開にて決着となりました。
きちんと法で裁き、死刑台へと送りたかったホッジスにとっては消化不良の結末となったようですが…。
しかし最後にはドナともよりを戻し、敬遠されていた娘にも会えることになり、ブレイディのおかげで取り戻したものはホッジスにとっては大きい!
ファインダーズ・キーパーズに入りたいジェロームは、本当にハーバード大を辞めてしまうのでしょうか?
YUKI
ファイナルとなるシーズン3は、原作では2作目の『ファインダーズ・キーパーズ』に基づき製作されていますが、ウイルスになった悪ブレイディは登場するか、というところも注目したいところですね。