『MOTHER マザー』あらすじ・キャスト・感想!長澤まさみ主演で毒親の実話を描く衝撃作

『MOTHER マザー』あらすじ・キャスト・感想!長澤まさみが初の汚れ役に挑んだ実話を描く衝撃作【ネタバレなし】

出典:『MOTHER マザー』公式Facebook

2014年に実際に起きた“川口祖父母殺害事件”を題材に『さよなら渓谷』、『まほろ駅前』シリーズ、『日々是好日』の大森立嗣監督が描く衝撃作。

2020年に映画デビュー20年となる長澤まさみが今までにない汚れ役を体当たり演技で演じます。

自堕落な母親に振り回されながらも離れることができず、やがて凶行に及ぶ息子を演じるのは本作で俳優デビューを飾る奥平大兼。

共演に夏帆や阿部サダヲ、仲野太賀、木野花、皆川猿時などが揃いました。

村松 健太郎

今回、一足先にマスコミ試写で作品を見る機会がありましたので『MOTHER マザー』の作品紹介&レビューとしてまとめていきたいと思います。現実に起きた事件をベースにしている物語ですが、結末に関してはすでに語られている範囲内にとどめます。

『MOTHER マザー』作品情報

『MOTHER マザー』

(C)2020「MOTHER」製作委員会

作品名 MOTHER マザー
公開日 2020年7月3日
上映時間 126分
監督 大森立嗣
脚本 大森立嗣
港岳彦
出演者 長澤まさみ
奥平大兼
阿部サダヲ
夏帆
皆川猿時
仲野太賀
土村芳
荒巻全紀
大西信満
木野花
音楽 岩代太郎

『MOTHER マザー』あらすじ【ネタバレなし】


シングルマザーの秋子は息子の周平を連れて実家を訪れ、金の無心をしてきます。

その日暮らしで、自堕落な生活を送っていた秋子に実家の両親は愛想をつかし、これ以上貸すお金はないと言って追い返します。

金策に失敗した秋子はゲームセンターでベテランホストの遼と知りあい、意気投合します。

『MOTHER マザー』

(C)2020「MOTHER」製作委員会

秋子は生活保護費を使い切ってしまい、さらに周平を家に残して何週間も遼の地元の名古屋に出かけてしまいます。

村松 健太郎

遼と共に帰ってきた秋子を出迎えた周平の部屋は電気もガスも止められていました。

市役所区職員の宇治田を脅して金を手に入れようとしますが、失敗していまい一家はラブホテルを転々とするように。

村松 健太郎

そんな中、秋子は妊娠してしまいます。

遼は自分が父親であることを認めず、その場を立ち去ります。

秋子は堕胎しないことを決め、ラブホテルの従業員の赤川をたらしこんで、居候として居座ります。

『MOTHER マザー』

(C)2020「MOTHER」製作委員会

数年後、16歳になっていた周平のそばには妹の冬華の姿がありました。

秋子は相変わらずで、パチンコに入り浸る日々を送り、2人の子どもはまともな教育も受けていませんでした。

村松 健太郎

そこで児童相談所の亜矢が、その窮状を見かねて救いの手を差し伸べます。

簡易宿泊所を拠点にした新たな生活は周平に今までにない安定と楽しさに満ちた生活を与えます。

しかし、そこに遼が転がり込んできたことで事態は暗転。

再び、周平は秋子と共に流浪の日々に戻ってしまいます。

金策の当てが尽きた秋子は彼女の実家の存在とそこに住む両親(周平の祖父母)への不満を周平に吹き込んでいき、周平を追い込んでいきます。

『MOTHER マザー』キャスト

長澤まさみ / 役:三隅秋子

  • お酒にもお金にも男性にもだらしのないシングルマザー
  • 息子の周平、さらには娘の冬華が生まれても性格は変わらずやがて、息子を凶行にそそのかす

村松 健太郎

2020年、映画デビュー20年となる長澤まさみが初の汚れ役を怪演。多くの男を虜にする怪しい魅力を持った怪物を演じきりました。

奥平大兼 / 役:三隅周平

  • 秋子の一人息子、離婚した父親とは離ればなれ
  • 奔放な秋子に翻弄されながらも、共依存に近い関係性を築き、そこから抜け出せないままでいる

村松 健太郎

奥平大兼は本格的な演技派本作が初めてとなりますが、とても難しい役どころを全身全霊で演じています。

阿部サダヲ / 役:川田遼

  • ホストで、秋子と内縁関係になる男
  • 後に間に冬華を一度は秋子たちの前から姿を消すものの、数年後何の前ぶりもなく再び姿を現す

村松 健太郎

コミカルな役からシリアスな役まで何でもこなす阿部サダヲ。2019年の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』出演以降、最初の映画となります。

夏帆 / 役:髙橋亜矢

  • 児童相談所の職員で、自身もDV・ネグレクトの体験者

村松 健太郎

是枝裕和監督の『海街diary』で長澤まさみとは姉妹役を演じていた夏帆。今回は子どもの育て方について衝突する役柄になっています。

このほかに、秋子が身を寄せるラブホテルの店員に『タロウのバカ』で大森監督作品に出演済みの仲野太賀やベテランの木野花、名バイプレイヤーの皆川猿時などが顔をそろえています。

マザー

(C)2020「MOTHER」製作委員会

『MOTHER マザー』感想

共依存の親子

『MOTHER マザー』の母子は悪循環の共依存の関係にあります。

マザー

(C)2020「MOTHER」製作委員会

母親の秋子は“母親らしい”ことは何もしてこなかったにもかかわらず、自分が母親であると言いうことに半ば憑りつかれたように固執し続けます。

一方の息子の周平も母親の秋子の更生を願いますが、それが叶わないと分かりつつも母親から離れること、見放すことができずにいます。

村松 健太郎

そんな彼が映画のラストに発する言葉は強烈なインパクトを残します。

長澤まさみの怪演


『MOTHER マザー』の最大の見どころは難役に挑んだ長澤まさみでしょう。

偏った母性を持った怪物を文字通り体当たりで演じています。

2019年も『マスカレード・ホテル』『コンフィデンスマンJP ロマンス編』と『キングダム』と毎回違う顔を見せてくれましたが今回の『MOTHER マザー』でも今までも見たことがないような姿を披露しています。

『MOTHER マザー』

(C)2020「MOTHER」製作委員会

村松 健太郎

2019年は映画賞を受賞することも多く、勢いに乗った形でこの難役に挑んだという感じでしょうか?

延期になっていた『コンフィデンスマンJP プリンセス編』の公開も7月23日(木)に決定し、2020年7月は“長澤まさみ月間”になりそうですね。


村松 健太郎

2020年は他にも『シン・ウルトラマン』が公開待機中ですし、2020年6月に制作がアナウンスされた『キングダム』の続編にも登場してくれそうですので引き続き映画女優・長澤まさみを堪能できそうです。

『MOTHER マザー』あらすじ・キャスト・感想:まとめ

以上、ここまで『MOTHER マザー』をレビューしてきました。

長澤まさみの衝撃的姿が拝めるというだけでも貴重な映画です。

ぜひご覧ください。