『マリッジ・ストーリー』あらすじ・感想!離婚を通して家族の在り方を描くコメディ 【ネタバレなし】

映画『マリッジ・ストーリー』あらすじ・感想! 【ネタバレなし】

出典:Netflix公式YouTube

現在アカデミー賞6部門にノミネートされており、注目を浴びている映画『マリッジ・ストーリー』。

離婚協議中の夫婦をアダム・ドライバースカーレット・ヨハンソンという実力派の二人が演じています。

今話題のNetflix制作の作品でもあり、気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回はこの『マリッジ・ストーリー』をネタバレなしでご紹介していこうと思います。

ポイント
  • 今、大注目の離婚コメディ
  • ダメ夫な雰囲気のアダム・ドライバーが愛おしい
  • 強く芯のあるスカーレット・ヨハンソンが美しい

それではさっそく映画『マリッジ・ストーリー』をレビューしていきます。

『マリッジ・ストーリー』作品情報

作品名 マリッジ・ストーリー
公開日 2019年11月29日
上映時間 136分
監督 ノア・バームバック
脚本 ノア・バームバック
出演者 スカーレット・ヨハンソン
アダム・ドライバー
ローラ・ダーン
アラン・アルダ
レイ・リオッタ
メリット・ウェヴァー
マーク・オブライエン
ジュリー・ハガティ
カイル・ボーンハイマー
ミッキー・サムナー
マシュー・マー
ブルック・ブルーム
音楽 ランディ・ニューマン

『マリッジ・ストーリー』あらすじと感想【ネタバレなし】


幸せな結婚、そして幸せな離婚

円満な離婚を望んでいた一組の夫婦が、離婚協議の現実に戸惑いながらも息子の親権を取り合い、それぞれ悩み、奮闘する姿が描かれた作品。

一人息子のために別れたあとも友人として仲良くしようと試みる二人。

関係が悪化しないように結婚カウンセリングに通うも、妻のニコールは匙を投げてしまいます。

夫のチャーリーは戸惑いながらもニコールのことを信じており、離婚に対しても楽観的です。

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しかし、それも最初だけ。

今まで家族三人で暮らしてきたニューヨークに住み続けたいチャーリーと、新しい生活のためにロサンゼルスに移住したいニコール。

子供の親権争いが始まると、この“住む場所”がとても重要になってきます。

平等で円満に進むはずだった離婚協議は弁護士をたてたことで、お互いを傷つけあい、そして罵りあう、勝ち負けの世界へと発展してしまいます。

一度は恋に落ち、愛し合い、幸せな結婚をし、子供を持ち、家族となった男女。

離婚を決めたからといって、家族として一緒に暮らしてきた時間は消すことができません。

幸せな結婚を経験した夫婦は、幸せな離婚をできるのか。

夫婦とは、家族とは何なのか。

愛のかたちを考えさせられるヒューマンドラマであり、壊れてしまいそうな人間関係をユーモラスに描く離婚コメディです。

愛し合っていたはずの夫婦

主人公となる夫婦役には、アダム・ドライバースカーレット・ヨハンソンという実力派の二人がキャスティングされました。

劇作家としてニューヨークで活躍する夫を演じるのはアダム・ドライバー。

日本では『スター・ウォーズ』シリーズの続三部作でカイロ・レン役を務めたイメージが強いかと思います。

『スター・ウォーズ』では、ハン・ソロとレイア・オーガナの息子でありながらダークサイドに堕ちてしまった悪役という難しい役柄でしたが、圧倒的な存在感と暗く冷たい表情の中に浮かぶミステリアスな雰囲気で、その役を自分のものにしていました。

→関連記事:【アダム・ドライバーって誰?】『スター・ウォーズ』カイロ・レンを演じた超話題の映画俳優を徹底解剖!

『マリッジ・ストーリー』では才能溢れるクリエイターであり、仕事に熱中するニューヨーカー。

子育てを楽しむ良い父親と評されながらも、仕事ばかりで妻のことを気にかけていなかったとして離婚を突きつけられる夫が、だんだんとボロボロになっていく様子を見事に演じ切っています。

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お洒落で几帳面、冷静で何でも一人でできるという役柄から徐々に壊れていくダメダメな姿は、痛々しくも愛おしく、そっと応援したくなります。

夫の劇団の看板女優である妻を演じるのはスカーレット・ヨハンソン。

『アベンジャーズ』シリーズのブラック・ウィドウ役や、日本のアニメを実写化したハリウッド映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』などで、アクションを披露している姿が印象的です。

しかし、『ロスト・イン・トランスレーション』や『そんな彼なら捨てちゃえば?』など、リアルな女性像を演じることでも評価が高く、感情表現の豊かな役柄をごく自然な演技で魅せてくれる存在です。

そんなスカーレット・ヨハンソンが今回演じているのは、若き日に女優としての才能を開花させながらも、自分のキャリアより夫と夫の劇団を優先し、支えてきた妻。

離婚を機に自分の人生を歩みなおそうと、生まれ育ったロサンゼルス、そしてハリウッドへ舞い戻ろうとする芯の強い女性を演じています。

情緒不安定な状態や興奮して激昂する姿、優しい母親の表情、舞台女優としての魅力的な演技と、一人の人間のいくつもの顔を見事に表現していました。

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自分と息子の未来のために傷つきながらも親権を得ようとする姿に引き込まれてしまうでしょう。

結婚生活への未練を拭い切れない夫と、何かと世話を焼きたくなってしまう妻。

もう夫婦ではなくなってしまうというとき、そこから愛さえもなくなってしまうのか。

一度は愛しあい家族となった男女が向き合おうとしたり背を向けてしまったりする、その離婚へのプロセスをアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンが見事に演じています。

一度は”家族”だったということ

『マリッジ・ストーリー』では、一度は恋に落ちた、夫婦だった、家族だったという事実が重くのしかかってきます。

ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープが親権争い中の夫婦を演じた映画『クレイマー・クレイマー』を彷彿とさせる点も多々あります。

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“家族”はいつまでも“家族”である、という現実に向き合うことになるでしょう。

多くの思い出は思い返すと幸せなことばかりなのに、どうしてこうなってしまったんだろう。

どうして別れてしまうんだろう。

どうして可愛い一人息子を取り合うんだろう。

どうして傷つけあっているんだろう。

そんな「どうして」の数々が頭をよぎるのです。

ただ、そうなってしまった現在を変えることも、人の気持ちを変えることも容易ではありません。

同じように、誰かを愛した過去や一緒に暮らした時間を無くすこともできないし、幸せな思い出はずっと幸せな思い出のまま残ります。

それが自分自身を苦しめる要因でも、消えない運命なのです。

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乗り越えられなかったとしても、乗り越えた先に新しい何かがあっても、一度築いた“家族”は消えません

別れることを決めたあとに、壊れてしまいそうな絆をどう留めるのか。

そんな家族のかたちが変わっていく様子を、激しくも優しく描いています。

『マリッジ・ストーリー』まとめ

いかがだったでしょうか。

今、注目の俳優陣をメインキャストに据え、アメリカの離婚問題を丁寧に扱ったコメディ『マリッジ・ストーリー』。

切なくも愛おしくもある家族のかたち。ぜひ、ご自身の目でご覧いただければと思います。

アカデミー賞での結果も楽しみですね!

ここまで映画『マリッジ・ストーリー』についてレビューしてきました。

要点まとめ
  • 幸せな離婚はあり得るのかコメディチックに描く
  • “家族”のかたちを考えさせられるヒューマンドラマ
  • 切なくて愛おしいラブストーリー