文化祭、女子高生バンドのピンチヒッターボーカルは韓国のからの留学生!?
『天然コケッコー』『味園ユニバース』の山下淳弘監督が描く、女子高生の胸アツがたまらない!
『<空気人形』の韓国人気女優ぺ・ドゥナが主演のガールズバンドムービー!
- 女子高生に楽器持たせたら最強。リアル『けいおん!』がここに!女子高生4人組のガールズバンドムービーに心がアツくなる。
- ペ・ドゥナのたどたどしい日本語に胸キュン!こんなに無骨なあか抜けない青春が伝わってくるTHE BLUE HEARTSを聴いたことない。
- 歌は国境を超える!歌の持つパワーに圧倒される、女子高生ってカッコイイ!純粋にそう思う映画。
- 穢れの無い純真さのもつ破壊力、大人が心洗われるような青春ドラマ。
それではさっそく映画『リンダ リンダ リンダ』をレビューしたいと思います。
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目次
『リンダ リンダ リンダ』作品情報
作品名 | リンダ リンダ リンダ |
公開日 | 2005年7月18日 |
上映時間 | 114分 |
監督 | 山下敦弘 |
脚本 | 向井康介 宮下和雅子 山下敦弘 |
出演者 | ペ・ドゥナ 前田亜季 香椎由宇 関根史織 松山ケンイチ 小出恵介 小林且弥 三浦誠己 |
音楽 | ジェームス・イハ |
【ネタバレ】『リンダ リンダ リンダ』あらすじ・感想
いきなり大ピンチ!ボーカル不在、なりゆきで留学生投入!?急造バンドの行く末は…
高校最後の文化祭翌日に迫る…恵(香椎由宇)、響子(前田亜紀)、望(関根史織)の3人はぼー然としていました。
3日後にステージがあるのに、肝心のギター担当は指を骨折、加えてバンド内でケンカが勃発し、ブチ切れしたボーカルが脱退。
女子高生バンドのボーカルが急に空席になってしまいます。
3日後には演奏しなくちゃなのに、バンドが空中分解してしまうというハプニング!
普通なら諦めてしまうのですが、彼女たちは違います。
どうにかして高校最後のステージで演奏をやろうとしますが…ボーカル不在。
どうしてもボーカルが見つからず、3人が自動販売機の前で破れかぶれになって「次にジュース買いに来た人、ボーカルね!」と投げやりに決めようとするシーンが印象的。
何人か訪れますが、決まらない。誰でもいいと言っていたはずなのに…違うんです!
3人の「本当は誰でもいいわけじゃない」というキモチが伝わってきました。
やっぱり、最後の文化祭、精一杯いいパフォーマンスがしたいという秘めた想いが、3人の想いを察した神様が遣わしたように運命の人物が通りかかります。
なぜか留学生のソン(ペ・ドゥナ)がボーカルに…偶然にも思える、必然にも感じる決まり方。
爽やかに熱く濃い女子高生のバンドの3日間が、期待値高めにはじまります!
世代と国境も超えて伝わる熱、THE BLUE HEARTSの曲に感動!
いっぱいの候補の中から、THE BLUE HEARTSを演奏することに決定!
「リンダリンダ」の曲に合わせて楽しそうに飛び跳ねてノッている姿に、一緒にジャンプして歌いたくなりますよ。
いつまでも古くならない、2004年ガラケー世代の心にも響くサウンドに感動します。
ボーカルに大抜擢された韓国からの留学生ソンさんが、初めてTHE BLUE HEARTSの曲に出会う瞬間も必見!
THE BLUE HEARTSは、1987年にメジャーデビューし1995年に解散、日本のロックシーンに衝撃を与えたロックバンド。
メンバーは甲本ヒロト(ボーカル)、真島昌利(ギター・ボーカル)、河口純之助(ベース・コーラス)、梶原徹也(ドラムス)の4人。
ヒット曲は、作中でも演奏されるメジャーデビュー曲の「リンダリンダ」。他には「TRAIN-TRAIN」「情熱の薔薇」などがあります。
いま聴いても、THE BLUE HEARTSは色あせないですよね!
青春ドラマが繰り広げられる中で流れるTHE BLUE HEARTSはピッタリ!
ミュージカル映画のようにも感じるほど、音楽が贅沢に使われているので見ごたえに加え、聴きごたえもある映画です!
ソン達のバンド名は「パーランマウム」、韓国語で「青い心」と決まりました!
3日間限定バンドが始動しだします。
留学生のソン(ペ・ドゥナ)の歌唱シーンが可愛い!
色白のスッと背の高い留学生のソン(ペ・ドゥナ)。
ペ・ドゥナさんは、『ほえる犬は噛まない』という映画に出演していた彼女を見た山下監督の熱望で、出演が決まったそうです。
画面の中での存在感が半端ない女優さん。自然に目がいってしまう魅力的で独特な雰囲気をもっています。
「カタコトの日本語」に癒されますよ。
ソンはヘッドフォンからの「リンダリンダ」に感涙。
バンドのボーカルに決まり、カラオケに練習しに行きます。
映画の中でこの場面が好きという人も多いシーンです!
カラオケのシステムが分からず、店員とワンドリンク制について行われる平行線の押し問答は、微笑ましいシーン。
確かに日本独自のシステムなのかも…と、日本人の視点では気が付かない視点でみることができます。
カラオケでひとり、一生懸命歌って練習するソンの歌がとにかく可愛い!
そのとき歌われた、韓国語バージョンの安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE? 」には驚きました。
さすが平成の歌姫の曲、韓国語で歌ってもカッコイイ!
バンドに加わる前、留学生のソンは近所の小学生しか友達がいないんです…担当する韓国文化を紹介する展示もほとんど先生が作成するという、参加感薄めなソンの文化祭。
恵たちのバンドに参加することによって、つまらなかったソンの文化祭がガラリと変わってくるんです!
受け身だった文化祭が、カラオケシーンで積極的な文化祭に変化を遂げます。
次第に熱を帯び、青春のイイとこいっぱい詰まりだし、ワクワクして見ているこちらも釘づけにしていきます。
それぞれの恋模様…響子(前田亜紀)の恋が愛おしすぎる
ソンが思いがけず告白されたり…恵の元彼が登場したり。甘酸っぱい青春ならではの恋模様も描かれます。
笑いあり、キュンあり、ガールズたちの眩しい部分がみられますよ。
特に響子の恋には共感。
イベントで盛り上がる恋のド定番です!
響子の片想い相手は、クラスメイトの大江一也(小林且弥)、文化祭準備で急接近した2人。
家に電話がかかってきたり、校内でも会話のやりとりが増えたり。
一喜一憂しながらのめり込んで見てしまいました。
演奏の日、告白のチャンスが訪れるのですが…どうなる、響子の恋。
ぜひ、本編で確認してみてくださいね。
イヒヒ、みんなパンツ見えてる~に笑った!
突貫バンド、残り2日。
時間はいくらあっても足りない状況。4人は夜の学校に忍び込みます。
ヒソヒソ話をしながらこっそり侵入…急な階段を上るみんなを見上げて、ソンが「イヒヒ、みんなパンツ見えてる~」と楽しそうに笑いながら言います。
つられて私も笑ってしまいました!そして、ソンが本当に無邪気にはしゃいで楽しそうで、ちょっと泣きそうになりました…よかったなーと心から。
つまらなそうにしていた表情から、どんどん笑顔が増えていく様子に嬉しくなってしまいます。
「メンバーの彼女たちと一緒にいたいから」ととびきりの笑顔で言うソンが忘れられません。
高校生の1日の尊さを感じます。時間の経過とともに馴染んでいく感じがすごくイイんです。
短い時間なのに濃くて素敵な時間ばかりで、演奏を待ち望みながらも、もっと彼女たちを見ていたいと思わせるんですよね。
山下監督の自然な演出がそう思わせます!
マジか!もう演奏時間なのに寝てた…ヤバイ。間に合うのかヒヤヒヤ。
まさかの大事なときにみんな爆睡…とっくに出番の時間が過ぎています。
見ているこちらも焦る中、仲間たちが場を繋いでくれるんです!
繋いでくれるまさかの人物、指ケガした元・ギター担当メンバー今村萌(湯川潮音)の奇跡の歌声が衝撃的。
聴かなきゃ損するレベルです!萌の歌う、スコットランド民謡の「The water is wide」とはっぴいえんどの「風来坊」は絶品。
透明な声に心が洗われるよう、癒しの歌ですよ。
もう1人繋いでくれたのは、軽音部の中島先輩(山崎優子)の弾き語りで聴ける、ユニコーンの「素晴らしい日々」。
低いトーンで歌う素晴らしい日々、沁みます…
外の天気は突然の恵みの雨、ガラガラだった体育館に人が集まってきます。
パーランマウムがびしょ濡れで登場。
間に合ったーーー!ラスト15分、最高のステージがはじまります!!
ステージは最高潮!
遅刻なんてなんのその、楽器を持つと彼女たちは最強です。
女子高生パワーを感じるパフォーマンスは圧巻。
披露するのは2曲「リンダリンダ」「終わらない歌」。
改めて聴くと本当に詩が最高ですよね。
一見、過激な言葉が連なっているように感じますが、青春時代のすこし擦れている心をまんま表現されてる気がします。
一生懸命マイクを握りしめて歌うソンの小さな背中が愛おしく感じました。
自分にも寝ずに熱中した時期があったなーとあの青い時期を思い出して愛おしくなります。
これからこの時期を迎える子たちが『リンダ リンダ リンダ』を観たら、きっとちょっとは有意義な学生生活が送れるんじゃないかと期待させるような映画です。
何かに精一杯取り組むってこんなに「カッコイイ!」ことだってストレートに伝わってきます。
純粋さが溢れているのに、しらじらしくなく大人にもスッと入り込んできます。
冒頭と中盤に入るセリフが深い
それは、文化祭の記録の中に入れ込まれるメッセージとして出てきます。
冒頭のメッセージ「僕たちが子供じゃなくなるとき、それは大人への転身だなんて誰にも言わせない。僕たちが大人になるとき、それは子供をやめる時じゃない。本当の僕たちはどこにいるのか…本当の僕たちはここにきていいのか…本当の僕たちでいられる間、あと少しだけ…」
「僕たちが大人になるとき、それは子供をやめる時じゃない」という部分、深いなと唸りました。
確かに、大人でも子供の部分持っていていいと思いますよね。
というか、大半の大人は「子供」をやめないまま、「大人」になっています。
大人として、子供に「大人」になる事だけを要求してはいけないなと考えさせられました。
中盤メッセージ「僕たちはこれで終わらない。奇跡を待つのは悪いことじゃない。なぜなら僕たちは高校時代を想いでになんかさせないから…いま吹いている風と、明後日吹いている風は果たして同じだろうか…意志と勇気は同じポケットに入れておく。ここは僕たちの王国…」
高校時代って、大人でもいい、子どもでもいい、とても自由な時期。そんな風に思います。
この映画の主人公達は、よくそれを理解していて、そこが羨ましく感じました。
自分の高校時代はもっとガチガチに自分を固めてしまっていたように思います。
この映画に出会えていたら、変わったかも…
もっと楽しく学生時代を生きるヒントが隠されているような素敵な映画であり、大人になった人の心もほぐしてくれるような映画です!
『リンダ リンダ リンダ』まとめ
ペ・ドゥナ、韓国女優で一番好きです。「けいおん!」の元ネタとも言われる映画。#リンダリンダリンダ#好きな美少女映画を教えあう https://t.co/ATLz8Vaape pic.twitter.com/mBFoILgtEE
— クレイ@謝謝台湾🇯🇵🇹🇼 (@KAMIUTA1995) 2019年2月24日
以上、ここまで『リンダ リンダ リンダ』について紹介させていただきました。
- 高校生の文化祭のいいところが全部みられる、高校生のまっすぐなピュアさが最高。
- 名曲オンパレード、耳も喜ぶ映画!大人も子供も胸にグッとくる曲ばかりが聴ける。
- 彼女たちと同じクラスにいるような視点で観ることができる感じ。物語に入り込む感覚が気持ちいい。
- 最後のステージに熱狂、女子高生たちがめちゃくちゃカッコイイ!思わず体を揺らし一緒に歌ってしまった。
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