『窮鼠はチーズの夢を見る』あらすじ・感想!人気BL漫画を大倉忠義×成田凌で映画化!行定勲のエロティシズムさく裂!

『窮鼠はチーズの夢を見る』あらすじ・感想!人気BL漫画を大倉忠義×成田凌で映画化!行定勲のエロティシズムさく裂!

出典:『窮鼠はチーズの夢を見る』公式ページ

心の底から惚れた人との恋が成就することは、その人の人生を大きく変えてしまうことだった。

人を好きになることの喜びや痛みを描いた異色でピュアなラブストーリー。

手掛けたのは“行定エロス”ともいうべき独特のエロティシズムを持つ行定勲監督。

窮鼠はチーズの夢を見る』は、シリアスで激しい感情の起伏を描いたかと思えば、どこかのんびりとしたユーモア(ブラックユーモアになることもありますが…)も交えるなど、行定勲監督の世界の真骨頂を堪能することができる映画に仕上がっています。

村松 健太郎村松 健太郎

今回、一足先にマスコミ試写で作品を見る機会がありましたので、『窮鼠はチーズの夢を見る』の作品紹介&レビューとしてまとめていきたいと思います。基本的にはネタバレはありませんが、原作のある映画なので、一部結末に近い部分にも触れます。

『窮鼠はチーズの夢を見る』作品情報

『窮鼠はチーズの夢を見る』

(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会

作品名 窮鼠はチーズの夢を見る
公開日 近日公開予定
上映時間 130分
監督 行定勲
脚本 堀泉杏
原作 水城せとな
出演者 大倉忠義
成田凌
吉田志織
さとうほなみ
咲妃みゆ
小原徳子
中村久美
国広富之
音楽 半野喜弘

『窮鼠はチーズの夢を見る』あらすじ【ネタバレなし】


大学卒業後、今ヶ瀬渉は興信所で探偵として働いていました。

とある依頼人から不倫調査を請け負うことになり、その調査対象は大学の頃から思いを募らせてきた先輩の大伴恭一でした。

恭一の不倫現場を押さえた写真を携えてオフィスを訪ね、7年ぶりに恭一と再会する今ヶ瀬。

不倫の事実をどうにか隠そうとする恭一に対して、今ヶ瀬は交換条件としてホテルに誘います。

「ずっと好きだった」と想いを告げられる恭一は戸惑いながらも妻・知佳子との生活を守るために、今ヶ瀬のキスを受け入れてしまいます。

『窮鼠はチーズの夢を見る』

(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会

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事は収まったかに見えましたが、懲りない恭一は不倫相手の瑠璃子との不倫を続けます。

しまいには浮気調査を依頼していた知佳子から自分も不倫をしていることを告げられ、離婚することに。

(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会

今ヶ瀬は独り身となった恭一の隙を狙い、新居に転がり込み、なし崩し的に恭一との同居生活を始めることになります。

流されやすい性格の持ち主の恭一は男同士の気楽さも手伝って、同居生活をそれなりに堪能しますが、今ヶ瀬は恭一との関係をもう一歩深めたいという思いに駆られて、恭一の行動を監視・束縛するようになります。

(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会

それを受けた恭一は「付き合っているわけではない」と言い放ち突き放します。

その言葉を受けた今ヶ瀬は怒りと悲しみを爆発させて家を飛び出してしまいます。

いざ、今ヶ瀬がいなくなると心細さをと寂しさを感じた恭一は数日後には食事に誘います。

「好きな人から呼び出された、すぐに飛んでいくタイプ」だという今ヶ瀬は、嬉々として誘いを受け、その後、元の同居生活に戻っていきました。

しかし、恭一が昔の恋人で今ヶ瀬にとっても大学の先輩でもある夏生と再会したことで、二人の関係に大きな変化が訪れます。

(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会

二人の関係を問い質す夏生に対して「初めて会った時から、好きだった」と恭一への気持ちを隠さない今ヶ瀬。

夏生は「自分と今ヶ瀬のどちらと今夜共に過ごすのか」と恭一に迫ります。

恭一は今ヶ瀬に対して「普通の男には無理だ」と言い、夏生と共にその場を去ります。

しかし、夏生との時間も気まずいままで終わり、家に戻ってきた恭一は今ヶ瀬に求められ、関係を持ちます。

今ヶ瀬のとの関係が深まったことに戸惑う恭一、そんな彼に会社の後輩のたまきがアプローチしてきたことで、また今ヶ瀬との距離が生まれることに…。

『窮鼠はチーズの夢を見る』感想

成田凌と大倉忠義で描く新しい男だけの世界

心の底から愛情を注ぐことで、相手の人生観・価値観を大きく変えてしまう、恋が成就することは望ましいものの、自分の側に導くことにどこかうしろめたさを感じる。

そんな相反する感情を持つ今ヶ瀬ナイーブに演じるのがここ数年、映画に出ずっぱり状態の成田凌

主役に回っても脇に回っても毎回違う顔を見せてくれるこの若手俳優は、今回もまた、新しい顔を見せてくれます。

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恭一を演じた大倉忠義今ヶ瀬は女性脳の持ち主と表現していましたが、今作の成田凌は完全にヒロインといっていいでしょう。

相手役となる恭一を演じる大倉忠義は『100回泣くこと』で単独主演後も、どちらと言うと非現実的と言うか、どこかドラマティックで造り込まれた箱庭的な世界観の作品で存在感を発揮するようですね。

ドラマで言えば『モンテクリスト伯‐華麗なる復讐‐』も大仰な世界観の小悪党キャラがはまっていました。

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この二人が構成するマッチョ感のない男の世界では、今時の映画では珍しいくらい女性が添え物になっています。
『窮鼠はチーズの夢を見る』

(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会

時代の流れから、マッチョ感のある男性だけの世界(=女性が添え物扱いの世界)を描く場合には、時代を遡らせぐらいしか方法はありません。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のブラッド・ピットのキャラもあの時代だから成り立つことで、2020年の現代を舞台にした作品で同じようなキャラクター造形をした場合、は女性蔑視とも捉えかねられません。

そんな中で、こういう方法論で、男だけの世界を描くというのは、新しい道筋なのかもしれません。

今泉力哉監督『his』と見比べてみるのも面白いでしょう。

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『窮鼠はチーズの夢を見る』で分かる、行定勲監督のエロティシズム

行定勲監督は、未だに『世界の中心で、愛を叫ぶ』が引き合いに出されることで、爽やかな作風の人と思われているところがあります。

また、吉永小百合主演の大型企画『北の零年』を手掛けたり、監督作品に原作モノが多いことから、職人的な監督という風にも見られがちです。

しかし、実は独特のエロティシズムの持ち主で、それは多くの作品に一貫して貫き通されています。

ナラタージュ』や『リバーズ・エッジ』などかなり濃密な愛情表現を盛り込んだ作品も多く、日活ロマンポルノを復活させた『ジムノペディに乱れる』を2016年に撮り上げたこともありました。


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岩井俊二監督が師匠格と言うのもわかる気がしますね。

2020年公開予定作品で、又吉直樹の同題小説を山﨑賢人松岡茉優で主演で映画化した『劇場』では半ば意図的に愛情表現を削っている感がありましたが、今作『窮鼠はチーズの夢を見る』は男性同士だけではなく男女間の愛情表現もかなり濃密で、行定監督の本質を見た気がします。

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行定監督は大倉忠義成田凌の色気・セクシーさをしっかりと把握したうえで、それを巧く活かし濃密な愛情の物語に仕上げました。

『窮鼠はチーズの夢を見る』まとめ

ここまで『窮鼠はチーズの夢を見る』を紹介してきました。

切なさとエロティシズムが漂う独特のラブストーリーに仕上がっています。

公開されたらぜひご覧ください。