2020年のヴェネチア国際映画祭にて『スパイの妻』で銀獅子賞・監督賞を受賞した黒沢清監督。
その実績から、“もう一人のクロサワ”と呼ばれる黒沢清監督のこれまでの経歴をおすすめの作品を13作挙げながら辿っていきたいと思います。
目次
黒沢清監督おすすめ映画13選
『CURE』
一見すると、全く関連性がないように見える殺人事件。
しかし、遺体に共通してX字の傷が残されるという奇妙な共通点がありました。
刑事の高部は捜査を進める中で記憶を失い彷徨い続ける謎の男の存在を知ることになります…。
村松 健太郎
学生時代から自主映画を作り始め、カルトクラシック映画『太陽を盗んだ男』の現場でプロの映画製作に触れ、ピンク映画で商業デビューした黒沢清監督。
伊丹十三と組んだ『スウィートホーム』では製作の方向性に関して軋轢が生まれ、最終的に裁判沙汰も経験、しかし、幸いにも黒沢清監督はオリジナルビデオという活躍の場を得ることになります。
村松 健太郎
そんな、黒沢清監督の名前が一躍、世界的に知れ渡ったのがこの、1997年の『CURE』でした。
その後、黒沢作品の常連となる役所広司を主演に迎えたサイコ・スリラーで、デヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』の優れたフォロワー作品として、国際的に高い評価を浴びました。
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『回路』
『CURE』の直後に撮った『カリスマ』はカンヌ国際映画祭された黒沢清監督はこれらの実績を基に改めてメジャー体制のホラー映画『回路』を2001年に監督します。
現実世界では爆発的にインターネットが広がり始めています。
一方であの世(=霊界)では死者の魂が、その許容量を超え、死者が現実世界にあふれ出てきました。
さらにインターネットを介して霊界と現実が繋がってしまったことで世界が徐々に崩壊していきます…。
村松 健太郎
村松 健太郎
『アカルイミライ』
漠然として苛立ちを抱えながら生きる青年・雄二。
同僚の守だけが唯一、雄二を制御できましたが、会社の社長を殺したとして守が逮捕されてしまいます。
守が刑務所で自殺したことで、雄二は制御を失い始めます…。
村松 健太郎
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『叫』
東京湾で手口が共通した殺人事件が発生。
刑事の吉岡は捜査を進めますが、現場には彼の指紋やボタンが残されていました。
そして、吉岡の前に赤い服の女の幽霊が現れ、彼を混乱に陥れていきます…。
村松 健太郎
前年の日韓合作ホラー『LOFT』に続いて製作された『叫』はヴェネチア国際映画祭で上映されるなど、黒沢清監督は海外から常に新作が待ち望まれる日本人監督の一人となっていきます。
『トウキョウソナタ』
都内で暮らす佐々木家。
夫婦と3人の子供の5人家族の普通の家庭のようでしたが、それぞれ家族にも言えない秘密を抱えていました。
そして、父親の竜平が会社を解雇されたことから物語が動き始めます…。
2008年の香川照之、小泉今日子が出演したある一つの家族を描いた『トウキョウソナタ』は黒沢清監督にとっては今までにない非ホラー・非サスペンス映画で、新境地を開拓した作品でもありました。
村松 健太郎
『贖罪』
村松 健太郎
ある町に転校してきたエミリ。
地元の小学生の少女4人はエミリと仲良くなりますが、夏休みのある日の午後、彼女たちはエミリの死体を発見します。
彼女たちは犯人を見ていましたが、その顔を思い出すことができませんでした。
それから、15年後、大人になった少女たちが抱き続けてきた罪の意識と、エミリとエミリの母に対する償いが、さらなる悲劇を呼びます…。
村松 健太郎
村松 健太郎
『贖罪』で女性たちの物語を描いたこともあってか、2010年代に入ると黒沢監督作品の中で女性がより大きな存在になっていきます。
村松 健太郎
『回路』や『LOFT』、『叫』でもヒロインの占める割合は多かったのですが、やはり節目は『贖罪』だったと思います。
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『リアル~完全なる首長竜の日~』
浩市は一年前に自殺未遂を起こし、意識不明のまま眠り続ける恋人の敦美の意識に最先端医療技術の“センシング”で直接、潜り込みます。
意識の中で邂逅を繰り返す浩市と敦美。
やがて、現実と仮想の世界の境界線が崩れ始めていきます…。
綾瀬はるかと佐藤健のW主演となった『リアル〜完全なる首長竜の日〜』は映画としては久しぶりのサスペンス・ミステリージャンルの作品であると同時に、久しぶりに邦画メジャーの東宝配給作品と言うこともあり大掛かりなSF要素もふんだんに取り込んでいました。
村松 健太郎
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『Seventh Code』
もともとは2014年の前田敦子の同題楽曲のPVから派生した作品です。
秋子は東京から、かつて一度だけ出会った男・松永を追いかけてロシア・ウラジオストクまで来ます。
しかし、再会した松永は秋子を覚えておらず「人を信じるな」という言葉だけを残して立ち去ってしまいました。
ある日、秋子は松永が現地のマフィアと関わりを持っているらしいという情報を耳にします…。
村松 健太郎
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『岸辺の旅』
瑞希のもとに失踪していた夫・優介が、突然帰ってきます。
しかも優介はすでに「自分は死んでいる」と打ち明けます。
混乱する瑞希ですが、思い出の土地を巡る旅に出かけることに…。
村松 健太郎
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『クリーピー 偽りの隣人』
犯罪心理学者の高倉は、引っ越した先で隣人の西野と親しくなります。
しかし、西野の娘・澪がある日高倉に「西野は本当の父親ではない」と告げられます。
そして高倉は一家が忽然と消えた事件の存在を思い出します…。
村松 健太郎
『クリーピー 偽りの隣人』には西島秀俊、竹内結子、香川照之、川口春奈、東出昌大という豪華なメンバーが揃っているのも注目です。
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『散歩する侵略者』
鳴海の前に数日間行方不明だった夫の真治が、別人のようになって帰ってきます。
勝手に仕事辞め毎日散歩に出かけていく真治。
やがて真治は鳴海に自分は宇宙人で地球を侵略しに来たと語り始めるのでした…。
村松 健太郎
『散歩する侵略者』は長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己が出演し、カンヌ国際映画祭に出品されました。
さらにそのスピンオフドラマで、後に再編集され劇場公開もされた夏帆、染谷将太、東出昌大による『予兆 散歩する侵略者』も発表しています。
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『旅のおわり世界のはじまり』
日本のバラエティ番組の取材のためにウズベキスタンを訪れた女性レポーターの葉子。
慣れない土地で戸惑うことも多いものの、現地コーディネーターや現地の人々との交流によって新しい世界を開き、成長していく姿を描きます。
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『スパイの妻』
2020年ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞・監督賞受賞作。
戦争の足音が確実に迫る神戸を舞台に、ある秘密を知ってしまった男と、その妻が国外脱出を図り、日本軍の暗部を告発しようとします。
2人は迫りくる憲兵の捜査の手をかいくぐり、無事に異国の地へと旅立てるのか…?
村松 健太郎
映画『スパイの妻』作品情報 昭和初期を舞台にして、時代に翻弄されながらも愛と正義を貫いた夫婦の物語が描かれまし……
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黒沢清監督おすすめ映画13選まとめ
- 『CURE』
- 『回路』
- 『アカルイミライ』
- 『叫』
- 『トウキョウソナタ』
- 『贖罪』
- 『リアル〜完全なる首長竜の日〜』
- 『Seventh Code』
- 『岸辺の旅』
- 『クリーピー 偽りの隣人』
- 『散歩する侵略者』
- 『旅のおわり、世界のはじまり』
- 『スパイの妻』
黒沢清監督はジャンル映画にこだわり続けながら国際的な評価を受け続けるという、日本映画界でも稀有な存在となりました。
また、ジャンル映画への強い思いから、映画祭・映画賞の常連監督作品でありながら、素直に楽しめるエンターテインメント作品が多いことも特徴と言えます。
俳優からの支持も多く、複数の作品に出演している常連俳優も多数います。
また、映画の枠にこだわらずドラマシリーズもいくつか手掛けているのも特徴。
『スパイの妻』も含めて、そのドラマが再編集&加工された作品が劇場公開されることも多く、作品が常に高いレベルでキープされていることを感じます。