『老苦』=老いる苦しみのこと。
「さっちゃんは俺たちの妹だ。」
兄(古舘寛治)は弟(滝藤賢一)に衝撃的な情報を打ち明けます。
さっちゃん(芳根京子)にとっての船乗りのお父さんは、兄弟にとってのクズ親父でした。
さっちゃんの思い出を壊すことはできないと、兄弟おやじは3人の関係について話さないことに決めました。
そして、兄弟は施設にいるクズ親父に会いに行くことに。
父親は認知症で、もう2人のことはわかりませんでした。
今回はいつもと違うちょっと真面目なお話です。
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目次
『コタキ兄弟と四苦八苦』前回第9話のあらすじと振り返り
『増上慢苦』=まだ悟りを開いていないのに、開いたと思っておごりたかぶること。
兄弟おやじの前に、『レンタルおじさま ボブ』という強力なライバルが出現します。
ボブ(吉沢悠)は、セミナーを開いておやじ達を集め、セミナー代で荒稼ぎをしていました。
兄弟おやじはそれに対抗し、喫茶店でセミナーを開き、そこそこ人気を集めます。
しかし、それがムラタ(宮藤官九郎)に見つかり、しっかりと怒られてしまいました。
人は身の丈以上のことをするべきではないという教えを受けた兄弟おやじですが、兄(古舘寛治)から弟(滝藤賢一)に衝撃的な情報がもたらされます。
それは、さっちゃん(芳根京子)が自分たちの腹違いの妹だということ。
3人の関係はどうなっていくのでしょうか?
【ネタバレ】『コタキ兄弟と四苦八苦』第10話あらすじ・感想
さっちゃん(芳根京子)は妹
兄(古舘寛治)がご執心だと思っていた喫茶シャバダバのさっちゃん(芳根京子)は、兄弟おやじの腹違いの妹だということが判明しました。
兄によれば、さっちゃんはそのことを知らないし、もちろん船乗りでないということも知らないということです。
5年前、笹谷瑞樹という女性(手塚理美)が兄を訪ねてきました。
彼女は父の愛人でした。
兄は慰謝料などを請求に来たのかと焦りますが、瑞樹は恨み言を言いに来たわけではないと言います。
先日、警察が保護したホームレスが、20年前に瑞樹が渡した婚姻届けを持っていたことで、彼女のところに連絡が来たのだそうです。
写真を確認したところ、父の古滝零士だったということで、瑞樹は零士が入所しているという施設の住所を兄に渡します。
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さて、発明家だと言っていた兄弟の言う『クズ親父』はホームレスになり保護されていました。兄はどんな決断を下したのでしょうか?
さっちゃん(芳根京子)には言わない
瑞樹は娘のさつきに父親のことは何も言わずに育て、5歳の時に船の事故で死んだと伝えていました。
父が船乗り設定になったのは、彼がはじめに言い出したことなのだそうです。
行きつけの店に船の模型が置いてあり、そこから取ったのだとか。そこがシャバダバです。
兄弟は、優しくて頼りがいのある船乗りのお父さんというさっちゃんの思い出を壊してはならないと、2人の秘密を明かさないことにしました。
ましてや、娘を認知さえしなかった男の娘だなんて言えるわけがありません。
しかし、嘘をつくのが大得意な弟(滝藤賢一)ですが、持続性のある嘘をつくのは苦手なため、さっちゃんの顔を見ると言ってしまいそうになります。
「親父にそっくりだ。しまいには逃げ出すんだ全部ほっぽって」
兄は苦い顔をします。
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兄(古舘寛治)とクズ親父
兄は、父親に2~3ヶ月に一度のペースで施設に会いに行っていました。
弟は放っておけばよかったのだと言いますが、兄は長男として無責任なことはできないと返します。
「向こうは親らしいこと何もしてないじゃん」
子供の頃、兄弟の母は度々父と揉めた後は家出をしていました。
その時に連れていくのは決まって弟の方でした。
父も他の女のところへ行ってしまうので、兄は一人残され、一人でご飯を食べていたのです。
それでもなぜそんな親父の面倒を見ているのか、弟には理解ができません。
兄は父に会った途端にそんなことはどうでも良くなってしまったのだそうです。
「会うか?」
兄弟は、2人で父親に会いに行くことになりました。
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たかちゃんの話
クズ親父・零士(小林薫)は車椅子に乗り、施設の職員・みさえをセクハラしながらわがまま放題に過ごしていました。
零士は兄の顔を見て、兄を『弁護士先生』と呼びました。
もう息子のことを忘れているのです。
弟はたまらず父親に恨み言をぶつけます。
「母ちゃんがどれだけ苦労したのかわかってんのか!みさえじゃねぇよ、たかこだよ!」
「たかちゃんか…可愛かったなぁ」
しかし兄は、母の最期の日に逃げ出した弟には、何も言えないと思っています。
「俺だって会いたかったよ!」
弟は、父親に向かってたかちゃんの話をし始めます。
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母の最期の日
たかちゃんはあるクズ男と結婚をして、2人の兄弟を産みました。
兄弟が20歳を過ぎたころ、たかちゃんは病気になり、だんだん弱っていってとうとう寝たきりになってしまいます。
たかちゃんはいつも弟の方をそばに置きたがりました。
それは、弟が父親に似ていたからです。
病気が悪くなり、たかちゃんは色々なことの区別がつかなくなり、弟の顔を見るたびに罵倒するようになったのです。
それは、夫への恨み言でした。
「あんたがいなければ私は幸せだった」
「あんたの顔を見ると反吐が出る」
弟は母の苦しそうな顔を見て、自分が母を苦しめているような気になり、自分がそばにいない方が安らかに終われると思ったのです。
「最期くらい可愛いたかちゃんでいさせてやりたいと思ったんだよ」
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面倒を見る理由
「たかちゃんには幸せになってもらいたかったなぁ。俺と結婚すれば良かったのに」
クズ親父はそうつぶやきます。
彼の心の中にはもう家族がいたころの記憶はないのです。
それでも兄がはじめに会いに行った5年前はまだ少し覚えていたそうです。
兄の顔を見た親父は、俺にはそんな安い鞄を持った息子がいるわけないと言いました。
「あんたの息子が成功するわけねぇだろ!」
兄は自分の胸の内を思い切りぶつけます。
兄が帰った後、親父はこう話していたと言います。
「俺だったらこんな老いぼれ捨てる。あいつは子供の時から真面目で俺にちっとも似てねぇ」
兄は、別に父を許すつもりはありません。
でも、あんなに好き勝手で自由で一生勝てないと思っていた男が、老いて独りぼっちで哀れに見えたのです。
「それだけだ」
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笹谷五月
「俺たちは2人兄弟、さっちゃんの親父は船乗り」
兄弟は喫茶店の前で念を押します。
「こんな気持ちになるのは俺たちだけで十分だよな」
店に入ると、さっちゃんから「弟の娘の六花がレンタルおやじの無料券を使いたいと連絡してきた」と聞いたので、弟はいそいそと出かけていきました。
兄は瑞樹から五月という名前は零士が付けたと聞いていました。
ゼロから生まれる自分の子供には数字を付けると言っていたそうです。
一路、二路、五月。
兄は父に会いに行った時に猛烈に後悔しました。
こんな気持ちになるのは自分だけで十分だと、弟には黙っていることにしました。
そして無職になり、時間を持て余した兄は、婚活でもしようかとパソコンを開いた時、思わず『笹谷五月』と検索してしまったのです。
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まだまだこれから
兄はネットで見つけた五月が働くカフェに、彼女の姿を遠くから見つめていました。
「兄貴でもはたから見たらストーカー」
でも、名乗り出ることはできないのだから、忘れようと努めます。
しかし、しばらくして妹がシャバダバで働いていることを知ります。
兄は見守るぐらいはいいだろうかと、喫茶店に通い始めるのでした。
久しぶりに家族3人で過ごした弟は、妻の有花に「寝たきりのおばあちゃんになってボケて俺のことを忘れても、最期まで一緒にいる」と伝えます。
その夜、兄はムラタ(宮藤官九郎)をレンタルして久しぶりに酒を飲み、プライベートの話をします。
ムラタは猫2匹と老後を暮らしても誰にも怒られない今の生活が気に入っていると話してくれました。
「老後といっても、人生80年だとしたらあと30年。これからです」
「長いな~!」
『コタキ兄弟と四苦八苦』第10話まとめ
#コタキ兄弟と四苦八苦
十話、ご覧いただいた皆様
ありがとうございました…( ˘ω˘ )十話、個人的には百発百中で泣きます🎯
今夜も皆様の感想をお待ちしております。
一話から見直すと、台詞の1つ1つに
「これはあの時の…」と色んな気づきがあるような…
見直せる方、是非見直してみてください‼️ pic.twitter.com/X2JUB4RIo3— コタキ兄弟と四苦八苦 テレビ東京ドラマ24 《次回3月20日(金)深夜0時12分》 (@tx_kotaki) March 13, 2020
『老苦』=老いていく苦しみのこと。
老いていくことは決して悪いことではないですが、色々と変わるものがあるのは事実です。
今回はいつになくシリアスなお話でした。
特に弟が涙ながらに語ったたかちゃんの話は、とても切ない話でしたね。
天真爛漫に育ったさっちゃんは、今は何もない兄にとって唯一の希望なのでしょう。
それは絶対に守りたいですよね。
それゆえに兄妹だと明かせないのは辛いことです。
次回、さっちゃんの元カノをめぐってシャバダバで騒動が巻き起こるようです。
さっちゃんと彼女に挟まれた兄弟おやじの反応は?次回も要チェックです!
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▼次回第11話も続けて読む▼