映画『“隠れビッチ”やってました。』はタイトルから想像できるラブコメディ要素たっぷりの前半部と、女性が過去と向き合い成長していく物語へとガラッと変わっていく後半部とで、全く違った楽しみ方ができる作品に仕上がっています。
- 映画『屍人荘の殺人』、ドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』で注目の女優・佐久間由衣が本作で待望の映画初主演!
- 村上虹郎、大後寿々花、小関裕太、森山未來など人気俳優が共演に集結。
- 前野朋哉、片桐仁、前川泰之、柳俊太郎、戸塚純貴といった豪華な“隠れビッチ”の餌食の面々。
- 『植物図鑑運命の恋、ひろいました』『旅猫リポート』の三木康一郎監督最新作。
- 映画後半部ではポップなタイトルからは想像できない、シリアスなドラマが展開。
今回も公開を前にマスコミ関係者試写会で一足先に作品を楽しむことができましたので、一部ネタバレ要素も含みつつ映画『“隠れビッチ”やってました。』の魅力をお伝えします。
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目次
『“隠れビッチ”やってました。』作品情報
作品名 | “隠れビッチ”やってました。 |
公開日 | 2019年12月6日 |
上映時間 | 112分 |
監督 | 三木康一郎 |
脚本 | 三木康一郎 |
原作 | あらいぴろよ |
出演者 | 佐久間由衣 村上虹郎 大後寿々花 森山未來 小関裕太 前野朋哉 片桐仁 前川泰之 栁俊太郎 戸塚純貴 光石研 渡辺真起子 笠松将 田中偉登 岩井拳士朗 山本浩司 |
【ネタバレ】『“隠れビッチ”やってました。』あらすじ・感想
人気エッセイコミックの映画化
あらいぴろよの実体験を基にした同名エッセイコミックが待望の映画化です。
恋愛テクニックを駆使して男性を好きにさせること“だけ”に全力を注ぐ女性を姿を描いて話題となった『“隠れビッチ”やってました。』。
4コマ形式をベースにした原作を一本の映画にしたのが監督に加えて脚本も担当した三木康一郎監督。
ヒロイン目線だけだった原作に、様々な人物を混ぜることで一つの映画に仕上げました。
注目の若手女優・佐久間由衣、待望の映画初主演!
ただ、男性に好きだと言わせること“だけ”のために恋愛テクニックを駆使する、“隠れビッチ”の荒井ひろみを演じるのが佐久間由衣。
2013年にモデルオーディションでグランプリを受賞以降、映画・ドラマで着々とキャリアを積んだ彼女は映画『屍人荘の殺人』やドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』にも出演。
そんな彼女がついに映画初主演を飾ったのが『“隠れビッチ”やってました。』。
本作の演技で第32回東京国際映画祭で東京ジェムストーン賞を受賞しました。
前半と後半でガラッと変わる物語の絶妙な構成
『“隠れビッチ”やってました。』のタイトルからも伝わるかもしれませんが、映画の前半部はポップなテイストのラブコメディが展開します。
どうやって清楚と色気のバランスを取るのか?
どういうボディタッチの具合がどんな効果を生むのか?といった点がひろみの行動とモノローグで語れます。
時には“デートのはしご”までやってのけるひろみにいいように翻弄されて、思わず告白してしまう餌食(=男性)たちの姿がコミカルに描かれます。
一方で、シェアハウス中の木村彩(=大後寿々花)との恋愛観に関するやりとりも時に、リアルに激しく展開します。
彩はひろみの“隠れビッチ”ぶりを批判しますが、彼女もまた好意を持った男性に重く思われないように想いを伝えず身体の関係が先になるタイプで、そこを突かれると何も言えなくなります。
そんな二人を保護者のように見守るが同居人のバイセクシャルの小島晃(=村上虹郎)。
何かとぶつかりがちの二人を温かく納めます。
“隠れビッチ”なひろみ(佐久間由衣)を変える二人の男性
映画『“隠れビッチ”やってました。』の前半は奔放なヒロイン・ひろみが魅せる、ありとあらゆる恋愛テクニックの場面や、若い同居人たちとの恋愛観に関するやりとりが展開するポップな展開が進みます。
それが“好きと言わせたら終わらせて”きたひろみが二人の男性と出会い、思わぬ形で本気の恋にはまってしまう後半から物語はガラッと展開が変わります。
まずは、バイト先で知り合った美容師志望の安藤剛(=小関裕太)。
今までと同じように恋愛テクニックを駆使して剛に接近するひろみですが、剛は実は自然派型のモテ男で、いつの間にかひろみの方が夢中になってしまいます。
ところが、その剛が他の女性とも親しげにしているところを目撃して、ひろみは激昂してしまいます。
そんなひろみの心を優しく包もうとしたのが、ひろみが働くデパートの社員三沢(=森山未來)です。
一回りほど年齢が違う“オトナ”の三沢の優しさに触れたひろみは今までにない満たされた感を感じます。
ところが、忙しい三沢とは時々すれ違いが起きてしまいます。
そしてその時、ひろみは三沢も驚くほど感情を爆発させてしまいます。
裕太に続き、三沢までも自分を怒らせることに気持ちの収まりがつかないひろみですが、その感情の爆発がかつてDVで自分と母親を深く傷つけた父親と重なる部分に気が付いてしまいます。
ひろみは絶対に否定していた存在と自分が重なったことにショックを受けてしまいます。
今までの“隠れビッチ”=踏み込まない恋愛、人と深く感情を交えないことの原因を突き付けられたひろみは自分の今までとこれからを考えるようになっていきます。
ガラッと変わる映画のブリッジ役を担う森山未來の“普通さ”
このガラッと物語が変わるところで、ブリッジ役を担うのが国内外で活躍する森山未來。
大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』でも若き日の古今亭志ん生を好演中で、プサン映画祭オープニング作品にもなった日本=カザフスタン合作の『オルジャスの白い馬』なども公開待機中です。
舞台や映画で、強い個性を発揮してきた森山未來が映画『“隠れビッチ”やってました。』で演じる三沢は、自他ともに認める“何にもない役”。
三沢が自分には何もないので、とりあえず目の前の仕事・できることを一つ一つこなしていくタイプです。
今までにない没個性のキャラを森山未來がオーラを消して好演しています。
感情の起伏が激しいひろみと対照的で、晃とは別の意味で彼女を包み込みます。
物語の変わり目=ヒロインの奔放の行動の描写から心理描写に代わる部分で、この無個性の森山未來がブリッジ役を担って、映画を破綻させずに一つの大きな縦軸を作ってくれます。
『“隠れビッチ”やってました。』まとめ
本日は公開記念舞台挨拶でした🎉
お足元の悪い中、
ご来場いただいた皆さま、
ありがとうございました😊#今日は三木監督のお誕生日 🎂#明日は立川で舞台挨拶 #隠れビッチやってました #佐久間由衣#大後寿々花 #小関裕太#森山未來 pic.twitter.com/xtXNUu73PK— 映画『“隠れビッチ”やってました。』 (@kakurebitch_jp) December 7, 2019
以上、ここまで映画『“隠れビッチ”やってました。』についてネタバレありで紹介させていただきました。
- 待望の映画初主演!佐久間由衣の魅力が爆発!
- 大後寿々花、村上虹郎、小関雄太といった若手キャストが集結しました。
- 森山未來が今までにない没個性キャラクターを好演しています。
- 監督に加えて脚本も担当した三木康一郎監督が4コマコミックエッセイを一つヒロインの成長物語に昇華させました。
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